※この作品はR-18です。

濁った宝石   作:湖畔R

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第21話 動かない夜

 扉を開けたのは、全身タイツの大男だった。

 

 湯を止めたばかりのシャワー室へ、濡れた足跡を残しながら入ってくる。黒い布に顔まで覆われ、陰部だけが剥き出しになっていた。太腿の間では、巨大なペニスが半ば硬く持ち上がり、脈を打つたびに太さを増している。

 

「きゃあっ……!」

 

 桜は濡れた床を滑りかけながら後ずさった。

 

 壁のフックに掛けたタオルへ手を伸ばす。

 

「待ってください。今、出ますから……!」

 

 指先が布へ届く前に、大男の手が伸びた。

 

 濡れた髪を鷲掴みにされる。

 

「いっ……!」

 

 頭皮を引かれ、桜の身体が前へ傾いだ。咄嗟に両手で男の手首を掴む。けれど指一本すら動かせない。熱い吐息が額へ落ちた。

 

「や、やめて……言うことは聞きます。だから、髪を……っ」

 

 返事はない。

 

 大男は片手で桜を引き寄せたまま、シャワー室の椅子を足で引いた。がたん、と壁へ当ててから腰を下ろす。

 

 次に桜の脇へ両手が入り、身体が軽々と抱き上げられた。

 

「えっ……あ、待っ――」

 

 大男の太腿へ、対面座位になるよう跨がされる。

 

 桜の両足は床から離れた。濡れた足先が宙を掻き、膝を閉じようとしても、大男の腰を左右から挟む形になるだけだった。

 

 片手が桜の腰を支え、もう片方が後頭部へ回る。

 

 尻の下で、硬くなりきった先端が膣口へ押し当てられた。

 

「そんな、すぐには……ひっ――」

 

 ぬぽっ……ぐちゅっ、ずぶっ!

 

「んふぅっ!」

 

 腰を引く間もなく、一気に挿入された。

 

 巨大なペニスが膣を押し開き、溜まっていた湯と精液を結合部から溢れさせながら奥へ進む。根元まで沈んだ瞬間、先端が子宮口を強く押した。

 

「お、奥……っ、また、そこ……!」

 

 腰を支える手が、桜の身体を持ち上げる。

 

 ぬちゅっ、とペニスが半ばまで抜けた。

 

 直後、桜の尻が大男の太腿へ落とされる。

 

 ずんっ!

 

「あ゛っ!」

 

 子宮口を真下から突き上げられ、背中が反った。

 

 大男は同じ動作を繰り返す。桜の腰を持ち上げ、落とす。ずぶっ、ずんっ。濡れた尻が太腿へぶつかるたび、ぱんっ、ぱんっと狭いシャワー室に音が跳ね返った。

 

 足場がない。桜は大男の肩へ爪を立てるしかなかった。

 

「あっ、ああっ……ゆっくり、して……!」

 

 後頭部を掴む手に力が入る。

 

 顔を上向かされ、そのまま唇を塞がれた。

 

「んんっ!?」

 

 ディープキスだった。

 

 大きな舌が歯列を割り、桜の舌を押し潰して口の奥へ入ってくる。濃い唾液が口内へ流れ込み、喉まで塞がれそうになる。

 

「んっ、んぅーっ!」

 

 顔を背けようとしても後頭部を固定されている。鼻から息を吸うたび、熱い吐息まで吸い込んだ。

 

 ずぶっ、ずんっ。ぐちゅっ、ぱんっ。

 

 口を塞がれたまま、身体だけを上下に揺さぶられる。

 

 第一段階で痛めつけられた膣は、太さを押し返す力も残っていなかった。子宮口を突かれるたび、腹の奥から痺れが広がる。望んでいないのに、内壁が刺激へ反応してひくついた。

 

 結合部から、とろり、と精液が溢れる。白濁した筋が大男の腿を伝い、椅子の縁から濡れた床へ落ちた。

 

「んっ……ぅ、んんっ!」

 

 悲鳴を飲み込ませるように、舌がさらに深く入る。

 

 息が足りない。

 

 子宮を突く衝撃と、舌で喉を塞がれる苦しさが重なり、視界の端が白く霞んだ。

 

 桜の腰がびくっと跳ねる。

 

 絶頂が近いと気づいたときには、もう止められなかった。

 

「んんんんっ!」

 

 膣が大男のペニスへきつく絡みつく。

 

 その瞬間、大男は桜を引き落とし、根元まで埋めたまま止まった。

 

 ドクンッ。

 

 子宮口へ押しつけられた先端が、強く脈打つ。

 

 この夜、一度目の射精だった。

 

 びゅるっ……びゅるるるっ……!

