快感の伝播が完全におさまるまでには結構な時間がかかった。
上体を起こしてもらって水分を補給しようとしたが、全身が脱力していてコップも持てないので飲ませてもらう。
毎日のリハビリはすごく辛いが、これはそれ以上だ。
「はぁ。凄かった。想像以上で驚きました…」
「本当に、ごめんなさい」
「テル君ごめん!」
僕の言葉で二人が謝罪する。
「あ、そっちじゃなくて。僕の、男の体の事です。快楽や性欲がこんなに強いなんて。自分で抑えられる気がしません」
「…」
「…」
あれ?
なんだか悲しみを感じる。
「女性はもっと凄いんですよね?自制心の高さを尊敬します」
「…天内君は、特別感度が高いのよ」
「…」
励ますような、哀れむような、なんとも言えない表情だ。
「昨日、直接吸引の回数と増加限界、痛みと快楽の話をしたでしょう?」
「えーと…」
100回程度じゃ意味がなくて、3000回が効果限界で、痛みが快楽に変わっていく話か。
「この快楽の大きさは、直接吸引のせい?」
「ええ」
九条先生が申し訳なさそうに目を伏せる。
実体験を踏まえた上で、改めて補足を受ける。
植物状態で6ヶ月経過すると、目覚める可能性は非常に低くなる。
奇跡的に目が覚めたとしても、ほぼ何らかの障害を抱えており、通常生活への復帰は困難になる。
そのため、天内輝君への搾精も6ヶ月を経過してから開始された。
まさか目覚めるとは思わなかった、そういう話だ。
「監禁時の直接吸引に加え、寝たきりでの直接吸引で増加限界に達した訳ですか…」
「正確には違うわ」
「ここで搾精を継続的に行なった事で、貴方が救出された時点で増加限界に達していた事が確認できたの」
「ああ…なるほど…」
最悪だ。
長期間の拷問の果てに、強姦魔にとって最高の体に改造されてしまったのか。
輝君への追悼の念が高まる。
沈むな。
考えすぎは良くない。
「まともな生活を送る方法を、もっと真剣に考えます」
「私達も考えてるから、一緒に頑張りましょう」
先生は僕の右手に手を添えて微笑む。
ありがたい。
それから1時間ほど、九条先生と雑談や今後の予定を話した。
大事を取って、明後日から2週間かけて搾精器での採取が行われる。
うち、直接吸引は3回を予定、慎重に痛覚や感度の検査も兼ねる。
今まで夢精しなかったのは、エネルギーの大半が体の回復活動に充てられていたから。
夢精せずとも体内で吸収・廃棄がされていて異常では無いらしい。
自然排出が出来たことで、検査に入るべきと判断したようだ。
強引に口淫させられた件については、強姦を避けるための避難措置だったらしい。
危なかったわと、咄嗟のファインプレーみたいにドヤ顔で語っているのが印象的だった。
口姦と、マンコを犯しての直接吸引の強姦とでは、罪の重さがまるで違うらしい。
コンビニ傘の置き引きと、強盗くらいの差がある。
この世界ではそうらしい。
九条先生の方が理性が強く、口内への愛液射出は回避できた。
しかし吸引欲求は避けられず、結果水分の少ない口内を無理やり犯すことになり、僕の苦しみは大きくなった。
水無月さんは口内への愛液射出は気遣いだと自賛していた。
どっちがマシだったか聞かれ、有耶無耶にするのが大変だった。
辛かったけど、九条先生が落ち込んで2度とあれをしてくれなくなっても嫌だ。
そう。
僕はど淫乱になってしまった。
誰にでも惹かれて、誰にでも腰を振る猿になりそうで怖い。
本当にどうしよう。
理性と性欲がアンバランスな事がこんなに辛いとは。
今も減った精子を補充しようとしているのか、下腹部が疼くのを感じる。
知らない感覚がとても怖い。