『八男なんてそれはないでしょう』ヒロインたちの別物語 作:時田士郎
装束を整えたエリーゼは、部屋を立ち去ろうとした。それを押し留めたのは、扉の外で彼女を待つ枢機卿だった。
「まだ、終わりではないですぞ。」
「なぜでしょう。スクワイアへの手ほどきは、これで済んだはずです。」
廊下は、誰の目があるか分からない。エリーゼは小声で抗議した。しかしその口調は気高く、枢機卿を恐れる様子も見せず堂々としていた。恥じるところは何もないのだ。
だが、枢機卿は薄く笑ってエリーゼに告げた。
「そう時間をかけず、彼は戻って来ます。2時間もかからないでしょう。この場に留まり、聖騎士となった彼の情熱を受け止めて上げてください。私は、彼にそう約束したのです。」
「勝手な約束をされたのですね。」
不服そうに鋭い視線を枢機卿に向けるエリーゼ、それは聖女というよりも誇りを傷つけられた貴族の妻としての視線である。だが、エリーゼはすぐに矛を収めた。乗り掛かった船であると悟ったのだ。
「それが、神の御心に沿う道なら。」
部屋に引き返したエリーゼを、強い違和感が包んだ。もしもこれが本当に儀式なら、淡々と感情を交えずに事を成せば良いだけだ。それなのに、自分の心は枢機卿の言葉にざわついた。それはなぜなのだろうか?
(私には、何も恥じる事などないのに。)
エリーゼは静かに下着を脱ぎ、秘所に指を這わせた。そして自らを慰めはじめた。自分でも信じられない行動だった。そんな事、これまでヴェンデリンの求め以外ではした事はない。それでも今は、火照る身体を鎮めるのに必要だった。
(こんな気持ちで、待つ身は辛いわ。)
くちゅ、と音がする。すでに再び溢れ始めた蜜が、指をぬるぬると濡らす。
(ああ、ヴェンデリン様。本当に申し訳ありません。)
夫に侘びながらも、エリーゼは自分を慰めた。彼女を抱こうとして今、少年が迷宮の中を駆けている。その衝動はどれだけ強いのか。彼の手に再びこの身が落ちれば、どのような運命が待つか想像に難くない。そして火がついた官能は、容易には鎮まらないだろう。夜は長く、彼は若いのだ。
自分の事を抱く為に迷宮を命をかけて駈けている少年に想いを馳せた。そして、どれほど時間が経っただろうか。廊下を歓声が包み、エリーゼは少年が無事に迷宮から帰還できた事を悟った。
──第ニ章:聖女の官能──
仲間達の歓声に迎えられて、少年は凱旋した。そして聖女の待つ部屋へと足早で向かった。
(僕が恐怖を克服できたのも、あの人の授けてくれた加護のお陰だ。)
魔物は予想以上に強大だった。しかし、生きて戻りあの儚げで清らかな美女を抱く。それだけが少年を支えてここまで導いたのだ。
股間はすでに勃起しっぱなしである。どんな精力剤よりも、記憶の中の聖女の肢体が彼を奮い立たせた。
(枢機卿様は、まだ彼女がいると約束してくれた。)
彼は迷宮から戻った姿のまま、勢いよく部屋の扉を開いた。聖女エリーゼはまだそこにいてくれた。少年と約束したわけではないのに。そして少し困ったような顔で、訪れた少年を見た。
「これ以上はいけません。儀式は、もう終わったのですよ。」
聖女の声は、その内容と裏腹に彼を誘惑するかのように甘く響いた。聖女の手が、まるで少年を押し留めようとでもするかのように伸ばされる。少年はその手を掴み、スッと自らの方へと引き寄せた。聖女が、少年の腕の中に収まる。
「貴女は、今夜は僕の物なんです。枢機卿様はそう約束してくださいました。」
少年の口調には、どこか脅迫の色があった。聖女たる貴女は、高位聖職者である枢機卿を嘘つきにしてしまうのですか、と。
聖女は困ったように眉を顰める。その隙に、少年は彼女の唇を奪った。抗議の声はもう起きなかった。ただ黙って、聖女は彼を受け入れてしまった。
少年がエリーゼを抱き上げ、ベッドへと運ぶ。血と泥で汚れた少年の顔は、熱く火照っている。それはまるで彼の内面の滾りを、外に放射しているかのようだった。
エリーゼは濡れた布で彼の汚れた体を拭き清めた。その間に少年はエリーゼの服を捲り上げると、下着を脱がせた。恥ずかしそうにエリーゼが身じろぎし、足を閉じようとする。先程まで自分で自分を慰めていた。もとより中に子種を出されてもいる。自分でも、秘所が卑猥なことになっているとわかっていた。だが、少年は彼女の足を強引に割り開いた。
「うわぉ。」
秘所を覗き込んだ少年が嘆声を上げた。少年は初めて子種を注がれた女性の秘所を観察したのだ。中から愛液を溢れ出させている。彼にとってそれはごく自然なことと受け止められた。エリーゼがはしたないのではない。聖女が彼を迎え入れる準備を整えている。そのようにしか理解しなかった。
