「今日は学校、休むか」
士郎の声に、桜は足を止めかけた。
金曜日の昼前。店を出てから、まだ十分も経っていない。
二人は並んで住宅街を歩いていた。春先の白い日差しが舗道へ落ち、すれ違う人々は何事もなかったように先を急いでいる。
桜も、外から見ればその一人だった。
服の下では、施錠された貞操帯が腰へ食い込んでいる。その内側では、半透明の粘体が一度も休まず蠢いていた。
細い一部が陰毛を分け、クリトリスを柔らかく包む。別の部分は閉じた膣口の縁を濡れた指先のようになぞり、後ろではアナルの内側へ入り込んだ先端が浅く往復していた。
ぬるっ……くちゅっ。
「……っ」
桜は息を鼻から逃がし、歩幅を保った。
一歩ごとに、再生した処女膜の奥で男たちの精液が揺れる。
たぷん。
腹を膨らませていた頃より量は減っている。それでも、膣の奥から子宮までを濡らすには多すぎた。どろりと粘る白濁が膣壁へまとわりつき、身体が上下するたび、少し遅れて擦れ合う。
体温で温められた精液が子宮口へ触れる。
その瞬間、昨夜、巨大なペニスから何度も射精を受けた脈動が蘇った。
びゅるっ、びゅるるっ——。
(思い出さないで……)
拒んでも、膣壁が記憶へ応えるようにきゅっと縮む。奥の精液が揉まれ、また処女膜へ向かって重く押し戻された。
隣を歩く士郎へ顔だけを向ける。
頬と口元には腫れが残っている。肩を庇う歩き方も、さっきから変わっていない。
「桜?」
「……すみません。学校のお話でしたね」
「ああ。無理して行くことないだろ。一晩帰ってこなかったんだぞ」
何をされたのかと聞かれても、桜は答えられない。
傷も疲労も消えた身体の内側へ精液を残し、粘体に前後を触れられたまま、処女に戻ったなどと。
家で一人になれば、そればかり考えてしまう。
凛がどこにいるのか。
二日後という約束が守られるのか。
隣の先輩へ、どこまで嘘を重ねるのか。
「いえ。家にいたら、姉さんのことばかり考えてしまいそうなので。午後からでも、学校と弓道部には出ようと思います」
「でも——」
「先輩こそ、その傷はどうしたんですか……?」
桜が頬の腫れへ視線を向けると、士郎は気まずそうに顔を逸らした。
「店の近くで、ちょっと揉めただけだ。大丈夫」
「大丈夫な歩き方ではありません」
「……身体はちょっと痛む。だから俺は、今日は休むよ」
軽く言おうとした声が、最後だけ掠れた。
何があったのか、桜にも見当はついた。自分を待ち、自分を探したせいだ。
「ごめんなさい、先輩。わたしが——」
胸の奥が痛んだ瞬間、粘体がクリトリスをきゅっと吸った。
ちゅっ。
「ん……っ」
桜は口元を手で隠し、咳払いへ変える。
士郎がこちらを見る。その目に浮かんだ疑念が深くなる前に、桜は微笑んだ。
「わたしも、もう大丈夫です。先輩こそ無理はしないでください。何か分かったら、すぐ連絡しますから」
「……絶対だぞ」
「はい。絶対に」
家の前で別れるまで、桜は一度も下腹部へ手を当てなかった。
◇
玄関の鍵を閉めた途端、桜は扉へ背を預けた。
「はぁっ……ん、ぅ……」
押し殺していた息が漏れる。
膝を揃えたまま、ゆっくり腰を落としかける。けれど腿を閉じれば貞操帯が股間へ押しつけられ、粘体が潰れた分だけクリトリスへ集まった。
ぬちゅっ。
「あっ……」
桜は慌てて脚を緩めた。
今度はアナルの内側で細い先端がくねり、立ち上がるよう促すかのように奥を擦った。
どちらを選んでも止まらない。
それでも、家に籠もって日曜日を待つ気にはなれなかった。時計だけを見つめていれば、姉が監禁されているという事実と、この身体を先輩へ隠したことが何度でも戻ってくる。
時間割の中なら、次にすることが決まっている。
桜は自室へ上がり、制服を取り出した。
服を脱ぐ。
腰を覆う貞操帯が、鏡の中へ現れた。金属の隙間で半透明の粘体が脈打ち、陰毛のあいだへ細い触手を這わせている。
