攻めギャル-金髪黒ギャルの玲香さんは色々デカイ- 作:もすまっく
「おいしかったー」
ぽすんっと背中からベッドに倒れ込んだ。そしてそのままぼーっと天井を見つめていると部屋のドアがノックされ、少しだけ開いた隙間から玲香さんが顔を覗かせる。
「たっくん?」
「どうしました?」
「たっくんはもうお風呂入ったんだよね?」
「はい、もう入りましたよ?」
「そっかー……。じゃ今日はアタシも一人で入って来るね?明日は一緒に入ろ?」
「絶対に入ります」
「あはっ、じゃあとでね?」
「はい」
あとでと言いながら僕を見つめたまま動かない玲香さん。
「……玲香さん?」
どうしたんだろうと思って見つめ返していると、玲香さんはその大きな胸を揺らしながら足早に僕に近づいて来ると。
―――ちゅっ。
僕の唇に軽くキスをしてくれた。
「ふふ、体、綺麗にしてくるね?」
そして僕の頬を優しくひと撫でしながらそう言ってくれる。
「……はい……待ってます」
「寝ちゃダメだからね?」
「寝ませんよ、っていうか今の玲香さんおキスだけでもう……」
「あはっ、今ので興奮しちゃったんだ?たっくんはやっぱりえっちだなー?」
「玲香さん、行くなら早く行ってくれないとこのまま押し倒しちゃいそうです」
「ふーん?汗臭いアタシを押し倒しちゃうの?」
「いい匂いですよ玲香さんは」
「女の子だって汗かくと臭いんだよ?」
「それがいいんじゃないですか」
「ガチのヘンタイさんじゃん」
「だってえっちしてる時の汗かいた玲香さんの匂い凄く好きなんですよ僕」
「たっくんがいっつもアタシの首筋とか脇の下とかにいっぱいキスして来る理由がわかっちゃったんだけど……」
「体温が上がってムワッとしてる時のあの匂いがいいんです」
「あーあー聞えなーいっ、お風呂行って来るーーっ」
両手で耳を塞ぎながらドアの方へと足早に行ってしまった玲香さんは最後に部屋のドアを閉める際、ベッドの上にいる僕を見つめて微笑んだ。
「たっくんのヘンタイ、あとでいっぱい嗅がせてあげるし」
◇◇◇
玲香さんがお風呂に行ってから少しだけ時間を置いた僕は、玲香さんがいるであろう浴室近くの洗面台の前に来ていた。理由は歯を磨くためである。
一応食事後にすぐお茶を飲んだりガムを噛んだりしていたけれど、やばりちゃんと歯磨きはしておきたかった。なんせ焼肉を食べたあとだ、お口のエチケットが気になるのは当然だと思う。
「…………」
電動の歯ブラシで歯を磨いている僕の耳には、当然すぐそこにある浴室から水の音が聞こえて来る。
そしてその音についつい反応してそっちに目を向ければ、当然目に入るのはカゴに入れられている玲香さんの下着だ。
「…………」
僕の顔がすっぽりと入ってしまう大きさの赤いレースのブラジャーが無造作にカゴの中からこんにちはしている。当たり前のことだけどブラジャーが入っているということはつまり下のショーツも入っているわけで。
いや、と僕は首を振る。いくら僕に甘い玲香さんでもこればっかりは流石に引くかもしれないし、最悪の場合本気で僕に嫌悪感を抱いてしまうかもしれない。
それだけは絶対に嫌だった。玲香さんに嫌われることは今の僕にとって人生が終わるのと同じだ。それくらい玲香さんは僕にとって必要な存在であり、彼女がいない世界など考えられないものとなっていた。
そうして歯を磨きつつひたすら自分の中で葛藤していると、湯船に入って静かになったからか浴室の中にいる玲香さんから声を掛けられた。僕が使っていた電動歯ブラシの音が中にいる玲香さんにも聞こえてしまっていたらしい。
「あれ?たっくん?」
「あっはい、そうです」
「もしかして歯磨きしてる?」
「はいしてます。エチケットってやつですよ」
「そっかー。なーんだ、アタシの下着盗みに来たんじゃないんだ」
「ごほっ!げほっけほっこほっ」
「あれ?その反応もしかして?」
「ち、違いますっ!」
「ふーん?それでホントは?」
「……少しだけ、考えました……けど……」
「あはっ、アタシの汗が染み込んだ下着で興奮しちゃったんだ?」
「…………ちょっとだけ」