弱々しく抵抗するたおやかな聖女を組み伏せ、聖女の服を着たまま正常位で突き入れる。もう抵抗はなかった。雄々しく猛った少年の逸物が、エリーゼを貫いた。それは今日初体験を迎えたばかりとは思えぬ勢いで、まるで少年は自身が雄である事を証明するかのうように激しく動いた。
「あっ……!」
正常位で深く貫かれてエリーゼは喘いだ。先程とは異なる、荒々しい突き上げ。根元まで男根が埋まるたび、膣を子宮口近くまで刺激されてしまう。その官能にエリーゼの背中が反る。
(この子、もう立派な男になってしまったのですね。)
ほんの一瞬で、少年は男に変化していた。性体験を済ませ、魔物を倒した。その両方が心身に強烈な成長を促したのだ。
少年の欲情は尽きることがなかった。その力は直向きにエリーゼの身体へと向けられた。猛烈に打ちつけれる少年の熱と昂ぶりに、エリーゼの声が甘く崩れていく。
「あんっ、乱暴にしないでください。」
だがその言葉とは裏腹に、彼女の名器は少年のものを咥えて離さなかった。熱くとろけた肉壁が、少年の逸物にまとわりつく。根元まで咥え込み、ぎゅうぎゅうと締めつけた。少年が引き抜こうとするたびにエリーゼがぬるぬると絡みついた。
先ほどの精液がまだ残っているその内部は、さらにねっとりと彼の形に合わせてくねる。少年は彼女のもたらす刺激に呻いた。
「凄い、聖女様の中はこんなに熱くてよく締まる。」
奥に差し込むと、子宮口が直接叩かれるたびにきゅうっと収縮するのだ。そしてエリーゼの秘所はすべてを搾り取ろうとするかのように脈打った。
「まるで、神様が完璧に作られたみたいだ。」
それは神がそう作成したかのように完璧だった。“名器”という言葉が少年の脳裏を横切る。少年は息を荒げながら、腰を深く沈めたままゆっくりと円を描くように動かした。ただ突き上げるだけではなく、聖女この完璧な名器の感触を丹念に味わい尽くすように。
名器の熱が自分のものを包み込み、柔らかく締めつけながらもどこまでも受け入れてくれる感触に、彼は夢中になった。
少年の手がエリーゼの豊かな乳房を掴み、親指で硬く尖った乳首を転がす。すると名器が一気に締めつけ、ぬちゃ、という卑猥な水音が部屋に響いた。エリーゼの腰が無意識に浮き、自ら少年の突き上げに合わせてくねり始めた。
「んっ……はぁ……だめ……そんなしないで……あっ、そこ……!」
エリーゼは切なく甘く哀願するかのように鳴く。拒む言葉とは裏腹に脚を少年の腰に絡め、奥まで深く受け入れるように腰を持ち上げて応えてしまう。少年はそれを見逃さず、さらに角度を変えて子宮口を執拗に抉った。名器がびくびくと痙攣し、愛液が溢れ出して彼の腹にまでぬるぬると伝う。
(……入ってきてしまう。この子の熱が。申し訳ありません、ヴェンデリン様……でも、こんなに求められてしまうと私も楽しんでしまう……)
少年は聖女の反応を一つひとつ堪能しながら、腰の動きを加速させた。名器の奥が自分の形に合わせてとろけ、締めつけ、吸いつくように絡みついてくる。エリーゼの巨乳が激しく揺れ、赤子が吸った痕跡が残る太い乳首が空気に晒されて小刻みに震える姿も、すべてが少年の欲情を煽った。
「聖女様……もっと僕のものを感じて……」
「あんっ……はぁ……もっと……奥まで……お願い……」
エリーゼはついに、少年の求めに声で応じてしまっていた。自ら腰を振り、名器を彼の逸物に押しつけるように動く。甘い喘ぎが部屋に満ち、水音と肉の音が重なる。少年は名器の完璧さを味わい尽くしながら、限界を迎えた。
少年は熱い精を、彼女の最奥へ勢いよく注ぎ込む。どくどくと脈打つたびに、名器が収縮してすべてを搾り取るように絡みついてくる。溢れた精が腿を伝い、シーツを濡らす。エリーゼは自分の熱を奥で受け止めながら、小さく身を震わせ、脚をさらに強く絡めて離さなかった。
少年は満ち足りた射精の余韻の中で、彼女の頰を優しく撫でた。戦闘の後の激しい性交渉。彼は全ての力を放出してしまっていた。
「疲れたでしょう。少しおやすみなさい。大丈夫、まだいなくなりません。」
エリーゼの声が甘く囁く。少年はその声に満足して目を閉じた。多少強引な手を使った気はする。だがこの聖女様をしっかりと味わい尽くした満足感が、少年の胸の奥に残っていた。
ただ肉欲を満たしただけではなかった。この完璧な女性は、聖騎士となった少年を受け止めて祝福してくれたのだ。そしてまだいると、そう約束してくれていた。続きはあるのだ。
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