あかん。しょうもない事しか思い浮かばない。
なんで学生服なのに乳袋みたいになってるんだよ。
名前も破廉恥乙牌さんだったような。
…あれ、本当になんて言ったっけ。やばい、もう思い出せない。
「…光琉君。最近まで、病院で過ごしてきたと言うのは本当かしら?」
「はい」
そうです、僕は光琉です。あなたのお名前をもう一度言って欲しいです。
名刺…名刺が欲しい。…あ、困ったら生徒会長さんって呼べばいいか。
「誰から教育を受けたのか、聞いてもいいかしら?」
「担当医の先生と看護師さん。それと心理士さんもかな?最近はそちらの護衛さんと、家族にも教わっています。何か問題がありそうですか?」
「あ、いえ。問題がなさそうだから不思議なの」
「えと、褒められていますか?」
「ええ勿論よ」
「ありがとうございます」
流石に異世界転生者ですとは言えない。
「とても優秀な方達が付いていらしたのね」
「ええ。何から何まで、本当に助けて頂きました」
また会いたいな。
「さっき礼儀作法を身につけたいと言っていたわよね?茶道には興味ない?私も在籍しているの」
「この通り体が貧相なので、できれば運動部に入りたいと思っています」
「男子で運動部ですか…」
そういえばあまりいないって話だったな。
「邪魔になるようなら、無理には入りませんけど」
「いえ、参加は自由よ。ただ全国で活躍する部活動が多いから、入ってもレギュラーや大会出場は難しいわよ?」
「そこは理解してます。練習に少し参加させてもらえるなら、マネージャーというものにも興味があります」
「男子のマネージャーはありがたいわね。ふふ、天内君ならきっと争奪戦になるわ」
冗談めかした話もしていると、理事長と校長と思われる女性二人が入ってきたので立ち上がる。
「そのままで結構です。すみません、お待たせしてしまったようで」
「いえ、こちらが早く着きすぎてしまいまして」
開始まではまだ15分あるけど、全員揃ったし始めるようだ。
挨拶を終えて、まずは学校側の説明を受ける。
教育方針や安全面、設備や部活動、OGのコネクション、就職先、進学先の魅力を教えてくれた。
護衛は待機室があるが、校内や敷地内を
全体を通じて是非とも入学して欲しそうな話し方だ。
これは僕だからではなく、男子生徒に対しての一般的な対応なのだろう。
在学生の男女比は大凡で1:15。世の比率よりも更に偏りがある。
男子校があったり高校進学しない人もいるからで、桜蘭が男子から避けられているわけではなくこれでも多い方だ。どこの高校や大学も男子生徒の確保には苦労していると聞いている。
志望動機は格好を付けずに、寂しいから妹と同じ学校を選んだと正直に答えたら笑らわれた。
中等部の生徒とは、歓談室や中庭でお昼ごはんを一緒に食べても良いらしい。
他のありがちな質問には淡々を答えて話は進んだ。
クリス姐の受け答えはどれも完璧だ。
ここまでを見れば是非入学してほしい男子生徒だと自分でも思うけど、僕はただの男子生徒ではない。
相当に地雷臭が強い存在だ。
健康診断の結果も送っているので、学校側は僕がリミッターである事も知っている。厄介ごとの塊みたいな経歴だし、受け入れて良いものか内心では相当悩んでいると思う。
「極精に至っており、自慰が不可とありますが…ご家庭では、クリスティナ様がご対応を?」
案の定その話にもなり、学校側は言葉を選びながら恐る恐る質問をして来た。
「私と娘が搾精しております」
一方でクリス姐は堂々と答える。
「光琉君は、今困っている事や、学校生活で不安な事はありますか?」
「自分で抑えきれないほど性欲が高まる事があります。搾精に駆け込める部屋があると助かるのですが、保健室や待機室を使わせて頂く事は可能ですか?」
「そうですね…。どちらも他の生徒や関係者がいる場合もありますので…」
性育学習で使う部屋が最適だけど、常に空いているわけではない。
いち生徒に一部屋寄越せは流石に無茶だ。
厳しくなったら護衛車にでも駆け込もうか。
敷地内で車を揺らしながらカーセックスとかしても良いのかな。良いわけないか…。
保安の経費で、マジックミラー号を買って貰うとか…。
変なことを想像したら濡れてきた。
真面目に考えろ、面談中だぞ。
それに卒業まで毎日護衛室で控えていてくれる訳ではない。
僕が慣れてきたら日中は不在になる予定だ。
「生徒会の備品室はどうでしょうか?あそこは待機室とも近いですし」
生徒会長が理事長に提案してくれた。
「すみませんが、鍵を都度取りに伺う余裕は無いと思います。僕や護衛の方が備品室の鍵を持ち歩くのは不味いですよね?」
「一刻を争うほど強い性欲が湧くの?」
「はい。性的な挑発をされると、僕が襲ってしまう事もあり得ます」
ごくり…
誰かが息を呑んだ。
いや、僕だ。
その乳袋隠してもらえませんか。徐々にムラムラし始めてるのです。
高校生にしてはデカすぎるって。
「…恐れ入りますが、模範生については前向きにご検討頂けそうでしょうか?」
それって条件次第では、見返りに専用部屋を用意してやってもいい。
そう聞こえますよ、理事長さん。
「模範生になる事が、光琉に対応するための条件という事でしょうか?」
当然のように察したクリス姐が怒り気味に聞き返した。
ほらぁ…。
「い、いえっ、決してそういうわけでは…」
「僕は受けようと思っています」
「光琉!?何言ってるの!?」
「僕はそれができる身体ですし、社会に貢献もしたいです」
貢献はどうでもいいけど家計を楽にしたい。素振りや気配は見せないけど、大変な事くらいは馬鹿でも分かる。
残業時間を減らしてもっと早く帰って来てほしい。アリス姉やみぃちゃんと一緒に居る時間をもっと作ってあげたい。
「そんな事を考えるのはまだ早いわ、まずは学校を楽しむ事だけ考えて頂戴」
「大丈夫ですよ。やってみて辛かったらちゃんと言いますから」
クリス姐は納得し難いのか、結構粘って反対する。
だけど高校に行こうと思ったらどの学校だろうとついて回る問題だと思うんだ。どの道やることには変わらず、違いは回数だけだというし。
「駄目よ。やめなさい」
破廉恥袋。否、生徒会長が口を挟んだ。
思わず理事長らを見るも、何故か萎縮していて注意する素振りを見せない。
なんで?
「模範生を目指す事には異論はないわ。貴方の覚悟も考え方も立派よ。ですが、身体を対価に見返りを得るような真似はやめなさい。貴方やお母様の品位を下げてしまうわ」
「…確かに、仰る通りです」
「理事長もこの場でそういった話は控えてください。無礼です」
乳袋を軽く揺らしながら、理事長にも注意をした。
「…すみません。クリスティナ様、光琉君、申し訳ありませんでした」
「…いえ、頭を上げてください」
この圧、どういう事だ?
いや、おっぱいの物理圧ではなくて、威厳が凄い。
「天内光琉君、貴方の部屋は生徒会で一つ用意する事を約束するわ」
「できるのですか?」
「ええ。入学してくれるなら私達は歓迎します」
生徒会長が受け入れ許可まで出しちゃったよ。どうなってんの。