「それって、恋人になりたいって意味?」
「私が就職したら結婚する」
まさかの求婚だった。
したいじゃなくてする。なのがアリス姉らしさを感じる。
でも嬉しいな。
美人から告白されて、普通にときめいてしてしまった。
真剣な表情のアリス姉はとても綺麗で、胸のドキドキがまだ止まらない。
「…ありがとう。だけど、僕はまだアリス姉の事も、他の人とかもよく知らないし」
「私が大好きって嘘だったの?」
「嘘じゃない」
「嬉しい。私も光琉が大好き」
アリス姉は両思いでハッピーエンドみたいな、幸せな雰囲気を出している。
あれ?なんで?
「アリス」
クリス姐が静かに、でも迫力のある声で僕らの視線を集める。
「光琉はまだ病院を出たばかりなのよ。好きと愛してるの違いも、これから経験して知っていくの。あなたが光琉を縛るのは許しません」
「なんで!!!ママは光琉が危険な目に遭ってもいいの!?」
アリス姉が立ち上がって激昂した。
「座りなさい」
「光琉は私の弟なの!」
「座りなさい」
「光琉は私がずっと守るの!」
「座りなさい」
「光琉は私の事が大好きなの!」
「座りなさい」
「………」
クリス姐は静かな怒りを伝え続けて、興奮しているアリス姉を渋々と座らせた。
すげえ。
やっぱ姐さんぱないっす。
「光琉が危険な目に遭わないように、私たちが居るのよ。護衛の方も。安全に暮らしてもらうことと、家の檻に閉じ込めておくのは違うの。あなたも、それはわかっているでしょう?」
「……だって、…やだ、…怖い。また!またあんな事になったら!」
「ならないように見守るのよ」
「…やだ…やだ…やだ!私は絶対に嫌だからっ!!」
「アリス…」
クリス姐が叱るに叱れない、困った表情を見せる。
僕への好きは、輝君の事が関係していそうだ。
恋愛の好きというよりも、庇護欲や恐怖心から来ているものかもしれない。
「アリス姉が血の繋がってない家族って知った時、少し怖かったんだ」
「そんな、なんで…」
アリス姉が、信じられないという表情で目を見開く。
私ほどあなたを大切に思っている女はいない、とかかな。そういう自負心を感じる瞬間はある。
「でも、アリス姉は僕を凄く大切に思ってくれてた。血が繋がってなくても、家族で、姉さんで、異性としても好きと言ってくれて、本当に嬉しい」
「なら私とっ…」
「だからこそ、仲良くできる人は外にもいると思うんだ。血が繋がってなくてもね。大人になったらちゃんと働きたいし、ずっとアリス姉に守られて家にいるわけにはいかないよ?」
「でも………わかるけど………でも………」
アリス姉は納得した様子ではないけど、話は聞いてくれた。
「ハァ~、…あのねぇ。今の光琉は可愛い弟だけど、これから格好良くて素敵な男性になるのよ?家にいるだけの子供みたいなおじさんになったら可哀想でしょ?」
「ぐっ…」
元々20代のおっさんだった自分に大ダメージが入る。
最近すっかり忘れていたけど、ヘラつくおっさんとかキツすぎる。
でも今は体が子供、精神年齢も低下気味。この世界なら許される筈…。
「………他の女に、キスはしないって約束して」
「なんで?」
「それは恋人にするものだから。私以外にはしないで」
なるほど。わからん。
今の会話でアリス姉は僕の恋人に昇格したのか?そもそも何故今の流れでキスの話になった?
それに、僕はキス魔の自覚がある。性欲が強まっている時にキスをしない約束は不可能に近い。
「光琉が女を誑かしてたら守れない」
「ぐぅ…」
唐突に正論パンチを喰らう。
誑かすつもりはないけど、九条先生からきついお叱りを受けたばかりだ。僕の距離感は相当おかしい。気をつけるのは当然としても、今後出会う人達に対してどこまでやれるかは、僕自身が予測できない。性欲が高まると僕の脳はしゅきで一杯になってイカレてしまう。
学校に行けた場合、女子高生に囲まれて欲情しないという自信もない。誰一人好きにならないなんて事もないだろう。
「欲情しないように努力するし、誑かさないように気をつける」
「気をつけるじゃなくて約束して」
淫乱極まりない最低な返答。
僕の曖昧な回答に、アリス姉は当然納得しない。でも嘘で誤魔化しても意味がない。
「毎日別の女に抱かれる。
なんて事になりそうなら、私にも考えがあるから。
本当に気をつけてね?」
「はい!!」
クリス姐の目が怖くて、脊髄反射で返事をした。
笑顔が怖いってこういうのを指すのか。
アリス姉は、この人によく反抗出来るな…。
僕とアリス姉の話は一旦これで終わり。
二人だけだと僕はずっと誤魔化したり逃げていただろうし話せて良かった。少なくともアリス姉に対する気まずさはグッと減った。
めでたしめでたし。
とはならず、次の話が始まった。
僕の性欲以外の欲求の話だ。
