※この作品はR-18です。

濁った宝石   作:湖畔R

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第22話 最後の経路

 朝になっても、大男の腕も、桜の中の異物も外れていなかった。

 

 カーテンの隙間から差す薄い光が、VIPルームの床を白く切っている。

 

 桜は瞬きをした。

 

 頬のすぐ後ろで、大男の呼吸が続いている。ゆっくり吸い、長く吐く。そのたびに、背中へ押しつけられた厚い胸板が上下した。

 

 後ろから胸の下へ回された腕は、まだ右腕と胴をまとめて抱え込んでいる。重ねられた脚も、桜の両脚を挟んだまま。動かせるのは、シーツの端に触れた左手の指先と、手首だけだった。

 

 そして、子宮の奥には巨大なペニスが挿入されたまま、熱を失わずに居座っている。

 

 羽交い締めにされた身体をほんの少し捩っただけで、太い軸が膣壁を擦った。

 

「っ……ん……」

 

 掠れた声が喉から漏れる。

 

 動かない。それでも、なくなってはいない。昨夜、桜が意識を失う寸前と、何ひとつ変わらない太さと重さだった。

 

 意識が途切れてから、どれほど時間が過ぎたのか。その間に何があったのか。

 

 分かるのは結果だけだった。

 

 腹はさらに張り、浅く息を吸うだけで下腹部の皮膚がつっぱった。自分の腹とは思えないほど重い。左手を伸ばして触れると、丸みを帯びた表面が固く押し返してくる。

 

(……こんなに……)

 

 首をわずかに動かす。

 

 べちゃり、と濡れた音がした。

 

 太いペニスで塞がれた膣口の隙間から精液が溢れ、尻の割れ目を伝ってシーツへ染み込んでいる。腰の下は広く濡れ、端の方はもう冷たかった。布団の中に、汗と精液と男の肌の匂いがこもっている。

 

(いったい……どれだけ出されたんでしょう……)

 

 問いは声にならなかった。

 

 答えを持たない大男の呼吸が、不意に変わる。

 

 吸う息が短くなり、桜の胸下を抱える腕へ力が戻った。

 

「え……」

 

 大男が起き上がる。

 

 挿入されたまま、桜の上体まで一緒に持ち上げられた。横たわっていた身体が立てられ、腹の中へ重力が掛かる。

 

 ずしり。

 

 子宮の奥に溜まった精液が動き、太いペニスの周囲でたぷんと揺れた。

 

「きゃぁっ!?」

 

 桜の背が反る。

 

 結合したまま、大男は右腕を解かず、片腕を桜の膝裏へ差し入れた。もう一方の腕は胸の下を支えている。その二本だけで桜を抱き上げ、ベッドから立ち上がった。

 

「ま、待ってください……抜いて、せめて……っ」

 

 返事はない。

 

 結合したまま、大男は歩き出した。

 

 一歩。

 

 ずんっ。

 

「あっ!」

 

 二歩。

 

 ずんっ、ぐちゅっ。

 

「んぁっ……!」

 

 揺れるたび、ペニスの先が子宮口へ当たる。腹の中の精液も遅れて揺れ、内側から膣を押し広げた。

 

 桜は落ちないよう左手を男の肩へ掛けた。爪を立てても、大男の歩幅は変わらない。右腕は胸の下に抱え込まれたまま、足も膝裏から持ち上げられている。逃げるためではなく、落とされないために縋るしかなかった。

 

 昨日の拘束台が近づいてくる。

 

「いや……また、あそこに……?」

 

 金属板の脇に立つと、大男は桜を抱えたまま身体の向きを変えた。冷たい台へ背中を押しつけ、右腕を解く。

 

 自由になったのは一瞬だけだった。

 

 がちん。

 

 右手首へ金具が閉じる。

 

「っ、待って——」

 

 がちん。

 

 左手首も固定された。

 

 続いて両足首が左右へ開かれ、金具の中へ収められる。尻の下だけが持ち上がるように台の角度を変えられ、腰が浮いた。膣口が上を向き、中の精液が溢れにくい姿勢になる。

 

