※この作品はR-18です。

性器が逆転するとは聞いてない   作:momo1ng

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お姉ちゃんなるもの

落ち着かせてゆっくりと話を聞いた。

順番に、何をどう考えてどういう結論に至っていたのか、聞き出すのは中々骨が折れた。

 

僕が部屋に鍵をかけたいと言ったのは、エッチしたくなったというサイン。

ベッドに寝転んだのは、私に全部任せるから早くしてとせがんでいる。

このような解釈がなされた。

 

弟の僕は極精(リミッター)なので、今後はお姉ちゃんとして下のお世話もするつもりでいる。

そのために今、頑張って性技の勉強をしている。

まだ自信がない状態で、思っていたよりも早くこの瞬間が来た。

でも弟は、勃起した私の様子を見て心変わりし、お前じゃ生理的に無理だと拒絶した。

 

『私はお姉ちゃんとして役立たずだ』

 

うーん。

世の中の姉って本当にこうなの?

教えてYO!明日羽さん(アッスー)

 

「兎に角、僕はアリスね…、姉さんにそんな事をさ「そっちがいい」」

お話の途中なんだけど、言葉を被せて遮られた。

 

が、僕は慌てない。まだ慌てる時間じゃない。

アリス姉との接し方にも慣れてきたからね。話があっちこっちに飛ばないよう、言葉を最後まで待ってあげる。反射で言葉を発してはいけない。

肩の力を抜け、リラックスだ。

 

「アリス姉。それかねーねーって呼んで?」

「ねーねーは恥ずかしいよ」

「ならお姉ちゃんでいいよ」

今決めなきゃいけない様な事では無い。が、彼女の目は真剣だ。

 

ふむ。

流れるように『アリス姉』から『お姉ちゃん』に変更され、『お願い』が『許可』に変わったな。

まるで投手と捕手が入れ代わり、投げた軟球は硬球で返されたかのようだ。

 

しかしここに触れてはいけない、ツッコんでもいけない。

ややこしい事になるからな。

要件は聞いた、話を戻そう。

 

「アリス姉に搾精させるつもりはないよ」

「………。私が嫌なら、ちゃんと言って」

お姉ちゃんをスルーしたせいで、少し機嫌が悪くなってしまった。

 

しかし上々だろう、会話は成立している。

 

「そうじゃなくて、アリス姉が大切だからさせたくないの。わかるでしょ?」

「嘘よっ!!ならママがいいの!?」

「誰にもそんな事させないって」

「いやっ!嘘はいや!お願い光琉、嘘はやめてよ!隠し事はしないで!一人で何かしようとしないで!」

アリス姉が発狂してしまった。

何が逆鱗に触れたのか、地雷を踏んだのか、全く分からない。

落ち着け、冷静に。

 

「嘘はついてないし、隠し事もしてないよ」

「じゃあ光琉は誰に頼むの!?」

Who?

 

搾精器、僕的にはあれはバイブと変わらないから、多分手マン同様にオナ中になる。

そもそも、僕はお金を持ってないから買えない。

医療器具って馬鹿みたいに高いって聞いた事があるし。

護衛候補の2人がしてくれるって言ってたから、現実的には彼女達に相談かな。

 

「ほら、やっぱり嘘…、何で、私じゃダメなの…うぅ…」

短い沈黙が誤解を確信に変えたのか、アリス姉がボロ泣きし始めた。

 

僕の頭がアラートを鳴らして、脳がフル回転する。

これはもしや、『光琉は嘘つき』『アリスは役立たず』が彼女の中で成立したのか?

恐ろしく早い誤認定。僕でも見逃しちゃうよ。

 

…ここから立て直せるか?

だがまだ『ごめんね』は使えない。『謝ったということは、僕が悪い(=姉さんの言うことが本当だった/事実だった)と認めた』という、認知の不協和が確実に発動する。

だが、回答にまごついてもいけない、3秒過ぎればゲームセットだ。急げ!

 

「まだ、ちゃんと考えてなかったんだ」

「やだぁ、ぐず…、もう嘘は嫌…うぅぅ」

「アリス姉の事は好きだし、嘘でも無いよ?」

「…ぐず、…好き。…本当に?」

「うん。好きだよ」

そう伝えると、アリス姉は分かってくれたのか、泣き止んでくれた。

 

いま!ここだ!

 

「不安にさせて、ごめんね」

何に対する謝罪かを明確にしてから、ごめんなさいをする。

 

どうだ?やったか?

 

「良かった…」

アリス姉は心底といった表情で安堵した。

 

僕も家族難を逃れて心底ほっとする。

僕は、やり遂げたぞ。

 

「私、上手にセックス出来るように頑張るね」

アリス姉は涙を拭いながら、満面の笑みで言い放った。

 

ねえ、アリス姉。

姉さんの思考回路、どうなってるの?

やっぱり僕、全然わからないよ。

 

「…その話は、また今度にしよう?今日は葵衣さん…、母さんを迎えてあげないと。そうでしょ?」

「…うん。…そうだね。するのは次、だよね」

アリス姉は恥ずかしそうに照れ笑いをした。

 

私ったら、先走しっちゃった、てへ。

とでも言いたげに。

 

僕は今日もまた、未来の僕に、姉の問題を丸投げした。

 

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