知ってるやる夫スレの世界に転生したので、自分の幸せのためにやり込んで生き抜く。 作:原作のことが大大大大大好きなファン
オフィスでは、何百人もの部下を指揮し、数千億の資金を動かしている。社会の第一線で「成功者」と呼ばれる私にとって、この世界は意のままに操れる盤面のようなものだった。あの日、あの配信に出会うまでは。
画面の中に現れた「ご主人様」は、あまりにも可憐で、そしてあまりにも残酷だった。
「いいかい、君たちは僕の所有物だ。僕に供給できる喜びを噛み締めるといい」
その傲岸不遜な言葉に、私の中の「女」という本能が歓喜に震えた。男性を資源として保護し、法で縛り、管理する立場にあるはずの私たちが、彼の一言で「奴隷」へと貶められる。その倒錯した快感に抗える女性など、この世界に存在するはずがない。
私は「リスナー・カースト」の頂点に登り詰めるため、惜しみなく私産を投げ打った。数千万、数億という供物(スパチャ)を捧げ、ようやく手に入れた『上位』という称号。それは、どんな役職よりも私を誇らしくさせた。
そして今夜、私はついに彼の「聖域(スタジオ)」へと招かれた。
「さあ、カメラの前に。……みんなが見ている前で、僕に何をするべきか分かっているよね?」
目の前に立つ「ご主人様」は、最新のライティングを浴びて神々しいほどに輝いていた。モニター越しでは決して分からなかった、圧倒的な「上位個体」としての圧力。私は、自分の社会的地位も、プライドも、すべてが砂のように崩れ去るのを感じた。
私は、全世界が見守るレンズの前で、無様に、けれどこの上ない幸福感と共に彼の足元へ膝まずいた。これこそが、数億のリスナーが血眼になって渇望した**「無償の愛を誓う儀式」**なのだ。
「誓います……。私の魂も、肉体も、これまで築き上げた財産まで。すべてはご主人様を幸せにするために捧げます。……貴方に、無償の愛を誓います」
彼の靴先に額を擦り付けると、頭上からコメント欄の阿鼻叫喚が聞こえてくるようだった。凄まじい嫉妬の嵐。だが、それすらも私の優越感を煽るスパイスでしかない。私は今、世界中のどの女性よりも彼に近い場所にいるのだ。
「いい子だ。君の捧げた『愛』で、僕はまた一つ、幸福の階段を登れるよ。……僕に選ばれたんだから、それに相応しい生活をこれからも過ごせるようにするんだよ」
彼の手が、私の頬に触れる。その一瞬の「承認」のために、私はこれからも自分のすべてを彼という「供給源」のために使い倒すだろう。
スタジオの外では、元軍人の護衛が冷徹に周囲を威圧し、高級マンションの最上階は鉄壁の要塞となっていると聞くけれど、今の私にはどうでもいいことだ。
目の前にいるのは、欲望を統制し、私たちを支配するために君臨する「規格外」の男。
「さあ、次回の儀式の選別だよ。僕を誰よりも幸せにしてくれるのは、どの子かな?」
画面の中の数億人の奴隷に向けて可憐に微笑む彼を、私は恍惚とした瞳で見上げ続けた。私はもう、彼なしでは息をすることさえできない。