【公式不倫 R-18二次創作】消せないラスト・ノート 作:ひよこレモン
ぴちゃ、ぴちゃ、ぴちゃ。
薄暗い玄関のホールに、いやらしい水音だけが反響している。
ドアを閉めるとすぐ、私はタカヒロさんのシャツを首までまくり上げ、彼の乳首に舌を這わせる。
お願いされるでもなく、自分から。
これは、私たち2人の間の、始まりの合図。
ゆっくりと舌先で乳首を転がしていると、だんだんと彼の呼吸が荒くなってくるのがわかる。
「…っ、はっ、嬉しいね、こうしてちなみからしてもらえると」
「貴方が…っ、こうする、ように、ッ、教えたんじゃ、ないですか」
あの実験の日々。史也さんしか知らなかった私に、タカヒロさんはいろいろなことを手ほどきしてくれた。
舌を使った乳首の愛撫。
口での上手な奉仕のやり方。
自分でも知らなかった、私の気持ちいいところ。
こうすれば男は感じるんだ。
こうすれば史也くんのことを喜ばせられる。
彼からのレッスンを、まだ初心だったあの頃の私は、一つひとつ素直に受け入れ、着実に身につけていった。
毎夜のようにその「実践」は繰り返され、行為を重ねるたび、私の身体はいつの間にか、それなしではいられないように仕上げられてしまっていた。
だけど、そうして学んだいくつもの淫らな性技も、結局、史也さん相手に役立てられることはなかった。
そして、今。
目の前の人、夫とは違う男の人と、何かの淫らな因習の儀式みたいに、その手順を確かめ合っている。
長年連れ添ったパートナー同士のような、阿吽の呼吸で。
ぴちゃ、ぴちゃ、ぴちゃ。
固くなってきた先端に満足し、タカヒロさんの身体から舌を離す。彼は少しだけ赤く上気した顔で、私のことを見下ろしている。
「ちなみ」
「何ですか」
「スカートの中を見せてみるんだ」
「そんなこと…」
「ほら」
「…」
タカヒロさんにはわかっている。
目の前に禁断の実をぶら下げられた私には、彼の要求を拒むことなんてできないと。
私はぐっと唇を結んだまま、両手の指先でスカートの裾をつまみ、それを腰の上までたくし上げる。
露わになった私のショーツは、元の生地の色がわからないほどにびっしょりと濡れ、淡く生えた陰毛まで透けてしまっている。
タカヒロさんは私の足元に膝をついて、そこにまじまじと見入っている。
その刺すような卑猥な視線を受けて、私の身体はかあっと熱くなり、さらにショーツを愛液で湿らせてしまう。
「素晴らしい眺めだ」
「…変態…」
「はっ、酷い言われようだな」
じっと私の股間を凝視していたタカヒロさんが、そっと手を伸ばしてくる。
「脱がせるよ」
「だめです、汗ばんでるから…やめてください。自分で」
「いいから」
有無を言わせずショーツに指をかけ、ゆっくり引き下ろす。もうぐっしょりと濡れてしまったその部分から、つつーっと糸が引くのを感じ取る。
あっ、と思うが、もう遅い。タカヒロさんの口元に下卑た笑みが浮かぶ。
「もうすっかり準備できてるじゃないか」
口では何と言っていても、私はずっとこうなることを期待していたのだ。
それを見抜かれてしまい、ばつの悪さと恥ずかしさで、何も言い返せない。
タカヒロさんは慣れた手つきで私のショーツを脱がせると、すすっと足元にもぐり込む。
私をそこに立たせたままで、腰に手を回し、太腿にねっとりと舌を這わせ始める。
「ふぅ……あぁッッ」
予想していない不意の愛撫。じっとりと滲んだ汗と、秘部から滴った愛液を、彼は丁寧に舐め取っていく。
「やめ…て…ください、汗、かいてて、きたッ、ない…です」
「ちなみの身体だ、汚くなんてないさ」
言葉でいくら抵抗したところで彼がやめることはない。少しずつ、彼の舌が上の方へ、大事なところへ近づいてくる。
甘く危険な快楽の予感。
私はぞくぞくと背筋を震わせて、その到来を待ち構える。
早く、来て。
なのに、彼の愛撫は脚の付け根のあたりで止まってしまう。そのまましばらく、両の太腿に舌を沿わせて舐め続ける。
欲しい場所にまでは一向に届いてくれない。
じ、じれったい…!
いつもなら、強引に私を組み伏せてでも事に及ぶタカヒロさんなのに、今日はぜんぜん急ぐ様子がない。
どうして?
どうして早くしてくれないの?