 

「んごぉっ……!」

 

 大量の精液が、膣の最奥へ叩きつけられる。

 

 ドクン、ドクン、ドクン。

 

 口は塞がれたまま、射精の脈動だけが腹の奥へ続けて響いた。太い根元が出口を塞いでいるため、熱は逃げず、内側から圧だけが増していく。

 

 桜は男の肩を押そうとした。だが指が滑り、腕にも力が入らない。

 

 膨らんだ腹が大男の腹へ押し当たり、深く息を吸う余地を奪う。

 

 何度目かのドクンが止まるころには、皮膚の張りまで変わったように感じられた。

 

 ようやく唇が離れる。

 

「ぷはぁっ……! はっ、はぁ……っ」

 

 桜は反り返るようにして空気を吸った。

 

 けれど、二息目を吸いきる前に後頭部を引かれる。

 

「ま、待――んむっ!」

 

 舌が再び押し込まれた。

 

 同時に、大男の腰が動く。

 

 ぬちゅっ、ぐちゅっ。

 

 抽挿が再開した。

 

 ペニスが膣内の精液を押し分け、引くたびに白濁が隙間から溢れ、沈むたびに残った分を子宮口へ押し戻す。

 

「んっ、んぅっ、ぅうっ!」

 

 膨らんだ腹の中が、上下するたびに揺れた。

 

 ずんっ。ずちゅっ。ぬちゅっ。

 

 数分間、桜は息を奪われたまま突き上げられた。

 

 一度絶頂が過ぎても、止まらない。過敏になった膣壁を太い血管が擦り、子宮口へ先端が当たるたび、次の波が追いついてくる。

 

 肩へ置いた指が開き、また縋りつく。足先は床を探し続け、何も踏めないまま丸まった。

 

「んぅっ……く、ぅ……!」

 

 二度目、三度目の絶頂で身体が跳ねる。

 

 もう意識を手放せば、この苦しさも遠のく。

 

 そう思った直前、大男が桜の腰を強く引いた。

 

 巨大な先端が最奥へ食い込み、ぴたりと止まる。

 

 ドクッ!

 

 二度目の射精が始まった。

 

 びゅるるるっ……! ドクン、ドクンッ!

 

「んあぁっ……! お腹、もう……っ!」

 

 今度は口がわずかにずれていた。押し潰された唇の隙間から、潰れた悲鳴が漏れる。

 

 熱が重なる。

 

 腹の張りがさらに増し、結合部から押し出された精液が大男の太腿を伝って落ちた。びゅるっ、と新しい脈動が来るたび、桜の身体が小さく跳ねる。

 

 長い射精が終わっても、大男はペニスを抜かなかった。

 

 腰へ腕を回したまま、椅子から立ち上がる。

 

「うぐっ……!」

 

 挿入したまま立ち上がったため、桜の全体重が結合部へかかった。力が抜けた身体を、大男の片腕だけが支えている。

 

 床へ落ちまいと、桜は反射的に両腕を男の首へ回した。足場を失えば、体内へ埋まったものに全体重を引かれる。

 

 大男は壁のタオルを片手で取った。

 

 二人の肌に残る水分を、大まかに拭う。次いで、桜の太腿を伝う精液を布で乱暴に擦った。吸いきれなかった白濁がタオルに広がる。

 

 大男がシャワー室を出た。

 

 接続したまま、ベッドへ歩き始める。

 

 ずしん。

 

 一歩ごとに、桜の身体が腕の中で上下した。

 

「かはっ……!」

 

 歩く振動でペニスが子宮を突く。腹に溜まった精液が、たぷん、と揺れる。

 

 ずしん。ぐぽっ。

 

「や……動かないで……っ、あぁっ!」

 

 止めてほしいという声とは無関係に、膣が痙攣した。

 