 手首と足首を引いても、金属が皮膚へ食い込むだけだった。

 

 大男が腰を引く。

 

「あ……」

 

 膣の奥に居座っていたものが、ようやく動いた。

 

 ぬぽっ……ぐちゅっ……ずりっ。

 

「んぁっ……! ぁぁ……」

 

 太い亀頭が膣口を押し広げ、ペニスが抜かれた。

 

 塞いでいたものがなくなった瞬間、膣の奥から精液がごぽごぽと溢れ出す。

 

 どろり。とろり。次から次へと白濁が流れ、尻から拘束台を伝い、床へ落ちた。腹は少しずつへこんでいく。それでも、子宮の周囲に残る熱い重みまでは消えない。

 

「はっ……はぁ……」

 

 桜が息を継ぐ頭上で、大男の影が動いた。

 

 昨夜から何度も射精したペニスは、抜けた直後こそ半ば萎えていた。だが、白い精液を纏ったまま、桜の頬へ近づいてくる。

 

「……え?」

 

 片手が顎を掴む。

 

「も、やめ——んむっ!」

 

 半勃ちのペニスが、桜の口に挿入された。

 

 ぬちゅっ。

 

 熱い亀頭が唇を押し広げ、舌の上へ乗る。自分の膣から抜かれたばかりの精液が舌へ塗りつけられ、生温い塩気が口いっぱいに広がった。

 

「んぐっ……んんっ!」

 

 顔を背けようとしても、後頭部を大きな掌に押さえられる。ペニスは舌を押し下げ、喉の手前まで入ってきた。

 

 じゅぽっ。ぬちゅっ。

 

 抜ける。

 

 桜が息を吸うより先に、また入る。

 

 じゅぽっ、じゅるっ。

 

「ん゛っ……ぅ、ぐっ……」

 

 激しくはない。逃げられない喉の深さを確かめるように、ゆっくり、同じ距離を往復する。

 

 桜は舌で押し返そうとした。けれど、舌先が裏筋を擦るたび、大男のペニスは硬さを増していく。太い血管が舌へ浮き上がり、亀頭が喉の入口を押し開いた。

 

 ごぽっ。

 

「んぐぅっ……!」

 

 喉が反射で縮む。胃の底までひっくり返りそうな吐き気がこみ上げた。

 

 そのとき、VIPルームの扉が開いた。

 

 靴底が床を打つ。一定の足音が、拘束台へ近づいてくる。

 

「おはようございます」

 

 穏やかな声だった。

 

 桜は横目だけを動かす。涙で滲んだ視界の端に、外国人風の男のスーツが映った。

 

「おや、もう朝の工程を始めているんですね。順調で何よりです」

 

「んぐっ……んっ!」

 

 ペニスに口を塞がれたまま、桜は喉を鳴らす。男は拘束台の脇まで来ると、桜の顔ではなく、膨らんだ腹へ目を落とした。

 

「言いたいことがありそうですね」

 

 桜は何度も瞬きをした。

 

「今は呼吸を優先してください。話は、それが終わってからにしましょう」

 

 外国人風の男はそう言って、大男の腕にも、桜の口にも触れなかった。ただ、下腹部の丸みを確かめるように目を細める。

 

「一晩で、ずいぶん溜まりましたね。素敵なお腹ですよ、桜さん」

 

 その言葉に合わせたように、大男の腰が速くなる。

 

 じゅぽっ、じゅぽっ、じゅるるっ。

 

「んんっ! んぐっ……!」

 

 硬くなりきったペニスが喉奥を往復する。桜がえずくと、一度だけ浅くなる。鼻から短く息を吸った直後、また根元近くまで押し込まれた。

 

 ごぽっ。じゅるっ。

 

 唾液と精液が口端から溢れ、頬を伝う。呼吸が追いつかない。涙が目尻からこぼれて、髪へ消えた。

 

(息……できな……)

 

 手首を引く。

 

 がしゃん、と金具が鳴る。

 

 大男の腰が止まった。

 

 根元まで口へ埋めたまま、ペニスが膨らむ。

 

(出される……!)

