セメギャル-僕の彼女は金髪黒ギャルの玲香さん- 作:もすまっく
エレベーターのドアが開いたと同時に様々な光が目へと飛び込み、多くの人達の声や音楽が僕達の肌や鼓膜を震わせる。
「やっぱ広いねーここ」
「人も結構いますね」
そのままエレベーターから降りて進んで行くと、右手側にはクレーンゲームの筐体が並んでいるフロアがあり、右の奥の方にはメダルゲームの筐体が見える。左の方にはリズム系の筐体があり、仲の良いグループらしき人達が大きな声を上げながら盛り上がっている様子が見て取れた。
「玲香さんは何かやりたいやつとかあります?」
「んー、やっぱりたっくんと勝負できるやつがいい」
「勝負ですか?」
「うん!勝った方がなんでも命令できる勝負したい!」
「もう何を企んでるのか丸わかりじゃないですかっ」
「まるでアタシが悪いこと考えてるみたいじゃん!」
「違うんですか?」
「たっくん酷くない?」
「日頃の行いってやつですよ」
「ふーん?ならたっくんは勝ったらアタシにどんな命令するの?」
「え?それはまぁ……普通の事ですよ?」
「へー?普通のこと?例えばどんなこと?」
「た、例えばですか?えーーっと」
「もしかしてこういうことだったり、とか?」
玲香さんはニヤニヤと悪戯っぽい笑みを浮かべながら、何か筒のような物を握った振りをした手をゆっくりと上下に動かした。
明らかに僕のあれをあれしている動きにしか見えない。
「ちっ違います!ていうか人がいるところでそういう事をしないでください!他人に見られたらどうするんですか!」
「たっくんそんなに怒んないでよー」
「別に怒ってる訳じゃ無いんですよ?ただ本当に気を付けて欲しいだけで。玲香さんはただでさえ目立つんですから」
「ふふ、そっかそっか?心配なんだ?」
「そんなの当たり前じゃないですか」
「ごめんね?」
「い、いえ別に謝らなくてもいいですけど……?」
なぜかもの凄く素直なような?とそんな事を考えた瞬間だった。
「そう?じゃあはーい」
僕の目の前でスカートの前面を持ち上げた玲香さん。その中から現れたのは純白の透けた下着……などではなく真っ赤で情熱的な下着……でもなく黒いショートパンツだった。
「―――え?」
笑いを堪えているような顔で僕を見つめている玲香さん。いたずらが成功した事が嬉しくて堪らない、そんな顔だった。
「あはっ、さっきお手洗いに行った時にショーパン下に履いて来ちゃったっ」
突然過ぎて止まっていた呼吸が玲香さんの可愛らしい言い方によって気が抜けてしまい溜息となって漏れ出て行く。
「本当に玲香さんはもう……」
「ふふ、びっくりした?」
「びっくりするに決まってるじゃないですかっ」
「あはっ、成功成功っと」
ニシシッと笑う玲香さんの姿に僕は自然と笑みを零してしまう。いたずらで驚かされたというのに、玲香さんのその顔を見れば怒る気力なんてすぐに何処かに行ってしまうからだ。
「これが惚れた弱みにってやつなんですかね……」
「え?なになに?アタシに惚れちゃったって?そんなの知ってるよ?」
「そんな風に言われるだけでもつい嬉しくなっちゃう辺り、僕はもう玲香さんには勝てないんだろうなぁ」
「あれ?もしかしてたっくん負けを認めちゃう感じ?じゃあアタシの勝ちってことで!どんな命令しちゃおっかなー?」
「いやっちょっと待ってください!今のは違いますから!」
「えー?」
そんなこんなで僕と玲香さんは定番のエアホッケーで勝負をする事になった。でもこの時の僕は忘れていた。玲香さんと僕の体格差というものの存在を。
「よーし、じゃあアタシから行くよ?」
「い、いつでもどうぞっ」
エアホッケーの台を挟んで待ち構えている玲香さんの姿に、僕は完全に飲み込まれていた。どこに打ち込んでも速攻で返される予感しかしない。
「それじゃー、んしょっと!」
玲香さんが打ち込んだ瞬間、僕の下からガシャン!という音が聞こえる。
「―――え?」
「やったー!一撃必殺!」
エアホッケー台のスコアを見ると、しっかりと玲香さんに一ポイント入っている。
