【公式不倫 R-18二次創作】消せないラスト・ノート 作:ひよこレモン
カーテンの隙間から差し込む朝陽に照らされて、私は目を覚ます。
昨夜の狂乱がすべて夢に思えてしまうような、爽やかな、朝。
だけど、部屋の中の惨状は、それが現実に起きたことだと、雄弁に事実を突きつける。
裸のままで毛布に包まる私。
じっとりと濡れた布団から漂う、饐えたような酸っぱい匂い。
床に散乱したティッシュ。
破り捨てられた避妊具のパッケージ。
そして…使用済みのゴムが、3つ。
3つ…?
私はなんとか昨夜のことを思い出す。
この部屋で交わした情事のことを。
最初は正面からタカヒロさんを迎え入れた。
2回目は対面で、膝に座る格好で、自分から彼を受け入れた。
…。
私の記憶は、2回目の行為までで途切れている。
だけど、この部屋には使用済みのゴムが、3つ。
もう一度、昨夜のことを全部ちゃんと思い出そうと目を閉じる。
でも、喚び起こされるのは、めくるめく快楽の記憶ばかりで、言うことを聞かない私の身体がまた鈍く疼き始めてしまう。
これじゃ、いけない…。
…私は、昨夜の自分と向き合うことを諦める。
ひとつ大きな深呼吸をし、気を取り直して、新しい1日の方に向き直る。
そうは言っても、こんな風に裸のままで過ごすわけにはいかない。
部屋の中を見渡すと、壁際のハンガーに、昨日着ていたオーバーサイズのTシャツとハーフパンツがぶら下げられている。
ずっしりと重たい身体を引きずりながら、立ち上がってそれを手に取ろうとしたとき、かちゃっ、と部屋のドアが開く。
私は咄嗟に毛布を拾い上げて肌を隠す。
「ちなみ、起きたのか」
顔を出したタカヒロさんは、既に小ざっぱりとした格好に着替えている。紺色のVネックのTシャツに、同じ色のジャージ生地のハーフパンツ。いつものように気取らないラフな服装だ。
「…ノックくらい、してください」
「昨日あんなにしておいて、今さら恥ずかしいも何もないだろう」
「そういう問題じゃありませんから」
このデリカシーのなさも、いつも通り。
どれだけ親密に肌を重ねたところで、やっぱり、私と彼の心の距離が縮まることはない。
「テーブルに食べるものが用意してあるから、どうぞ。僕はもう食べてしまった」
一方通行で投げかけられる言葉。これじゃ会話ではなく、ただの業務連絡みたいだ。
「ありがとう…ございます。でも、先にシャワー、浴びさせてください。洗濯したい物もありますし」
「君の好きなようにすればいい。一緒に入ろうか?」
「もう。そういうのはなしです」
彼の軽口を相手にせず、私は必要なものを持ってバスルームに向かう。
ハンガーにかけられた着替え一式、そして身だしなみセットの入った自分のバッグ。
昨日タカヒロさんが買ってきた替えの下着も、そこに突っ込んで持っていくことにする。
と、その前に、部屋に散乱したゴミの類を拾い集める。きれいになった後で触るのは嫌だった。
新しいティッシュを数枚取り出して、使用済みのゴムをそれに包み、下着が入っていたコンビニの袋に放り込む。始末は後でいい。
バスルームに入ると、そこにも使用済みのゴムが1つ落ちている。
あちこちに散乱している、昨夜の情事の残滓。
…付き合い始めの高校生じゃないんだから。
見境のない性欲に、自分で自分が恥ずかしくなる。
それをつまみ上げてコンビニの袋に捨てると、私は熱めのシャワーで、全身にこびりついた汗、そして愛液の跡を、自分のボディソープを使ってきれいに洗い流す。シャンプーで髪を洗い、コンディショナーでしっかりケアをする。
こうして、昨日の行為の記憶までをも洗い流してしまおうとする。
でも、昨夜ここで、私はタカヒロさんの上に自ら跨り、はしたなく腰を振っていたのだ。
それだけじゃない。
これまでも、このバスルームで何度もタカヒロさんと交わり、絶頂し、そこら中に潮を撒き散らかした。
