※この作品はR-18です。

星のない夜だから…   作:c.c.k

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前章に引き続き、ティファ視点でお送りします。

今回は、二人の関係が後戻りできないところまで進む章になります。性描写の密度も前章よりさらに踏み込んでいますので、苦手な方はブラウザバック推奨です。

彼女の「初めて」を、痛みも含めてできるだけ丁寧に描いたつもりです。甘さだけでなく、事後の羞恥や動揺までワンセットで読んでいただけると嬉しいです。

それでは、どうぞ。


第2章

絡み合う視線が、取り返しのつかない決断の時を物語っていた。  もはや言葉に意味はない。彼の瞳の奥に渦巻く、剥き出しの欲望と、隠しきれない切なさ。それが鏡合わせのように、私の瞳にも同じ質量で映っている。心を、そして肉体を交わすということの、なんと恐ろしく、甘美なことか。あれほど震えていた私の身体は、不思議と静まり返っていた。

バレットは決意を込めた瞳を私に向けたまま、ゆっくりと、けれど容赦なく腰を押し出し始めた。感情の坩堝となった私の中心。固く閉ざされていた膣口へと、彼の巨大なペニスがめり込み、強引にこじ開けていく。

「……いっ、た……っ!」

初めての衝撃が、私の中心を鋭く貫く。脳天を直接叩き割るような痺れと痛みが突き刺さり、私はテーブルの天板を指が白くなるほど強く掴む。私の零した苦鳴に、バレットの動きがぴたりと止まった。欲望を滾らせる下腹部の猛々しさとは裏腹に、私を壊すことを恐れる彼の瞳が、ひどくいじらしい。

「だ、大丈夫か……?」

アルコールの酩酊感など、その激痛の一撃で霧散していた。今、互いの間に流れているのは、劣情と寂しさを吐き出す、熱い吐息だけ。  ここで彼を拒めば、この温もりまで永遠に失ってしまう気がして、私はそれが何よりも怖かった。

「だ、大丈夫だから……続けて……」

私の言葉を合図に、彼は侵入を再開した。割り開かれ、引き裂かれていく身体。けれど、奥へ、奥へと進んでくるのは、痛みだけではない。バレットという男の、これまで誰にも見せなかった「孤独」そのものだった。

下腹部の最奥に、逃げ場のない重みが届いた。バレットのペニスが、私の行き止まり――子宮口を力強く突き上げたことを、内側の粘膜が鮮烈に伝えてくる。痺れるような圧迫感と、しっかりとした温もり。子宮のあたりまで広がるその熱さが、私の思考を完全に奪い去っていった。

「痛くねぇか……?」

言葉に滲むバレットの優しさが、痛いほど嬉しかった。仲間として、家族として、超えてはいけない一線を超えてしまった。明日になれば、マリンの無垢な笑顔が、罪悪感となって私を責め立てるだろう。けれど、今はそんな後悔さえも、彼と繋がっているという圧倒的な実感が塗りつぶしていく。

「……もう、大丈夫。いいよ……」

私達の寂しさを分け合うような、不器用で、激しい交合が始まった。もはや痛みはどうでもよかった。ただ、今この瞬間の虚無を紛らわせてくれる、彼という異物の激しさが欲しかった。私の膣内を抉るように動く、巨大な肉棒の質量だけを、私は貪るように求めていた。

ゆっくりと、バレットの抽挿が始まった。引き抜かれ、そして再び根元まで力強く差し込まれる。肉と肉がぶつかる鈍い音、接合部から溢れ出す愛液が跳ねる、淫靡な水音。  あれほど恐れていた最初の痛みは、いまや遠い記憶の彼方へと追いやられていた。代わりに、空白だった私の心と体が、彼の巨大な質量によって、一寸の隙間もなく埋め尽くされていく。

「あんっ……んっ……!」

下腹部の最奥、子宮の入り口を叩き潰すような衝撃が繰り返されるたび、私の脳内は甘く、暴力的な痺れで満たされていく。私は、生まれて初めて知った。この、言い逃れのできない粘膜の摩擦と、熱の交換。これが何よりも確かな救いなのだと。

バレットの岩のような肩に手を置き、必死に彼と視線を交わす。溢れ出る喘ぎ、制御を失った呼吸音。五感のすべてが「これでいい」と、叫ぶように私を肯定してくる。

「ふっ……ぐっ……」

快感に顔を歪める、バレットの表情。それを見続けてしまえば、もう二度と「仲間」や「家族」という綺麗な場所へは戻れない。そう直感し、私は耐えきれずに顔を背けた。  私の知るアバランチのリーダーでも、マリンの父親でもない。ただ、一人の女の体を執拗に貪り、悦びに身を震わせる、愚かで愛おしい一人の「男」の顔。

