『八男なんてそれはないでしょう』ヒロインたちの別物語 作:時田士郎
さわさわと僕の股間を弄る気配がする。そして熱い唇が、僕の耳に息を吹きかける。それは傍らで眠っていた筈の聖女様が、『もう我慢できません』とこの僕を誘ってくれている気配なのだ。
「ん。駄目ですよ、聖女様。」
僕は寝ぼけ眼で、僕に裸で覆い被さろうとするエリーゼ様のおっぱいにむしゃぶりついた。
「駄目ではないのですよ。貴方はもう起きる時間なのです。ならばせめてもう一度、私の加護を。」
聖女様は白い裸身を蛇のようにくねらせて、僕の上に跨ってくる。朝立ちを迎えた僕の逸物は聖女様の手の中にあり、やがてそれは聖女様の最も神聖な場所の中に迎え入れられた。
「あ、入ってきています。」
聖女様の吐息が荒くなる。僕の逸物にはまとわりつく様な、聖女様の秘所の締め付けを感じている。それが心地良くない訳がない。
僕の鼻息も荒くなる。目覚めの一発は、いつだって最高だ。朝日の中でその裸身を輝かす美しい聖女様を相手にしていると、本当に人間と交わっているのかさえ怪しくなる程に。
「あ、もういきそうです。」
僕は、腰使いを早めた。聖女様の秘所は僕を咥え込み離そうとしない。
「聖女様、もう限界です。」
僕は聖女様の言いつけに従い、自己の限界を申告してから射精に対する我慢をやめた。そして爆ぜる感覚と共に、聖女様の中に僕の子種をぶち撒ける。
「ああ、いいっ。」
僕の子種を膣内にぶち撒けられ、快楽に浸りなおも聖女様が腰を動かす。僕は、そんな彼女がすっかり落ち着くまでキスで宥める。聖女様は官能が鎮まるのをただ待っているかのように、目を閉じて僕にされるまま身を委ねている。そして僕は、浅い息を繰り返す聖女様から男根を引き抜いた。
「あっ」
抜かれる感触に聖女様が甘い吐息を漏らすと、聖女様は目を開いて僕を見た。そして少し寂しそうに告げる。
「もう行ってしまうのですね。」
「ええ。戦友達が待っていますから。」
聖騎士となって一ヶ月。出来の少し悪い僕は、聖女様の補習を受けている。だから未だ見習いと呼ばれている。これも彼女の指名によるものだ。加護の効きが悪いとか、なんとか。司祭様の話だから、まず間違いではないのだろう。
「では、お気をつけて。その可愛い顔に傷をつけたりしたら許しませんよ。」
そう言って、聖女様が柔らかく僕にキスをしてくれる。
「大丈夫。怪我をしても、聖女様が奇跡の力で回復してくれるんでしょう?」
僕らは回復魔法を、冗談めかしてそう呼び交わしている。
「まあ。そう、そうでしたね。」
僕の冗談に、聖女様は笑ってくれた。
「では、気をつけて。」
「行ってきます。」
装備を整えた僕は部屋を出た。加護の儀を受けていた分、仲間に遅れてダンジョンに潜るのだ。早く追いつかねばならない。僕はとても気が急いていた。
第7話:エリーゼ無残
──脅迫の果て──
少年を送り出した室内、聖女は笑顔を消す。そして隣室へと声をかけた。
「起きているのでしょう。出ておいでなさい。」
「はい、聖女様。」
隣室から姿を見せたのは高位聖職者の服装に身を包んだ中年、いや初老の男である。男としての魅力は、先ほどの少年とは比べるべくもない。エリーゼは笑顔を消し、眉を顰めた。
「朝が来るまでに、館に戻らねばなりません。今日はヴェンデリン様が本宅にお戻りになる日。朝食を共に摂るのです。……手早く済ませなさい。」
「はっ」
開かれたままのエリーゼの身体に、司祭が挑み掛かる。司祭はエリーゼに奉仕を強要してはならない。それが脅迫されたエリーゼが提示した条件だった。
そう、エリーゼは脅迫を受けている。『このスクワイアと、私的に通じている。それを枢機卿と夫にバラすと。』聖女はその秘密を明かされる訳にはいかない。それでこうして今、好きでもない男に身を任せているのだ。
「しかし、本当に彼がお好きなのですな。」
横たわるエリーゼの乳房に舌を這わせながら、司祭がエリーゼに問う。
「仕方がないでしょう。弱くとも顔が好みなのです。いえ、弱々しいからこそ守ってあげたくなる。」
少年の話をすると、エリーゼは機嫌が良くなる。司祭はそれを知っていた。こうして話を振るのも、彼女の機嫌を取り結ぶ為である。
「しかし、伯爵様と比べてどちらがお好きなのでしょうな?」
