知ってるやる夫スレの世界に転生したので、自分の幸せのためにやり込んで生き抜く。 作:原作のことが大大大大大好きなファン
テレビのニュースでは、今日も「女子生徒による男子生徒への暴行事件」が繰り返されている。 かつての私なら、こうした事件を冷徹な目で見下していただろう。この国の歪んだ均衡――男性を「貴重な資源」として囲い込み、監視し、法で縛り付けることで保たれている秩序を、私は自分の野心のために利用してきたのだから
。
けれど、今の私にはそんな余裕なんてない。
「……くん、お待たせ。言われた通りのものはすべて揃えたわ」
私は震える手で、彼の部屋のドアを開けた。 かつては「守るべき対象」だった息子。だが、今の彼は違う。あの日、私の本能が暴走し、彼という至高の資源を蹂躙してしまったあの瞬間から、私たちの関係は完全に壊れ……いいえ、「再構築」されてしまった。
彼の部屋に運び込まれたのは、私の財力とコネクションを注ぎ込んで用意した、世界最高峰の配信機材一式だ。 超高感度カメラに、ノイズキャンセリングマイク。男性の繊細な肌を、より艶かしく、より残酷に美しく映し出すための専用ライティング。
この世界の女性たちは、画面越しに供給されるわずかな「男性の気配」にさえ、麻薬を求めるように飢えている。 もし彼がその姿を世界に晒せば、文字通り社会は狂喜し、混乱するだろう。彼は自分の価値を完全に理解している。
「……満足、してくれたかしら?」
私は、期待と、そして心の奥底にある拭えない恐怖を抱えて彼を見つめた。 彼は、私の頬を細い指先でなぞる。その感触だけで、私の理性がバラバラに崩れていくのが分かる。
「うん、最高だよ。……それで、もう一つの『お願い』の方は?」
彼の甘い声に促され、私はもう一度ドアを開けた。 そこに立っているのは、私が死に物狂いで手配した、この国で最も「安全」で「危険」な盾だ。
「ええ。……海外の紛争地帯で、男性資源の争奪戦から幾度も生還した元軍人の傭兵よ」
コードネーム「バラライカ」。 返り血の匂いさえ纏っているようなその女性は、暴力が支配する頂点に立つ存在だ。軍事経験を持つ彼女なら、法律を盾に圧力をかけてくる教師や、欲望を制御できない女子生徒たちから彼を完璧に隔離できる。
だが、そんな歴戦の強者でさえ、彼を見下ろした瞬間、その冷徹な観察眼がわずかに揺らいだのを私は見逃さなかった。
「よろしくね、お姉さん。……その代わり、僕からも特別な『報酬』をあげるから」
彼が浮かべた、最高に「可愛らしく」て、最高に「残酷」な笑顔。 その言葉の裏にある「報酬」――男性からの承認という名の毒――を投げかけられ、護衛の女はピクリと眉を動かした。
ああ、分かるわ。 どれほど強く、冷徹な女であっても、この子の前では無力な「奴隷」に成り下がるしかないのだ。
私は確信した。 この歪んだ世界で、彼は守られるだけの資源じゃない。 私を、あの護衛を、その欲望ごと手玉に取る**「絶対的な支配者」**になる。
鏡に映る彼の可憐な姿と「男」の気配。その瞳の奥に潜む牙を、私は、彼の最初の女として、恍惚とした絶望の中で見守り続けることしかできない。