※この作品はR-18です。

知ってるやる夫スレの世界に転生したので、自分の幸せのためにやり込んで生き抜く。   作:原作のことが大大大大大好きなファン

4 / 9
第一話:牙を隠した「供給源」(母親視点)

テレビのニュースでは、今日も「女子生徒による男子生徒への暴行事件」が繰り返されている。 かつての私なら、こうした事件を冷徹な目で見下していただろう。この国の歪んだ均衡――男性を「貴重な資源」として囲い込み、監視し、法で縛り付けることで保たれている秩序を、私は自分の野心のために利用してきたのだから

。

けれど、今の私にはそんな余裕なんてない。

 

「……くん、お待たせ。言われた通りのものはすべて揃えたわ」

 

私は震える手で、彼の部屋のドアを開けた。 かつては「守るべき対象」だった息子。だが、今の彼は違う。あの日、私の本能が暴走し、彼という至高の資源を蹂躙してしまったあの瞬間から、私たちの関係は完全に壊れ……いいえ、「再構築」されてしまった。

 

彼の部屋に運び込まれたのは、私の財力とコネクションを注ぎ込んで用意した、世界最高峰の配信機材一式だ。 超高感度カメラに、ノイズキャンセリングマイク。男性の繊細な肌を、より艶かしく、より残酷に美しく映し出すための専用ライティング。

 

この世界の女性たちは、画面越しに供給されるわずかな「男性の気配」にさえ、麻薬を求めるように飢えている。 もし彼がその姿を世界に晒せば、文字通り社会は狂喜し、混乱するだろう。彼は自分の価値を完全に理解している。

 

「……満足、してくれたかしら?」

 

私は、期待と、そして心の奥底にある拭えない恐怖を抱えて彼を見つめた。 彼は、私の頬を細い指先でなぞる。その感触だけで、私の理性がバラバラに崩れていくのが分かる。

 

「うん、最高だよ。……それで、もう一つの『お願い』の方は?」

 

彼の甘い声に促され、私はもう一度ドアを開けた。 そこに立っているのは、私が死に物狂いで手配した、この国で最も「安全」で「危険」な盾だ。

 

「ええ。……海外の紛争地帯で、男性資源の争奪戦から幾度も生還した元軍人の傭兵よ」

 

コードネーム「バラライカ」。 返り血の匂いさえ纏っているようなその女性は、暴力が支配する頂点に立つ存在だ。軍事経験を持つ彼女なら、法律を盾に圧力をかけてくる教師や、欲望を制御できない女子生徒たちから彼を完璧に隔離できる。

 

だが、そんな歴戦の強者でさえ、彼を見下ろした瞬間、その冷徹な観察眼がわずかに揺らいだのを私は見逃さなかった。

 

「よろしくね、お姉さん。……その代わり、僕からも特別な『報酬』をあげるから」

 

彼が浮かべた、最高に「可愛らしく」て、最高に「残酷」な笑顔。 その言葉の裏にある「報酬」――男性からの承認という名の毒――を投げかけられ、護衛の女はピクリと眉を動かした。

 

ああ、分かるわ。 どれほど強く、冷徹な女であっても、この子の前では無力な「奴隷」に成り下がるしかないのだ。

 

私は確信した。 この歪んだ世界で、彼は守られるだけの資源じゃない。 私を、あの護衛を、その欲望ごと手玉に取る**「絶対的な支配者」**になる。

 

鏡に映る彼の可憐な姿と「男」の気配。その瞳の奥に潜む牙を、私は、彼の最初の女として、恍惚とした絶望の中で見守り続けることしかできない。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。