司祭がいやらしい笑みを浮かべて問う。少年に抱かれたままの身体で司祭に組み敷かれながら、エリーゼは身悶えした。司祭の事は気にならない。話す汚物程度にしか考えていない。
彼女が気にしているのは、ヴェンデリンと少年のどちらが自分の心に叶うかだけなのだ。
「それはもちろん、ヴェンデリン様。でもあの方が私に振り向けてくれる愛情は十分の一くらい。いいえそれは結婚した頃の事だから、妻が増えた今ならあの方のくださる愛は五十分の一くらい。」
司祭が己の一物をエリーゼの手に握らせようとするが、エリーゼはそれを手で払った。この男には、まるで関心がないのだ。
「それで、あの聖騎士見習いにご執心ですか。」
少年の話になると、エリーゼは饒舌になる。秘密の話ほど、それを打ち明ける相手がいれば止まらなくなるものだ。
「口寂しい時につい摘み食いしてしまう、まるでお菓子のような子です。あの子ならどれだけ摘み食いしても太りません。それに、独寝は飽きました。」
そう言ってエリーゼは満面の笑顔を見せた。
「聖女様、そろそろ我慢の限界が。」
司祭のその言葉に、スッとエリーゼの笑顔が消える。
「では仕方ありませんね。手早くお済ませなさい。」
聖女が遂に許可を出した。司祭は彼女の秘所へと手を伸ばした。加護の儀として少年に抱かれた後で、エリーゼはその身体を清めてはいない。その秘所はつい先ほどの名残を、少年の吐精した子種を飲み込んだままでいる。
司祭の指がそのエリーゼの秘所に沈む。司祭は胸に顔を埋め、乳首を吸う。気色が悪かった。それでも拒否は許されなかった。拒否すれば今の関係が壊れてしまう。エリーゼは教会で神に対して行った約束を守れない事になる。ヴェンデリンに知られれば、加護の儀の継続も怪しい。聖女は、彼女が支えるその全てを壊さないためにこの男に身体を開いていた。
「ほう。よく濡れておりますな」
愛液と、残った子種の区別もついていないらしい。エリーゼは心中で嘲笑った。
男の指が二本に増やされる。膣内を掻き回されるたび、小さな水音が立つ。先端を親指で転がされ、エリーゼは不快を感じた。
男が身じろぎし、身体の態勢を変化させる。その動きの先を読んだエリーゼは釘を刺した。
「中に出してはいけませんよ」
「はっ。承知しております」
これもまた彼らの取り決めである。脅迫に屈しながらも、エリーゼが譲らなかった一線なのだ。
司祭の男根がエリーゼに押し当てられる。興奮と欲望で、その先端は司祭の記憶になかったほどに怒張していた。
エリーゼは男から目を背け、天井のフレスコ画に視線を這わせた。あの絵を鑑賞している内に、この男は彼女を愉しみそして果てているだろう。
(この年齢なら、一度で済みましょう)
司祭はこの日の凌辱の為に、媚薬を口にしていた。エリーゼはその事をまだ知らない。
割れ目を押し広げ、ずぶりとエリーゼの中に沈む。聖職に身を捧げた司祭にとって、初めての女の中である。彼は神への誓いと禁欲を忘れ、加護の儀を盗み見てから夢見たものを遂に得た。
司祭は暫し身体を止め、感慨に耽った。彼は感動している。女を遂に抱いた。それもあの美しく清らかな聖女を己の初めての人としたのだ。
その歪んだ情念は、エリーゼにはまるで理解できない。聖女は男に何の理解も示さず、ただ恵まれぬ者への慈悲であるかのようにその身体を差し出していた。
司祭が腰を動かす。男根を押し込む度に、膣内から古い子種が掻き出される。司祭はそのようにして、少年の出した熱を己の肉棒で上書きしようとした。エリーゼはただ黙って天井を眺めていた。それでも司祭は、己を解放するが如き悦楽に酔いしれていた。この美しき聖女を犯す快感に打ち震えながら、彼女の中で果てたいと心から願う。だがその贅沢は彼には許されてはいない。だから抜く準備を整えて、新たな子種を放つ態勢へと入った。
「ああ。出ます、聖女様」
挿入から射精までさして時間を要さない。この男の初体験は、果てるまで時間がかからない。そして聖女との約束どおり、司祭は射精の直前で腰を引いた。
聖女の体から引き抜かれた男根が、彼女の内部ではなく白い腹の上に子種を吐き出す。エリーゼはそれを見て確認した。司祭は、約束は一応は果たしたのだ。
司祭もまた、満足した長い息を吐いた。己が聖女を本当に汚したのだと、視覚的に満足出来たのだ。
「終わりましたね」
エリーゼは立ち上がろうとした。心はもう次の予定へと移っている。早くこの身を清め、館に戻らねばならない。中腰になったその体が、背後から押された。