 

 桜が喉を閉じた瞬間、太い軸が跳ねた。

 

 ビュルルルルルルッ。

 

「んぐぅっ!?」

 

 熱い精液が喉の奥へ直接放出される。

 

 一度目の脈動で、飲み込む以外の逃げ道を失った。粘つく液体が喉を滑り、胃へ落ちる。

 

 ドクン。

 

 次の精液が口内を満たした。

 

 ドクン、ドクン。

 

「んがっ……ごぽぉっ……!」

 

 息ができない。

 

 飲み込んでも追いつかず、一部が鼻へ逆流する。むせ返る匂いが頭の奥へ突き刺さった。肺が焼けるように苦しい。咳き込みたいのに、喉は太いペニスと精液で塞がれている。

 

 桜の肩が激しく跳ねた。

 

 その動きを見て、ようやく大男が腰を引く。

 

 ぬぽっ。

 

「げほっ! ごほっ、ごほっ……!」

 

 桜は顔を横へ向け、飲み切れなかった精液を吐き出した。大男のペニスは抜けた後もしばらく脈打ち、残りの白濁を顔と髪へ飛ばす。

 

 びゅるっ。びゅるっ。

 

 頬を伝った熱が顎から胸へ落ちる。桜は咳き込みながら、拘束された肩を上下させた。胃の中には、確かに飲み込まされた重みが残っている。

 

「よく耐えましたね、桜さん。まずは息を整えてください」

 

「はっ……はぁっ……何を……する、つもりなんですか……」

 

「昨夜お話しした、最後の工程ですよ」

 

「これが……そう、なんですか……?」

 

 男は答えず、桜の呼吸が戻るのを待った。

 

 その沈黙の方が、説明より恐ろしかった。

 

 胃には飲み込まされた精液の熱。膣と子宮には、一晩の残りがまだ重い。桜はその二つを別々に感じながら、男の手元を見た。

 

「さて。あなたにも、これをプレゼントします」

 

 外国人風の男が手元から取り出したのは、金属製の貞操帯だった。

 

 腰を囲む帯の中央に、目を逸らしたくなるほど極太のバイブが固定されている。金属の板は前側を覆う形に湾曲し、その中心から伸びる器具だけが不釣り合いに太かった。

 

 男が持ち上げると、部品同士が触れ合う。

 

 かち、という小さな金属音がした。

 

「お姉さんとお揃いですよ。良かったですね」

 

 桜の呼吸が止まる。

 

「……お揃い?」

 

「ええ」

 

「姉さんも……それを、着けられているんですか?」

 

 外国人風の男は微笑んだだけだった。

 

 肯定にも、否定にも見える微笑み。

 

 桜は貞操帯へ視線を戻す。姉と同じだというのは、この男の言葉で初めて知った情報にすぎない。自分には確かめる術がない。

 

「姉さんは、今どこに——」

 

「それは、これが終わってからです」

 

「でも……!」

 

「昨夜のお約束どおりですよ、桜さん」

 

 穏やかな声のまま、男は極太のバイブを桜の股間へ下ろした。

 

 冷たい先端が、開かされた太ももの間をなぞる。

 

「力を抜いてください。挟みますよ」

 

「待ってください、まだ、お腹が……っ」

 

 手首と足首は拘束台の金具に固定されている。尻だけを少し持ち上げられた姿勢では、腰を引くことさえできない。

 

 バイブの先端が膣口へ押し当てられた。

 

「んっ……!」

 

 ぬぷっ……ぐちゅっ。

 

 緩みきった膣へ、極太の器具が入ってくる。

 

 残った精液を押し戻しながら、太い先端が沈んでいく。押し退けられた白濁が奥へ逃げ、子宮口の周囲へ熱い重みをせり上げた。

 

「あっ……待って、まだ……そんな太いの、入れたら……っ」

 

「大丈夫。昨夜、十分に準備されています」

 

「大丈夫じゃ、ありません……!」

 

 拒絶しても、男の手は止まらない。

 

