【公式不倫 R-18二次創作】消せないラスト・ノート 作:ひよこレモン
誰にでも、お風呂のときの決まったルーティーンがあるのではないだろうか。
まず頭からシャワーを浴びる人。
足の爪先から、あるいは、手の先から洗い始める人。
ちろ、ちろ、ちろっ。
まずタカヒロさんの乳首を舌で愛撫するのが、私たちふたりのルーティーン。
れろっ、ぴちゃ、ぴちゃ。
既にびんびんになっていた、せっかちな彼のおちんちんが、私の右手の中でぴくりと反応する。
それに興奮した私の秘部もまた、とろりと淫らな蜜を垂らし始める。
くちゅっ…
やがて、タカヒロさんの右手が私の脚の間に伸びてきて、一番敏感な部分に指先でそっと触れる。
「ふぅ……っッ! はぅぅッ」
もう何時間も発情しっぱなしの私は、わずかに触れられただけでもたやすく陥落してしまう。脚ががくがく震え、そのまま立っていることができず、その場にへたり込む。
「ほら、続きはまた後だ」
タカヒロさんの口調には、いつものように茶化すような様子はない。
私を見下ろす彼の目は、いつになく真剣で、なんだか少し血走っているようにも見える。
決して態度には出さないけれど。
彼も、私のことが欲しくてしょうがないのだ。
今すぐ、私の中に入りたくて仕方ないのだ。
それでも、いったんふたりは身体を離し、頭から熱いシャワーを浴びる。私は私の、彼は彼のシャンプーを使って髪を洗う。
長い関係の中で、私たちが守り続けている線引きのひとつ。
コンディショナーを洗い流すと、タカヒロさんは私のボディソープを手に取り、泡立て始める。
私は小さなプラスチック製の椅子に腰掛け、後ろを向く。彼の手が、私の肩に、背中に触れ、ボディソープの泡を広げながら、私の身体をなぞっていく。
「はぁ……っッ」
その滑らかな感触が心地良くて、私の肌が粟立つ。それは身体を洗うというよりも、ほとんど愛撫に近い。
彼の無骨な手が下から上へ、背中に触れる。そして脇腹から、乳房の横、腋の下をねっとりとした動きでさすり上げる。
「ひゃぁ…ン…ッ…!」
くすぐったさの入り混じった快感が全身を駆け抜ける。そして、そのまま彼の手が前へと回り、首筋を撫で、両の乳房を包み込む。ひとしきりその感触を楽しむと、手のひらがゆっくり離れ、今度は指先で乳首の周りを円を描くようになぞり始める。
「ふぅッ! ふぅ…っ、はぁっ、はぁっ」
彼の指はそこをうろうろと徘徊するだけで、決して中心に近づいてこようとはしない。
明らかな、私を焦らすための動き。
意図はわかっているのに、堪え性のない私の肉体は、簡単にその術中にはまってしまう。
「んんっ…ッ、はぁぁッッ」
煮え切らない責めに耐えかねた私の口から、甘い吐息が漏れる。尿意をがまんしているみたいに、落ち着きのない下半身がもじもじと動き出す。
しばらくそんな責めが続いた後で、不意に彼の指先が胸の先端に触れる。
「う゛ぁッ…!!」
人差し指の腹で、ぴん、ぴん、とそれを弾かれると、強力な電流のスイッチを押されたみたいに、痺れるような快感に全身を襲われる。身体が弓なりにのけぞり、股間からぴゅぴゅっと軽く潮を噴き出してしまう。
…もう、これ以上の前戯なんて必要ない。
絶頂の感覚が通り過ぎるのを待って、私はくるりと向きを変え、タカヒロさんに向き合う。今度は彼のボディソープを手に取り、手のひらで撫でるように彼の全身を洗い始める。
途中、私の手が乳首に触れるたび、彼の身体がびくっと反応して、ちょっとだけ嬉しくなる。
そして、硬くなったままのおちんちんにも、泡をつけて丁寧に洗う。それは私の小さな手には収まらないほどに膨張し、グロテスクな血管を表面に浮かび上がらせている。
「横になってください」
ボディソープの泡をシャワーで流し、彼を床に仰向けにして寝かせる。
バスルームの床には、柔らかい素材の子ども用マットが敷いてある。
犬、猫、ひよこにゾウさん。いろんな動物のイラストが描かれた、かわいいデザインのマット。