時刻はもう夕方だ。急がないと、彼の奥さんが…なるせさんが仕事から帰ってきてしまう。
「も、もう…いいですから」
私にはもう、ねっとりとした責めを愉しんでいるだけの余裕がない。
「ほら、立ってください」
タカヒロさんを立ち上がらせるや否や、私は彼のベルトに手をかける。ズボンのファスナーも下ろし、下着もろとも慌てるようにずり下げる。
「あむ…っ」
そのまま、露出した彼のおちんちんをぱくりと咥える。いちいち許可なんて必要ない。彼だってその行為を望んでいるのだから。
まだ少し柔らかいそれを口に含み、唇をすぼめて前後に動かし、丁寧に奉仕を始める。
ぐちゅ、じゅぽっ、じゅぷっ…。
口いっぱいにおちんちんを頬張り、敢えて聞こえるように大きな音を立てながら、唇で激しくしごき上げる。裏筋を舌の腹を使って舐め回し、先端のくびれたポイントを舌先でこりこりと弄ぶ。
これも全部、タカヒロさんに教えられたやり方。
「ぐっ…!」
私の愛撫が気持ちいいところをとらえるたび、びくっ、びくっ、と、おちんちんが口の中で脈動するのがわかる。
「んッ……んむッ…」
口内を犯される被虐的な行為に、私も倒錯した悦びを覚え、艶の滲んだ声が漏れる。
そうして愛撫を繰り返していると、あっという間に彼のものは大きく、硬くなっていく。
それもまた、次の段階に進む合図。
タカヒロさんは興奮が高まるといつも、私の頭を両手でがしっと掴み、硬くなったおちんちんを、喉の奥まで乱暴に突っ込んでくる。
彼の好きな行為のひとつ。
私は毎回苦しくて、異物感にえづいてしまう。だけど、奥まで突っ込まれるそのたびに、私の身体は淫らに反応し、子宮がきゅんきゅんと疼いてしまう。
そして、喉に直接流し込まれる大量の…精液。
粘膜に絡みつく感覚。
何とも言えない青臭いその匂い。
どれ一つとして快いところはないはずなのに。
私はもう、それが欲しくて欲しくてたまらない。
でも、なぜか、今日のタカヒロさんはぜんぜん激しくしてくれない。
もう、私の口の中のそれは、破裂しそうなくらいぱんぱんに張りつめているのに。
「…?」
私はいったん口での愛撫を中断し、期待と困惑の入り混じった眼差しをタカヒロさんに向ける。
どうして、してくれないんですか。
無言でそう訴える私は、どんな顔をしているのだろう。きっと、強い雄に媚びを売る雌のような、いかがわしい表情に違いない。
史也さんには決して見せることのない、はしたなく発情した、女の顔。
それでも彼は、じっとこちらを見下ろしたまま動こうとしない。しばらく互いの目を見つめ合ったまま、時間が過ぎる。
「どうしたんだい」
ようやくタカヒロさんが口を開く。
「して欲しいことがあるなら、言ってみるんだ」
それは決して、優しさから発せられた言葉なんかではない。
「ちなみ」
これは、悪魔の囁き。
「ほら」
行為を望んでいるのは自分ではなく私の方なのだと、思い知らせようとしている。
「どうして欲しい?」
「…」
私は抵抗できない。
だって、その通りなのだから。
どうしようもないくらい、彼に犯されることを欲してしまっているのだから。
「…ください」
「何を」
「貴方の…おちんちん」
「どこに」
「お口、の中…喉の奥まで」
「それで?」
「め、めちゃくちゃに…突いてください」
呆気なく屈してしまった私の頭に、彼の右手が伸びてくる。
私はだらしなく口を開き、固く屹立したものを受け入れようと待ち構える。
「おぐッッ!!」
口の中に一気に突き入れられる。後ろで結んだ髪を掴まれ、荒々しく前後に頭を振り回される。
あまりの息苦しさに、私は身体の横で両手をばたばたさせてそれに耐える。
「あがッ、ぐッ、お゛ッ……!!」
喉の力を緩め、できるだけ奥までそれを呑み込もうとする。
じゅぽっ、ぐぽっ、ごりゅっ、ごりゅっ
喉を激しく突かれるたびに、私の眼の奥でちかちかと火花が散る。
触れられてもいないのに、あそこがひくひくと反応し、止めどなく愛液を垂れ流してしまう。
高まる絶頂の期待。もうすぐだ。もうすぐ彼のおちんちんがむくむくと膨らみ、爆発するような脈動とともに、淫らな体液を吐き出し、私の身体を中からさんざんに汚してくれる。
その瞬間を思うと、私の子宮もさらに激しく収縮する。
「うぐ…ッ…?」
しかし、その瞬間が訪れることはなかった。
彼は途中で抽送をやめ、私の喉からおちんちんを引き抜く。
先端からどろっと糸を引いた唾液が、私の服に、床に、べとりと落ちる。
「かはっ、ごほっ、ごほっ…」
咳き込む私をよそに、タカヒロさんは来ていたシャツを脱ぎ捨てる。そして、私のバッグに手を伸ばし、ポーチの中から避妊具を取り出す。
もう何度も繰り返された行為。
彼も私がそれをどこにしまっているか、ちゃんと知っている。
口に咥えてパッケージを破き、自ら手際よくそれを装着する。
わざわざ許可を求めることも、同意をとることもない。
ロマンティックな会話もそこには存在しない。
陳腐な言葉よりも雄弁な、セックスの意思表示。
赤く勃起したおちんちんに、くるくると装着されていく、薄いゴムの膜。
私はその逞しくそそり立ったものから目が離せない。
まもなくやって来るであろう快楽への渇望に、身体が震える。
今にも気が狂いそうなほど、発情してしまっているのを自覚させられる。
…欲しい…。
私はゆっくりとその場で立ち上がると、自分からワンピースのスカートをまくり上げ、壁に手をつく。
露わになった下半身をタカヒロさんの方に突き出し、しとどに濡れてしまった秘部を彼に見せつける。
「はやく…」
そして、ずっと欲しかったものが、いよいよ私の中へと侵入ってくる。