【公式不倫 R-18二次創作】消せないラスト・ノート 作:ひよこレモン
素敵な男性からお姫様抱っこされて、そっとベッドに横たえられる。
若い女の子の例に漏れず、私もそんなシチュエーションに、少しだけ憧れたこともあった。
今まさに、私はそんな格好で、屈強な男の人の腕に抱かれ、寝室へと運ばれていく。
ふたりの男女は全裸で、浴室での激しい行為を終えた後。
男はふぅふぅと荒い息を立て、尽きぬ肉欲を隠そうともしていない。
女の方も、泡立つ愛液を秘部から滲ませながら、次なる結合の瞬間を待ちわびている。
ここにはロマンティックさのかけらもない。
そこにいるのは、ただセックスに我を忘れた、淫らな2頭の獣。
タカヒロさんは私の身体を布団の上にどさっと降ろすと、首の後ろに左手を回す。そのまま私の上に覆いかぶさってきて、一度、二度と唇を重ねてくる。
愛情も胸のときめきもないキス。
単なる性行為の一部でしかない、粘膜と粘膜の接触。
「ちょ、ちょっと、待って」
右手を私の脇腹に伸ばし、続けて愛撫を始めようとするタカヒロさんのことを、何とか押しとどめる。
「少し、休ませて…ください」
ふぅ、とひとつ息をつき、彼が私から身体を離して起き上がる。
私は立ち上がろうとするけれど、産まれたての小鹿のように脚が震えてふらついてしまう。
小さな自分の体重も支えられず、結局布団の上に膝から倒れ込む。
「わた…しの、バッグ。取って、きて、くれませんか」
タカヒロさんは無言でベッドから離れ、私の籐編みのバッグを持って戻ってくる。途中で彼もキッチンの冷蔵庫からスポーツドリンクを取り出してきて、ぐいぐいと飲む。
バッグの中には、彼がコンビニで買ってきたペットボトルのお水が入れてある。それを取り出し、キャップを開けようとするのだけれど、手が震えてしまい、力が入らない。
まだ私は、さっきまでのセックスの余韻から抜け出せていない。
今も、ひと続きの交わりの真っ最中なのだ。
見かねたタカヒロさんが代わりにキャップを開けてくれる。
水分を大量に失った私の喉は、からからに渇いていた。ボトルの半分近い量を一気に飲み干す。
ぬるいお水が喉を伝い、胃に流れ込む感覚が心地よい。
ぷはっ、とひとつ息を吐き、残ったお水を布団の脇に置いて、はぁ、はぁと呼吸を整える。
タカヒロさんはいつも自室の床に布団を敷いて寝ている。なるせさんの部屋には少し大きめのベッドが置いてあるのに、そちらで一緒に寝ることはないようだ。
それどころか、互いの部屋を訪ねることもないらしく、他の部屋は全部綺麗に片付いているのに、仕事部屋を兼ねたタカヒロさんの部屋は、いつ来ても散らかっていた。
この部屋は、家族さえも立ち入ることのできない、禁足地。
そこで幾度となく繰り広げられているのは、タカヒロさんと私の、秘密の関係。
誰にも知られてはならない、狂った性の宴。
もう一度、隣にいるタカヒロさんが手を伸ばしてくる。
今度は、私もそれを拒むことはしない。
彼のぎらついた眼差しを正面から見返す。
こくり、と小さくうなずいて、その欲求に応える。
彼の大きな両手が私の背中に回り、ぎゅっと力を込めて、私の小さな身体を抱く。
私も彼の背中に手を回し、その厚い胸に身体を寄せる。
そしてふたたび、彼の唇が、私の唇に重なる。
ちゅ、ちゅっ、れろっ。
挨拶のような軽いキスはすぐに終わり、彼の舌が私の口の中へと侵入してくる。
「んっ、うむ…あっ」
私たちは激しく舌と舌を絡ませ合う。唇の先を、舌の先を、ぬらぬらとしたやわらかいものが這い回る感覚に、私の肌が粟立つ。
いやらしいキスのやり方も、その気持ちよさも、全部タカヒロさんが教えてくれた。
「んっっ…はッ、んむっ」
互いに唾液を啜り合いながら、彼の左手が私の身体をそっとまさぐる。背中を、腰を、脇腹を、触れるか触れないかの強さでなぞる。そのどれもが的確に感じるところをとらえてきて、私は堪えることができずに喘ぎを漏らす。
身体の奥で鎮まりかけていた性欲の炎が、ふたたび勢いを取り戻し始める。
もう、何回タカヒロさんに抱かれたか思い出せない。
最初は、経験豊富な彼が、女性の弱いところを全部わかっていて、だからこんなにも気持ちいのだとばかり思っていた。
でも、きっとそうじゃない。
それは、タカヒロさんと私だから。
私たちは、最高のセックスパートナーだから。
彼に触れられるたびに、彼に挿入れられるたびに、私の身体がそれに合わせて性感帯を発達させ、彼とのセックスに合わせて進化しているのだ。
そうして私は、抱かれても、抱かれても、満たされるどころか、さらなる快楽を渇望して、また次の行為を際限なく求めてしまう。
