扉を開けたのは、全身タイツの大男だった。
湯を止めたばかりのシャワー室へ、濡れた足跡を残しながら入ってくる。黒い布に顔まで覆われ、陰部だけが剥き出しになっていた。太腿の間では、巨大なペニスが半ば硬く持ち上がり、脈を打つたびに太さを増している。
「きゃあっ……!」
桜は濡れた床を滑りかけながら後ずさった。
壁のフックに掛けたタオルへ手を伸ばす。
「待ってください。今、出ますから……!」
指先が布へ届く前に、大男の手が伸びた。
濡れた髪を鷲掴みにされる。
「いっ……!」
頭皮を引かれ、桜の身体が前へ傾いだ。咄嗟に両手で男の手首を掴む。けれど指一本すら動かせない。熱い吐息が額へ落ちた。
「や、やめて……言うことは聞きます。だから、髪を……っ」
返事はない。
大男は片手で桜を引き寄せたまま、シャワー室の椅子を足で引いた。がたん、と壁へ当ててから腰を下ろす。
次に桜の脇へ両手が入り、身体が軽々と抱き上げられた。
「えっ……あ、待っ――」
大男の太腿へ、対面座位になるよう跨がされる。
桜の両足は床から離れた。濡れた足先が宙を掻き、膝を閉じようとしても、大男の腰を左右から挟む形になるだけだった。
片手が桜の腰を支え、もう片方が後頭部へ回る。
尻の下で、硬くなりきった先端が膣口へ押し当てられた。
「そんな、すぐには……ひっ――」
ぬぽっ……ぐちゅっ、ずぶっ!
「んふぅっ!」
腰を引く間もなく、一気に挿入された。
巨大なペニスが膣を押し開き、溜まっていた湯と精液を結合部から溢れさせながら奥へ進む。根元まで沈んだ瞬間、先端が子宮口を強く押した。
「お、奥……っ、また、そこ……!」
腰を支える手が、桜の身体を持ち上げる。
ぬちゅっ、とペニスが半ばまで抜けた。
直後、桜の尻が大男の太腿へ落とされる。
ずんっ!
「あ゛っ!」
子宮口を真下から突き上げられ、背中が反った。
大男は同じ動作を繰り返す。桜の腰を持ち上げ、落とす。ずぶっ、ずんっ。濡れた尻が太腿へぶつかるたび、ぱんっ、ぱんっと狭いシャワー室に音が跳ね返った。
足場がない。桜は大男の肩へ爪を立てるしかなかった。
「あっ、ああっ……ゆっくり、して……!」
後頭部を掴む手に力が入る。
顔を上向かされ、そのまま唇を塞がれた。
「んんっ!?」
ディープキスだった。
大きな舌が歯列を割り、桜の舌を押し潰して口の奥へ入ってくる。濃い唾液が口内へ流れ込み、喉まで塞がれそうになる。
「んっ、んぅーっ!」
顔を背けようとしても後頭部を固定されている。鼻から息を吸うたび、熱い吐息まで吸い込んだ。
ずぶっ、ずんっ。ぐちゅっ、ぱんっ。
口を塞がれたまま、身体だけを上下に揺さぶられる。
第一段階で痛めつけられた膣は、太さを押し返す力も残っていなかった。子宮口を突かれるたび、腹の奥から痺れが広がる。望んでいないのに、内壁が刺激へ反応してひくついた。
結合部から、とろり、と精液が溢れる。白濁した筋が大男の腿を伝い、椅子の縁から濡れた床へ落ちた。
「んっ……ぅ、んんっ!」
悲鳴を飲み込ませるように、舌がさらに深く入る。
息が足りない。
子宮を突く衝撃と、舌で喉を塞がれる苦しさが重なり、視界の端が白く霞んだ。
桜の腰がびくっと跳ねる。
絶頂が近いと気づいたときには、もう止められなかった。
「んんんんっ!」
膣が大男のペニスへきつく絡みつく。
その瞬間、大男は桜を引き落とし、根元まで埋めたまま止まった。
ドクンッ。
子宮口へ押しつけられた先端が、強く脈打つ。
この夜、一度目の射精だった。
びゅるっ……びゅるるるっ……!
