※この作品はR-18です。

濁った宝石   作:湖畔R

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第30話 仕上げの視線

「失敗したんでしょう。だったら、もうやめなさい」

 

 凛は向かいの台からジェイクを睨んだ。

 

 声は掠れている。それでも、術式を切り分ける口調だけは魔術師のものだった。

 

「魔力への変換はできても、世界は応えなかった。条件を足したところで、根源には届かない。……拘束を解きなさい」

 

 最後の言葉に、桜は息を詰めた。

 

 両手首と両足首を革帯に締めつけられ、凛の首には今も短い鎖が垂れている。儀式に使われた物質も、腰を繋いでいたものも、すでに残っていない。それなのに、姉の声からは安堵より焦りが滲んでいた。

 

 失敗したから終わる。

 

 そんな相手ではないと、凛にも分かっているのだ。

 

「ええ。今回の試みは失敗です」

 

 ジェイクはあっさり認めた。

 

「ですから、ここからが仕上げです」

 

「話を聞いていたの?」

 

「もちろん」

 

 穏やかに答え、閉じた扉へ顔を向ける。

 

「あなたに協力していただきたい」

 

 誰へ呼びかけたのか、桜には分からなかった。

 

 けれど、間を置かず低い声が返る。

 

「わかった。すぐ行く」

 

 重い扉が開き、初老の資産家が入ってきた。

 

 がしゃんっ、と隣で鎖が鳴る。

 

「あんた……っ」

 

 凛が首輪を引きながら、男を睨み上げた。

 

 桜の喉も強張った。VIPルームで押さえつけられ、無理やり口を使わされた記憶が、舌の奥へ苦い味を蘇らせる。

 

 男は姉妹の敵意を気にした様子もなく、目尻を下げた。

 

「やあ、凛ちゃん。桜ちゃんも、また会ったね。ジェイク、私は何をすればいい?」

 

「遠坂さんをお願いします。私は桜さんを」

 

「承知した」

 

 あまりにも簡単な受け答えだった。

 

「待ちなさい!」

 

 凛が革帯を引く。肩を浮かせても、上体は台から少しも起きなかった。

 

「桜にはこれ以上触らせない。私にまだ用があるなら――」

 

「姉さん、だめです!」

 

 凛がこちらを向く。

 

 自分を差し出してでも、桜だけを外そうとしている。その目を見ただけで分かった。

 

 そして桜も、まったく同じ言葉を口にしかけていた。

 

「わたしでは、だめなんですか。姉さんを解放してくれるなら、わたしが――」

 

「桜!」

 

 互いに守ろうとして、互いへ何も知らせず、二人ともこの台へ辿り着いた。

 

 また同じことを繰り返しかけた姉妹を、ジェイクが穏やかに遮る。

 

「どちらか一人では、条件になりません」

 

「そんな条件、誰が――」

 

 凛の声を置き去りにして、ジェイクは別の扉へ合図した。

 

「用意した駒は、すべて使うことになりそうです」

 

 金属の車輪の音が、扉の向こうから近づいてくる。

 

 桜はそこへ目を向けた。

 

 最初に見えたのは、裸の女だった。

 

 一人、二人――四人の女が、何の表情も浮かべずに入ってくる。二人が左右から椅子を押し、残る二人が前後を歩いていた。全員が全裸なのに、自分の姿を恥じる仕草さえない。焦点の合わない目で、命じられた位置だけを見ている。

 

 四人に囲まれた赤い髪が見えた。

 

 桜の呼吸が止まる。

 

「先輩……?」

 

 車輪付きの拘束椅子に縛られていたのは、衛宮士郎だった。

 

 全裸で、両手首は背もたれの後ろへ回され、両足首も椅子の脚へ固定されている。口には猿轡を噛まされ、頬はやつれ、浅い呼吸に合わせて胸だけが上下していた。

 

 けれど、目は開いていた。

 

 士郎の視線が桜を捉える。

 

 大きく見開かれた目が、革帯に広げられた桜の手足を追い、濡れた裸身を辿った。次いで、向かいの台へ拘束され、首輪と鎖まで付けられた凛を見つける。

 

「んぐっ! んんんっ!」

 

 士郎は椅子ごと立ち上がろうとした。

 

 ぎしっ、がたんっ!

