※この作品はR-18です。

性器が逆転するとは聞いてない   作:momo1ng

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家族 - 姉を知る

温もりが離れていく感覚で目が覚めた。

 

「起こしちゃった?」

暗がりの中、ベッドから出ようとしていたクリス姐が僕に声をかける。

 

服を掴んでいた僕の手を離して、ベッドから出ようとしていたようだ。

時計に目をやると時刻は6時前。

股の不快な感触に気づいた僕は、一緒に起きてトイレに向かった。

 

寝ている間に異物排出の射精をしていたようで、オムツは酷い有様だった。

お腹も痛い。

それでもぐっすり寝ていられたのは、よほど疲れていたのか、クリス姐がいてくれたおかげだろう。

まだ排出が終わっていないかもしれないので、ビデで綺麗にしてからまた新しいオムツを履いておいた。

 

手を洗ってリビングに戻ると、食事の準備を始めていたので一緒にやらせてもらう。

僕は生まれた時から病院で生きてきて、本や映像の知識だけで外の事は全てが始めての設定だ。不自然にならない様に、逐一教えてもらいながら一緒に台所に立つ。

 

まずはクリス姐から手渡されたほうれん草を洗う。

水を流しっぱなしで洗っていたら、説明しながら自然な流れで水を止められてしまった。

多分、僕が怒られたと感じないように教えてくれたのだと思う。全然嫌な気持ちにならずに、次から気をつけようと思えた。

洗ったら煮立った鍋に入れて終わり。鍋の監視や湯ぎりはさせてくれなそう、包丁もまだ使わせてくれないようだ。

まあ逆の立場なら怖いよな。IHではなくガスだし。

 

「じゃあ次はお米も研いでもらおうかな?」

 

料理なんてほぼ作ったことがないが、流石に米くらいは研げる。

向こうの世界は外食やコンビニ、惣菜、デリバリーなんでも揃っていたから、料理をする必要がなかっただけで、全く出来ないわけではない。

以前はただ面倒だと思っていたのに、二人で料理を作っている行動自体が新鮮で、とても楽しい。

 

炊飯鍋に水を入れて、近くにあったヘラを持って混ぜる。

シャカシャカ、混ぜ混ぜ。

 

「ふふ、それはお米をよそう物だから、手で研ぐの。こうやって」

クリス姐が笑いながら手を伸ばしてきて、指を立てて米を揉み洗いする。

 

米を手で研げる事に軽い衝撃を受けつつ、出来そうかと聞かれて、同じように手揉みで米研ぎをした。

他にあまりできることはなく、卵を割って混ぜたくらい。無理やり褒めてくれたけど、子供でもできるだろうしムズ痒い。言われたところから物を取ったり、テーブルを拭いて箸を並べ、冷蔵庫からお醤油を探してそれも並べたり。手が空いたらもう一度、どこに何があるのか忘れないように、引き出しを開けて確認させてもらった。

 

そうこうしているうちに二人が起きて降りてきた。

僕が手伝っているのを見て、二人が驚いて謝罪を口にする。

もう終わっているから、顔を洗ってくるようにクリス姐が促すと足早に向かっていった。

 

「謝られるのは、寂しいんですね」

ご飯とおかずを並べながら、そんな言葉が溢れる。

 

「ありがとうが多い家に、したいんだけどね」

「ごめんより、ありがとう。…それ、いいですね。そうしましょう」

「じゃあ、光琉にも手伝ってもらおうかな?」

「はい」

一つ、この家での役割が出来て嬉しくなった。

 

 

4人が揃って、初めての朝食を頂いた。

ご飯にお味噌汁、焼き鮭、ほうれん草のおひたし、ひじきの炒め物、だし巻き卵。

ザ・和食の食卓が、まるでドラマやホテルの朝食のようで感動する。

病院でも似た様なものが出てくるが、器の彩りでご馳走に見える。

 

「光琉が初めて作ってくれたご飯、美味しいわね」

それにアリス姉や美雪ちゃんも同意する。

やめて、恥ずかしすぎる。

 

「言わせないでよクリス姐。野菜を洗ったり卵混ぜただけで、味付けも何もしてないのに」

「あら。料理は気持ちだから、本当に美味しくなるのよ?」

 

「美味しいよ、ありがとう光琉」

「ありがとう。光琉…お兄さん」

「~っ!」

思わず美雪ちゃんを見て固まってしまった。

 