「んごぉっ……!」
大量の精液が、膣の最奥へ叩きつけられる。
ドクン、ドクン、ドクン。
口は塞がれたまま、射精の脈動だけが腹の奥へ続けて響いた。太い根元が出口を塞いでいるため、熱は逃げず、内側から圧だけが増していく。
桜は男の肩を押そうとした。だが指が滑り、腕にも力が入らない。
膨らんだ腹が大男の腹へ押し当たり、深く息を吸う余地を奪う。
何度目かのドクンが止まるころには、皮膚の張りまで変わったように感じられた。
ようやく唇が離れる。
「ぷはぁっ……! はっ、はぁ……っ」
桜は反り返るようにして空気を吸った。
けれど、二息目を吸いきる前に後頭部を引かれる。
「ま、待――んむっ!」
舌が再び押し込まれた。
同時に、大男の腰が動く。
ぬちゅっ、ぐちゅっ。
抽挿が再開した。
ペニスが膣内の精液を押し分け、引くたびに白濁が隙間から溢れ、沈むたびに残った分を子宮口へ押し戻す。
「んっ、んぅっ、ぅうっ!」
膨らんだ腹の中が、上下するたびに揺れた。
ずんっ。ずちゅっ。ぬちゅっ。
数分間、桜は息を奪われたまま突き上げられた。
一度絶頂が過ぎても、止まらない。過敏になった膣壁を太い血管が擦り、子宮口へ先端が当たるたび、次の波が追いついてくる。
肩へ置いた指が開き、また縋りつく。足先は床を探し続け、何も踏めないまま丸まった。
「んぅっ……く、ぅ……!」
二度目、三度目の絶頂で身体が跳ねる。
もう意識を手放せば、この苦しさも遠のく。
そう思った直前、大男が桜の腰を強く引いた。
巨大な先端が最奥へ食い込み、ぴたりと止まる。
ドクッ!
二度目の射精が始まった。
びゅるるるっ……! ドクン、ドクンッ!
「んあぁっ……! お腹、もう……っ!」
今度は口がわずかにずれていた。押し潰された唇の隙間から、潰れた悲鳴が漏れる。
熱が重なる。
腹の張りがさらに増し、結合部から押し出された精液が大男の太腿を伝って落ちた。びゅるっ、と新しい脈動が来るたび、桜の身体が小さく跳ねる。
長い射精が終わっても、大男はペニスを抜かなかった。
腰へ腕を回したまま、椅子から立ち上がる。
「うぐっ……!」
挿入したまま立ち上がったため、桜の全体重が結合部へかかった。力が抜けた身体を、大男の片腕だけが支えている。
床へ落ちまいと、桜は反射的に両腕を男の首へ回した。足場を失えば、体内へ埋まったものに全体重を引かれる。
大男は壁のタオルを片手で取った。
二人の肌に残る水分を、大まかに拭う。次いで、桜の太腿を伝う精液を布で乱暴に擦った。吸いきれなかった白濁がタオルに広がる。
大男がシャワー室を出た。
接続したまま、ベッドへ歩き始める。
ずしん。
一歩ごとに、桜の身体が腕の中で上下した。
「かはっ……!」
歩く振動でペニスが子宮を突く。腹に溜まった精液が、たぷん、と揺れる。
ずしん。ぐぽっ。
「や……動かないで……っ、あぁっ!」
止めてほしいという声とは無関係に、膣が痙攣した。
ベッドまでの数歩で、桜はまた絶頂した。
◇
大男はベッドの脇へ立つと、桜を抱えたまま身体の向きを変えた。
ペニスを挿入したまま、桜だけを半回転させる。
「ひっ……!」
内部で太いものの角度が変わり、子宮口の縁をぐぐっと擦った。
次の瞬間、桜は背後から羽交い締めにされ、大男と一緒にベッドへ横になった。
背中へ厚い胸板が密着する。
太い腕が桜の胸の下を通り、右腕ごと胴を抱え込んだ。大男の脚が桜の両脚へ上から重ねられ、膝も足首も伸ばせない。
もう片方の手が布団を引き上げ、二人の身体を覆った。
そこで大男は、動かなくなった。
「な、なんなんですか……」
桜は息を潜めた。
腰は動かない。
巨大なペニスは子宮奥へ埋まったまま、硬さを失わずに膣を塞いでいる。シャワー室で出された大量の精液も、膨張した根元に出口を塞がれ、腹の内側へ熱と重みを残していた。
「もしかして……朝まで、このまま……?」
返事はない。
背後から聞こえるのは、規則正しい呼吸だけだった。
吸うたびに胸板が背中を押し、吐くたびにわずかに離れる。胴へ回った腕も、その上下に合わせて少し強まり、少し緩んだ。
桜は動かないようにして、身体の位置を確かめた。
右腕は、胸の下を通る大男の腕と自分の胴の間に挟まれている。
左手だけが布団の外へ出ていた。動かせるのは、シーツに触れた指先と手首のわずかな範囲だけ。
両脚は大男の脚に重ねられ、腰を前へ逃がそうとすれば、子宮奥のペニスへさらに深く身体を押しつけることになる。
枕元にはデジタル時計があった。
赤い数字が、暗い部屋の中で浮いている。
桜はその表示を目に焼きつけ、左手でシーツを押した。
ほんの数センチだけ、上体を前へずらす。
ぐぐっ。
「っ……!」
動かないペニスの角度が変わり、先端が子宮口の別の場所を押した。
背後の腕が反射のように強まる。