下腹部は平らだった。
昨夜から三人の男に犯され、体内へ精液を溜め込まれた身体には見えない。
桜は白い下着を帯の上から穿き、制服のスカートを下ろした。
正面。
横向き。
背中側。
鏡の前で確かめても、不自然な膨らみは見えない。歩く時の金属音も、スカート越しには聞こえなかった。
「……大丈夫」
誰へ言うでもなく呟き、一歩踏み出す。
たぷっ……どぷり。
「っ……」
精液は子宮の底で一つの塊になっているだけではない。温い膜となって膣壁へ貼りつき、身体の向きが変わるたび、遅れてずるりと流れ直す。処女膜へ押し止められると、行き場を失った白濁が奥へ戻り、子宮の内側をじわじわ温めた。
鏡の中の自分は、何も入っていない処女の顔をしている。
その内側だけが、男たちの射精をまだ終わらせてもらえていなかった。
◇
五時間目が始まる少し前、桜は教室へ入った。
ざわめいていた何人かがこちらを見る。
午前中ずっと空いていた自分の席まで、教室の入口から十歩もない。それなのに、一歩ごとに胎内の重みが揺れ、ひどく遠く感じられた。
「間桐さん」
教卓脇にいた担任へ呼び止められる。
「午前中、連絡がなかったけど、どうしたの?」
「すみません。朝、少し体調が悪くて……もう大丈夫です」
「本当に? 顔が赤いみたいだけど」
粘体が触れ続けるせいです、とは言えない。
「急いで来たからだと思います。ご心配をおかけしました」
「つらくなったら、すぐ言いなさい」
「はい」
嘘をつくたび、士郎へ言えなかったことまで胸の内で重くなる。
席へ着くと、隣の女子が顔を寄せてきた。
「桜ちゃん、大丈夫? 急に休むから心配したよ」
「うん。ありがとう。もう平気だから」
「無理してない?」
「してないよ。本当に——」
椅子へ腰を下ろした瞬間、硬い座面が貞操帯を下から押し上げた。
ぬちゅっ。
「っ……」
粘体が押し潰され、その分だけクリトリスの周囲へ集まる。柔らかな塊が左右から小さな突起を挟み、ゆっくり擦り合わせた。
「桜ちゃん?」
「……ちょっと、椅子が冷たくて」
笑ってみせると、始業の鐘が鳴った。
授業が始まる。
黒板の式を書き写そうとしても、ペン先が小さく震えた。
粘体は弱くなったかと思えば、忘れかけた頃にクリトリスを吸う。閉じた膣口の縁を円く撫で、アナルへ入り込んだ先端まで座面と身体のあいだでくねった。
くちゅ……ぬる、ぬるっ。
音は下着とスカートに塞がれているはずだった。
それでも桜の耳には大きすぎる。
(聞こえないで……お願い、今だけは……)
「間桐」
肩が跳ねた。
教師が黒板の途中を指す。
「この式の次は?」
「は、はい。次は……」
桜は椅子から立ち上がった。
どぷり。
胎内の精液が、一気に下へ落ちた。
「……ぁ」
処女膜のすぐ上まで重みが押し寄せる。
漏れない。
逃げない。
その圧力へ外側から粘体が吸いつき、薄い膜一枚を挟んで内と外の刺激が重なった。
どぷっ、たぷたぷっ。
嫌なのに、膣壁がひくりと収縮する。残った精液が揉まれ、処女膜の内側へ重く押しつけられた。
「次、は……代入、して……っ」
声が掠れた。
前の席の男子が振り返る。斜め向こうからも視線が来た。
何を見ているのかは分からない。ただ今の桜には、わずかな視線まで服の下を覗き込まれているように感じられた。
「間桐? 本当に大丈夫か」
「……はい。すみません」
答えた直後、粘体がクリトリスを強く吸い上げた。
ちゅっ、くちゅくちゅっ。
「んぅ……っ!」
桜は右手を机へついた。
膝が震える。腿をきつく閉じれば帯がさらに密着し、逃げ場を失った刺激が背骨を駆け上がった。
左手も机の縁を掴む。
腰が一度、びくんと跳ねた。
短い絶頂が、立ったまま全身を貫いた。
「ぁ……っ」
教室が静かになる。