それは小さなしーちゃんが転んでもケガをしないようにと、彼の奥さんが用意したもののはずだ。
まさか彼女も、夫と私の道ならぬ行為のために都合よく使われるとは、夢にも思っていなかっただろう。
あたたかな幸せに満ちているはずの家族の空間。
私はそこに不純物みたいに入り込み、他人の夫と肌を重ね、爛れた関係に溺れている。
眩暈がしそうなほどの、甘美な背徳感に、私はぶるっと身をわななかせる。
「今回は、私が上です」
そう宣言すると、私は彼の脚の間に移動する。髪を指先で耳に掛け、目の前でまっすぐに屹立したおちんちんにかぶりつく。
「ぐ…っ」
ぐぽっ、ぐぽっ、じゅるっ、じゅぽっ。
口の中いっぱいに唾液をため、唇と舌をめいっぱい使い、裏筋を刺激する。喉の力を抜き、奥の方までそれを迎え入れる。そして、大きな音を立てながら、一定のリズムで上下に動く。
じゅる、じゅぽ、じゅぷっ。
タカヒロさんが教えてくれたテクニックに、忠実に。
ふーっ、ふーっと、彼の呼吸が深くなるのがわかる。
もういっぱいに感じている彼に、私はさらに追い打ちをかける。
「うっ…ぐッ…!」
彼のものを咥え込んだまま、私は両手を伸ばし、彼の左右の乳首に指先で触れる。口元からこぼれたぬるぬるの唾液をつけ、その突起をくりくりとこねくり回す。
さっき彼が私にしてくれたように、ときおり、指先でそれを弾いてやると、口の中のものもそれに合わせてびくん、と跳ねる。先っぽからとろりとした粘液が漏れ出してくる。その先走った汁からは、ほんのり青臭い味がして、まるで強力な催淫剤のように、私の理性を狂わせていく。
「ちなみ…っ」
名前を呼ばれて、一瞬、口を離す。
「なんですか」
「…もう、いい」
それはもう、入れさせてくれ、と言っているのと同じことだ。
「よくないです」
でも、いつもされるがままの私じゃない。
「今回は私が上だって言いましたよね」
私は避妊具の包みを破り、タカヒロさんのいきり立ったおちんちんにそれを被せ、根元まで引き下ろす。そのまま彼の上に跨り、右手を添え、股間にその先端を導く。
真っ赤に熟れた私の秘裂は、すっかり準備を整え、彼を迎え入れる瞬間を今か今かと待ち焦がれている。
私はタカヒロさんの目を真っ直ぐに見つめたまま、少しずつ腰を下ろしていく。
ずぷん…。
「ん……ッ!」
声にならない喘ぎが漏れる。膣が強く押し拡げられる圧迫感と、そこからこみ上げてくる甘痒いような快感に、思わず顔をゆがめる。
タカヒロさんも、挿入に合わせて深く息を吐いている。かちかちに硬くなった彼のものが、私の一番深いところに届き、ぐいぐいと子宮を持ち上げている。
「はぁ…っ、はぁっ」
彼も負けじと私の目を見返してくる。荒く息をしながら、奥歯をぐっと噛みしめ、接合の快感に耐えているように見える。
深いところまでつながったまま、私たちはしばらく動けずにいる。
「ん……ふぅッ、んんっ……あぁ…ッ」
温かな肉の襞に包まれ、彼のおちんちんが私の中でぴくぴくと動いているのが伝わってきて、声が抑えられない。
私のあそこも、それを味わい尽くそうとするようにうねうねと蠢き、やがてふたつの性器は完璧にフィットしていく。
その形がわかるくらいに、ぴったりと。
正しい鍵と、正しい鍵穴。
きっと世界にひとつだけの、完璧な組み合わせ。
彼のものを包み込んでいる粘膜の全体から、じわじわと気持ちいい感覚が上ってくる。
私は目を閉じて視覚を遮断し、その快感を全部逃すことなく感じ取ろうと、秘部に意識を集中する。
やがて、タカヒロさんがゆっくりと動き出す。
ぐっと脚に力を入れ、私の腰に手を回し、自分で動こうとしている。
「だめっ」
私はそれを両手で制する。
駄々をこねる子どもに言って聞かせるように。
「今回は、私が上、だとッ、言った、じゃ、んッ…ないですか」
彼の手足から力が抜ける。
それは、好きにしたらいい、という恭順か。
それとも、できるものならやってみろ、という挑発なのか。