 ベッドまでの数歩で、桜はまた絶頂した。

 

   ◇

 

 大男はベッドの脇へ立つと、桜を抱えたまま身体の向きを変えた。

 

 ペニスを挿入したまま、桜だけを半回転させる。

 

「ひっ……!」

 

 内部で太いものの角度が変わり、子宮口の縁をぐぐっと擦った。

 

 次の瞬間、桜は背後から羽交い締めにされ、大男と一緒にベッドへ横になった。

 

 背中へ厚い胸板が密着する。

 

 太い腕が桜の胸の下を通り、右腕ごと胴を抱え込んだ。大男の脚が桜の両脚へ上から重ねられ、膝も足首も伸ばせない。

 

 もう片方の手が布団を引き上げ、二人の身体を覆った。

 

 そこで大男は、動かなくなった。

 

「な、なんなんですか……」

 

 桜は息を潜めた。

 

 腰は動かない。

 

 巨大なペニスは子宮奥へ埋まったまま、硬さを失わずに膣を塞いでいる。シャワー室で出された大量の精液も、膨張した根元に出口を塞がれ、腹の内側へ熱と重みを残していた。

 

「もしかして……朝まで、このまま……?」

 

 返事はない。

 

 背後から聞こえるのは、規則正しい呼吸だけだった。

 

 吸うたびに胸板が背中を押し、吐くたびにわずかに離れる。胴へ回った腕も、その上下に合わせて少し強まり、少し緩んだ。

 

 桜は動かないようにして、身体の位置を確かめた。

 

 右腕は、胸の下を通る大男の腕と自分の胴の間に挟まれている。

 

 左手だけが布団の外へ出ていた。動かせるのは、シーツに触れた指先と手首のわずかな範囲だけ。

 

 両脚は大男の脚に重ねられ、腰を前へ逃がそうとすれば、子宮奥のペニスへさらに深く身体を押しつけることになる。

 

 枕元にはデジタル時計があった。

 

 赤い数字が、暗い部屋の中で浮いている。

 

 桜はその表示を目に焼きつけ、左手でシーツを押した。

 

 ほんの数センチだけ、上体を前へずらす。

 

 ぐぐっ。

 

「っ……!」

 

 動かないペニスの角度が変わり、先端が子宮口の別の場所を押した。

 

 背後の腕が反射のように強まる。

 

 桜の身体は胸板へ引き戻され、元の位置へ戻された。

 

「離して……」

 

 声は掠れ、大男の呼吸へ紛れた。

 

 もう一度シーツを押す勇気は出なかった。

 

 動けば奥を擦る。動かなくても、抜けない。

 

 大男は腰を動かさないまま、腕と脚の重みだけで桜を留めている。

 

   ◇

 

 時間が、呼吸の数へ変わっていった。

 

 大男が息を吸う。

 

 胸板が桜の背中を押す。

 

 息を吐く。

 

 腕がほんの少し緩む。

 

 けれど、抜け出せるほどではない。

 

 布団の中は熱かった。

 

 大男の体温が背中から、精液の熱が腹の内側から、桜の身体を挟んでいる。汗が首筋を伝い、胸の下に回された腕との間へ溜まった。

 

 膣はまだ第一段階からの痙攣を残していた。

 

 ひくひく、と内壁が動かないペニスを締めつける。

 

 異物を排そうとする反射だった。

 

 だが収縮するたび、ぬるりとした表面を膣壁が擦り、奥へ鈍い刺激が返ってくる。

 

「んっ……」

 

 声を噛み殺す。

 

 静かになれば止まると思った。

 

 けれど数十秒もすると、ペニスがドクンと跳ねた。

 

「んぁっ……!」

 

 血管の硬さが一瞬だけ増し、子宮口を内側から押し上げる。

 

 大男が意図して動いたのか、身体が勝手に反応したのかは分からない。腰は動いていなかった。

 

 桜の膣がまた収縮する。

 

 ひくひく。ぬるり。ドクン。

 

 締めつける。硬さが増す。その硬さへ内壁がまた反応する。

 

 小さな刺激が、逃げ場のない輪になって積み重なっていく。

 

(動いてないのに……どうして……)

 

 怖い。

 

