アリスが搾精で失敗した。
叫び声で駆けつけたら、光琉が震えながら気を失っていて血の気が引いた。
でも九条先生に教わった通りの事態だったから、何とか落ち着いて対処が出来た。
その後も母親としてして、精神的なケアはしてあげられたと思う。
光琉が来てから家に活気が溢れていく。
挨拶するだけで、ご飯を作るだけで、リビングに座っているだけで子供達が楽しそうに笑う。
それがとても嬉しくて、私も笑うと子供達もまた少し笑ってくれる。
家族になれたばかりなのが信じられないくらい。
あの子はまるで我が家の太陽のよう。凍りついていた時間を溶かしてくれる。
光琉は葵衣が産んだ時に願った通りの男の子に成長してくれていた。
葵衣のお見舞いに行くのも楽しみになった。
仕事の合間にも週に一度は顔を見に行く。忙しさも相まって以前はそれが辛かったのに。
どんな事ができるようになった、どんな話でどんな表情をしていたのか、お兄ちゃんとして美雪とも仲良くなろうと一生懸命頑張ってる。
早く伝えてあげたい事が沢山あって、教えてあげると嬉しそうにする葵衣を見るのが嬉しくて。
今は仕事がどんなに忙しくても、いくらでも頑張れる。
頑張った分、あの子達が笑ってくれるから。
「天内課長、最近ご機嫌じゃないですか」
「ふふ、こっちまで嬉しくなりますよねー。隣いいですか?」
「お疲れ様、どうぞ」
「うちがもういるけどねー」
最近、同僚や部下が仕事外でも話しかけてくれことが増えた。
彼女たちと他愛もない会話を重ねるうちに、今まで自分が周りからどう見えていたのかをようやく知った。
「───そうだったの」
「辛さが想像できる分、かける言葉も見つからなくて。それが私達も辛くて」
「助けてあげたくても、仕事以外は何も出来ませんし…」
「クリス先輩は自分から頼ってくれないっすから」
田ヶ原さん、桧室さん、神咲さん。
私がミスばかり繰り返した時も、情緒が不安定になって当たり散らしていた時期も、私を見捨てず支えて続けてくれた。大切な部下であり、仕事仲間でもある。
「最近どんどん綺麗になっていくから、男が出来たと噂してたら息子さんだったなんて。
「あのねえ、私はこれでも結婚してるのよ?」
「性欲の解消位、葵衣さんも許してくれますって」
「しないわよ、幾つだと思ってるの」
「何言ってるんですか、女は30過ぎてからでしょう?私なんか最近性欲が爆発してヤバイですよ」
「風俗は程々にね」
「そうなんです。お金もやばいです」
本当に行ってるのね…子供に使いなさいよ。
「私なら仕事辞めてずっと家にいちゃうかも」
「母親が働かないで誰が食べさせてあげるのよ」
「それにしたって、課長は働きすぎですって」
「子供達がしっかりしてるから、本当に助かってるわ」
息子持ちは社内にも何人かいる。でも私以外は皆定時退社、家庭を最優先にしている。
男の子がいるのに単身で働く女性はいない。実家を頼ったり、相母を作って互いにサポートし合う関係を構築している。
たとえ周りがそうであっても、無いものねだりをしても仕方がない。
「でもでも、愛おしさが溢れません?15歳なんて思春期真っ盛りなのに、家族思いで素直。家事も手伝ってお菓子を作ってくれる?おまけに髪を梳かしてくれなんて。ハァ〜羨ましい〜。そんなの理想の息子じゃ無いですか〜。私息子と買い物に行くのが夢なんです」
「ちょっと、何言ってんすか…」
「盛ってるに決まってるでしょ?少しは察しなさいよ馬鹿」
コソコソ話してるけど、全部聞こえてるから。
「カスタマーの木村さんなんて、先週ババアって言われながら蹴られたらしいっすよ」
「…天内課長、辛い時は言ってくださいね?男の子がいるなりの苦労も分かってますから」
「はぁ…。言いたい放題ね。あなた達」
あの子が乱暴するなんてあり得なくて、つい目に力が入る。
「っ、いや、クリス先輩を思ってこそっすよ!」
「そ、そうですよ!大体アリスちゃんが毎日笑うとか、話盛りすぎで逆に心配しちゃうんですって!」
我が娘ながら、酷い言われようだ。
彼女達は年に1、2回、うちに来てくれる。
何か適当な理由をつけて、強引に天内家で小さなパーティをする。
仕事の飲み以外では、碌に食事会にも参加しない私を心配してくれて。
彼女達を出迎えたアリスも美雪も、今は入院してしまった葵衣も、明るいとは決して言えなかった。