 

 背後へ回された腕が縄を軋ませる。両足が椅子の脚を蹴る。それでも椅子は倒れず、裸の女たちが四方から押さえつけた。

 

「士郎っ!」

 

 凛の声が張りつめる。

 

「士郎、お願い……こっちを見ないで。目を閉じて……!」

 

 命令にしようとして、最後だけが懇願になった。

 

 士郎は目を閉じない。首を横へ振り、二人の拘束を確かめようと身を捩る。

 

 いつ捕まったのか。どこで、誰に傷つけられたのか。

 

 桜には何も分からない。

 

 公園へ来てほしいと送ったメッセージ。その返事がなかった理由だけが、目の前に突きつけられていた。

 

「先輩……どうして……」

 

「んんっ、んぐ……!」

 

 返事は猿轡の奥で潰れた。

 

 ジェイクが士郎へ身体を向ける。

 

「遠坂さんは、あなたを守るために資金を求めました。あなたが無謀な自己犠牲を選ばずに済むよう、ご自分の身体を差し出したのです」

 

「言うな……っ!」

 

 凛の叫びを無視し、ジェイクは資産家の側に晒された姉の身体を手で示した。

 

「桜さんも同じです。あなたを守るために。そして、お姉さんを守るために、私と取引しました」

 

 士郎の目が桜へ戻る。

 

「違うんです、先輩。わたしは――」

 

「壊れていた身体は、術式で再構成しました。せっかくあなたのために戻した処女膜も――」

 

 ジェイクの視線が、桜の開かれた股間へ落ちる。

 

「これから私が破ります」

 

「んんん゛っ!」

 

 士郎が激しく首を振った。

 

 猿轡に押し潰されながらも、「やめろ」という二音だけが桜の耳へ届く。

 

 胸が痛んだ。

 

「先輩、違うんです」

 

 何が違うのか、言葉にできない。

 

 自分で選んだことにしたかった。姉を助けたかった。先輩だけは巻き込みたくなかった。

 

 士郎の眉間に深い皺が寄った。桜を責める目ではない。自分が動けないことを責めている目だった。

 

「仕上げです」

 

 ジェイクは椅子を姉妹の正面で止めさせた。

 

 士郎の顔が二台の間へ固定される。左右へ振れる余地はほとんどなく、視線だけは姉妹から逸らせない。

 

「士郎さんには、最後まで見届けていただきます。快感に溺れながら」

 

 四人の女が、同時に士郎へ手を伸ばした。

 

 二人が左右から胸へ顔を寄せる。

 

 右の女は乳首を唇で深く吸い、左の女は舌先で反対の乳首を弾いた。

 

 ちゅっ、ちゅぷっ。

 

 三人目は椅子の正面へ膝をつき、陰茎を握る。萎えきらない陰茎を口へ運び、亀頭を唇で挟んで、そのまま含んだ。

 

 ぬぷっ、じゅぽ……。

 

 四人目は椅子の下へ潜り、座面の中央に開けられた穴から士郎の肛門へ舌を這わせる。濡れた舌先が皺をなぞり、窄まる入口を押し分けた。

 

「んぐっ……!」

 

 士郎の背が跳ねた。

 

 乳首、陰茎、肛門を同時に刺激されても、固定された顔と視線だけは姉妹から逸らせない。

 

 腰を逃がせば、口に含まれた陰茎が引かれる。背を反らせば左右から乳首を吸われ、尻を浮かせれば肛門へ舌先が潜る。どちらへ逃げても、別の刺激へ身体を押し戻された。

 

 女たちの目には何の感情もない。ただ命じられた四つの場所を、別々の速さで刺激し続ける。

 

「先輩には何もしないで!」

 

 桜が叫ぶと、資産家が凛の脚の間へ立った。

 

 ジェイクは桜の脚の間へ入る。

 

 二人の男の腰が、姉妹を挟んで向かい合った。

 

「目的は私たちでしょう」

 

 凛は資産家を睨んだまま言う。

 

「士郎をここから出しなさい。彼に見せる必要はない」

 

 自分を解放しろとは言わなかった。

 

 資産家は困ったように笑い、凛の膝裏へ手を添える。革帯のせいで閉じられない脚をさらに押し開き、濡れた膣口へ勃起した先端を擦りつけた。

 

「残念だが、彼の視線がジェイクには必要らしい。……まあそっちはいいじゃないか、監禁中は相手をしてあげられなくてすまなかった。私も、もう一度その中を味わいたいと思っていた」

 

「私は二度と会いたくなかったわ」

 

「なら、彼へそう伝えながら耐えるといい」

 

 先端が凛の膣口を割る。

 