桜の身体は胸板へ引き戻され、元の位置へ戻された。
「離して……」
声は掠れ、大男の呼吸へ紛れた。
もう一度シーツを押す勇気は出なかった。
動けば奥を擦る。動かなくても、抜けない。
大男は腰を動かさないまま、腕と脚の重みだけで桜を留めている。
◇
時間が、呼吸の数へ変わっていった。
大男が息を吸う。
胸板が桜の背中を押す。
息を吐く。
腕がほんの少し緩む。
けれど、抜け出せるほどではない。
布団の中は熱かった。
大男の体温が背中から、精液の熱が腹の内側から、桜の身体を挟んでいる。汗が首筋を伝い、胸の下に回された腕との間へ溜まった。
膣はまだ第一段階からの痙攣を残していた。
ひくひく、と内壁が動かないペニスを締めつける。
異物を排そうとする反射だった。
だが収縮するたび、ぬるりとした表面を膣壁が擦り、奥へ鈍い刺激が返ってくる。
「んっ……」
声を噛み殺す。
静かになれば止まると思った。
けれど数十秒もすると、ペニスがドクンと跳ねた。
「んぁっ……!」
血管の硬さが一瞬だけ増し、子宮口を内側から押し上げる。
大男が意図して動いたのか、身体が勝手に反応したのかは分からない。腰は動いていなかった。
桜の膣がまた収縮する。
ひくひく。ぬるり。ドクン。
締めつける。硬さが増す。その硬さへ内壁がまた反応する。
小さな刺激が、逃げ場のない輪になって積み重なっていく。
(動いてないのに……どうして……)
怖い。
次にいつ腰が動くのか分からない恐怖と、動かないまま身体だけが反応していく恐怖は、別の形で桜の息を浅くした。
腹が張っているため、深く吸えない。
吸うたびに膨らんだお腹が布団へ当たり、内側の精液がとろりと動く。
濃い匂いが布団の中へこもっていた。湯で流したはずの肌へ、汗と白濁がまた広がっていく。
姉さん。
資産家の邸宅。
その二つを繋いで考えようとする。
けれど、呼吸が背中を押すたび、腹の熱が思考を途切れさせた。
どこにあるのか。どうやって入るのか。あの男は本当のことを言ったのか。
答えへ近づく前に、またドクンと奥が脈打つ。
「っ、ぅ……」
桜の指先がシーツを掴んだ。
足の指が丸まり、腰がびくっと震える。
収縮から逃げるように腰が震える。だが腕と脚に阻まれ、内側の角度だけがわずかに変わって、新しい刺激が返った。
ひくひく。ドクン。
呼吸。
体温。
腹の重み。
同じものだけが、終わりなく繰り返された。
やがて、枕元のデジタル時計が一時間先の数字へ変わった。
桜は瞬きをした。
一時間。
その間、大男は一度も腰を振っていない。
それなのに、桜の目はもう焦点を結ばなくなっていた。
「はぁっ……んっ……あっ……はぁ……」
常に浅い喘ぎが喉から漏れる。
膣の反射収縮は止まらない。動かないペニスをひくひくと締め、時折返ってくる脈動を拾う。
腰がごく小さく震えた。
大男の脚に挟まれているため、逃げることも、動きを大きくすることもできない。ただ内側で、同じ箇所へ刺激だけが重なっていく。
「や……これ、だめ……」
誰へ向けた言葉なのか、自分でも分からなかった。
大男は答えない。
腰も動かさない。
規則正しい呼吸だけが、変わらず背中へ伝わる。
それでも快感は止まらなかった。
膣が収縮する。
ペニスが脈打つ。
その硬さに押され、また収縮する。
積み重なった刺激が、逃げ場を失って腹の奥へ集まっていく。
「んっ……来る……いや……っ」
指先がシーツへ食い込んだ。
深い絶頂が、桜の全身を貫いた。
「あぁぁっ……!」
頭の中が真っ白になる。
内壁が波のように収縮し、動かないペニスを強く締めつけた。
それに大男が応じたのか、単なる身体反応なのか、桜には判断できない。
ただ、体内の硬さと熱が一気に増した。
ドクンッ!
この夜、三度目の大量射精が始まった。
ビュルルルルルル……!
「あっ……あ、ぁ……!」
精液が子宮口へ叩きつけられる。
ドクン、ドクン、ドクン。
一度終わったと思うたび、次の脈動が来た。
びゅるっ、びゅるるるっ。
すでに張りつめていた腹へ、さらに熱が加わる。膣内に収まりきらなくなった精液が、塞いでいるペニスの脇を押し広げた。
ドバドバと膣から溢れ出す。
白濁が尻を伝い、太腿の内側をぬるりと流れ、シーツへ広がった。ベッドが大きく濡れ、布団の中の匂いがいっそう濃くなる。
「あっ……く……はぁ……」
桜の身体はまだ、びくびくと痙攣していた。
大男の腰は動かない。
腕の力だけがわずかに強まり、意識を失いかけた桜を胸板へ固定する。
赤い時計の数字が滲んだ。
桜はシーツを掴んでいた指から力を失い、そのまま意識を手放した。
それでも、大男は腰を動かさず、腕も脚も、結合も一つも解かなかった。
カーテンの隙間から、外が白み始める。
大男の呼吸だけが、意識を失った桜の背中を、同じ間隔で押し続けていた。