※この作品はR-18です。

【公式不倫 R-18二次創作】消せないラスト・ノート   作:ひよこレモン

6 / 14
6 焦燥

ぴちゃ、ぴちゃ、ぴちゃ。

 

薄暗い玄関のホールに、いやらしい水音だけが反響している。

 

ドアを閉めるとすぐ、私はタカヒロさんのシャツを首までまくり上げ、彼の乳首に舌を這わせる。

 

お願いされるでもなく、自分から。

 

これは、私たち2人の間の、始まりの合図。

 

ゆっくりと舌先で乳首を転がしていると、だんだんと彼の呼吸が荒くなってくるのがわかる。

 

「…っ、はっ、嬉しいね、こうしてちなみからしてもらえると」

「貴方が…っ、こうする、ように、ッ、教えたんじゃ、ないですか」

 

あの実験の日々。史也さんしか知らなかった私に、タカヒロさんはいろいろなことを手ほどきしてくれた。

 

舌を使った乳首の愛撫。

口での上手な奉仕のやり方。

自分でも知らなかった、私の気持ちいいところ。

 

こうすれば男は感じるんだ。

こうすれば史也くんのことを喜ばせられる。

彼からのレッスンを、まだ初心だったあの頃の私は、一つひとつ素直に受け入れ、着実に身につけていった。

毎夜のようにその「実践」は繰り返され、行為を重ねるたび、私の身体はいつの間にか、それなしではいられないように仕上げられてしまっていた。

 

だけど、そうして学んだいくつもの淫らな性技も、結局、史也さん相手に役立てられることはなかった。

 

そして、今。

目の前の人、夫とは違う男の人と、何かの淫らな因習の儀式みたいに、その手順を確かめ合っている。

 

長年連れ添ったパートナー同士のような、阿吽の呼吸で。

 

ぴちゃ、ぴちゃ、ぴちゃ。

 

固くなってきた先端に満足し、タカヒロさんの身体から舌を離す。彼は少しだけ赤く上気した顔で、私のことを見下ろしている。

 

「ちなみ」

「何ですか」

「スカートの中を見せてみるんだ」

「そんなこと…」

「ほら」

「…」

 

タカヒロさんにはわかっている。

目の前に禁断の実をぶら下げられた私には、彼の要求を拒むことなんてできないと。

 

私はぐっと唇を結んだまま、両手の指先でスカートの裾をつまみ、それを腰の上までたくし上げる。

露わになった私のショーツは、元の生地の色がわからないほどにびっしょりと濡れ、淡く生えた陰毛まで透けてしまっている。

タカヒロさんは私の足元に膝をついて、そこにまじまじと見入っている。

その刺すような卑猥な視線を受けて、私の身体はかあっと熱くなり、さらにショーツを愛液で湿らせてしまう。

 

「素晴らしい眺めだ」

「…変態…」

「はっ、酷い言われようだな」

 

じっと私の股間を凝視していたタカヒロさんが、そっと手を伸ばしてくる。

 

「脱がせるよ」

「だめです、汗ばんでるから…やめてください。自分で」

「いいから」

 

有無を言わせずショーツに指をかけ、ゆっくり引き下ろす。もうぐっしょりと濡れてしまったその部分から、つつーっと糸が引くのを感じ取る。

あっ、と思うが、もう遅い。タカヒロさんの口元に下卑た笑みが浮かぶ。

 

「もうすっかり準備できてるじゃないか」

 

口では何と言っていても、私はずっとこうなることを期待していたのだ。

それを見抜かれてしまい、ばつの悪さと恥ずかしさで、何も言い返せない。

 

タカヒロさんは慣れた手つきで私のショーツを脱がせると、すすっと足元にもぐり込む。

私をそこに立たせたままで、腰に手を回し、太腿にねっとりと舌を這わせ始める。

 

「ふぅ……あぁッッ」

 

予想していない不意の愛撫。じっとりと滲んだ汗と、秘部から滴った愛液を、彼は丁寧に舐め取っていく。

 

「やめ…て…ください、汗、かいてて、きたッ、ない…です」

「ちなみの身体だ、汚くなんてないさ」

 

言葉でいくら抵抗したところで彼がやめることはない。少しずつ、彼の舌が上の方へ、大事なところへ近づいてくる。

甘く危険な快楽の予感。

私はぞくぞくと背筋を震わせて、その到来を待ち構える。

 

早く、来て。

 

なのに、彼の愛撫は脚の付け根のあたりで止まってしまう。そのまましばらく、両の太腿に舌を沿わせて舐め続ける。

欲しい場所にまでは一向に届いてくれない。

 

じ、じれったい…!

 

いつもなら、強引に私を組み伏せてでも事に及ぶタカヒロさんなのに、今日はぜんぜん急ぐ様子がない。

 

どうして?

どうして早くしてくれないの?