桜は爪が白くなるほど机を掴み、腿の震えが収まるのを待った。貞操帯の内側では、粘体が絶頂後の敏感なクリトリスをまだ撫でている。
「間桐。座れるか?」
「……少し、立ち眩みがしただけです」
通じたかどうかは分からない。
教師に座るよう言われ、桜は視線を伏せたまま椅子へ戻った。
「保健室、行く?」
隣から心配そうに囁かれる。
「ううん。もう大丈夫」
「でも——」
「少し休めば平気だから。ありがとう」
保健室で横になれば、誰かに貞操帯の硬さへ気づかれるかもしれない。
濡れているはずなのに、下着には何も滲んでこなかった。粘体が愛液まで舐め取っている。
絶頂した証拠さえ、粘体の中へ消されていく。
その事実が、立ったまま達したこと以上に恥ずかしかった。
◇
休み時間になると、桜は女子トイレへ急いだ。
一番奥の個室へ入り、鍵を掛ける。
スカートをたくし上げ、貞操帯の上から穿いた下着を膝まで下ろして便座へ座った。
朝から我慢していた尿意がある。
男は、この粘体が排泄の始末もすると言った。
けれど、何をされるのかまでは聞いていない。
桜は膝へ両手を置き、恐る恐る力を抜いた。
熱いものが尿道を通る。
「……出る」
そう思った瞬間、出口へ張りついていた粘体が薄く広がった。
ちゅるっ。
「ひっ……」
吸われる感覚だけがある。
便器には一滴も落ちなかった。
桜は息を止め、もう一度力を入れる。
ちゅっ……ちゅるるっ。
尿道口を柔らかなものに塞がれたまま、出てくる端から吸い取られていく。膀胱は確かに軽くなる。それなのに、水面は揺れず、排尿の音さえしない。
「本当に……食べてる……」
男の説明が、自分の身体で初めて結果になった。
始末をしなくていい便利さではない。
排泄という、一人きりであるはずの行為まで、得体の知れない生き物に口をつけられている。
吸引が止まる。
代わりに粘体が尿道口の周囲を一度だけ舐め、クリトリスの下へ戻っていった。
「ん……っ」
桜は口元を押さえた。
隣の個室で紙の動く音がする。誰かがいる。
自分の個室だけが不自然に静かなことまで、知られたくなかった。
桜は何も落ちていない便器へ水を流した。
ざあっ、と響いた水音だけが、普通に用を足したふりをしてくれた。
◇
放課後、弓道部の更衣室で最後の部員が出ていくのを待った。
「先に行ってるね、間桐さん」
「はい。すぐ追いつきます」
扉が閉じ、足音が遠ざかる。
一人になったことを確かめ、桜は急いで制服のスカートを下ろした。
白い下着の下に、金属の輪郭が透けている。帯の端からは半透明の粘体がわずかに覗き、濡れた光を返していた。
もし見られたら、言い訳はできない。
桜が袴へ片足を通した時、廊下から大きな足音が近づいてきた。
「間桐さーん、まだいるー?」
藤村大河の声だった。
「は、はいっ!」
桜はもう片方の足を入れ、袴を腰まで引き上げた。
布が貞操帯の端へ引っかかる。
「っ……早く……」
焦って強く引けば、内側の粘体が押し潰され、クリトリスをぬるりと滑った。
「ぁ……っ」
扉へ掛かった手が止まったらしい。
「ん? どうかした?」
桜は片手で袴を押さえ、もう片方の手で帯を結ぶふりをした。
「だ、大丈夫です。帯を結んでいるところなので……!」
「了解! 今日、士郎が休みだって聞いたけど、桜ちゃんまで無理しちゃ駄目よー」
「はい」
「先に道場で待ってるからね!」
「すぐ行きます」
足音が遠ざかる。
桜は戸口を見たまま、袴の上から腰を押さえた。
「はぁ……っ」
扉一枚の向こうに先生がいた間も、粘体は止まってくれなかった。
◇
道場へ入ると、世界の輪郭が妙に鮮明だった。
射位へ立つ。
弓を握る指に迷いがない。身体は軽く、肩にも腰にも痛みがない。息を吸えば胸郭が素直に開き、的までの距離が一本の線として見えた。
矢を番える。
足を踏み開き、胴を造る。
弓を上げ、左右へ引き分ける。
離す。
ひゅっ——たんっ!
