カウンセリングという名の、ウォルピ女史からの勉強会が続く。
自分だけではなく、相手側、つまり女性に関する性事情も詳しく教えてもらう。
15歳未満は、生理が来ていてもセックス非推奨。
万が一妊娠してしまい出産となると、母体への負担が非常に大きいからだ。
15〜18歳未満は自己責任。
同様に非推奨ではあるが、禁止したとしても性欲を止められる訳がないので諦めともいう。
但し、妊娠・出産した場合、国のサポートが薄く自身や家族の負担が大きくなるため、自主的に避妊する者は多い。
18歳からは、排卵前の性行為が推奨されて、国のサポートが一気に厚くなる。
婚姻状態に関わらず、パートナー男性は、この時期に女性側から求められたら精液の提供は義務になる。
健康状態に問題がないのに拒否すると、女性への性的ハラスメントとなり離婚や関係解消の原因にもなりうる。
20歳からは、排卵前の受精活動が義務化、相手がいなければ人工授精を受ける。(義務は第一子を授かるまで)人工授精の妊娠確率は10%未満と結構低い。
一定期間妊娠しなければ体外受精も選択可能になるが、自己負担も大きい。
途中で出てきた人工妊娠中絶の事情は、前世とは大きく違った。
大半が胎児に障害が見られた場合に半強制的に実施される。
母体の健康に関わらない限り、本人の堕胎希望は通らない。
弱者を支えられるほど社会に余裕はなく、より生命力が強い遺伝子を後世に繋げていく国家体制が取られている。
子育てに関しては前世よりも進んでいるように思えた。
こちらの世界でも日本は先進国だった。
ただ、先進国の意味合いは少し異なり、医療・子育てが重視されている。
勿論、経済が発展しているからこそ可能なのだが、先進国とは社会の持続可能性の高さで測られるようだった。
日本は社会全体で子を産んで育む体制が世界一と評価されているらしい。
逆にいえば、出産・育児を終えた人々は、次の世代の『他人の子供』のために多額の税を納め続ける訳だが、これに対して大きな暴動や反発は生まれていない。国民全体でこれが当然だと受け入れられている。他国から見ればこれは異常で奇跡なのだという。
僕の感覚では感心こそすれ、驚く程ではなかったのだが。
他国と比較すると、保育士・家政婦さんによる児童虐待率は桁が1つ2つ変わってくる。
自分のお腹を痛める女性は、『所詮他人の子供』『自分に子供がいないのに』『自分には男児が生まれなかったのに』といった攻撃性や嫉妬心を強く持つ。
これは動物として当然の感情であるため、たとえ日本人であったとしても変わらない。
なのに何故、日本社会だけ他国よりも安全な子育て環境が形成・維持できているのか。研究結果では、生まれた時からこうした環境で育まれたこと、無宗教・多神教という宗教観が、社会全体の包容力の土台になっているのではないか、と推察されている。
スイートエンジェル事件は、現代日本においてはセンセーショナルな一大事件。
しかし、世界を見渡せば近い事件は幾らでも、今現在もどこかで起きているそうだ。
ウォルピ女史の話が膨らんで脱線してきたので話を戻す。
僕が今聞きたいのはそう言う話じゃない。
「結論としては、14歳の僕でも、栗華さんに毎日手コキやフェラしてあげても迷惑じゃないんですね?」
「キ、キミが彼女にしたいのかい?されたいのではなくて?」
「してあげたいです」
「普通は、嫌がらないと思うよ。けど毎日は…、贅沢すぎないかい…?」
ウォルピ女史がチラリと僕の隣に顔を向けると、栗華さんが真っ赤な顔で俯いていた。
「朝昼夕の3回しても、大丈夫なんですよね?」
「さぁぁんかぁい!? ……な、何事も、程々が良いと思うよ?」
「それは確かに…。すみません、興奮しちゃいました」
こちらの女性は万年発情しているようなものだが、快楽と制欲、吸引が減衰する周期はある。
そう教わったばかりだ。
「僕の精液を吸ってもらっても、栗華さんに迷惑はかからないんですよね?」
「普通は嬉しいだろうね。あ、でも、遺伝子傾向は本人が選ぶから…」
「迷惑じゃない!ぁ、…です」
栗華さんは前のめりになって叫び、すぐに体を戻して小さくなった。
お顔は完全に茹蛸。
「栗華さん、僕に気を使ってませんか?」
「気なんて…したいよ…私も。本当は、色んなこと…」
声ちっちゃ。
さっきからテントを押さえつけて、恥ずかしそうに紅潮している様子がめちゃくちゃ可愛い。
「ウォルピさん、今日は本当にありがとうございました」
僕は立ち上がって深く一礼した。
「いえ、どういたしまして。少しは役に立ててよかっ…」
そしてサッと横に回って、立ち上がったウォルピ女史に肩を貸す。
「ささ、お帰りはこちらです」
「…まるで、追い出される気分だよ?」
戸惑うウォルピ女史を、扉に向かって歩かせる。
「お姉さんちょっと寂しいよ?私たち、結構仲良くなれたと思わないかい?」
「むっ、確かに」
引き摺るように出口まで連れてきたのに、面談時間はまだ少しあるとか妙に粘りやがる。
「…そうだ、ウォルピさん手を」
僕は空いている左手を挙げて、ウォルピ女史にも手を出すように促す。
彼女も恐る恐る同じように手を挙げた。
「うぇ~い!!!」
「うぇ、うぇ~い???」
笑顔でパチンとハイタッチを交わした。
僕らはもうマブだ。
「では、また来週お願いします」
ガラララララ
ガチャ
「~~~♡♡♡」
「~っ♡♡♡」