光琉が来るまでは、天内家は私が無理に笑うだけの家だった。
そんな天内家を知っているからこそ、最近は心から幸せだという話も、彼女達は話半分に聞いている。
それもこれも、全て私への心遣いなのは分かってる。
「悩みは一人で抱えちゃダメですからね、絶対にダメですよ」
「そうそう、同じミスは天内課長らしくないです」
「桧室さん…二人もありがとう。…ぐず…最近涙脆くなって駄目。…あんまり優しくしないで頂戴」
「ちょっ、やっぱり抱え込んでるじゃないっすか!」
人の温かさに包まれると、ウルッとしてしまう事が増えた。
子供達を見ているだけで涙が出そうになる時もある。
この3人ならばと、食堂の隅に移動してからくれぐれも内密でと念押しして、光琉の事を相談してみた。
「───15歳でリミッター……ってマジ?…なんですね」
「…それで、搾精を毎日アリスちゃん一人にさせてるんですか?…あのアリスちゃんに?それって、不味く無いですか?」
「…なんで課長はしてあげないんすか?」
やっぱり、おかしいようだ。
でもアリスだって成長してるし、ちゃんとやれてる。
光琉もアリスの事は好きみたいだし、若い子同士の方がいいに決まってる。
「…だって、おばさんにされたら嫌でしょう?」
「その光琉君が、年上は嫌だって言ったんですか?」
「…あの子は、嫌でもそんな事言う子じゃないから」
たとえ思っていても、あの子は絶対に気を遣って言ってくれない。
年を重ねてしまったこの体を全部見せた時に、がっかりされる顔を想像すると、とても怖い。
「だからって母親なのに怖がって一度もしてないのは駄目っすよ、それは駄目ですって課長」
「そうですよ。恋愛のセックスじゃないんですよ?医療行為を何で娘に任せてるんですか?」
「ち、違うの。アリスが失敗しちゃったから、一度だけお手本は見せたのよ」
「お手本は先に見せるものですよ!」
「ご、ごめんなさい…」
アリスの気持ちを汲んだつもりだったけど、あれは良くなかったかもとは思っていた。
「それでお手本も失敗して、それっきり娘に丸投げっすか?嘘ですよね?見損ないますよ?」
「お手本は上手く出来たわよ、2回射精してくれたもの。でも……」
「でも、何ですか?」
「……私も、胸を吸われてイっちゃって。…その前にも」
「…は?…胸?…イった?」
「……搾精で私がしたくなるのは駄目でしょ?だから…」
「え、待って待って、どう言う事です?」
「セックスの搾精を教えたんじゃ無いんですか?」
相談したことを今更後悔し始めた。恥ずかしすぎる。
「───つまり初めての搾精で、15歳の義理の息子さんだけ裸に剥いて、授乳手マンで射精させたんすか?」
「………ええ」
「そ、それを娘に見せながら、息子さんと一緒に…じ、自分も乳首イキしたんすか?」
「………ええ」
「えっど!」
「やっば、勃起止まんねーっす…」
「…何ですかその官能小説見たいなプレイ…、私、想像でイキそう…」
私はなんで社内でこんな話を…。変な汗が出てきた。
「なんか年上がどうこうより、女が出る事を気にしてませんか?」
「そう…なるのかな…」
「ちょっと先輩、さっきからいい歳して何モジモジしてるんすか」
「課長可愛い…」
「だ、だってあの子、葵衣に似てるし、…嗅いできたり…舐めてきたり。…だ、だから、仕方ないじゃない」
「ちょっ!雌の顔しないで下さいよ!」
「えっど!」
「…あの天内家が、いつの間にか淫靡な館に……はっ!ドラマ化行けるんじゃないですか!?柳雲先生に執筆頼みましょう!」
「馬鹿言わないで」
結局、ちゃんとセックスを教えてあげろ、アリスが上手くできているのかもっと確認しろ、性欲だけじゃなく母親の愛情でも搾精してあげろと散々な言われようだった。
はぁ…。今更アリスから取り上げるのも可哀想だし、どうしよう。
夕方、外回りから戻った田ヶ原さんはムダ毛処理は念入りにと言いながら袋に入ったボディークリームと下着を渡してきた。
まるで今日息子とセックスしろと言われているようで、顔から火が出そうだった。
「今週はクリスママがにーにと寝てあげて」
どんな偶然か、美雪からも光琉とセックスしろと言われた。
美雪が自分を『みぃ』なんて言って光琉と仲良くなってる事にも驚いたけど、こっちは心臓が止まるかと思った。
「…な、なんで?」
欲情してるのがバレてたの?私そんな顔してた?
