セメギャル-僕の彼女は金髪黒ギャルの玲香さん- 作:もすまっく
担任の先生が来るまでの時間、騒がしい教室の中で僕は自分の席で窓の外を眺めながら静かに昨日の事を思い出していた。
(玲香さん、すごく……すごかったな)
押し倒された時の彼女の重みや温もり、その体の柔らかさや匂い全てが僕を彼女色に染めてしまった。
触れるところ全てに気持ちよさを感じ、あの雰囲気の中で頬にちゅっとされた時には嬉しくてすぐにキスをし返してしまった。
そしてすぐに気分が盛り上がった僕達はそのまま何度も唇を重ねた。
今までにも何度かしているとはいえ、玲香さんとのキスは驚くほどに気持ち良く、その感触を思い出すだけで顔がとても熱くなってしまう。
そうして一人悶々としていると、ドアを開く音と共に聞き覚えのある声が聞こえた。
「はよー」
「あっ玲香じゃんおはよー」
「よう玲香、おはよう」
次々とクラスの皆から挨拶をされているその声の主はもちろん玲香さんだ。ただ僕の方から挨拶をしに行ったりはしない。
元々教室の隅にいて目立たない僕が同じギャル友達と一緒にいる玲香さんのところへわざわざ挨拶しに行くのは周りのみんなから違和感を持たれるからだ。
「今日は遅かったじゃん玲香」
「ちょっと寝不足でさ、化粧するのに時間かかっちゃったんだよね」
「とか言ってめっちゃ化粧ノリいいの腹立つ」
「なにそれ酷くない?」
でもそれなのにどうしてあんな関係になっていたのかというのはまぁ置いておくとして、学校の中では僕と玲香さんは昨日のようなスキンシップをしたり話したりはしない。
だから僕と玲香さんがあんな関係になっていることは誰も知らない。
もしかしたら母さんは部屋に残った玲香さんの匂いで薄々気が付いているかもしれないけど、それについて直接何かを言われたことがないから実際のところは何も分からない。
友達と話している玲香さんは昨日と変わらずとても可愛かった。
彼女の綺麗に染めている金髪も、僅かに焼けた小麦色の肌の色も、全部が玲香さんの魅力を引き出していて本当に素敵な人だと思う。
そしてそんな彼女の見た目から分かる通り、玲香さんはいわゆる『ギャル』と呼ばれるような見た目をしている。
私立のこの学校では髪の色や制服の着崩しなどは気にも留められない。流石にそれは問題だろうというレベルのことでなければ特に注意もされない。どうしてそうなっているのかというと、それはこの学校が創設された際に残されている創設者の言葉にあるらしい。
『十代で最も多感な年齢の君達には、この三年という短い時間は二度と訪れる事の無い、とてもとても大切な時間だ。
そんな大切な時間をただ勉強にだけ使うのは余りに勿体ない。
教科書を開き、参考書を開き、教師の話を聞き、ただ覚えるだけの勉強をしていれば良いという訳では無い事は君達も薄々理解しているだろう。
勿論、だからと言ってそういった勉強を疎かにしてもいいという話でもない。君達のこれからの長い人生を考えれば、今言った勉強だけでは足りないという話だ。
ただ勉強に励むだけが人生の全てでは無いと知る事も学びの一つ。
君達はもっと沢山の事を学び、三年間の高校生活という大切な時間を心から楽しみ、学び、成長し、より良い人生を送る為の糧として欲しい』と言ったとか言わないとか。
『ピアスをする事も、髪を染める事も、化粧をする事も、制服を可愛らしく着崩す事も。この学校においてはそれら全てが是とされる。なぜならそれは生徒達にとってファッションという名の一つの学びであり、そこから生まれるコミュニケーションは彼等をより柔軟により大きく成長させるためのもう一つの学びとなるからだ』と誰か偉い人から聞いた気もするし聞いてない気もする。
まぁそんなことはともかく、いくら学びを得るためとはいえ男女二人が部屋であんなことをしろとまでは当然だけど言ってない。というか言うわけがない。
でもなってしまったものは仕方がないし、いまさら駄目だと言われても止められるわけがない。
だって僕はもうすでに玲香さんの手によって玲香さん色に染められてしまっているから。
(それに玲香さんって本当にすごく温かくて……いい匂いがして……)
玲香さんを見ながらそんな事をぼーっと考えていたのが良くなかった。
ふと視線を少し下げたところで、玲香さんの着ているブラウスがその大きな胸の膨らみによって今にもボタンが弾け飛びそうなほど苦しんでいるのが目に入ってしまった。
―――ふふ、たっくん触って?
