もし投稿する際は、章を分けて本編内に投稿させていただくのでそのときはよろしくお願いします!
無人島生活二日めの朝を迎えた頃、洞窟内部に安置された木製ベッドで悠二とライザは、目を覚ました。
「──んぅ……ここはぁ? ……あ、そっか。あたし、無人島に流されたんだっけ」
寝ぼけ眼にそう言ったライザは、同じように目を覚ました悠二に気づく。
「──おはよう、ライザ」
「うん、おはよう、ユウジ! ──って、あんま見ないで!」
ライザは、寝起きとあって両手で顔を庇って背けた。
すっかり女の子らしさが身についているようだ。
それから悠二とライザは、服を着ると予備の水を使って顔を洗った。
歯磨きはできないため、仕方なく口を濯ぐだけで我慢する。
「──それで、今日はどうしよっか?」
「そうだな……水を多めに確保して、あとは食料も見つけないとな」
「賛成〜……昨日は何も食べてないから、あたしもおなかぺこぺこだよぉ」
すっきりしたところで話し合い、悩むことなく予定が決まった。
杖を手にしたライザとともに、悠二は昨日見つけた川を遡っていく。
上流に向かうと、より水が綺麗になっていった。
「おお〜、ここでなら水浴びもできそう!」
ある程度進むと、小さな溜め池のようになった箇所があった。
朝日を受けて水面がキラキラと輝いている。
ライザの言うように常夏のこの島ならば、水浴びだけでも充分だった。
「よし、それなら昨日作っておいたあれを使うか」
そう言って悠二は、ステータス表示を操作する。
すると虚空からとあるものがふたつほど出現した。
「樽だ〜!」
ライザがその名称を口にした。
そう、これはライザが作った木製の樽だが、虚空から出現させたのは悠二だった。
「やっぱりこれ便利だな」
そう言う悠二のステータスウィンドウには、小さなマスが無数に並んだエフェクトが表示されていた。
これはスキルポイントを使って会得したスキル、アイテムボックスだ。
これが消費1なのは、バグな気もするが、ゲームならば付いていて当たり前の機能が有料と考えればどうだろうか。
アトリエシリーズの歴代主人公たちが言う共通セリフを聞きながら、悠二はそんなことを考えつつも樽に水を汲んでいった。
樽に並々と水を入れ、悠二はアイテムボックスにしまった。
手ぶらで負担なく持ち運びができるのだから、このスキルを取ってよかったと悠二は思う。
「さて、あとは食べ物か」
「そうだね。森ならうにとかあるかな?」
作業を終えた悠二にライザは、そう言って雑木林を眺めた。
アトリエシリーズの伝統、うには木から獲れるというものだ。
「どうだろうな……きのことかのほうが可能性があるんじゃないか?」
「そっか。あたしの知ってるのだといいんだけどね」
この世界は異世界なため、悠二もライザも知らない動植物は多く、食事は切実な問題なため祈るような思いだ。
悠二とライザは、慎重に木々の根元などを調べていった。
「ユウジ、そっちはどう〜!」
「ああ、こっちにもあった!」
少し離れて手分けして採取していくと、きのこの類いを見つけることができた。
「どうどう? 食べられるのありそ?」
「少し待ってな。──『鑑定』」
ライザの問いに悠二は、きのこを見つめた。
これもスキルポイント1で獲得したスキルで、名前のとおりものの名称や効果などがわかる。
「……見たことも聞いたこともないが、食べられそうだ」
「やったぁ!」
悠二の鑑定結果にライザは、手を叩いて喜んだ。
悠二はきのこもアイテムボックスにしまい、ライザとともに洞窟へと戻る道すがら、使えそうなものを拾っていった。
そして、洞窟に戻るとなかには入らず、近くで組み木を用意し、板や棒を使って火を熾していく。
それなりに苦戦したものの、無事に火種がつき、組み木に投入してやがて火がついた。
「おお、やったね!」
ライザも喜んでいた。
悠二が火を熾しているあいだ、木の串にきのこを刺していたライザが焚き火の周りに突き立てていく。
「味付けはどうしよっか?」
「調味料か……塩と出汁くらいは無人島でもなんとかなりそうだが」
「いまは素焼きになるかぁ……ま、空腹がスパイスになるよね」