 ぬちゅっ、ぐぷっ。

 

 バイブの太い軸が根元まで収まり、先端が子宮口へ突き当たった。

 

「あぁっ……!」

 

 桜の腰が浮こうとする。だが、持ち上げられた尻は金属台へ押し返され、器具だけが膣の奥へ残った。

 

 男は貞操帯の左右を腰骨へ回す。

 

 冷たい金属板が下腹部と尻へ密着した。膨らんだ腹の下を囲み、抜こうとしても器具ごと身体へ押し戻す位置で、左右の部品が噛み合う。

 

 かち、かち。

 

 桜が腹に力を入れるたび、膣内のバイブが残留した精液を奥へ押し上げた。

 

「や……外してください……」

 

「まだ履かせただけですよ」

 

 外国人風の男の指が、前側の錠へ触れる。

 

 かちり。

 

 たった一音で、貞操帯が閉じた。

 

 桜は手首を引き、次に足を閉じようとした。どちらも金具が鳴るだけだった。膣からバイブを抜く自由まで、あの音で奪われた気がした。

 

「お姉さんとお揃い、ちゃんと履けましたね」

 

「こんなの……姉さんが、本当に……?」

 

 問いの途中で、貞操帯の奥が震えた。

 

 ぶるるるるっ……。

 

「あぁっ!?」

 

 極太のバイブが子宮口を揺さぶる。

 

 膣と子宮に残った精液まで一緒に波打ち、下腹部の内側で、たぷん、と重みが跳ねた。吸いかけた息が喉で止まり、金属帯が膨らんだ腹へ食い込む。

 

「や、やめてください……これ以上は……もう……」

 

 男は貞操帯の前側から手を離した。

 

「まだ使っていないところが、ひとつあります」

 

「……え?」

 

 外国人風の男の指が、貞操帯の後ろへ回る。

 

 冷たい指先が尻の割れ目をひと筋なぞった。振動する金属の縁を越え、閉じた肛門の周囲を押し開く。

 

 そして、アナルの縁で止まった。

 

「そこ……?」

 

 男は答えない。

 

 説明は、それだけだった。

 

 拘束台の足元にいた大男が動く。

 

 桜は首だけを捻った。

 

 先ほど口から抜かれ、半ば萎えていたはずのペニスが、また血を集めていく。太い血管が浮き、重たげな亀頭が持ち上がった。昨夜から何度も射精したとは思えない硬さと大きさだった。

 

(そこは……だめ……)

 

 大男が拘束台の後ろに立つ。

 

 巨体が朝の光を遮った。

 

 片手で桜の右の尻を、もう片方で左の尻を掴み、左右へ開く。熱い亀頭が、閉じた穴へ押し当てられた。

 

 前では貞操帯のバイブが震え続けている。その金属の縁と後ろの穴との狭い隙間へ、太すぎる先端が押し込まれてくる。

 

「だめです……そこは、入らな——」

 

 ぬぷっ……ぐぐっ。

 

 言い終える前に、肛門の輪が円く押し潰された。

 

「んぁっ……!」

 

 亀頭の先だけで、穴の縁が引きつる。熱い。太さが合っていない。尻を逃がそうとしても、持ち上げられた骨盤は金属台に預けられたまま動かない。

 

「入らない、です……お願い……やめてください……っ」

 

 大男から返事はない。

 

 腰がいったん引かれる。

 

 わずかに開かれた穴が閉じようとした瞬間、大男は体重ごと前へ出た。

 

 ずぶっ。

 

「ああぁっ!?」

 

 亀頭が輪を割り開き、太い軸が半分まで一気にめり込む。

 

 狭い直腸が、内側から形を変えさせられた。裂けそうな痛みが尻から腹へ走る。そのすぐ前では、極太バイブが止まらず震えている。

 

 薄い肉壁を挟んで、前と後ろの異物が互いの硬さを伝えてきた。

 

 ぶるるるっ……。

 

「ひっ……!」

 