それが床のマットに染み付いていて、今でもいやらしく雌の匂いを放っているのではないかと、そんな気がする。
どれだけ身を清めようとしたところで、積み重ねたセックスの痕跡は、残り香は、消せはしない。
身体を洗い終えると、気分も少しだけさっぱりした。
けれど、昨夜あれだけ激しく交わったせいなのか、まだ私の下半身はほんのりと熱を帯びていて、じんじんとした異物感が、大事なところに残っている。
そっとおへその下に手を当てると、そこに昨夜の交接の名残が感じられて、私は自分に呆れたように、はぁっと溜め息をつく。
シャワーを浴び終え、濡れた身体をバスタオルで拭く。ぽんぽんと叩くようにして、髪の毛の水気も拭き取る。
脱衣所のマットに上がって足を拭き、替えの下着を取り出そうと、しゃがんでバッグの中に手を伸ばす。
「…」
少し手を止めて考えた後、私は取り出したショーツを穿き、ブラをつける。その上からTシャツとハーフパンツを身につけ、長い髪は後で乾かすことにして、簡単に後ろでまとめ、部屋に戻って洗濯物を回収する。
じっとり濡れた布団の汗取りマット。
こうなってしまうことは初めからわかっているので、いつも敷き布団の上から、2枚重ねで被せてある。それを引きはがし、同じように濡れた枕のカバーと一緒に洗濯機まで持っていく。全部いっぺんには入らなさそうだ。
私は早く片付けたい自分の服から洗うことにする。ところどころ乾いて白く跡の残ったワンピース。お気に入りの一着だったのに、今はしわくちゃで、無残なぼろ雑巾のように汚れている。これを着て外を歩くわけにはいかない。上下の下着も丁寧に折りたたみ、それぞれ洗濯ネットに入れて、ドラム式洗濯機の中へ投げ込む。扉を閉じ、スイッチを入れる。
手際よく洗濯を始めてから、私は半乾きになった髪の毛にドライヤーをかける。
熱風と冷風を交互に当てながら、ポーチから出したブラシをかけ、ゆっくり、優しく乾かしていく。
ちなみさんの素敵な黒い髪が好きだよ、と史也さんが言ってくれた、私の大切なロングヘアー。
身支度が整うと、ようやく食卓につき、遅めの朝食を取る。コンビニのメロンパンと、無糖のカフェラテ、そしてヨーグルト。昨日の晩とは違い、ひとりでゆっくりといただく食事。
こっちの方が…落ち着く。
タカヒロさんはもう自分の部屋に戻り、机に向かって仕事を始めている。まだ部屋はちっとも片付いていないのに、そんなことは全く気にならないようだ。
ふと時計に目をやると、針は9時過ぎを指していた。
いったい、昨夜、私は何時まで…?
ごくり、と生唾を飲み込む。
自分はそんなに羽目を外すような人間じゃないと思っていた。
ちゃんとした分別のある大人になったつもりだった。
それなのに、夫も子どももいる身でありながら、他の男と、夜通し何度も交わり、しかもそれを覚えていないなんて…
また昨夜の淫靡な記憶が亡霊のように蘇ろうとする。
私は目を瞑ってぶんぶんと首を振り、それを追い払う。
この家の中にいると、おかしくなってしまいそうだ。
とにかく、何か、身体を動かしていないと…。
私は食べ終わった朝食のごみを、さっきのコンビニの袋に入れ、他のごみと一緒にまとめると、自分のバッグに押し込む。それから、洗面台の下にしまわれている雑巾を取り出し、蛇口の水で濡らし、ぎゅっと絞る。
こんこん、と扉をノックし、返事も聞かずにタカヒロさんの部屋に入っていく。
「今から片付けとお掃除をしますから」
「ああ」
気のない返事。
「タカヒロさんは自分のお仕事をしててください」
まずタカヒロさんの部屋の窓を全開にし、こもった空気を入れ替える。朝のうちならまだそこまで蒸し暑くはない。湿気を含んだ布団は、南を向いたリビングの窓辺に運び、カーテンを開けて、陽射しが当たるように床に広げておく。
部屋に戻ると、床一面を雑巾で拭き上げ、昨日の情事の痕跡を消していく。