(あぁ……だめ。そんな顔、しないで……)

新たな拒絶が、心の隅で悲鳴を上げる。バレットを明確に「雄」として認識し、それを受け入れている自分自身が、恐ろしくてたまらなかった。しかし、その恐怖心さえも、下腹部を抉り回す熱い快感の前では、甘い痺れへと変貌していく。

「んっ……んっ……ぁ……!」

快楽で溶けそうになる視界を、私は必死に閉じた。これは単なる快楽の消費ではない。  下腹部から伝わるバレットのペニスの脈動が、寂しさと虚しさに咽んでいた私の魂を、一滴残らず吸い出し、溶かしていくための、あまりに誠実な儀式の様だった。

バレットの額から溢れた汗が、私の剥き出しの乳房へと滴り落ちる。汗ばみ、密着した二人の肌が、抽挿のたびに湿った音を立てて擦れ合う。私の唇から溢れる喘ぎは、もはや制御を失い、夜の静寂を切り裂いていく。

「あんっ……あっ……ぁ……っ!」

媚びるような、下卑た熱を帯びた嬌声。それを零せば零すほどに、バレットの腰の動きは野獣のごとき激しさを増していく。糸を引くように濡れそぼった結合部。下腹部を飾る私の陰毛は、溢れ出した愛液と彼の先走りで、重く鈍い艶を増していく。猛然と突き込まれ、無慈悲に押し潰される私の最奥。その粘膜の摩擦が、まばゆいばかりの絶頂という名の“悦び”を限界まで高めていく。

(だめっ……! なんか……なんか、来ちゃう……っ!!)

絶頂の巨大な波が、私の細い身体を飲み込んでいく。子宮が狂ったように疼き、突き込まれる衝撃を受け止めるたびに、意識が白く爆ぜる。脳内はただ、この男に壊されたいという狂気的な快感に支配されていた。

「あぁっ……!! い、いぃっ……!!」

絶頂の訪れと共に、私の膣壁は激しい収縮を繰り返し、剥き出しの乳首は痛いほどに尖り狂う。  脈打つ私の中が、バレットの怒張したペニスを引きちぎらんばかりに強く、熱く締め上げると、彼もまた、ついに限界を迎えた。

「ぐっ……うっ……!!」

引き抜かれたペニスの先端から、彼の「生」そのものである熱い精液が吐き出される。  さらけ出された私の下腹部、捲り上げられたスカート、そして剥き出しの胸元に至るまで、濁った熱い精液が叩きつけられ、飛び散った。一定のリズムを刻み、私の肌を白く汚していく彼の精液。快楽に顔を歪め、獣のように呻くバレットの表情が、私の飢えた心を満たしていく。

(あぁ……熱い……バレット、私も……)

激しい呼吸音だけが響く店内。室内に充満する、事後特有の濃厚な精の香りと、鉄のような硝煙の匂い。引き抜かれた後の、甘い痺れを伴った喪失感。

五感から伝わる情報のすべてが、重い倦怠感と共に、私の凍りついていた心を優しく溶かし、許していくのだった。

 

---

 

私の上に降りかかったバレットの精液が、夜の空気に触れて徐々に冷めていく。それと同時に、興奮に塗りつぶされていた脳内が、刺すような冷静さを取り戻していく。直後に急激に押し寄せてきたのは、耐えがたいほどの羞恥心だった。

バレットがおずおずと差し出したティッシュを、私はひったくるように受け取ると、テーブルから飛び降りた。彼に背を向けたまま、肌にこびりついた精液を拭き取っていく。胸元、腹部、そして無残にはだけた衣装。最後に、まだズキズキとした重い余韻の残る股間部を拭った。丸まったティッシュに、私の純潔を散らせた証拠が、鮮烈な赤となって眼前に突きつけられる。

(私……“しちゃった”んだ……)

処女を失った。しかも……バレットと。その重すぎる事実が、鉛のように胸にのしかかる。お酒の勢いと、これまで溜め込んできた孤独な感情が爆発した末の、事故に近い喪失。自分の人生の「最初」が、閉店後の薄暗いバーのテーブルの上で、こんな形でなんて、想像もしていなかった。

乱れた衣装を整える間も、心臓はこれでもかと激しく跳ね回る。脳裏をよぎるのは、快感に歪み、獣のように私を貪っていた彼の表情。そして、挿入の直前に網膜に焼き付いた、あの猛り狂ったペニスの質感。振り返れば、そこにはまだ、すべてを終えたばかりのバレットが立っている。自然と頭に血が上り、頬が火傷しそうなほど紅潮していくのが分かった。頭をいくら左右に振っても、肉と肉がぶつかり合ったあの淫靡な光景は消えてくれない。