 膣側から細かな振動が来るたび、直腸に入ったペニスの表面まで震える。大男のペニスが後ろから押すたび、バイブが前へ弾かれて子宮口を突いた。

 

「いや……太い、無理です……っ」

 

 大男が腰を引く。

 

 ぬちゅっ……。

 

 開かれた直腸が太い軸へ吸いつき、抜けかけた瞬間にきつく縮む。

 

 次の一突きが、その収縮を押し潰した。

 

 ずんっ。

 

「ひぁっ!」

 

 半分。

 

 引かれる。

 

 ずぶっ、ぐりっ。

 

「あっ、あぁっ……!」

 

 さらに奥。

 

 また引かれ、今度は重い腰が尻へぶつかった。

 

 ぱんっ、ずんっ。

 

「んぐぅっ……!」

 

 根元の手前。

 

 少しずつ慣らす動きではなかった。一突きごとに深さが変わる。後ろから押されるたび、直腸の内側が太い形へ無理に引き伸ばされ、前のバイブは横から弾かれた。

 

 ずんっ、ずちゅっ、ぱんっ。

 

 肉と肉がぶつかる乾いた音へ、濡れた粘膜の音が絡む。

 

「あっ……おく……っ、変……んぁあっ……!」

 

 胃の中の精液が揺れた。

 

 膣と子宮に残った熱は、バイブに掻き回されている。

 

 そのすぐ後ろで、直腸が大男のペニスをさらに深く呑み込まされる。

 

 別々の苦しさが、腹の中で逃げ場を奪い合った。

 

「息……っ、待って……息が、できな……」

 

 吸えば、膨らんだ腹へ金属帯が食い込む。

 

 吐けば、後ろの穴を広げている熱がさらに奥へ進む。

 

 桜は手首を引いた。金具が鳴るだけだった。足を閉じようとしても、開かれた角度から数センチも動かない。逃げられない腰だけが、大男の一突きごとに拘束台の上で揺さぶられる。

 

(これが終われば……姉さんのことを……)

 

 男の主張を信じたわけではない。

 

 それでも、ここまで耐えた先にしか手掛かりがない。処女に戻れるという言葉も、凛へ近づくための言葉も、今の桜には捨てられなかった。

 

(耐えないと……)

 

 思考は、次の衝撃で切れた。

 

 ぐりっ……ずちゅっ……ずんっ。

 

「ああぁっ!」

 

 何度目かの突きで、大男のペニスがついに根元まで埋まった。

 

 直腸の奥を太い亀頭が塞ぎ、前ではバイブの先端が子宮口へ押し返される。二つの硬い形が薄い肉壁越しに桜の腹を挟んだ。

 

「だめ……前も、後ろも……同時は……っ」

 

 外国人風の男の指が、貞操帯の側面へ触れた。

 

 振動が一段強くなる。

 

 ぐいんっ……ぶるるるるっ。

 

「ああっ、だめぇっ……!」

 

 桜の背が拘束台から浮く。

 

 膣の奥は細かく震え、直腸は大男の一突きごとに大きく押し広げられる。前の振動が後ろのペニスへ伝わり、後ろの衝撃が前のバイブを子宮口へ押し返す。

 

 身体が勝手に強張った。

 

 痛みから逃げようと縮んだ膣がバイブを締め、直腸もペニスへ吸いつく。自分で選んだ動きではない。けれど反射は止まらず、締まった肉が次の刺激をさらに深くした。

 

「ちが……これは、違います……っ、私が、したいんじゃ……!」

 

 返る言葉はない。

 

 ぬちゅっ、ぱんっ、ずぶっ。

 

 速さが増す。

 

「あっ、ひぁっ、んぐっ……!」

 

 一突きごとの境目が消えていく。桜の腹の表面が内側から押されるたび、たぷんと形を変えた。胃の内容が喉元へせり上がり、桜はえずきそうになるのを飲み込む。

 

「や、やめ……もう……お腹、壊れ……っ」

 

 敬語の形が保てない。

 

 懇願の切れ端だけが、突かれるたびに口から落ちた。

 

「いやっ……あっ、あぁっ……!」

 

 大男の両手が桜の腰骨を掴む。

 

 太い指が皮膚へ食い込んだ。

 

 次の一突きが、それまでより深く、重く入る。

 

 ずんっ。

 

「ひっ……!」

 

 根元まで埋まったまま、動きが止まった。

 

 直腸の奥で、ペニスがさらに膨れる。太さがもう一段増し、広げられた穴がきつく締め上げられた。大男の指が腰へ食い込み、巨体が微かに震え始める。

 

 桜の背筋が冷えた。

 

(また……出される……)

 

 ビュルルルルルルッ……!