昨日の優しく囁いてくれた声、甘えに甘えた大きな胸の柔らかさ、そして脳を蕩けさせるようないい匂いが僕の記憶から甦る。
その生々しい記憶によって、まるで力を取り戻していくかように硬く大きくなっていく僕のそれ。
それに気が付いた僕は、咄嗟に玲香さんから窓の外へと視線を逃がす。
しかし時すでに遅く、僕の意志とは無関係に硬く大きくなっていくそれを僕は止める事が出来なかった。
「あっ、落としちゃった」
そしてそんな状態の僕のすぐ横で、玲香さんのどこかわざとらしい声が聞こえたことに驚いた僕は、反射的に顔をそちらへと向けてしまう。
するといつの間にかすぐ側に来ていた玲香さんが、落とした何かを拾おうと身を屈めている途中の姿が目に映った。
まるでスローモーションのように迫る彼女の大きな肉付きのいいお尻が、僕の顔を目掛けて押し寄せて来る。
―――ぎゅむっ♡
そして、玲香さんはそのまま僕の顔にお尻をぶつけて来た。
そのお尻の弾力と柔らかさ、一瞬だけ触れたすべもちっとしたお尻の感触に、僕のそれが一気に立ち上がる。ちなみに見えたのは光沢のある紫色だった。
「あっごめんね!ぶつかっちゃった!大丈夫?ごめんね?」
僕にお尻がぶつかった、もといお尻をぶつけて来た玲香さんは心配そうなセリフとは裏腹にその目は悦びに満ちていた。
「ぜ、全然大丈夫ですから。き、気にしないでください」
「たっ、水崎くん優しいねっ!ありがとっ!でもホントごめんね?」
今絶対たっくんって言いかけた。危ないよ玲香さん。
「いえ、本当に何ともないので大丈夫ですから。気にしないでください」
せっかく必死になって鎮めようとしていたものが彼女のお尻による一撃によって、静まるどころか完全に立ち上がってしまった。
今もし僕が席から立とうものなら、違う意味で立ち上がってしまったその膨らみから、玲香さんのみならず教室にいる人全員に気付かれることになってしまう。
(頼むからお前は静かにしていてくれっ……頼むからっ……!)
僕が祈るように必死になってそれを抑えつけていると、彼女は謝る振りをしながら僕に顔を近づけ耳元でボソッと呟いた。
「(たっくんのえっち♡)」
思わず固まってしまった僕を見た玲香さんは、満足そうな表所を浮かべてそのまま自分の席へと向かって行ってしまった。
そんな玲香さんの姿を茫然としたまま見つめていると、席についた彼女がスマホを取り出し弄り始める。
すると、まるで示し合わせたかのように僕のポケットの中にあるスマホが振動し始めた。
(な、なんだろう?何か嫌な予感しかしないんだけど)
片手でそれとなく膨らみを隠しながら、もう片方の手でスマホを取り出し確認すると、そこには予想していた通り玲香さんからメッセージが届いていた。
それを見た僕は恐る恐るそのメッセージを開く。
『教室の中なのにアタシのお尻でおっきくしちゃってるんだ?ヘンタイ♡』
彼女のどこか喜びを含んだ罵倒メッセージに、少しだけ落ち着いて来たはずの僕のそれが反応し、またもその力を取り戻すことになってしまった。