司祭が、逃れようとするエリーゼをベッドに組み伏せたのだ。聖女の顔がシーツに埋もれる。
「やめてください」
懸命に踠きながら、エリーゼは抗議した。しかし男の手で、その尻を持ち上げられる。男の手で開かれたエリーゼの秘所が、差し込み始めた朝の光の中で糸を引いている。
「まさに、絶景ですな。」
エリーゼの怒りを無視するかのように、司祭が心根を吐露する。
「私は一晩待たされたのです。もう少し、聖女様のお時間をいただいても良いでしょう?」
「もうダメと、私はそう言っています。」
聖女が抗議するその声の途中で、背後から司祭の男根が根元まで入ってきた。その角度は正面の時よりキツく、そして深い。
もがくエリーゼの肘がシーツの上で滑った。この男の事は受け入れ難い。取引は済ませた筈だ。だが確かに、回数の指定まではしていない。
そして淫蕩な一夜の記憶が、未だエリーゼの体内に疼いている。僅かな物足りなさは、ヴェンデリンと過ごす為に敢えて残した性欲の残滓。
だがこの男はそれをまるで見抜いているかのように振る舞った。それは司祭の確信か偶然か。
エリーゼの体は、こうして再度男の欲望を受け止めさせてしまった。エリーゼの抵抗が弱いと見たのだろう。司祭の行為は執拗だった。同じ場所を、角度を変えて何度も碾かれる。
(まるで馬鹿の一つ覚えですね。)
舌打ちをしたい気分で、エリーゼは考える。この男は筋が悪い。それでも、溜まっていた澱を溶かすような官能の疼きを感じ始めてしまっていた。だからこそ、司祭に約束を守らせるべく強い声を出す。
「中に出してはいけませんよ」
この言葉には表と裏の解釈が成り立つ。本音と取れば、約束を違えてはならない。しかし裏の解釈が成り立つとすれば、建前で禁じているだけという事だ。そして、エリーゼの声には微かな吐息が混じっていた。司祭はそれを敏感に感じた。
(つまり聖女様は、私の男としての能力に屈したのだ。)
司祭は自分に都合の良い考え方をした。エリーゼの言葉の意味を、後者だと受け止めたのだ。それは都合の良い考え方である。『女は男の男根に屈するべき』という男たちの哀しい幻想に過ぎない。そしてそれは、更なる増長の源となる。
「抜きます故……」
そう言い訳する言葉の途中で、司祭は聖女の中をより深く抉った。聖女を犯している今この時こそ、彼女の中に己の子種を放つ。司祭はそう心を決めたのだ。たとえ約束をしていたとしても、女を我が物としようとするこの本能には逆らえる筈がない。
(こんな淫蕩な身体をしているから、私が惑わされ離れがたく誘惑されてしまったのだ。)
全ては聖女に責任があるとそう考えながら、司祭は一物を根元まで沈めた。そしてそのままエリーゼの膣内で、男の精がドクドクと打ち込まれる。
(背後ならば見えまい。そして他の男の種でないと証明も出来まい。これはそう、事故なのだ。)
司祭はなんとか射精していない素振りで腰を動かすと、放ちながら男根を引き抜いた。まだ子種を吐精するそれはエリーゼの尻を汚す。しかし膣外で放たれたその量は、極小である。その大半は膣内に放たれたのだ。
「何をしたのですっ!」
「事故です」
抗議する聖女の背中に、司祭はそう声をかけた。しかし果てる瞬間の心地よさは、彼に得難い感動を与えていた。必ずまた、司祭は心の中でそう誓った。次こそ完全なる射精をしたい。すでにその欲求が彼を縛っている。
「……事故、ですか」
「抜けが、遅れました故」
振り返り己をキッと睨む聖女に、司祭はいけしゃあしゃあとそう答えた。聖女の怒りすら、今の司祭には官能のスパイスでしかない。
「これで、もう充分でしょう」
抗議する聖女を再度ベッドの上に転がす。男の手で、聖女は苦も無く転がされる。それは彼女の経験を、何度も夫の下で女として最高の奉仕を務めてきたその役割の長さを表していた。
聖女を仰向けに戻し、睨む美しい顔を鑑賞しながらその脚のあいだへ膝を割り入れ広げる。正常位。腹に残る精をそのままに、聖女は割れ目へ男根を当てられる。
「もう充分、と仰せでも」
司祭の声が、低く落ちる。
「媚薬に火照ったこの身体を鎮めてくださるのは聖女様のお身体をお借りするほかありません。それとも。」
そこで司祭が言葉を区切る。それは脅迫を浮き上がらせる為である。