 

「んぐぅっ!?」

 

 熱い精液が、直腸の奥へ叩き込まれた。

 

 一度目の脈動だけで、腸壁が内側から押し返される。

 

 ドクン。

 

 二度目で熱がさらに広がる。

 

 ドクン、ドクン。

 

 三度目には液体の重みまで加わり、下腹部の奥が膨らんだ。

 

「入る……っ、もう、入らない……お腹、これ以上は……!」

 

 射精は止まらない。

 

 ビュルッ、ビュルルルッ。

 

 出口は大男のペニスの根元で塞がれている。逃げられない精液が奥へ奥へと溜まり、水位を上げるように直腸を満たしていく。

 

「んぁっ……あ……!」

 

 熱が追加されるたび、直腸が膨らむ。その圧力が膣内のバイブを前へ押した。バイブは白濁に浸かったまま振動を返し、子宮の奥に残る精液まで鈍く波立たせる。

 

 胃。

 

 膣と子宮。

 

 直腸。

 

 三つの場所で、たぷん、たぷん、と別々の液体が揺れる。

 

 満腹とは違う。

 

 腹の中身をすべて、男たちの熱で置き換えられたような重さだった。漏れそうなのに、前は貞操帯で閉じられ、後ろは大男のペニスで栓をされている。

 

「はっ……息……でき、な……」

 

 肩が跳ね、次の呼吸が遅れる。

 

 手足を引けば拘束が皮膚へ食い込む。内側からは精液が押し広げ、外側からは金属が締めつける。桜の身体だけが、その間で逃げ場を失っていた。

 

 長い放出が弱まった後も、大男は抜かなかった。

 

 根元まで埋めたまま、直腸の出口を塞ぎ続ける。

 

 間を置いて、ペニスがまた脈打った。

 

 どぷっ。

 

「んぅっ……!」

 

 残りの精液が奥へ押し出される。

 

 やがて、外国人風の男が拘束台の脇へ寄った。

 

 桜の腹へ掌を置く。

 

 押し込まず、胃と子宮と直腸へ溜まった重みを量るように、一度だけ触れた。

 

「満ちましたね」

 

「なに、が……これで、何を……」

 

 その言葉が落ちた直後だった。

 

 胃の底で、何かがひくりと動く。

 

 精液の熱ではない。

 

 子宮の奥が脈打ち、続いて直腸の壁が内側から細かく震えた。三経路に溜まった熱を道標にするように、異質な疼きが腹の中心へ集まってくる。

 

「……なに……これ……」

 

 骨と内臓の境目が、ゆっくりほどかれていく。

 

 筋肉が、桜の意思とは違う順番で収縮した。

 

 膣内のバイブは同じ速さで震えている。大男のペニスも、直腸を塞いだまま動いていない。それなのに、そのどちらとも違う熱が、もっと深いところ——自分では触れられない身体の奥を伝って広がっていく。

 

 外国人風の男は、答えの代わりに微笑んだ。

 

「始まりましたよ」

 

「何が……始まったんですか……?」

 

 男は答えない。

 

 桜にも分からない。

 

 分かるのは、手足の拘束が解けていないこと。

 

 貞操帯の極太バイブが、精液に満ちた膣の奥で唸り続けていること。

 

 大男のペニスが、大量の精液を満たした直腸を根元で塞いでいること。

 

 そして、限界まで詰め込まれた三つの熱とは別の何かが、桜の身体を内側から作り替えるように、まだ広がり続けていることだけだった。

 

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