 ぬぷっ。

 

「――っ!」

 

 開いた肉へ、太い陰茎がゆっくり沈んだ。

 

 ずぶ、ぬちゅ……。

 

 凛は唇を噛む。根元が近づくほど、肩が台へ押しつけられ、首輪の鎖がかすかに鳴った。

 

「士郎……見ないで……っ」

 

 資産家が最後まで腰を沈める。

 

「あっ……く、ぅ……!」

 

 短い声が漏れた。

 

 士郎の瞳が揺れる。

 

 その士郎の右乳首を女が強く吸い、左乳首を別の舌が転がす。

 

 正面の女は陰茎を深く咥え、頬を窄めて吸い上げた。椅子下の女も、肛門へ舌先を浅く潜らせる。

 

 ちゅぷっ、じゅぽっ、れちゅ……。

 

「んん゛っ!」

 

 士郎の腰が浮き、縄に引き戻された。

 

 桜は士郎から顔を背けようとした。

 

 けれど、股間へ硬い熱が触れた瞬間、全身が強張る。

 

 ジェイクの亀頭だった。

 

「やめて……ください……!」

 

 陰唇が左右へ押し開かれ、先端の丸みが膣口の浅いところまで沈む。

 

 そこから先へは入らない。

 

 代わりに、逃げ場のない圧力が入口の内側へ加わった。

 

「処女膜は、まだ保たれています」

 

 ジェイクは士郎へ確認させるように言った。

 

「前の工程で開いたのは、ごく小さな穴だけでした。今度はすべて破ります」

 

「いや……っ」

 

 桜は腰を引いた。

 

 尻が革張りの台を擦るだけだった。両手首と両足首は動かない。脚は先輩の正面へ開かされたままで、隠すこともできない。

 

「お願いです。せめて先輩を――」

 

「目を閉じさせますか?」

 

 ジェイクの声は優しかった。

 

「それでは意味がありません」

 

 亀頭が中央を押す。

 

 入口の内側で、薄い処女膜が丸みを受け止め、奥へ撓んだ。

 

「ひっ……!」

 

 痛みはまだ鈍い。

 

 けれど、押しつけられたまま腰を小さく捻られ、同じ場所を内側から擦られると、膜は次第に引き伸ばされた。

 

 ぷつっ。

 

「あっ――!」

 

 細い裂け目が走る。

 

 ジェイクは止まらない。いったん圧力を緩め、もう一度、今度は体重ごと腰を進める。

 

 膜が耐え、桜の膣口まで引きつった。

 

「やめて……そこは、先輩に……っ、あぁぁっ!」

 

 ぶつりっ。

 

 処女膜が大きく破れ、亀頭が狭い膣へ押し入った。

 

「あああっ!」

 

 熱い痛みが下腹まで突き抜ける。

 

 血がジェイクの陰茎を濡らし、膣口から会陰へ伝った。

 

 ぽたっ、ぴちゃ……。

 

 士郎の喉が大きく鳴る。

 

「見ないでください、先輩……っ」

 

 そう頼みながら、桜自身が士郎から目を逸らせなかった。

 

 好きな人に見られた。

 

 再生した膜を他の男に破られ、血を流しているところを。

 

 羞恥が痛みに重なり、胸の奥まで熱くなる。

 

 けれど、その熱まで自分の気持ちだと奪われたくなかった。

 

「違う……これは、わたしが望んだことじゃ……」

 

「承知しています」

 

 ジェイクは静かに答え、さらに腰を進めた。

 

 ぬちっ、ずぶ……。

 

 残った膜を陰茎の太さで押し切りながら、狭い膣壁の間へ入ってくる。裂けた場所を根元が擦るたび、鋭い痛みが走った。

 

「あっ……あ、ぁ……!」

 

 引き抜かれる。

 

 開かれた傷口が陰茎へ吸いつき、次に入ってくる熱に押し広げられる。

 

 身体が動いているだけだ。

 

 欲しいのではない。先輩の前で感じたいはずがない。

 

 そう言い聞かせても、ジェイクが深く腰を沈めるたび、膣の奥から甘い痺れがせり上がってくる。

 

 向かいでは、資産家が凛をゆっくり犯し続けていた。

 

 ぬちゅ、ぐぷっ……ぬぷっ。

 

 深く入る。抜ける。次の一突きでまた奥まで擦り上げる。

 

 凛の呼吸が動きに合わせて崩れていく。

 

「っ、は……あっ……!」

 