矢が的へ突き立った。
「的中」
乾いた声が道場へ通る。
二本目も、三本目も中心近くへ吸い込まれた。
「間桐、今日すごくない?」
「うん。さっきから全部、中心近くだよ」
部員たちの囁きが聞こえる。
「間桐さん、何か掴んだ?」
大河まで目を丸くしていた。
「いえ……今日は、身体が軽いだけです」
それしか答えられない。
自分でも怖いほど、身体が冴えていた。これが再構成の結果なのか、疲労が消えただけなのか、桜には分からない。
ただ射に入っている間だけは、胎内の重みも粘体の刺激も意識の外へ遠ざけられた。
次が最後の一本だった。
足を定める。
胴を造る。
弓を上げる。
的だけを見る。
集中が一点へ細くなる。
その瞬間、アナルの内側にいた粘体が、ぐにょりと深く伸びた。
「っ……!」
柔らかな先端が内壁を擦り上げる。同時に、クリトリスを包んだ部分がきつく収縮した。
ぬちゅっ、くちゅくちゅっ——。
弦を引いたまま、腰が震える。
(今は、だめ……離しちゃ……)
両腕へ力を配り直そうとする。
その動きで腹筋が張り、胎内の精液がたぷんと傾いた。
閉じた処女膜の内側を重みが押す。外からは粘体が吸いつく。
熱い白濁が子宮口から膣の奥へどろりと下がった。
巨大なペニスが奥で膨らんだ感触。
子宮へ叩きつけられた最初の熱。
終わらない射精のたび、腹の内側が満たされていった圧力。
「や……っ」
桜は拒んだ。
けれど身体だけが、それを今の出来事のように受け取った。膣壁が精液を抱え込むように痙攣し、下腹部から胸まで一息に火照る。
「んっ……あ、ぁ……!」
絶頂が弾けた。
右手の指が開く。
ばしゅっ!
