いまの世情だと新しく何か始めるのは不安。ファンボックスやりたいけどまだ見送ったほうがよさそうですね。やるなら二次創作もいいですが、安全なのはオリジナルですよね。需要は心配ですが。
ロクサーヌを加えて探索に乗り出した悠二とライザ。
順調に進むなか、ロクサーヌが見つけたのは、彼女の世界に存在する迷宮らしきものだった。
「──迷宮? 探索者が入るとか言ってたやつか?」
「……はい。おそらくは、ベイル……私のいた商館のあった街の近郊にあった迷宮です」
ロクサーヌの返答に悠二とライザは、驚いた様子だった。
「……つまり、あれはロクサーヌのいた世界の迷宮ってこと?」
「はい。少なくとも外観はそうです」
ライザの問いに迷宮らしき洞穴から視線を逸らさず、ロクサーヌは頷く。
「どうする、ユウジ?」
「そうだな……」
ライザの問いに悠二は腕を組んで悩む。
(……仮にあれがロクサーヌの世界の迷宮なら、経験者がいるから多少はだいじょうぶだろう。だが、外観が同じの別物の可能性もある。そうなったら危険度は跳ね上がるよなぁ……)
むしろ知識があるぶん、逆に危険に陥る可能性もある。
そもそもあれが迷宮に擬態した魔物の可能性もあるのだ。
迂闊に入る決断は下せない。
下せないが……。
(……虎穴に入らずんば虎子を得ず、だよな)
せっかく見つけた変化を素通りするのももったいないと悠二は考えた。
「……よし。とりあえず、俺がロープを持って先に入る。危ないと思ったらこちらからロープを引くから、引っ張ってくれ」
「いえ! ご主人さまにそのような危険な真似させられません! ここは私が!」
「そうだよ、ユウジ! なんならあたしが!」
「いや、誰でも危険は同じだ。それならこういうときは、男の俺が行くよ。それに何かあったら、ライザやロクサーヌのほうが助けてくれるだろうし」
提案に反発されたが悠二は、それを却下した。
何かあっても悠二は助ける力が足りない。
だが、ロクサーヌやライザなら何かあっても助けてくれると信頼できた。
ここで変に見栄を張るほうが危険だった。
「──わかりました。私が必ずお助けします!」
「あたしも!」
「ああ、頼んだよ」
ロクサーヌとライザの言葉に笑顔を返し、悠二はアイテムボックスから植物製のロープを取り出した。
「──よし、行くぞ」
ロープを腰に巻き、端をライザとロクサーヌに持ってもらい、悠二は慎重に迷宮に入っていく。
暗がりに触れると、特に抵抗もなく内部へと足を踏み入れられた。
なかは、RPGで見るようないかにも迷宮っぽい石造りの通路が伸び、奥まで続いている。
「──ライザ、ロクサーヌ、入ってきてくれ」
入口から顔だけ出して悠二は、ふたりに呼びかけた。
「だいじょぶなの、ユウジ?」
「ああ、問題なさそうだ」
「わかりました、ご主人さま」
悠二が顔を戻し、ライザとロクサーヌも少し遅れて入ってきた。
「おおっ、すごいね! 見た目からは想像できない広さだ!」
冒険好きなライザは、未知な場所に目を輝かせていた。
その様子に悠二は、ライザらしいと苦笑する。
「──どうだ、ロクサーヌ?」
「──はい。間違いなくベイルの迷宮ですね」
悠二の確認に目を鋭くしたロクサーヌが応じた。
普段の穏やかなロクサーヌとは正反対な雰囲気だが、その凛々しさは美しい。
そして、やはりここはロクサーヌの知る迷宮の内部なようだ。
少なくとも構造は同じだった。
「……いったい、どういうことなんでしょうか?」
見知っているからこそここにはない迷宮を前にロクサーヌは、警戒しながらも困惑していた。
「──もしかしたら、って前置きするが……ロクサーヌが来たことで無人島に影響が出た、とか?」
「あたしのときは何もなかったけどなぁ」
「それは……まだ無人島の一部しか見てないからなんともな。もしかしたら、ライザの世界の何かも来てるかもしれないぞ? あるいは、杖や釜が買えたことが影響なのかもしれないな」
「たしかに! どっちもあり得るよ!」
悠二の推測にライザも納得したようだった。
実際、商品一覧を見たがロクサーヌの服や武器は売っていなかったことからも、後者の可能性が高い。
(この無人島……いろいろ資源とかも豊富だが、もしかしたら島に流れ着く人物によって拡張性が変わるのかもな)
その考えは当たりからそう遠くないと、悠二は感じていた。
「──とりあえずは、検証するためにも進んでみよう。進めばロクサーヌの知る迷宮との違いとかもわかるかもしれないしな」
「うん!」
「はい!」
悠二の提案にライザもロクサーヌも乗り気だった。
ライザは冒険好きなため、ロクサーヌは戦いや鍛錬が好きなため、やる気に満ち溢れている。
その様子に苦笑しつつ、ひとまずはこの階層だけ、と悠二たちは迷宮を進んでいくのだった。
To be continued
次回は迷宮攻略開始ですね。
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