 それでも、姉は資産家ではなく士郎を見ていた。

 

「士郎……これは、私が望んだことじゃない。身体がどうなっても……それだけは、間違えないで……っ」

 

 言葉の途中で、資産家が深く腰を押しつける。

 

 ぐちゅっ。

 

「あぁっ!」

 

 凛の背が台から浮いた。首輪の鎖が、がしゃりと鳴る。

 

 資産家は耳元へ身を寄せた。

 

「よく締まっている。彼に見られるほうが、君の身体には効くらしい」

 

「黙りなさい……っ!」

 

「では、もっとよく見せてあげよう」

 

 腰の動きが速くなる。

 

 ぱちゅっ、ぐぷっ、ぬちゅっ。

 

 凛の胸が揺れ、一突きごとに短い鎖が鳴る。資産家が引くたび、濡れた膣口が陰茎へ食いつくように窄まり、水音を大きくしていった。

 

 士郎の前では、四人の女が無言で動き続けている。

 

 じゅぽっ、じゅる、じゅぽっ。

 

 正面の女が陰茎を深く咥え、頬を窄める。椅子下の女は、舌先を肛門へ差し入れては引き、濡れた皺を舐め回す。左右の乳首にも、吸う、舌で弾く、甘く噛む刺激が交互に重なった。

 

「んぐぅ……っ、んんっ!」

 

 士郎の太腿が震え始める。

 

 先輩まで反応させられている。

 

 その事実が、桜の羞恥をさらに深くした。

 

 ジェイクの抽送も速くなる。

 

 ぬちゅっ、ずぷっ、ぐちゅっ。

 

 破られたばかりの入口を擦り、膣の奥へ打ち込まれる。痛みと快感の境が一突きごとに崩れていく。

 

「桜さん。力を抜いてください」

 

「抜きません……っ」

 

「では、そのまま締めていてください」

 

「いや……そんな言い方……っ、あぁっ!」

 

 言い返した瞬間、子宮口の手前を強く突かれた。

 

 声が途切れ、腰が跳ねる。

 

 士郎の目が、その反応を見ている。

 

「違います……今のは……!」

 

 否定しようとした言葉を、次の一突きで崩された。

 

 ぐぷっ!

 

「ひぁっ!」

 

 向かいから凛の声が重なる。

 

「桜、言い訳しなくていい!」

 

「姉さん……」

 

「身体が反応するのは、こいつらがそうさせてるからよ。士郎も同じ。誰も……自分で選んでない……っ!」

 

 資産家の腰が入り、凛の声が「あぁっ」と途切れる。

 

 士郎が強く頷く。

 

 猿轡の両端から唾液を零しながら、何度も首を縦へ動かした。

 

 桜は唇を噛み、先輩を見返す。

 

「先輩……わたしも、選んでません……わたしのことも……嫌いにならないでください」

 

「ん……んんっ!」

 

 士郎の目が潤んだ。

 

 その願いに重ねるように、ジェイクが深く突き入れた。

 

「ああっ!」

 

 桜の膣が反射的に収縮する。

 

「欲情と興奮は、意思の証明ではありません」

 

 ジェイクは一定の速さで腰を動かしながら言った。

 

「しかし、身体と魔力を結びつける印にはなる」

 

「それを……勝手に使わないで……っ」

 

「そのための仕上げです」

 

 資産家が凛を突く音。

 

 ジェイクが桜の奥を抉る音。

 

 女が士郎の陰茎を吸う音。

 

 椅子下で肛門を舐める湿った音。

 

 ばらばらだった四つの間隔が、少しずつひとつの速さへ寄っていく。

 

 ぱちゅっ、ぐぷっ。

 

 ぬちゅっ、ずぷっ。

 

 じゅぽっ、ぐぷっ。

 

 資産家が一度深く入るたび、ジェイクも桜の腰を台へ押しつける。正面の女は同じ拍子で士郎の陰茎を喉近くまで呑み、椅子下の舌が肛門の内側へ潜った。

 

 左右の女も、同じ瞬間に士郎の乳首を吸い上げる。

 

「んんん゛っ!」

 

 士郎の背が反る。

 

 その動きに合わせて、凛の首輪が鳴り、桜の足首の革帯が軋んだ。

 

 三人の呼吸まで揃わされていく。

 

 はっ、はっ、という凛の息。

 

 あっ、あっ、と零れる桜の声。

 

 猿轡の奥で潰れる士郎の呻き。

 