「ちゅ、れろッ、ちゅッ…ぷはっ」
タカヒロさんが唇を離す。舌先から糸を引いて伸びる唾液がとても卑猥に、美しく、光を反射している。その舌はそのまま私の耳に、首筋に伸び、私はまた甘痒いような快さに襲われる。
時間をかけた愛撫でじっくりと高められると、タカヒロさんにぐいっと布団に押し倒される。さらに胸、そして乳首をちろちろと刺激され、私の身体は電気ショックを受けたみたいに、びくん、びくんと跳ねてしまう。
「んはっ、はぁッ…はぁッ、んっッッ」
彼の右手が私の左手を掴み、頭の上で布団に力強く押しつける。
露わになった私の腋を、彼のなめくじのような舌が執拗に這い回る。
「あんッ、いや、それッ、やら、しいッ、んふぅぅッッ」
普段人には見せないような場所を責め立てられ、私は恥ずかしさと気持ちよさで頭がぐしゃぐしゃになる。こんな被虐的な行為、普通なら嫌なはずなのに、もう性欲の目盛りが振り切れている私は、恍惚に我を忘れてしまい、意識がどこかへ飛んでいきそうになる。
「あぁ、んんッ、もっと、もっとッ…」
口から漏れ出してしまう、おねだりの言葉。
仕方なく応じているように振る舞わないといけない。
だって、私と彼は、恋人同士でも何でもないのだから。
そんな意地を張ろうなんて気持ちは、とっくに粉々になって消えていた。
タカヒロさんの愛撫が、やがて下半身へ到達する。おなか、おへそ、腿、そして、脚の付け根へ。
私は自分から脚を開き、その脚を両手で抱え、彼の眼前で真っ赤に濡れた秘部を晒す。
二度の挿入を受け止めた私のあそこは、その口を大きく開き、男を求めてぱくぱくと艶めかしく蠢いている。
私が促すよりも早く、タカヒロさんの舌がそこに伸びる。
まず左、そして右へ。私の淫靡な下の唇に、彼の舌が触れ、ねっとりと下から上へ舐め上げる。
「う゛うっッ! あ、ああッ、い…いッッ」
ぺちゃ、ぺちゃと、彼は舌の腹を使って膣口の周りを舐め続ける。快感が奔流のように全身を襲い、私はのけぞるような姿勢になって必死に耐える。
彼の舌がクリトリスをかすめるたびに、私の身体が勝手にびくんと反応する。真っ赤に充血した割れ目から吐き出される白濁した愛液が、布団まで垂れてじわじわと染みを広げていく。
「んッッ、やだ、あッ、きもッ、ち、いいッッ」
タカヒロさんは舌を動かすのを止め、今度は正面から、秘部にゆっくりと口を押しつける。ぷっくりと勃起したクリトリスが、彼の柔らかく熱い舌に覆われる。
「ふぁぁッ!? んっ、あッ、あ、んん…ッ」
舌をそこにそっと押し当てたまま、タカヒロさんは一切の動きを止める。
彼はまったく動いていないのに、私の腰がぴく、ぴくと快感にのたうつたびに、クリトリスが舌で刺激され、それがさらなる快楽を喚び起こす。
「やっ、これ、やだッ、んんッ、はぁぁッッ」
彼の舌を使って自慰をしているような錯覚を起こしてしまう。それがあまりにも背徳的で、気持ちよくて、私はたまらず身を捩る。
「なん、で…っ、うごい、てッ、ない、のに、こんなッ、きも、ちい、いのッッ」
絶頂の気配がやってくる。
このまま動かずにいってしまうのは、あまりにも…いやらしくて、恥ずかしい。
押し当てられた舌から逃れようとするが、がっしりと身体を両手で押さえ込まれていて、身動きが取れない。
「あぁんッ、だめ、だめッ、まって、ゆるしてッ、いッ、いっちゃうッッ」
私がいくら喘ぎ散らかしても、タカヒロさんは全く動かない。舌を適度な強さでクリトリスに当てられたまま。私の身体の脈動も少しずつ早くなる。
そうして、あっという間に、私のやわな防壁は突破されてしまう。
「あ゛あッ、いく、いくいくいくいくっッッッ」
電極を繋がれた実験室の蛙のような無様な格好で、私は全身を痙攣させて達してしまう。
じゅるじゅると、タカヒロさんが股間から溢れ出した潮を啜っている。
その音がとても卑猥で、私の欲情はますます高ぶり、もう目の前のセックスのことしか考えられなくなる。
「えッ、あ、ちょ、まだ、いっ、た、ばっか、りッ」
まだびくびくと震えている膣の中へ、タカヒロさんの2本の指が侵入してくる。
彼のごつごつとした太い指でも、時間をかけてほぐされた今の私は簡単に呑み込んでしまう。
ずずっ、ずぽっ、じゅぷっ
「やだ、ちょ、まって、う゛ああぁぁッッ」
2本の指を少しだけ曲げ、膣壁のいちばん敏感な場所を、とん、とんと叩く。
ぜんぜん激しい動きじゃないのに、そうされるたび、私の背筋を快感が走り抜けていく。
「うッッ、あぁぁッッ、それ、そこッ、いいッ、んあぁッッ」