調味料の便利さを感じながら、悠二とライザはきのこが焼けるのを待った。
「でも、こんな状況だけどさ、こうして一緒に焚き火を囲んでいるのいいよねぇ」
「……ああ、それは俺も思った」
ライザの言葉に悠二も感じ入るように頷く。
現代文明に慣れ、頼りきっているがそういう情緒は理解できた。
薪が弾ける音、揺らめく炎、灯りに照らされた顔、流れる空気といったものは、現代にはない温かさがある。
(動画サイトとかで焚き火の音とかが聴かれたりしているのがわかるな)
悠二はそんなことを思っていた。
「──それに、焚き火を一緒に囲む相手も大事だよな」
「あ、それ、あたしも思った」
悠二とライザは、顔を見合わせて笑んだ。
やがていい感じにきのこが焼き上がってきた。
「ほら、ライザ」
「ありがと。あち、あち……ふぅ〜、ふぅ〜……」
悠二とライザは、きのこの串焼きを冷ましてから齧り付いた。
ただの素焼きだが、やはり空腹が最高のスパイスとなり、美味しかった。
(自分たちで採ったっていうのもあるからな。意外と旨いしな。少し松茸に似てるかも)
自然の味を感じ、悠二は満足そうだ。
ライザもパクパクと食べ、水を飲んで喉を潤していた。
「──ふぅ……生き返ったぁ。ごちそうさまでした」
「──ごちそうさま。意外とイケたな」
「うん! でも、塩とかかけたらもっと美味しいかもね」
「だな。なら今日は調味料作りもするか」
「賛成!」
人心地をつき、悠二とライザはそう決めるともったいないが火を始末し、腹ごなしも兼ねて探索に出た。
(いまはふたりで動くしかないが、もし人が増えたら火とかもいちいち消さないで済むんだがな)
そのときは、上手くやれる相手だといいなと悠二は思った。
悠二とライザは、昨日のビーチへとやってきた。
あらためて見て周り、食料以外にもガラクタも集めていく。
「お、貝とかもあるよ!」
「こっちは海藻もあったな」
塩を作るための海水以外にも、出汁になりそうな貝類や海藻も流れ着いていたのは、収穫だった。
鑑定で調べ、問題ないものをアイテムボックスへと収納していく。
(塩を作れたら、魚を獲れたら魚醤も作れるかもな)
どんな魚がいるかわからないうえに船も造るのは難しいため、簡単に海には出れないが、釣りをするくらいなら可能かもしれないと悠二は考えていた。
さらに鉄材も回収し、綺麗な海水も汲み上げていく。
「だいぶいろいろ集まったねぇ」
横からアイテムボックスのインベントリを覗き込み、ライザは楽しそうに目を輝かせていた。
「そうだな。これでライザもいろいろ調合できそうだな」
「うん、まっかせておいて! ──あ、で、でも、そのぉ……」
悠二の言葉に頼もしく請け負うライザだったが、何事かを思い出して頰を赤くした。
「あ、あのさ、ユウジ……」
「どうした?」
「んっと、そのぉ……あ、あたし、もう錬金術使えないん、だよね」
「それはどういう──ああ、そうか」
ライザの言葉を訝しむ悠二だが、この島のルールを思い出した。
特殊能力を使うには、膣内射精の回数に依存するのだ。
そして、前回の分はすでに使い切っていた。
ライザが何を求めているか理解し、悠二は頷く。
「──わかった」
「う、うん、ごめんね?」
「いいさ。俺よりも女の子のライザのほうが大変だろ」
「う、うん、ありがと」
「それとな、ライザ」
「? なに?」
「これは決めておきたいんだ。島のルールは仕方ないが、それに従ってするって意識はやめないか?」
悠二の提案にライザは、驚いたように目を見開く。
「せっかくだからさ、義務とか作業ではシたくないんだ。俺は抱くならちゃんと行為としてシたい」
「──……うん! あたしも、ユウジと普通にシたいよ。その、気持ち良かったし……」
ライザは顔を赤くしているが、嬉しそうにはにかんでいた。
悠二とライザは、お互いにその気になると急ぎ足で拠点の洞窟へと戻るのだった。
To be continued
悠二もスキルを獲得しました。戦闘スキルではないですが、かなり有用かつ定番ですね。
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