矢は的を外れ、脇の土へ深く突き立った。
静まり返った道場で、弦の余韻だけが震えている。
桜は弓を下ろせなかった。
膝が笑い、腿の内側がびくびくと痙攣する。粘体は絶頂の余韻まで舐め取るように、クリトリスの周囲をゆっくり回った。
「間桐さん?」
大河の声に、ようやく指を閉じる。
「……すみません。少し、指が滑りました」
「怪我してない?」
「はい。大丈夫です」
自分の声が、ひどく遠く聞こえた。
連続的中より、最後の失射の方が皆の記憶に残る。
秘密も同じだ。
一度露見すれば、それまで隠し通した時間など意味を失う。
桜は震える指を一本ずつ握り直した。
◇
帰宅して最初に浴びたシャワーでも、粘体は流れなかった。
桜は浴室の壁へ左手をつき、右手で下腹部へ湯を当てる。
熱い湯が金属を温めると、貞操帯の内側までじわりと熱を持った。粘体は水を嫌がるどころか、濡れた身体を滑り、クリトリスの裏側へ細く潜り込む。
ぬるっ、くちゅっ。
「あっ……ん……」
膝が折れかけ、壁へついた手へ力を込める。
洗っているのに、清潔になっている気がしない。
粘体が愛液も湯も吸い込み、肌だけを何事もなかったように残していく。
湯で温まるほど、胎内の精液も熱を取り戻した。子宮の底でたぷたぷ揺れ、膣壁へ貼りついた白濁が体温よりわずかに熱いものとして存在を主張する。
思い出すたび嫌悪で喉が詰まる。
それなのに膣は浅く震え、身体の表面までじっとり火照った。
夕食を作り、一人で食べた。
包丁を握る間も、椅子へ座る間も、粘体は止まらない。
胃が食事で満ちる感覚と、胎内に溜まった精液の重さは違う。それなのに椅子から立つたび、二つの重みが腹の中で重なった。
食器を洗い終えた頃、便意を覚えた。
桜がトイレへ着く前から、アナルの奥で粘体が動き出す。
「まだ、何もしてないのに……っ」
ちゅる、ぬるっ……。
便座へ座る。
柔らかなものがアナルの内側へ伸び、排出されるはずだった重みを奥から少しずつ取り込んでいく。
「んっ……気持ち、悪い……」
腹へ力を入れる必要さえなかった。
外へは何も出ない。
男の言葉どおりだった。
自分の身体のことなのに、排泄する時さえ自分では決められない。
風呂へ入り、湯船で膝を抱えた。
身体を丸めると、胎内の精液がたぷりと前へ寄る。粘体は湯の中でも休まず、閉じた膣口の縁をなぞっていた。
膝を抱く力を強める。
子宮と膣に残る精液が押し合い、腹の奥でたぷ、たぷ、と小さく波打つ。
湯の熱と白濁の熱の境目がなくなり、何度も中出しされた夜の火照りだけが身体の内側へ戻ってきた。
「日曜日まで……」
約束は日曜日。
そのためなら耐えると決めたはずなのに、一日目はまだ終わっていなかった。
◇
布団へ入る支度をしたところで、枕元の電話が鳴った。
表示された名前は、士郎だった。
桜は一度呼吸を整え、通話を繋ぐ。
「はい、先輩」
「もしもし、桜か。今、大丈夫か?」
「はい。もう休むところでした」
「学校、行ったんだってな。藤ねえから聞いた」
「心配をかけてしまいました」
「無事ならいい。でも、やっぱり無理はするなよ」
「先輩もです」
互いに隠し事をしたまま、相手だけを気遣っている。
短い沈黙の後、士郎の声が低くなった。
「やっぱり遠坂は、まだ家には帰ってないみたいだ。監禁してるやつからの連絡は?」
「……いえ、無いです」
「日曜に会わせるって話だけか」
「はい。明後日の何時なのかも、まだ……」
答えながら、桜は下腹部へ手を置いた。
掌の下で貞操帯の金属が硬い。
さらに奥では、寝間着へ着替えたわずかな動きで精液がたぷりと揺れた。
電話の向こうにいる先輩は、この手の下に何があるのか知らない。
「連絡が来たら、必ず教えてくれ」
「はい。約束します」
「……分かった。じゃあ、おやすみ、桜。しっかり休むんだぞ」
「……はい。おやすみなさい、先輩」
通話が切れた。
◇
静かになった部屋で、粘体の湿った動きだけが身体へ伝わる。
くちゅ……ぬるっ。
桜は布団へ横になった。
その下では、子宮と膣に残った精液がまだ温かい。寝返りを打つだけでどろりと傾き、桜の意思とは無関係に下腹部が火照る。処女膜の内側で膣が小さく脈打った。
明日は土曜日。
約束の日曜日まで、あと一日を越えなければならない。
桜は仰向けになり、布団の中で脚を閉じた。
ぬちゅっ。
「ん……っ」
閉じれば粘体がクリトリスへ押しつけられる。
耐えきれず脚を少し開く。
たぷん。
開けば、胎内の重みを強く意識する。
桜は枕へ顔を半分埋め、声を押し殺した。
どちらを選んでも、普通に眠ることは難しかった。