 次にいつ腰が動くのか分からない恐怖と、動かないまま身体だけが反応していく恐怖は、別の形で桜の息を浅くした。

 

 腹が張っているため、深く吸えない。

 

 吸うたびに膨らんだお腹が布団へ当たり、内側の精液がとろりと動く。

 

 濃い匂いが布団の中へこもっていた。湯で流したはずの肌へ、汗と白濁がまた広がっていく。

 

 姉さん。

 

 資産家の邸宅。

 

 その二つを繋いで考えようとする。

 

 けれど、呼吸が背中を押すたび、腹の熱が思考を途切れさせた。

 

 どこにあるのか。どうやって入るのか。あの男は本当のことを言ったのか。

 

 答えへ近づく前に、またドクンと奥が脈打つ。

 

「っ、ぅ……」

 

 桜の指先がシーツを掴んだ。

 

 足の指が丸まり、腰がびくっと震える。

 

 収縮から逃げるように腰が震える。だが腕と脚に阻まれ、内側の角度だけがわずかに変わって、新しい刺激が返った。

 

 ひくひく。ドクン。

 

 呼吸。

 

 体温。

 

 腹の重み。

 

 同じものだけが、終わりなく繰り返された。

 

 やがて、枕元のデジタル時計が一時間先の数字へ変わった。

 

 桜は瞬きをした。

 

 一時間。

 

 その間、大男は一度も腰を振っていない。

 

 それなのに、桜の目はもう焦点を結ばなくなっていた。

 

「はぁっ……んっ……あっ……はぁ……」

 

 常に浅い喘ぎが喉から漏れる。

 

 膣の反射収縮は止まらない。動かないペニスをひくひくと締め、時折返ってくる脈動を拾う。

 

 腰がごく小さく震えた。

 

 大男の脚に挟まれているため、逃げることも、動きを大きくすることもできない。ただ内側で、同じ箇所へ刺激だけが重なっていく。

 

「や……これ、だめ……」

 

 誰へ向けた言葉なのか、自分でも分からなかった。

 

 大男は答えない。

 

 腰も動かさない。

 

 規則正しい呼吸だけが、変わらず背中へ伝わる。

 

 それでも快感は止まらなかった。

 

 膣が収縮する。

 

 ペニスが脈打つ。

 

 その硬さに押され、また収縮する。

 

 積み重なった刺激が、逃げ場を失って腹の奥へ集まっていく。

 

「んっ……来る……いや……っ」

 

 指先がシーツへ食い込んだ。

 

 深い絶頂が、桜の全身を貫いた。

 

「あぁぁっ……!」

 

 頭の中が真っ白になる。

 

 内壁が波のように収縮し、動かないペニスを強く締めつけた。

 

 それに大男が応じたのか、単なる身体反応なのか、桜には判断できない。

 

 ただ、体内の硬さと熱が一気に増した。

 

 ドクンッ!

 

 この夜、三度目の大量射精が始まった。

 

 ビュルルルルルル……!

 

「あっ……あ、ぁ……!」

 

 精液が子宮口へ叩きつけられる。

 

 ドクン、ドクン、ドクン。

 

 一度終わったと思うたび、次の脈動が来た。

 

 びゅるっ、びゅるるるっ。

 

 すでに張りつめていた腹へ、さらに熱が加わる。膣内に収まりきらなくなった精液が、塞いでいるペニスの脇を押し広げた。

 

 ドバドバと膣から溢れ出す。

 

 白濁が尻を伝い、太腿の内側をぬるりと流れ、シーツへ広がった。ベッドが大きく濡れ、布団の中の匂いがいっそう濃くなる。

 

「あっ……く……はぁ……」

 

 桜の身体はまだ、びくびくと痙攣していた。

 

 大男の腰は動かない。

 

 腕の力だけがわずかに強まり、意識を失いかけた桜を胸板へ固定する。

 

 赤い時計の数字が滲んだ。

 

 桜はシーツを掴んでいた指から力を失い、そのまま意識を手放した。

 

 それでも、大男は腰を動かさず、腕も脚も、結合も一つも解かなかった。

 

 カーテンの隙間から、外が白み始める。

 

 大男の呼吸だけが、意識を失った桜の背中を、同じ間隔で押し続けていた。

 

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