これも正確には性欲が絡んでいるんだけど、ムラムラの限界が来なくても僕は常時、かなり人肌を欲する。九条先生からクリス姐へ、その辺りが注意事項として伝えられていて気をつけるよう言われたらしい。
僕が病院にいた時、女性の側でどういう気持ちになっていたのか、具体的に何をしていたのかを聞かれた。流石に刺激的な部分は隠しつつ答えた。
「じゃあ今も、昨日からずっと、私たち相手に我慢してるの?」
「…我慢というか。…はい、我慢はしてます」
正直、相当耐えている。
「私とアリスだとしたい事が違うのね?」
「気分にもよりますけど、人によっても違いはあります」
「試しに、光琉が私にしたいように接して貰える?」
「それは申し訳ないので。こうして自制もできてますし」
「気兼ねなくさせてくれる人がいた時は、していたのでしょう?」
「まあ…。それは…はい…」
「気を許した相手に光琉がどんな行動を取るのか体験しておかないと、される女性側の行動も予測できないわ。してちょうだい」
「……はい。…では、失礼します」
僕はソファーに座っているクリス姐に跨って抱きついた。
「~っ、…こ、こうしていると、落ち着くの?」
「頭を撫でたり、抱きしめて欲しいです」
「こ、こう?」
クリス姐に包まれて、僕は首筋に顔を埋める。
首に吸い付いて、はむはむ、チロチロ舐め回す。
「んっ…。だめっ、んんっ…。わ、わかったわ、もう良いわよ、あんっ…光琉、もうおしまい」
顔を離して見上げると、普段はかっこいいクリス姐が艶っぽい表情で僕を見ていた。
唇が近い。
チューしたい…。
「それはダメっ!」
ふらふらと唇に吸い寄せられそうになったところを、アリス姉に引き剥がされた。
「───暫くしてたら、満足はするんですけど」
「旦那がいたから、平気だと思ったんだけど…」
クリス姐が頬を染めて乙女の仕草をするものだから、膣キュンしてマン汁が流れる。
こういうのは余裕の笑みで流して欲しい。
その表情をされると、僕もムラムラしてくる。
それにクリス姐の首筋からは、大人の女性を感じさせる妖艶な匂いがした。
ブパッ
膣をキュンキュンさせていると僕のお股から凄い音が鳴った。
思わず股を押さえてオナラじゃないと弁明する。
刺激で精巣口が開いてしまい、昨晩の愛液の残りが出てきたのだと思う。
「ごめんね。私のせいだよね?まだ辛い?」
「大丈夫。なんかスッキリしたから、今ので最後な気がする」
気持ち悪い腹痛がなくなった下腹部を撫でる。
「…じゃあ、次は私にもしていいよ」
アリス姉が照れながら、手を広げておいでのポーズをとった。
なんか、これだとアリス姉がして欲しい事な気がする。
でも、僕がアリス姉にしたいのはそれじゃない。
「ここ、横になって膝に頭乗せて」
ぽんぽんと太ももを叩いて来るように促す。
アリス姉は戸惑いながら広げていた手を下ろして、促がされるまま僕に膝枕される。
「な、なんで?」
頭を撫でると、アリス姉は困惑して身じろぎする。
「ずっと頑張ってるアリス姉は、甘やかしてあげたくなる」
「光琉が弟なのに…」
「弟だから」
頭を撫でながら、伸ばしっぱなしのストレートの金髪に触れる。
ちょっと毛先が痛んでる。
手入れに頓着がないのか、アリス姉も普段から忙しいのか。
「僕のために沢山考えてくれてて嬉しかった。アリス姉、ありがとう」
「そんなの、お姉ちゃんなんだから当たり前…」
起きようとするので、黙って膝枕されるように抑える。
そうなんだ。
搾精の事なんかよりも先に、僕はこれをちゃんと伝えなきゃいけなかったんだ。
「僕を家族に迎えてくれて、ありがとう」
「美雪ちゃんを見ててくれて、ありがとう」
「僕は皆んなと家族になれて嬉しいよ。ありがとう、アリス姉」
一つ一つ感謝が伝わるように
思っていたのに伝えていなかったことを、ちゃんと伝えられた。
「アリス姉が、僕の姉さんで良かった」
最後にそう言うと、アリス姉は体勢をこちらに変えて、僕の腰にしがみついて顔を埋めた。
震える背中を撫でていると、クリス姐も手を重ねて一緒にアリス姉の背中を撫でた。
「クリス姐も。ありがとう」
恥ずかしくなって、クリス姐には一言だけ感謝を伝えた。
暫くして落ち着くと、もじもじ動いて体勢を変えるアリス姉。
居心地が悪いのかと見ていると、理由はすぐに分かった。
おっきしちゃったらしい。
さっき僕の精子が垂れちゃったし、腰に顔を埋めてたらダイレクトに香るから仕方ないね。
「おチンチン苛々させてごめんね」
「あんっ♡」
おっきしたおチンチンを、服の上からナデナデしてあげる。
少し怖かったアリス姉が、ただの女の子に思えて何倍も可愛く感じる。
「手でピュッピュする?」
「や、ダメっ、すりすりしないで♡」
「お口がいーい?ぺろぺろして欲しい?」
「あん、ダメだって、掴まないで、やん♡」
「光琉、あなた…」
「あ…」
調子に乗り始めた僕を、クリス姐が嘘だろお前…という顔で見ていた。
や、やっちまった…。