次はバスルーム。マット、壁面、床、それぞれに洗剤をかけて、ごしごしとスポンジでこすっていく。シャワーで泡を洗い流してから、排水口を開けてチェック。長い髪の毛が少し溜まっているが、明るい色の髪はなるせさんのものだ。長い黒髪はほとんど見つからない。ここはそのままにしておこう。普段のタカヒロさんは、こんなところに気がついて掃除なんてしないだろう。
そうしている間に、最初の洗濯が終わっている。ネットに入った洗濯物を取り出し、ワンピースの方はハンガーに吊るしてしわを伸ばしておく。下着は畳んでポーチに入れ、バッグの中へしまう。布団のマットと枕カバーをそのまま洗濯機に放り込み、2回目のスイッチを押す。
それから、リビング、キッチン、脱衣所と、順番に掃除機をかけていく。
できるだけ痕跡を残さないようにするのが、私なりの最低限の礼儀のような気がして、自分の家と同じように、いや、それ以上に、しっかりときれいにする。
掃除が一段落したところで、ダイニングの椅子に座って休息を取ることにする。
タカヒロさんの部屋から自分のバッグを持ってきて、スマートフォンを取り出すと、メッセージが何件か届いていた。
そのうちのひとつは史也さんからだった。
「おはよう」
たった4文字のメッセージ。だけど、普段と変わりのない、夫婦のやり取り。宝物のような日常。胸の中がほっとあたたかくなる。私の表情も久しぶりに緩んでしまう。
「おはようございます」
「掃除をしていたら、気づくのが遅くなっちゃいました」
「体調は大丈夫ですか?」
「お仕事、がんばってくださいね」
どこにも嘘は書いていない。
立て続けに返信を送るが、既読はつかない。きっと仕事の真っ最中で忙しくしているのだろう。
幼稚園からの連絡も届いていた。なーくんは昨夜、消灯後すぐに入眠、そのまま朝の7時までぐっすり。今日も朝から元気にお友だちと遊んでいます、という先生からの報告だった。こっちも何事もなさそうで、安心する。
他に大事な通知がないことを確認し、メッセージアプリの画面を閉じる。スマートフォンの時計は11時少し前になっていた。
今日のなーくんのお迎えには史也さんが行ってくれる。出張先から新幹線で戻ってくるのが16時頃で、そこから車で直接幼稚園に向かう、と言っていた。早ければきっと17時過ぎには帰ってきてくれるはずだ。
…なるせさんの方はよくわからないけれど、戻るのは「今日の夕方」とタカヒロさんは言っていた。さすがの彼も、妻の帰宅時間くらいは把握しているだろう。
慌ててここを出ていく必要はなさそうだ。
ふぅ、と大きく息をつく。
そうしている間に洗濯機から2回目のブザーが鳴る。私は乾燥の終わった布団のマットを取り出してぽんぽんと畳み、タカヒロさんの部屋へと持っていく。
彼は仕事に集中しているようで、私には目もくれない。
昨夜とは別人のようだ。
部屋を出ると、私はふと玄関の方に目を向ける。
ホールの床に、昨日タカヒロさんが外したゴムが、蝉の抜け殻みたいに転がったままになっている。
ここはまだ片付けていなかった。
私は使用済みのゴムをつまみ上げてティッシュにくるみ、ポーチのゴミ袋に入れておく。
そして、床に膝をつき、ごしごしと拭き掃除を始める。
昨日私が盛大に噴き散らかしたものが乾いて、跡を作っている。
白く残った、情事の痕跡。
濡れ雑巾で拭くたびに、ふたたび水分を含んだそれから、むせ返るような蒸れた匂いが立ちのぼる。
ふたりの交接の、残り香。
その匂いが私の本能を刺激する。
鎮まっていたはずの内なる火種が、ちりちりとまたくすぶり始めてしまう。
意識しないようにすればするほど、昨日ここで繰り広げられた光景が鮮やかに蘇ってきて、少しずつ、心拍数が上がっていく。
「っ……ふぅ……」
いつもとは違った、ゆっくり、焦らすような挿入。
私の奥でどくどくと脈打つ、彼のもの。
立ったままの姿勢で後ろからめちゃめちゃに犯されたこと。
最後に口の中にぶちまけられた、大量の…精液。