「枢機卿様にも、伯爵様にも、秘密が露見しても良いのですか?」
エリーゼは顔を伏せて何も答えない。司祭はほくそ笑み、腰を進めた。ずぶり、と男根が沈む。聖女の与える刺激にも、ようやく慣れてきている。
(今度こそは長く楽しめるはずだ。そして中に…)
司祭のその言葉は、そこで途切れた。彼に組み伏せられ貫かれたまま、聖女が耳元で囁いたのだ。
「これ以上は、ダメですよ」
低く、短い。しかしその声でさえ、司祭の官能も欲望を止められはしない。
(この声で、やめないでと泣かせてやる。)
これ以上は許さない、と取るべきだった。が、快感の歯止めが効かないと取ることもできる。司祭は後者と受け取り、中へ出そうと腰を打ちつけた。
「聖女様……出しますぞ。貴方の中へ」
エリーゼは逃すまいとするかのように脚を絡め、耳へ唇を寄せた。その声は、朝あの子にかけた声と、よく似ていた。
「脅迫までは許しましょう。しかし交わした約束を守らないのであれば、か弱い私はこうして自分の身を守らなくてはなりません」
聖女の掌が男の背に添う。流し込まれた魔力は単なる回復魔法のそれである。しかしその力は、常にもなく強く流れ込む。傷を癒すはずの光だ。肉体を目に見える形で破壊する力はない。
しかし時として薬は、毒になる。血管を押し広げ血流を良くする効能は、初老の体には大きな負担となる。しかも司祭は勃起を持続させる為の媚薬を飲んでおり、しかも彼は聖女と交合を果たすという心身共に大興奮の只中にある。
司祭の心臓も血管も、それに耐える余力をもはや持たなかった。ただでさえ高かった血圧。運動と興奮で最高潮のそれは、媚薬の効果もあり全身を巡る血流を溢れさせた。
それと共に心臓の負荷も高まっていく。破滅的な血管の破損が脳内で内出血を起こさせる。激しい眩暈と頭痛が起き、目も見えない。司祭は悲鳴をあげようとした。だが今度は心臓が動かない。胸が詰まる。息も出来ない。
聖女の手は、誰かを癒す手の筈である。それがいまは、その同じ手が司祭の命を終わらせている。
「約束を守らない人は、こうして神の怒りに触れるのです。」
聖女の中が極限まで締まった。エリーゼ自身の絶頂が、腹の奥から男を搾る。子宮が降り、先端を咥え、脈の回数だけ吸い上げる。その締めつけと、魔力の負荷が、同時に司祭の古い心臓へ落ちた。それは完全にその機能を停止した。
エリーゼは全身で官能を感じている。先程までの感じていない彼女では、もうない。死にゆく司祭の射精の熱を、聖女は拒まずに受け取る。それは生命の最後の迸りである。
(これこそ、この方の求めていたもの。そう考えれば、いちばんきれいな罰であるかもしれません。)
エリーゼは司祭の生と死が与えてくれた官能に打ち震えながら、どこか冷めた部分でそう考えていた。
司祭の呼吸が、吸う途中で止まった。脈は止まり、腰ももう動いてはいない。なのに司祭の射精だけが残っている。それはエリーゼの膣内に精を放ち続ける。
司祭の口が開き、途切れた声が落ちた。
「ぐっ……聖女さ……神よ……」
司祭はエリーゼの腹上で、まだ繋がったまま動かなくなる。その体は重い。また温かい。だがその命はもう、戻らない。
エリーゼは、絶命の瞬間の射精を一滴残らず味わい尽くした。そしてなおも小さく腰を揺らして、己の中の熱が冷めるのを待った。結合から溢れる白が、冷たいシーツへ落ちていく。
これを理想の死に方と呼ぶ者もいるだろう。彼女を抱くことに焦がれていたこの男にとっては、そうだったのかもしれない。聖女にとっては、約束を破った者に対する無慈悲な処刑だった。
「だから、“ダメですよ”と言ったのです」
耳元でそう囁いても、もう声は司祭には届いてはいなかった。
「さ、早くヴェンデリン様のところへ戻りましょう。遅くなってしまいました。」
エリーゼは苦労して男の下から這い出た。彼女は明らかに被害者である。そして教会の中に、陵辱されたことへの復讐を果たした聖女を裁ける者などいるはずが無い。
数を増やした聖騎士は全員彼女の味方である。枢機卿でさえ、もはや彼女には手出し出来ないのだ。エリーゼのその顔は、再び少年を送り出したのと同じ晴々とした笑顔を取り戻していた。
今後、主にどのヒロイン(またはその路線)を中心とした物語を読みたいですか?
-
エリーゼの路線
-
ルイーゼの路線
-
カタリーナの路線
-
イーナの路線
-
その他ヒロインの登場熱望