洞窟に『ライザのアトリエ』を作り、採取を開始して数時間後、辺りも夕暮れを迎えていた。
「──とりあえず、なに作ろうか?」
「逆に何が作れるんだ?」
集めた素材を前にふたりは、顔を突き合わせていた。
「そうだなぁ……やっぱりまずは、服とか下着が欲しいよねぇ。だから中和剤とかクロース、ゼッテルなんかが作れたらいいんだけど……この素材、どれも見たことないんだよね」
ライザの言うように慣れ始めたのが怖いが、裸のままではいろいろ不都合があるだろう。
「植物から繊維は作れるし、蜘蛛の糸とかもあるからとりあえずやってみないか?」
「そう、だね……うん。まずはやってみよう!」
悠二の言葉に後押しされ、ライザもやる気になったようだ。
見たことない素材ばかりでもなんとかなると、ライザは素材を釜に入れ、杖で掻き混ぜ始める。
すると湯気が上がる釜から光が放たれる。
「──できたー!」
ライザが掲げるのは、下着のようだった。
(ゲームでも思ったが、いつ見ても不思議だな。濡れたりしてないし、中和剤とかも瓶とかに入って出てくるしな)
悠二がおもしろそうに眺めていると、ライザは次々と調合していく。
結果、できたのは男女の下着と服だった。
ライザのは第一作目の衣装で、悠二のは動きやすそうな黒の衣装だ。
「いちおう、防御力とかはそこそこあるよ!」
「さすがだな。初めて本物を見たが、すごかった」
「えへへ、ありがと」
悠二の言葉に自慢げだったライザは、嬉しそうにはにかんだ。
とりあえず着替えることになり、悠二とライザは背中合わせで下着や服を身につけていく。
裸を見たどころか、セックスもした仲だが、そこはそれだった。
むしろライザにそういう恥じらいを見せられ、悠二としては嬉しいくらいだ。
着替え終わったあと、ふたりは向かい合った。
悠二の目の前には、ライザのアトリエの第一作目の衣装を着たライザが立っていた。
悠二は、動きやすくも丈夫な黒の衣装で新品ながら体にフィットしている。
「お〜、似合ってるよ、ユウジ!」
「ありがとう。ライザもすごい似合ってるな。かわいいよ」
「えへへ……いつもどおりなんだけどね。でも、うれしいよ。ありがと」
悠二の格好に、言葉に、それぞれ頬を赤くするライザ。
「……でも、なんだか服着るのちょっとだけ違和感あるねぇ。むずむずする」
少しの間のことだったが、裸で無人島を散策していたことでライザは、若干窮屈さを覚えたようだ。
「まあ、すぐに慣れるだろう」
「そだね。で、これからどうする?」
「そうだな……外ももう暗いが、飲み水の確保はなんとかしたいな」
「だよね……あたしも喉渇いてきたし、錬金術にも水は必要だから」
洞窟の外は暗くなってきたが、命に関わることなので悠二とライザは、水を探しに出ることにした。
「いまは杖もあるし、ちょっとした魔物なら撃退できるから任せておいて!」
ライザがそう言ってニカっと笑う。
「男として情けない限りだが、そのときは頼む」
「うん、任された!」
悠二とライザは、とりあえず近場だけ探索しようと洞窟をあとにした。
それから近くを探索していると、川が流れているのを見つけた。
「──飲めるかな?」
「いや、そのままはだめだろ」
ライザの問いに悠二は即座に返した。
「とりあえずは、煮沸、濾過をしたいところだな。それでも完璧ではないが……」
「それなら錬金術でなんとかしよう!」
「できるのか?」
「うん! ……たぶん」
「……まあ、やれることやるしかないな」
ひとまずは、作った木製の容器に水を汲み、洞窟に戻った。
「よし、とりあえずは釜に水を入れて、あとはちょっとした工夫をして……できたー!」
水を釜に入れて掻き混ぜ、できたのは瓶に入った水だった。
「いままではできなかったけど、水を綺麗にして飲み水にしたよ!」
ライザは、瓶をふたつ手にしてそう言って胸を張った。
「よくそんなことできたな」
「うん。なんだかできる気がしたんだよね。これもこの世界に来た影響かな。基礎能力が上がっているのもあるのかも?」
そういえばそんなルールもあったな、と悠二はライザの話から思い出した。
「それは頼もしいな」
「でしょでしょ! とりあえず、乾杯しよっか?」
「何にだ?」
「え? う〜ん、そうだなぁ……出会った記念に?」
「そうか……そうだな」
「じゃ、そういうことで……かんぱ〜い!」
「乾杯!」
チンっと音を立てて瓶を軽く打ちつけ、ぐいっと呷った。
久しぶりの水分に喉を鳴らして飲み干し、一気に飲み切った。
「──旨いな」
「──だねぇ! 飲み水はこれで確保できそう!」
清涼な水の味に悠二とライザは舌鼓を打った。
そして、少し休憩を挟み、ライザが立ち上がる。
「さてと、あとは寝るとこかなぁ。とりあえず、ひとつでいい? 素材も足りないし」
「そうだな。住人が増えることがあれば、またそのときにってことで」
「オッケー。それじゃあ、ちゃっちゃと作っちゃいますか!」
その言葉どおり、ライザは木材を使ってベッドを作った。
「布団がちゃんとついてるのはどういう原理なんだ?」
「さあ、なんでだろ? むかしから調合すると、それ以外のものもついてくるんだよね。中和剤を作ったときも瓶に入ってるし」
悠二の質問にライザもよくわかっていないようだった。
だが、たしかにいま大事なのはベッドがあるということだ。
ひとまずふたりで錬金釜から離れた位置に運び、今日のところはこれで終わりにし、探索はまた明日から再開することにした。
「いまさらだが一緒に寝ていいのか?」
「もちろん。あたしとユウジの仲じゃん」
悠二の問いにライザはそう言って赤らんだ顔を笑ませた。
そういうことならと、悠二はベッドで寝ることにした。
寝巻きはないため、悠二もライザも下着姿でベッドに入った。
どちらからともなく抱き合い、触れ合う素肌が心地いい。
「──ねえ、ユウジ」
「──なんだ、ライザ?」
「あたし、最初に出会えたのがユウジでよかった」
「俺も……ライザと出会えてよかったよ」
お互いに額を合わせて言い終わり、笑顔を浮かべる。
それから悠二とライザは、寝るまでのあいだ、お互いのことを話し合っていたが、どちらからともなくいつの間にか眠りに落ちていた。
こうして長かった無人島生活の一日めは静かに終わりを迎えるのだった。
──現在のステータス。
名前:神凪 悠二 年齢:17
レベル:2
スキル:言語理解
スキルポイント:2
買い物ポイント:0
名前:ライザリン・シュタウト 年齢:17
レベル:2
状態:非処女
経験人数:ひとり
初体験:神凪 悠二
バストサイズ:G
スキル:錬金術 言語理解
セックスポイント:0
To be continued
ようやく着るものが用意できました。
オリジナル作品も少しずつ考えています。やはり異世界無人島クラス転移ものですかね。初めての試みなので考えることが多くて頭がパンクしそうです。いずれは活動報告にご意見などいただければと思います!
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