「今は姉さんだと良く無いと思って」
一瞬ホッとしてしまったけど、別の不安が一気に押し寄せる。
あの子達の言う通り、ちゃんと見ていなかったせいでアリスがまた暴走してしまったのかと。
でもそれも勘違いで、美雪はアリスの試験勉強のためだと言った。
言われて気づくなんて母親失格だ。光琉の事ばかりに頭がいって、アリスの負担を考えていなかった。
そうよ。今は母親として、私が光琉とセックスしてあげなきゃ。
チラリと光琉を見ると、凄くエッチな目で私をチラチラ見ている。
…そんな目で見ないでよ。
…男の子とするなんて、愛人の時以来。…ちゃんと出来るかな。
意識しないようにしても、股間が勝手に張り切りだす。
何でする前から私が欲情してるのよ。
ビールを追加しようと思ったけど、アルコールの匂いを嫌がるかもしれないのでやめた。
話がもう入ってこなくて、ムダ毛が気になって仕方なくて、私は逃げるようにお風呂に向かった。
処理を念入りにして、体も3回洗う。お尻は…触られないと思うけど、念のため丁寧に…。葵衣を思い出してこっちも疼いてくる。ああもう、何で私は。
「今日はママが光琉とするって本当?」
「ええ、今週は私が一緒に寝るわ。明日から早く帰るから」
「私がするから大丈夫」
案の定、アリスが文句を言いに来た。
お風呂の扉越しで続く攻防。
でもこれはアリスの為だから、今回は譲らない。
「───なら、ママがしたい訳じゃないんだね?」
「…当たり前でしょ」
「そう。分かった」
我ながら、チンポをこんなに突起させておいてどの口が言うのかと呆れる。
でも仕方ないじゃない。
ママだって女なんだから。
お風呂から上がって、田ヶ原さんから貰ったボディクリームを全身に塗る。
光琉はおっぱいが好きだったから、ここは塗らないようにしよう。耳や鎖骨も吸い付いてきたから、念のために避けて。
買ってくれた下着はシルクのソングだった。Tバックなんて何年振りだろう。他は着ない方が、興奮してくれるわよね。箪笥の奥のネグリジェは気合い入りすぎに見えて、引かれるかもしれないし…。
「二人とも部屋に戻ったんだ?」
平静を装って光琉に声をかける。
「うん。…あ、乾かすから座って」
見てた。
光琉は今、私の全身を舐めるように見た。
多分、興奮してくれてる。
この子は素振りを隠すのは上手いけど、目を見れば何に惹かれているのかは分かりやすい。
胸やおチンチンだけじゃなく、私を全部見てくれてた。
そう思っただけでまたムクムクと大きくなる。
「ボディクリームですか?」
「嫌いな匂いじゃない?その…オバサンの体で興奮できないと可哀想かなって」
「そのままの香りも僕は大好きです」
そう言うなり、ドライヤーを終えて、クリームを塗っていない首元でノージングを始めた。
それがどう言う意味か、分かっててしてるの?
前回も私の匂いで興奮していたしこれも多分演技じゃない。光琉は、私のおチンチンを欲しがってる。
そう考えたらビキビキとイキリ立って、もうバスタオル越しでも分かるほどに勃起している。
「ぁん…、胸は塗ってないから。その…光琉の好きにしていいから」
本当はまた舐めて欲しい癖に。乱暴に吸われたい癖に。まだ母親の仮面を被る狡い女。
「この固くなった乳首も、吸ったり弄ったりしていいんですか?」
「ふぅ…んん…♡ …ここで触らないの。光琉がしたいならしていいから…。お部屋に行きましょう?」
そんな狡さは、この子にはとっくにバレているのに。
私は乳首とおチンチンを立たせながら、寝室に息子を急かした。