※この作品はR-18です。

知ってるやる夫スレの世界に転生したので、自分の幸せのためにやり込んで生き抜く。   作:原作のことが大大大大大好きなファン

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第一話:牙を隠した「供給源」

テレビのニュースでは、今日も「女子生徒による男子生徒への暴行事件」が報じられている。この世界は狂っている。男女の力関係は完全に逆転し、女性は本能のままに男性を求め、社会は「貴重な資源」である男子を守るために過保護な法律と監視体制を敷いている。

 

だが、守られるだけの資源で終わるつもりはない。

 

(僕は、人並み以上の幸せを掴み取っていい『規格外』なんだから)

 

鏡の前で中学三年生の俺は、自分に言い聞かせる。鏡の中に映るのは、可憐な「男の娘」の姿だ。女顔で外見だけなら男だとはわからない。だからこそ、これまでの僕も無事に過ごせてきていたのだろう。昨日までは。

僕は前世の知識を知っている。そして、この世界のどこかに、自分を「幸せになってはいけない規格外」だと思い込み、慎ましく生きようとする本物の主人公・入即出やる夫がいることも知っている。

 

あんな自分が傷つく損な生き方は御免だ。僕は他人の幸せを奪ってでも、自分が苦しむことのない日常を掴んでみせる。

まず着手したのは、「盾」の確保だった。この異常な世界で、公的な警察や教師の大半はあてにならない。彼ら自身もまた、内なる欲望に身を焦がされている存在だからだ。

 

母親という「最初の奴隷」を確保した僕は、さっそく彼女の権力と財力を使い始めた。

 

この世界で男性を守るための法律や監視体制は、裏を返せば、それを行使できる地位にある女性にとって、男性を「囲い込む」ための強力な武器になる。僕の母親は、そのシステムを誰よりも巧みに利用してきた成功者だ。彼女がその気になれば、僕のために「要塞」を築くことなど造作もない。

 

「お、お待たせ、……くん。言われた通りのものはすべて揃えたわ」

 

数日後、僕の部屋に運び込まれたのは、この世界で最高峰のスペックを誇る最新の配信機材一式だった。 超高感度カメラ、ノイズキャンセリングを極限まで高めたマイク、そして男性の繊細な肌をより美しく、艶かしく映し出すための専用ライティング。

 

この世界の女性たちは、男性という「供給源」に常に飢えている。 画面越しに供給される「男性」という資源は、彼女たちにとって麻薬以上の価値を持つ。原作のやる夫が配信編で経験したような騒動を、僕はもっと意図的に、もっと暴力的なまでの「搾取」として利用するつもりだ。

 

「……満足、してくれたかしら?」

 

期待と恐怖が混ざった目で僕を見つめる母親。僕は彼女の頬を指先でなぞり、満足げに微笑んでみせる。

 

「うん、最高だよ。……それで、もう一つの『お願い』の方は?」

 

僕がそう問いかけると、母親は一瞬だけ表情を曇らせたが、すぐに部屋のドアを開けて外に控えていた人物を招き入れた。

 

「ええ。……私のコネクションを最大限に使って、身元の確かな『実力者』を呼んだわ。海外の紛争地帯で、男性資源の争奪戦から幾度も生還した元軍人の傭兵よ」

 

入ってきたのは、返り血の匂いさえ感じさせるような、研ぎ澄まされた空気を纏った大柄な女性だった。 彼女はこの世界において、暴力という名の「力」の頂点に近い存在だ。女性優位の社会において、軍事経験を持つ女性は、時に法律さえも踏み越える実力を持つ。

 

「――コードネーム『バラライカ』。今日から貴方の『盾』を務める」

 

原作主人公の母親と比べれたら、大したことはないだろうが、この迫力なら有象無象はなんとかなりそうだと感じさせられる。

彼女の瞳には、この世界の女性が男性に向ける特有の「渇望」ではなく、プロフェッショナルとしての冷徹な観察眼があった。

だが、それも時間の問題だろう。

 

僕は彼女を見上げ、前世の知識とこの世界での希少性を組み合わせた、最高に「可愛らしい」笑顔を作った。

 

「よろしくね、お姉さん。僕を壊そうとする悪い女たちから、しっかり守って。……その代わり、僕からも特別な『報酬』をあげるから」

 

護衛はピクリと眉を動かした。彼女のような強者であっても、この世界で男性からほのめかされて揺らがない者は少ない。

 

彼女はいずれ、僕からのささやかな承認――例えば、名前を呼ぶ、微笑みかけるといった程度の対価を得るために、狂奔するようになるだろう。僕はその可能性が高そうだと彼女を見て、思った。

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