 

時刻はもう夕方だ。急がないと、彼の奥さんが…なるせさんが仕事から帰ってきてしまう。

 

「も、もう…いいですから」

 

私にはもう、ねっとりとした責めを愉しんでいるだけの余裕がない。

 

「ほら、立ってください」

 

タカヒロさんを立ち上がらせるや否や、私は彼のベルトに手をかける。ズボンのファスナーも下ろし、下着もろとも慌てるようにずり下げる。

 

「あむ…っ」

 

そのまま、露出した彼のおちんちんをぱくりと咥える。いちいち許可なんて必要ない。彼だってその行為を望んでいるのだから。

 

まだ少し柔らかいそれを口に含み、唇をすぼめて前後に動かし、丁寧に奉仕を始める。

 

ぐちゅ、じゅぽっ、じゅぷっ…。

 

口いっぱいにおちんちんを頬張り、敢えて聞こえるように大きな音を立てながら、唇で激しくしごき上げる。裏筋を舌の腹を使って舐め回し、先端のくびれたポイントを舌先でこりこりと弄ぶ。

 

これも全部、タカヒロさんに教えられたやり方。

 

「ぐっ…!」

 

私の愛撫が気持ちいいところをとらえるたび、びくっ、びくっ、と、おちんちんが口の中で脈動するのがわかる。

 

「んッ……んむッ…」

 

口内を犯される被虐的な行為に、私も倒錯した悦びを覚え、艶の滲んだ声が漏れる。

そうして愛撫を繰り返していると、あっという間に彼のものは大きく、硬くなっていく。

 

それもまた、次の段階に進む合図。

 

タカヒロさんは興奮が高まるといつも、私の頭を両手でがしっと掴み、硬くなったおちんちんを、喉の奥まで乱暴に突っ込んでくる。

 

彼の好きな行為のひとつ。

 

私は毎回苦しくて、異物感にえづいてしまう。だけど、奥まで突っ込まれるそのたびに、私の身体は淫らに反応し、子宮がきゅんきゅんと疼いてしまう。

 

そして、喉に直接流し込まれる大量の…精液。

粘膜に絡みつく感覚。

何とも言えない青臭いその匂い。

どれ一つとして快いところはないはずなのに。

 

私はもう、それが欲しくて欲しくてたまらない。

 

でも、なぜか、今日のタカヒロさんはぜんぜん激しくしてくれない。

 

もう、私の口の中のそれは、破裂しそうなくらいぱんぱんに張りつめているのに。

 

「…?」

 

私はいったん口での愛撫を中断し、期待と困惑の入り混じった眼差しをタカヒロさんに向ける。

 

どうして、してくれないんですか。

 

無言でそう訴える私は、どんな顔をしているのだろう。きっと、強い雄に媚びを売る雌のような、いかがわしい表情に違いない。

 

史也さんには決して見せることのない、はしたなく発情した、女の顔。

 

それでも彼は、じっとこちらを見下ろしたまま動こうとしない。しばらく互いの目を見つめ合ったまま、時間が過ぎる。

 

「どうしたんだい」

 

ようやくタカヒロさんが口を開く。

 

「して欲しいことがあるなら、言ってみるんだ」

 

それは決して、優しさから発せられた言葉なんかではない。

 

「ちなみ」

 

これは、悪魔の囁き。

 

「ほら」

 

行為を望んでいるのは自分ではなく私の方なのだと、思い知らせようとしている。

 

「どうして欲しい?」

 

「…」

 

私は抵抗できない。

だって、その通りなのだから。

どうしようもないくらい、彼に犯されることを欲してしまっているのだから。

 

「…ください」

 

「何を」

 

「貴方の…おちんちん」

 

「どこに」

 

「お口、の中…喉の奥まで」

 

「それで?」

 

「め、めちゃくちゃに…突いてください」

 

呆気なく屈してしまった私の頭に、彼の右手が伸びてくる。

私はだらしなく口を開き、固く屹立したものを受け入れようと待ち構える。

 

「おぐッッ!!」

 

口の中に一気に突き入れられる。後ろで結んだ髪を掴まれ、荒々しく前後に頭を振り回される。

あまりの息苦しさに、私は身体の横で両手をばたばたさせてそれに耐える。

 

「あがッ、ぐッ、お゛ッ……!!」

 

喉の力を緩め、できるだけ奥までそれを呑み込もうとする。

 

じゅぽっ、ぐぽっ、ごりゅっ、ごりゅっ

 

喉を激しく突かれるたびに、私の眼の奥でちかちかと火花が散る。

触れられてもいないのに、あそこがひくひくと反応し、止めどなく愛液を垂れ流してしまう。

 

高まる絶頂の期待。もうすぐだ。もうすぐ彼のおちんちんがむくむくと膨らみ、爆発するような脈動とともに、淫らな体液を吐き出し、私の身体を中からさんざんに汚してくれる。

その瞬間を思うと、私の子宮もさらに激しく収縮する。

 

「うぐ…ッ…?」

 

しかし、その瞬間が訪れることはなかった。

彼は途中で抽送をやめ、私の喉からおちんちんを引き抜く。

先端からどろっと糸を引いた唾液が、私の服に、床に、べとりと落ちる。

 

「かはっ、ごほっ、ごほっ…」

 

咳き込む私をよそに、タカヒロさんは来ていたシャツを脱ぎ捨てる。そして、私のバッグに手を伸ばし、ポーチの中から避妊具を取り出す。

もう何度も繰り返された行為。

彼も私がそれをどこにしまっているか、ちゃんと知っている。

口に咥えてパッケージを破き、自ら手際よくそれを装着する。

 

わざわざ許可を求めることも、同意をとることもない。

ロマンティックな会話もそこには存在しない。

 

陳腐な言葉よりも雄弁な、セックスの意思表示。

 

赤く勃起したおちんちんに、くるくると装着されていく、薄いゴムの膜。

私はその逞しくそそり立ったものから目が離せない。

まもなくやって来るであろう快楽への渇望に、身体が震える。

今にも気が狂いそうなほど、発情してしまっているのを自覚させられる。

 

…欲しい…。

 

私はゆっくりとその場で立ち上がると、自分からワンピースのスカートをまくり上げ、壁に手をつく。

露わになった下半身をタカヒロさんの方に突き出し、しとどに濡れてしまった秘部を彼に見せつける。

 

「はやく…」

 

そして、ずっと欲しかったものが、いよいよ私の中へと侵入ってくる。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。