「たっくんがヘンタイさんなのは知ってるけど下着ドロはちょっとなー?」
「あの、少し考えてただけで、本当にまだ取ってないですからね?」
「取ってもいいよ?」
「―――へ?」
「別に取ってもいいよ?たっくんがアタシの汗臭ーい下着の臭いを嗅いでもアタシに幻滅しないならね?」
「えっと、え?」
「だからー、たっくんがアタシを臭いって思って幻滅しないならいいよって。嗅ぎたいんでしょ?アタシの下着の臭い?」
「いやまぁ玲香さんがそう言ってくれるのであれば僕としてもやぶさかではないのでちょっとだけ失礼して……」
「いいよって言ってからの切り替え早くない?」
僕は玲香さんが脱いだ下着の入ったカゴに近づき、赤いレースのブラジャーを手に取った。
「今日一日中玲香さんのあの大きな胸を支えていたのがこの……」
ブラジャーの内側の方を指で触れると、長時間玲香さんの汗を吸収していたからか僅かに湿っているような感覚があった。
ここに玲香さんのおっぱいが直に収まり、そしてここで脱ぐまでの間ずっとおっぱいからの汗を吸収し続けていたんだ。そう思った時にはすでにブラジャーの中に顔埋めて鼻から思いっきり息を吸い込んでいた。
玲香さんの汗と体臭と洗剤の匂いがごちゃ混ぜになった香りが僕の鼻の中を突き抜けて行く。
――――――幸せだ。
もう何かそれしか感想がなかった。汗が染み込んだこの下着の匂いも本当に素晴らしいものだった。
だけど僕を何よりも興奮させたのは、許可をもらうことで彼女が脱いだ下着の匂いを彼女のすぐ近くで目一杯吸い込むというこの状況そのものだった。
「ホントに嗅いでるし。ってかたっくんの顔がブラに埋まってるのウケる」
しかし、そんな至福の時を過ごしていた僕の耳に、玲香さんの喜色を含んだような声が届けられた。そしてその声は浴室の中からのくぐもった声ではなく、まるですぐ近くにいるようなはっきりとした声だった。
僕はゆっくりとブラジャーから顔を離し、声のした方へと顔を向ける。
どうやら玲香さんは音を立てないようこっそりと浴室から出て来たらしく、すぐ隣でバスタオルを巻いた状態の玲香さんが僕をニヤニヤとした顔で見つめている姿がそこにはあった。
「それで?」
「……それ、とは?」
「いい匂いだった?それとも臭かった?」
「……えっと、ブラジャーはその、とてもいい匂いでした」
「そっかそっか、でも多分そっちは臭いよ?」
「そっち……?」
「そっち」
玲香さんが指さしたのはブラジャーとセットになっているであろう、赤いレースのショーツ。内側の方には薄っすらと何かの染みが付いている。
「こっちもいいんですか!?」
「ちょっ!たっくん近っ!声デカっ!」
おっと、余りの興奮につい大きな声を出してしまった。
「はぁ、まさかアタシの彼氏が冗談抜きでヘンタイだったなんて」
「いやそうは言いますけど、それじゃあ玲香さんは僕が脱いだやつ嗅いでもいいですよって言われたらどうす―――」
「どこ?たっくんが脱いだパンツどこ?どれ?」
玲香さんは僕の言葉を遮ってもの凄い勢いで食いついて来た。
「……あの?玲香さんもガチガチの変態なのでは?」
「そんなこといいからどれ?」
「えっと、そこのそれです」
「これ?」
「あっはい、それです」
玲香さんは僕がお風呂に入る時に脱いだパンツを手に取ると、ゆっくりと鼻に付けて臭いを嗅いだ。
「……あの?」
何も言わずにスンスンと鼻を鳴らしている玲香さん。何も言わないことに段々と不安になっていると、玲香さんの目がちょっとずつ蕩けていっていることに気が付いた。
「……臭い……けど、いい匂いがする」
いきなり矛盾していることを言い始めた玲香さん。臭いならいい匂いではないのでは?そう思って見ていると、玲香さんは自分が脱いだ赤いレースのショーツをカゴから取り出し僕に手渡して来た。
「たっくんもどーぞ」
「え?あ、はい」
バスタオルを巻いた状態の彼女と一緒にお互いに洗濯前の下着の臭いを嗅がせ合うという状況に戸惑いを覚えつつも、僕は玲香さんのショーツを鼻に近づけてその臭いを嗅いだ。
この時の僕が言えるのはただひとつ。
本気で興奮した。