そんな私の心の内を見透かすように、背後からバレットの、ひどく場違いな声が響いた。

「その……すまんっ!! ……いきなり、こんなことになっちまって……」

見上げるほどの巨躯が、今はやけに小さく、縮こまって見える。まるで悪戯を見つかった子供のように肩を落とす彼を見て、私の口元から、緊張の糸が切れたような笑みが不意に零れた。

「いいよ……そんなに謝らないで。私だって……その……応じたわけだし……」

自分を組み敷き、力任せに膣(なか)を蹂躙した大男の、この卑屈なまでのコントラスト。それがひどく滑稽で、けれど、昨日までよりもずっと愛おしく感じられてしまった。  “する”前と後で、彼に対する印象は決定的に変わってしまった。けれど、彼はやはり彼だった。マリンの父親であり、同じアバランチのリーダー。その事実に変わりはない。

でも。「男」と「女」として繋がってしまった彼と私は、もう、昨日までと同じようには振る舞えない。  シーツの代わりに使われた冷たいテーブルと、手元のティッシュに残った鮮血の痕跡。これをただの「間違い」として片付けるには、私の身体に刻まれた彼の熱は、あまりにも重すぎた。

「でも……その……なんだ。その……“初めて”だったんだろ? ……俺なんかが……」

言い淀み、視線を泳がせるバレット。その狼狽ぶりを、私は場を繕うような空虚な笑いで受け流すしかなかった。たった一回の過ちで断ち切れるほど、私たちの積み上げてきた三年は軽くはないのだ。

「俺なんかが何? あーあ、初めてはもっと好きな人としたかったなぁ……」

わざと意地悪く、小さくなる彼を突き放すような言葉を投げた。「好きな人」――自分で発したその言葉に、胸の奥で鋭い違和感が走る。

一瞬だけ、本当に一瞬だけ、脳裏に懐かしいニブルヘイムの乾いた風と、降るような星空、そして決意を込めた少年の「青い瞳」が蘇る。あの瞳に、いつかまた会える日を心の支えにして生きてきたはずなのに……。  今の私には、たった今、私を組み敷き、力任せに抱き潰したバレットの温もりだけが、恐ろしいほど残酷に、優しく感じられていた。

苦虫を噛み潰したような表情で固まるバレット。そんな彼を見ながら、私は無理に作り笑いを続ける。そうでもしていないと、今にも泣き出しそうだったから。悲しいからじゃない。辛いからでもない。同じだけの孤独を抱えた男がすぐ隣にいて、その男と、言葉よりも先に肉体で深く繋がってしまった。その熱に、どうしようもなく寄りかかりたくなってしまった自分。そんな弱くて卑しい自分が、情けなくて仕方がなかった。

「……無かったことには出来ないけど、意識するのはやめよ? 明日からも“仲間”なのに変わりないでしょ?」

自分で言っておきながら、意識しないなんて不可能だと分かっていた。けれど、それ以上に、この危うい家族ごっこという均衡を壊すことの方が怖かった。一抹の寂しさが、店内の空気に溶け、薄れていく事後の濃厚な精の香りを、未練がましく私の鼻腔に蘇らせる。

「じゃあ、明日も早いから帰るね……。おやすみ、バレット」

立ち尽くすバレットに背を向け、私は逃げるようにセブンスヘブンを後にした。  この夜の、事故のような繋がりが、私のこれからの人生をどれほど深く、歪に支配していくことになるのか。その予感に震えながら、夜のミッドガルを急ぐ。

肌に纏わりつく彼の大きな掌の残像。そして、激しい抽挿の余韻で疼き、重い違和感を訴え続け股間の感覚。  初めて男を受け入れたという、消えない肉体の記憶に後ろ髪を引かれながら、私は一度も振り返らずに夜の闇の中へと走っていくのだった。




第二章、読んでいただきありがとうございました。

快楽の余韻より先に押し寄せる羞恥心、気まずさ、そして「無かったことにはできない」という重さ――そのあたりの生々しさを、なるべく綺麗事にせず書いたつもりです。

ティファが最後にふと思い出す「青い瞳」についても、これは一時の感傷ではなく、今後の展開に関わってくる要素です。伏線として拾っていただけると嬉しいです。


次章では、二人の関係がアバランチ内にどう波及していくかを描く予定です。引き続きお付き合いいただければと思います。ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

コメントなどいただけますと次回の投稿の励みになります。率直な感想やご意見など、何でもいただけると嬉しいです。よろしくお願い致します。
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