それだけではぬるいとばかり、ふたたび彼の舌が私のクリトリスに触れる。今度は舌の先で、ゆっくりと、その突起を上下にこするように動く。
私はもう何の抵抗もできず、嬌声を上げ、感じているだけのただの雌になる。
「あッッ、ま、また、くる、いくうぅッッ」
私はまた気を遣らされてしまう。いとも呆気なく。今日だけでもう何度目の絶頂だろうか。
まるでもうひとつの心臓がそこにあるかのように、私のあそこがどくんどくんと拍動し、タカヒロさんの指を締めつけている。
こんなにも感じさせられているのに、満たされているのに、もっと、もっとと、貪欲に次の行為を要求している。
タカヒロさんがそれに応えるように責めを再開する。同じように、舌先でクリトリスを撫で、2本の指で中からとんとんとスポットを叩く。
それだけでもう十分なことを見透かされている。
「ふぁっッ、そうッ、それ、やめ、ない、で…ッ」
すっかり籠絡されてしまった私は、素直に責めをねだることしかできない。
言われなくても、とばかりに、彼はそのままのスピードと力加減で、ねちっこく私の秘部を責め立て続ける。
「うあ゛っッッ、あああぅぁっっッ…ッッ!!」
私はもうずっといったままの状態で、真っ白になった世界の上を飛び続けている。
口をしどけなく開き、低く唸るような喘ぎを漏らしながら、目からは涙を、口からは涎を、だらだらと垂れ流している。
タカヒロさんが愛撫の手を止め、野太い指を私の中からずぼっと引き抜く。
私のあそこが、その指に浅ましく絡みつく。
行かないで、と引き留めるかのように。
膣が引きずり出されるような感覚さえも気持ちよくて、私はまた軽く潮を噴いてしまう。
横を向いてはぁはぁと息を乱す私の横に、彼がやってくる。
私の目の前で、膝立ちの格好になり、股間のものを見せつけてくる。
今日だけでもう2回も精を放ったそれは、さすがに少し硬さを失っているが、それでも獰猛な毒蛇のように、だらりと首をもたげ、獲物である私を仕留めようと狙いを澄ましている。
その凶悪さに。
劣情を隠そうともしない姿に。
私はどうしようもなく、うっとりと頬を赤らめてしまう。
女として求められることで、こんなにも満たされてしまうなんて。
私は大きな息をひとつ吐くと、上半身を起こして、彼の股間にむしゃぶりつく。
本能の赴くままに、彼のものを喉の奥まで呑み込み、頭を前後に動かして舐め回す。
じゅぽっじゅぽっぐぽっぐぽっ
右手を彼のものに添え、頭の動きに合わせて前後にしごく。
左手は下から睾丸を持ち上げ、人差し指と中指をおちんちんの根元に当てて、口淫のリズムに合わせてぐっ、ぐっと力を加える。
じゅぽじゅぽじゅぽじゅぽじゅぽ
「…っっ」
タカヒロさんも声にならない声を漏らす。口の中のものがまた硬さを取り戻す。
おちんちんが根元まで熱く膨張し、ひくひくと感じているのが皮膚の奥から伝わってくる。
私は頬をすぼめ、鼻で呼吸し、口の粘膜を、舌を、彼のものに密着させながら奉仕を続ける。
尿道に残っていた精液を、ずるりと吸い出す。
その味が、匂いが、また私の内なる雌を刺激して、もう興奮が収まらない。
あんなに何度も絶頂しておきながら、欲張りな私のあそこは、また彼のものを求めて、きゅんきゅんと収縮している。
彼のおちんちんからいったん口を放すと、私はバッグのポーチから避妊具の包みを取り出す。
ポーチに残った最後のひとつ。
歯を使って外の包みを破り、中からゴムを取り出すと、先端を口に咥え、そのまま口を使って彼の硬くなったものに装着していく。
「うぐ…っ」
タカヒロさんが驚きに目を見張る。同時に彼のおちんちんもびくんと反応する。
そう、これはタカヒロさんにも教えてもらっていないこと。
歯を当てて傷つけないように気をつけながら、ゴムを根元まで被せると、私は布団に仰向けになる。自分からはしたなく脚を開き、誘うような目線を彼に送る。
彼が私の正面に移動してくる。
股間のものが別の意志を持った生き物のようにこちらを狙っているが、彼はそこから動かず、じっと私の身体の向こう側を見つめている。
「タカヒロさん…」
私にはもうプライドも理性も、正しい判断力も残っていない。
「はやく…」
もはや、抗ってみせたところで、何の意味もない。
ただ、湧き上がる欲望に忠実に、もっとしたい、とセックスを求める。
「はやく、して…ください」
私の懇願を聞き入れ、彼がおずおずと動き出す。
岩のように硬くなったものを私の秘裂に当てがい、そこでもう一度動きを止める。
「…?」
沈黙。
身体全体を紅潮させて挿入を待ち焦がれる私に向けて、タカヒロさんがゆっくりを口を開く。
「ちなみ」
「ちなみが愛しているのは、誰だ?」