全部、私の身体が覚えている。
覚えてしまっている。
「……うぅッ…」
鮮明な映像と一緒に、この肉体に刻まれた快楽までもが次々と再生されていく。
子宮がきゅんきゅんと切なく鳴いている。
あそこがじわりと濡れてくるのがわかる。
そこにいったん意識が向いてしまうと、不慣れな下着の締めつけがさらなる刺激となって、私の腰はひとりでにぴくぴくといやらしく蠢き始める。
理性と本能とがせめぎ合う。
だけど。
残念ながら、戦う前から結果はわかっている。
私は一心不乱に玄関の拭き掃除を片付けると、洗面台で雑巾を洗い、石鹸で手を洗う。そのままお手洗いに駆け込み、慌ただしくハーフパンツと下着を脱ぎ捨てると、便座に腰掛けて鍵をかける。
「はぁ、はぁ、はぁっ」
もう身体は上気して、息も荒くなっている。
私はわなわなと震える手で、ウォシュレットのボタンを押す。
しゃぁぁっっ…
「ん゛んんッッ…!」
柔らかなビデの水流が、敏感なところを撫でるように洗う。
私はそれが気持ちいいところに当たるように自ら腰を動かし、スイッチを押して水勢をちょうどいい強さに調節する。
「あぁんっ、ん゛…んッ……あぁッ! はぁぁッッ」
くいくいと腰をくねらせるたび、入口を、クリトリスを、ノズルから吐き出された水流がなぞる。思わず大きな声を出してしまい、私は慌ててTシャツの裾をまくり上げて口に咥える。
露わになった胸。既につんと硬く上を向いた両方の乳首を、指先でくりくりと弄ぶ。
「……っッ───!!」
上半身から、下半身から、それぞれ送り込まれる、絶えることのない快感。
すっかり仕上がって、熱を持て余した私の身体は、あっという間に軽く達してしまう。脚先で便器をがっしりと挟み、全身をぶるぶると痙攣させる。股間からはおしっことは違う液体が勢いよく流れ出し、びちゃびちゃと水音を立てる。
私は歯を食いしばって声を殺し、天を仰ぐ。
…まだ、足りない。
ビデのスイッチを切ると、私は背中をタンクに預けた格好になり、便座の上で脚を持ち上げる。左手で乳首をいじりながら、右手を脚の間に伸ばし、指の腹でクリトリスに触れる。
「んんッ、んん──っッッ…!」
すぐにあそこからとろりと透明な蜜が溢れてくる。それを指先で掬い、クリトリスに塗りつけて刺激を続ける。親指と中指で包皮を開いて、真っ赤に充血した秘珠を露出させ、人差し指で優しく触れると、弾けるような快感に全身を射抜かれる。
「──ッッッ───!!」
大声を出さないよう、必死になってTシャツを噛み、塞がった口の代わりに、鼻から激しく息を吸う。
ほしい
ほしい
なかに、ほしい
私はもう暴走した性欲を抑えることができない。2本の指を膣の中に突っ込んでじゅぽじゅぽと出し入れする。指を奥まで入れて少し曲げ、気持ちいいスポットを中からぐりぐりと押す。同時に手のひらの腹の部分をクリトリスに当てて、両側から性感帯をいじめ、絶頂へと一直線に駆け抜ける。
「───っッッ! んッ───ッッ!!」
噴水のような勢いで潮が噴き出し、壁をしとどに濡らす。私は力なく便器のタンクにもたれかかり、床にだらりと脚を垂らして、ぴく、ぴくと、絶頂の余韻に身を任せている。
はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…
口を開け、大きく息を吸う。息が整うまでに少し時間がかかる。
ようやく身体を動かせるようになると、私はトイレットペーパーをからからと手に取り、濡らしてしまったトイレの壁をやっとの思いで拭き取る。
最後に自分のこともきれいにする。ビデで洗い流そうとして、ウォシュレットのスイッチに手を伸ばすが、少しためらい、結局それを使うのはやめておく。もう一度トイレットペーパーを巻き取り、これ以上の刺激を加えないよう、細心の注意を払いながら、そっと、優しく拭く。
お手洗いの外で、かちゃっ、と扉の開く音が聞こえる。
