「ちゃんと精子吸えました?」
「…はい、ありがとうございます。飲み物取ってきますね」
ガチャ
軽く体を拭いただけで、服も着ずに逃げるように出てきてしまった。
一体、何をしているんだ私は…。
櫛内は…まだ禅を組んでるのか。
冷蔵庫に入れた飲み物を取りに行ってる間も、全くこちらに反応を示さない。
気になって隣に来てみても反応しない。
「寝てるんじゃ無いだろうな」
「……終わったの?」
「ああ」
ってこいつ、スーツのパンツまでぐっしょり湿ってる。
まさか…瞑想しながらイったのか?
「くんくん……精子の匂いがする……そこか?」
「お、おい…」
目を開けた櫛内が、私の股間をロックオンした。
「ちょっとだけ、先っちょだけでいいから」
「や、やめろ馬鹿!!!こいつ、チビのくせに力っ、どうなって…」
「いただきます。は〜む」
「~~~っ!」
ガチャ
ひっく…ひっく…もうやだぁ…
「ど、どうしたんですか!?」
「なんでも…ぐずっ。ありません…」
どうして私は、こんなに情けない女なんだ。
「なんでもなく無いですよ!ごめんなさい、僕が上手くできなかったんですよね?」
「違うんです。ぐずっ、…私が、…私が」
………
「よしよし、司紗さんは情けなくなんか無いですよ」
自己嫌悪に陥った挙句、15歳の少年に膝枕されて甘えている。
私は救いようの無い女だ。
「甘いエッチがしたかったんですね。途中でも言ってくれればいいのに」
「…これも、本当に好きな本だったんです。するまでは、興奮で頭が一杯で…。でも、実際にしたら、ぐずっ…何かちょっと違って…ぐずっ、終わったら惨めに思えてきて…。ひっく…私、ぐずっ、こんな女だったなんて…ひっく」
言葉にすると、余計に後悔が押し寄せてくる。
どうしてあんな事をお願いしたんだろう。
「僕だってそういう事はありますよ。次は楽しい子作りをしましょう?ちゅ」
「ぐずっ…自分でやらせたのに、ごめんなさい…」
「性癖の一つ位で自分を嫌っちゃダメですよ?ちゅ」
「ひっく…あんなの、私じゃない…」
「そんな事言われたら、僕は恥ずかしくて生きていけませんよ。ちゅ」
小さな体で私を抱きしめて、大人の私を慰めながら何度もおでこにキスをしてくれる。
キスをされた場所から、暖かさが体に染み渡る。
この子の体温は、心が温かくなる。なんでもっと愛し合うセックスが出来なかったんだろう。
最後は乱暴に奥をついて、自分の性欲を発散させていた。9つも下のこの子は、ただ善意で子作りを了承してくれたのに。本当に何で…これじゃあの連中と何も変わらない…。
「まだ余計なこと考えてますね?水分補給しましょう」
そう言うと、スポーツドリンクを口に含んで口移しをしてきた。
「…んぐ、ごく。…な、なにを?」
「美味しい?」
「は、はい。でも、自分で飲めますから」
「美味しい時は笑うんだよ?もう一回」
「…んぐ、ごく」
「美味しい?」
「…はい」
何度か繰り返し、私が少し笑うとようやく飲ませるのをやめてくれた。
「僕しか見てないんだから、気にしなくていいのに」
「…光琉様だから余計にです。…っ、違いますよ!?今の光琉様は普段通りでっ」
「分かってますよ、よしよし。素の司紗さんは可愛いですね。ちゅ」
「…可愛いわけが、ありません」
「拗ねた顔も可愛いですよ。ちゅ」
否定しながら、キスをしてくれるのを待ってる浅ましい女。
「なんだか今日はいつもよりもっと綺麗ですね?んー、可愛いかな?」
「慰めに嘘をつかないで下さい…」
「本当ですよ?…何が違うんだろう」
言われながら頬を撫でられるのが嬉しくて堪らない。
今はもう、優しくされたくて弱音を吐いてる。
笑顔で頭を撫でられるのは嬉しくて、かけられる甘い言葉に喜んでしまう。
「いつも護衛ありがとうございます」
「仕事ですし…私じゃなくても出来ます」
私には護衛の資格なんてない。
辞退して、代わってもらうべきだ。
「…誰か他を…代わりを付けてもらいます」
「困ります。お菓子作りも楽しいです。これからも沢山教えてください」
「…それだって、私じゃなくても出来ます」
「力になると言ってくれたのは司紗さんですよ?」
「………」
そんな事を覚えていてくれたのか。
頬を撫でてくれる手は、私よりもずっと小さい。
私がこの子を守りたいと思ったのは本心からだ。命令されたからではない。
私は自分の意思でここに来た。
「あれを嘘にはしませんよね?」
「…私なんかで、本当にいいんですか?」
「司紗さんがいいんです。これからも頼りにさせて下さい」
「…うぅ、ぐずっ…守ります。…私が、絶対に守ります…」