 同じ間隔へ揃い、次第に短くなる。

 

 桜は腰を止めようと腹へ力を入れた。

 

 けれど、足首は開いた位置から動かず、ジェイクの腰が入るたびに台の上で押し上げられる。膣壁はもう硬さを拒みきれず、抜かれるたびに締まり、挿入されるたびに濡れた音を返した。

 

「いや……感じたく、ないのに……っ」

 

 奥へ波が溜まっていく。

 

 処女膜を破られた痛みも、先輩に見られている羞恥も、姉の悲鳴も、ひとつの熱へ混ぜられてしまう。

 

 隣で、凛が首を振った。

 

「違うから……」

 

 資産家の腰が凛を打つ。

 

 ぱちゅっ!

 

「あぁっ……! 私が、感じても……アンタを裏切ったんじゃ、ない……っ!」

 

 青い瞳は士郎から逸れなかった。

 

「先輩……わたしも……っ」

 

 ジェイクの陰茎が、桜の子宮口へ触れるほど深く入る。

 

「こんなの、望んで……あっ、いません……!」

 

 身体だけが先に限界へ近づく。

 

 桜の膣がジェイクをきつく締めつけた。否定するほど、奥に溜まった波が大きくなる。

 

 士郎の目に苦痛が浮かんだ。

 

 同時に、その陰茎が女の口内で大きく脈打つ。喉奥まで咥えた女の頬が窄まり、舌が亀頭の裏を休まず擦った。

 

 ぐぷっ、ぱちゅっ、じゅぽっ――。

 

 三人の高まりは、ここで同じ間隔へ揃い、逃げ場のない頂点へ押し上げられた。

 

 資産家が凛の奥へ根元まで腰を押しつける。

 

「出すぞ、凛」

 

「いやあぁぁっ……!」

 

 凛の身体が弓なりに反った。

 

 資産家は凛の股間へ根元まで押しつけたまま、びゅっ、びゅるるっ、と精液を吐き出す。

 

 陰茎が脈打つたびに凛の身体が痙攣した。首輪の鎖が何度も跳ね、膣口から白濁が男の根元へ溢れる。

 

 同じ瞬間、ジェイクが桜の奥で動きを止めた。

 

「ああっ! あぁぁっ……!」

 

 びゅるっ、びゅっ、びゅるるるっ――。

 

 破られたばかりの膣を熱が満たし、子宮口へ直接ぶつかるように注がれる。

 

 桜の視界が白く弾けた。

 

 拒み続けた身体が大きく痙攣し、ジェイクの陰茎を奥まで締めつける。痛みも羞恥も、先輩に見られている絶望も、止められない絶頂へ巻き込まれた。

 

 士郎も女の口の中で射精した。

 

「んんん゛っ……!」

 

 びゅっ、びゅるっ。

 

 女は口を離さない。士郎の陰茎を喉近くまで含んだまま精液を受け、痙攣が収まらない亀頭を舌で吸い続ける。

 

 凛の悲鳴と士郎の猿轡越しの呻きが、桜の絶頂へ同時に重なった。

 

 その瞬間、ジェイクの指が桜の下腹へ触れた。

 

 短い詠唱。

 

「欲情を印に。興奮を道に。絶頂を楔に」

 

 意味を拒むより先に、姉妹の身体が眩い桃色の光に包まれた。

 

「あっ……なに、を……!」

 

 桜の胎内へ注がれた熱とは別のものが、身体の奥で目を覚ます。

 

 すでに精液から切り離され、姉妹の内側に残っていた矛盾した魔力。

 

 そこへ、いま強制された欲情と興奮が流れ込み、三人の絶頂が消えない刻印となって食い込んでくる。

 

「あなた方の魔術回路へ定着させます」

 

 桃色の光が、桜の回路へ一本ずつ潜り込んだ。

 

 逃げ道を塞ぐように。

 

 自分のものではない式が、回路の内側へ焼きつき、剥がれない形へ変わっていく。

 

「いやあぁぁっ!」

 

 向かいでも凛が叫ぶ。

 

 凛の全身へ同じ光が走り、首輪の下から胸、腹、脚へと浮かび上がった回路を灼いていた。

 

 桜の意識が遠のく。

 

 世界からの応答はない。

 

 根源へ通じる何かが開く気配もない。

 

 ただ、あってはならない魔力だけが、姉妹の身体へ深く焼きつき続ける。

 

「ああっ! あぁぁっ……!」

 

 光は、まだ消えなかった。

 

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