「ちなみ?」
タカヒロさんが部屋から出てきて、私のことを探している。
「ちなみー?」
私は内側からお手洗いの扉をこんこんとノックし、自分の存在を知らせる。
「あぁ、トイレか」
「…すみません」
「仕事もおおかた片付いたから、そろそろ昼にしようかなと。ちなみはどうする?」
「あ…。ちょっと待っててください。すぐ行きます」
私は脱ぎ散らかした服を急いで身につけ、トイレの水を流してそこを出る。リビングでは、タカヒロさんが買い物に出かける準備をしている。
「すまないね、何もないから」
「いえ…お仕事は終わったんですか?」
「まぁ、今日中にやらなきゃいけないことは、大体ね」
「そうですか」
…私はごくりとひとつ息を呑み込み、覚悟を決める。
「…」
「ちょっと外で何か買ってくるよ。欲しいものがあったら…」
タカヒロさんがその言葉を言い終わらないうちに、私は彼のシャツの裾をぐっと掴み、出かけようとする彼のことを引き止める。
「…ちなみ?」
私は恥ずかしさで彼の顔を直視することができない。
うつむいて斜め下に視線を落とす。
「…欲しい、もの」
自分の顔が羞恥心で真っ赤に染まっているのを感じる。
「欲しいもの…ですよね」
私は両手でTシャツの裾を持ち、彼の目の前でゆっくりとたくし上げ、誘うように胸を見せつける。
ごくり、と、タカヒロさんが生唾を呑む音が聞こえる。
「貴方が、欲しいです」
そのままTシャツを脱ぎ捨て、すとん、と、ハーフパンツも床に落として、私は下着だけの姿になる。
それは彼が昨日買ってきた、色気のないものとは似ても似つかない、黒の卑猥なランジェリーだった。
胸の下半分だけをわずかに覆う、小さなカップのブラ。
ほとんど紐みたいな、布面積の心もとないショーツ。
ごく薄いシースルーの生地は、ぜんぜん肌を隠す役に立っていない。
ブラの下には濃いピンク色の乳首が。
ショーツの下には淡い陰毛が透けて見える。
私の乳首はぷっくりと勃起し、ショーツはもう愛液でびしょびしょに濡れている。
「ちなみ、それは…」
私はうつむいて視線を逸らしたまま、もじもじと手を後ろで組む。
「私は…悪い女、です」
そして、背中に手を回す。
「夫を、夫だけを愛しているのに、他の男の家に上がり込んで、夜通し抱かれてしまうような、悪い女」
後ろ手でホックを外し、ぽとっ、とブラを床に落とす。
「それでも足りなくて、夫のために買ったはずの下着で、貴方を誘惑してしまうような、悪い女、です」
ショーツの紐にそっと手をかける。
「でも」
結び目を解くと、支えを失い、ただの布となったショーツが、はらりと床に落ちる。
「私をこんな悪い女にしたのは、タカヒロさんです」
秘部から溢れ出した愛液が、床に落ちたショーツへ、つつーっ、と淫靡な糸を引く。
「私がこんな悪い女になったのは、貴方のせいです」
私は縋り付くように彼の下半身に手をかける。ベルトを外し、ズボンを下ろし、もう大きくなっている彼のおちんちんに夢中でかぶりつく。その先端からはぬるぬるとした先走り汁が流れ出していて、私は蜜を舐める蝶のようにそれをぺろぺろと味わう。
何回しても枯れることのない彼の精力に、私は恍惚となって淫らな微笑みを浮かべる。
バッグから避妊具を取り出し、それを手際よく彼のおちんちんに着ける。
私はくるりと背を向けて、ダイニングテーブルに手をつく。腰をくいっと上げて、真っ赤に腫れてぬらぬらと蠢く淫裂を、淫らに堕ちてしまった身体を、彼に捧げる。
「もう、これなしでなんて… 生きていけない、です」
タカヒロさんが、背後から無言で歩み寄る。
「どうして、くれるんですか」
彼が自分のものをそこに当てがう。
「ちゃんと、責任……取ってください」
私の眼から滲んだ涙が、頬を伝ってぽろりとこぼれ落ちる。
ずぶぶぶっっ
その瞬間、彼が奥まで押し入ってきて、私はまた遥かに遠い別の世界へと連れて行かれる。