「えっいや、ちょっと待ってもらっていいですか?」
「んー?なになに?やっぱ降参しちゃう?」
ニヤニヤしながら僕を見ている玲香さん。
「あの?全然見えなかったんですけど……?」
「たっくんがぼーっとしてるからじゃない?あっ!もしかしてずっとアタシのおっぱい見てたんでしょ!たっくんのえっち!」
そう言って両手で胸を隠す玲香さん。そういう仕草がいちいち可愛いくて素敵だけれど、今はそんな事を言っている場合では無い。
見えない速度で飛んで来るなんて在り得ないはずなのに、今こうして在り得てしまっている事に冷や汗を垂らしていた僕は、胸を隠しているせいで玲香さんの手がマレットから離れている事に気が付いた。
「今だっ!隙あり!」
僕の打ったパックは真っすぐ綺麗に飛んでいき、そのまま玲香さんのゴールへと吸い込まれて行った。そしてゴール時の演出の光と共に僕のスコアにも一ポイント加算され一対一の同点となる。その様子を玲香さんは胸を両手で隠したポーズで固まったまま見つめていた。
「よ、よし取り合えず一ポイント!」
まだ始まったばかりだけれど、一旦は振り出しに戻す事が出来たと胸を撫でおろしていると、正面からとんでもなく強い圧を感じた。
「へー?そういうことするんだ?たっくんって?」
「て、手を離す方が悪い……っていう訳じゃ……ないんですけど……」
ちゃんと言い返そうと思ったけれど、余りに強い玲香さんの圧に日和ってしまう。
「たっくんがそういうことするならアタシにも考えがあるかんね?」
「な、何をするつもりなんですか?」
「んー?別にー?なんかちょっとだけ暑いなーって思っただけだけど?」
そう言いながら玲香さんは閉めていた胸元のボタンをゆっくりと外していき、その豊かな胸の谷間を露わにする。
「あーあっついあっつい。それじゃ続きやろ?」
胸元のボタンを外した玲香さんがマレットを持って少し前屈みになった時、僕はその恐ろしさを理解した。
―――ゆさり、ゆさり。
―――たぷん、たぷん。
目に入るのだ。打って来るその時をしっかりと見ようとすればするほど、僕の視界の中で揺れているそれが目に入って来てしまうのだ。
小麦色をした二つの大きな塊がその重量感を持って左右に揺れる。更には玲香さんの呼吸に応じて上下にも揺れる為、それはもはや視界に対する暴力となっていた。
「ふふ、行くよたっくん?」
玲香さんは最初とは違い普通の速度で打って来た。僕は奥で揺れている理想郷《おっぱい》から何とか目を逸らし打ち返す事が出来た。
打ち返されたパックはまたも真っすぐ綺麗に飛んでいき、玲香さんの目の前にあるゴールへと吸い込まれていく。
「はい残念」
かのように思われたが、突然ゴールが上から落ちて来たおっぱいによって塞がれてしまい、そこに挟まれたパックはその動きを止めてしまった。
「いや玲香さん!?それは普通に反則でしょう!?」
「ごめんね?ちょっと胸が重くて疲れちゃってさ?それでちょっと休憩」
「どんなタイミングで休憩してるんですかっ!?」
エアホッケーの台と玲香さんの大きな胸に挟まれるようにして止まっているパック。ちょっと場所を変われと言いたいところだが今はそんな事を言っている場合ではない。何せ負けたら言う事を聞かなければいけないのだ。
「ふぅ、休憩したから打つねー?」
「いやあのっ玲香さん!?」
こうして始まった隙を見せた方が負けるエアホッケーは、最終的に玲香さんの圧勝で終了した。
そしてその日の夜、僕の前にはベッドに横たわる玲香さんの姿。全てを脱ぎ捨て全てを曝け出している。
しかしいつもと違う点が一つだけ。
「たっくん?来て?」
小さな暖色の光に照らされている体で唯一黒い色をしている部分があった。
それは玲香さんの綺麗でメリハリのあるむっちりとした脚。
黒いニーソックスが肉感のある太腿まで覆い隠し、それがより強い興奮と劣情を僕にもたらしている。
「玲香さん……玲香さんっ……玲香さんっ!」
「―――んぁっ♡……たっくん……アタシの命令……ちゃんと守ってね?」
負けた僕に下された命令。
それは勿論、玲香さんを存分に―――。