「な、何?」

「ありがとうって言われて嬉しいのと、名前を呼んでもらえて嬉しかった」

「それ位…言えるから…」

 

僕が喜んでいる姿を見て、クリス姐とアリス姉が喜んで、美雪ちゃんがなんでと恥ずかしがる。

そんな食卓で食べるご飯は最高に美味しかった。

 

「洗い物もやってみたいです。いいですか?」

「それじゃあお願いしちゃおうかな。アリス、教えてあげて」

「…美雪もできる。スポンジはこれ、その洗剤をつけるの」

シンクに立った僕の横に美雪ちゃんが来て、指示を出し始めた。

 

は、はわわわわわわわわ…。

なにこの子。かわよ。めっちゃかわよ。

お姉さんぶってるの?僕に教えてくれるの?

見た?見てる?クリス姐見てる?

 

僕が感動しながら顔を向けると、クリス姐も嬉しそうに笑っていて、手伝おうとしていたアリス姉は少し不満げな様子だった。

初めての美雪ちゃんとの共同作業、それに食洗機を使わない洗い物も新鮮で楽しかった。皿の底も丁寧に洗うのと、流し忘れないように。美雪ちゃんにも水の出しっ放しを注意された。クリス姐と違って美雪ちゃんには普通に怒られた。

天内家ではお水は大切に使う。よし、覚えたぞ。

 

そういえば学校は?と聞いてみるも、今日は日曜日だったのでのんびりでいいそうだ。

でも暫くしたら友達と遊びに行くらしい。

アリス姉は『光琉が来たばかりなのに自分勝手に』と不満を漏らしていたけど、知らない人といきなり長時間いれば息が詰まるし、徐々にでいいと思う。

アリス姉は美雪ちゃんに厳しそうなので、僕は甘やかしていきたい。

 

洗い物が終わった後は、昨晩脱水したシーツと洗濯物の干し方を教わる。

冬場は外に干せないので、リビングの窓際で突っ張り棒を使っていた。掃除機かけとお風呂掃除は、美雪ちゃんとアリス姉が順番でしているというので、やる時に教えてもらう。窓拭きと玄関の掃き掃除は却下。

僕は庭に出るだけでも護衛を呼ばなきゃいけないので、これに関しては仕方がないと諦めた。

 

テレビの内容はそんなに変わらない気がした。

知らない少女アニメと討論番組、ニュース、旅番組。男も映っていたので、社会進出のしにくさはそこまでないのかもしれない。

男女比1:10の人口比率を考えれば、むしろ多い印象だった。

 

家族の誕生日も聞いた。

一番近いのは3月の母さん、誕生日には退院できるよう願うばかりだ。

クリス姐は12月、アリス姉は9月、美雪ちゃんが5月。

僕の誕生日は少し前に過ぎていたのだけど、母さんとの面会日は僕の誕生日にしてくれていた。最高の誕生日プレゼントだったのだ。

 

 

美雪ちゃんが遊びに出て行った後は、昨日の反省会。

アリス姉と僕から聞いた話を、お互いに齟齬が生まれないように、クリス姐が間に入りながら話をする。

口に出していないくて相手に伝わっていない想い、お互いがどんなことを考えていたのかを僕らに理解させる。

 

アリス姉はどうやら、僕を依存させたいらしい。あっちこっちで発情して誰ふり構わずセックスしない様に、これからはずっと自分の体を性の捌け口にして欲しいと言う。

僕の姉さん、覚悟が決まりすぎだと思う。

 

「僕もそのうち恋愛して好きな人ができるから、アリス姉はそこまで背負わなくていいよ?」

「嫌。光琉は私が大好きでしょ?私も光琉が大好き。だから恋人は作らなくて良い」

「アリス姉は家族の好きだから、恋愛とは違うよ?」

「昨日は私の事、ちゃんと女として好きって言ってくれてた」

「あれは、性欲のせいで言い過ぎて…」

我ながら最低の弁明。

 

確かにあれは家族への愛としては度を超えていた。でも度々ああなってしまうのが僕なのだ。

 

「びっくりしちゃったけど、でも、凄く嬉しくて…、気持ちよくて…。私は、女としても光琉が好き。他の誰にも渡したくない」

まさかのどストレートに告白された。

 

姉から。

なのに、胸のドキドキが止まらない。

 

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