私は逆に、タカヒロさんのおなかのあたりに手をつく。ぐぐっと少しだけ腰を持ち上げて、挿入の具合を調節する。
「うっ…ッ…」
上下に微妙に動きながら、中のいちばん気持ちいいところに当たる位置を探す。
「ふぁ…ッ…!」
見つけた。ここだ。
彼のおちんちんのくびれたところが、私の中の感じる場所に、ぴったりと当たる高さ。
甘く切ない感覚が、その接点から背中へ伝わり、脊髄を通って脳へと駆け上ってきて、私はたまらず歓喜の声を上げてしまう。
「ああぁッッ! …っ…あぁ…ッッ…」
もうがまんできない私は、手の位置を少し手前にずらし、背筋を伸ばして、胸を突き出すように姿勢を変える。硬いおちんちんを、おへその裏側にある気持ちいいスポットに押し当てられる、この体勢がたまらなく好きだ。
私はさらなる快楽を貪ろうと、その高さを維持したまま、腰を振り始める。
ぐちゅっ、ずりゅっ、ぐじゅっ…
「あっ、あ゛ぁッ、はぁ…ッッ」
上半身は動かさず、腰から下だけを、艶めかしく前後に動かす。
挿入された硬いものを玩具のように使って、自らあそこの中を激しく掻き回す。
じゅぷ、じゅぶっ、じゅぷっ…
押しとどめようもなく分泌され続ける愛液が、摩擦で白く泡立ち、とんでもなく卑猥な音を立てている。
「ふぁぁッ……う゛ぁッ、いやっ、いいッ、あぁぁッッ」
気持ちいいですか、なんて、気の利いたことは聞かない。聞けない。
ただ自分の快感だけのために、夢中で腰を振り続け、ごり、ごり、ごりと、欲しいところに彼のおちんちんを押しつける。
「はぁっ、んっ、あぁッ…!?」
身体を支えていた脚が疲れ、無意識のうちに腰の高さが落ちてくると、意図せずクリトリスが彼の肌に触れる。
「あッ! あッ! んんッ! うぅ……あ゛ぁッ!!」
動くたびに敏感な部分を彼の股間に擦りつける格好になり、中と外、ふたつの刺激に襲われて、私はもう声を抑えることができない。
「だ…めッ、やッ、こ、こ、すごいぃッッ…!!」
絶頂が近づき、別の意志を持った生き物のように、子宮が、膣が、きゅんきゅんと悲鳴を上げる。胸が押しつぶれそうな切なさに襲われ、私は両手を胸前で交差させ、ぎゅっと虚空を抱きしめる。それでも腰は忙しなく前後の動きを繰り返す。
もう止めることなんてできない。
「あ゛あぁッッ!! ひッ、い、いくぅゥッッ!!」
そして、私はとうとういってしまう。男性の射精の瞬間のように、身体全体の筋肉がぎゅっ、ぎゅっと激しく収縮する。ものすごい膣圧で、あそこからおちんちんがじゅぽっと押し出され、私は横たわるタカヒロさんに恥ずかしげもなく大量の潮を浴びせかける。
背中から頭まで雷のような快感に貫かれ、痙攣しながら、びしょ濡れになった彼の身体の上に倒れ込む。
「ふぅーッ、ふぅーッ、ふぅーッ……」
小刻みに引き攣る身体。まだ思うように動かすことができない。
タカヒロさんに身体を預けたままで、私は発情期の野良猫のような唸りを上げながら、必死に酸素を取り込もうと荒く息をする。
…
「…み?」
少しずつ、飛びかけた意識が帰ってくる。
「…なみ?」
タカヒロさんが私に何か言葉を投げかけている。それは遠い山の向こうで響くこだまのようにぼんやりとしていて、何を言おうとしているのか全く聞き取れない。
聞き取る必要もない。
今度は私が、彼を満足させる番だ。
身体に力が戻ってくると、私は四つん這いの姿勢のまま、もう一度、彼の腰の上へと位置を変える。右手を股の下に伸ばし、彼のおちんちんを探す。
…あった。
それは硬さも大きさもそのままで、変わらずにそこで待っていた。
指先でゴムが外れていないことを確認すると、私は彼をふたたび中へと導く。
ぬ゛ぬぬぬっ
彼の勃起したおちんちんは、まるでそこが自分の居場所であるかのように、ぴったりと私の中に収まる。
「はぁ…あぁ…ッ」
甘く痺れるような快感が戻ってくる。
長さ、硬さ、そして形。
すべてが完璧だ。
遺伝的に最高の相性。
ずっとめぐり逢うのを待っていた、運命の相手。
それは、心の底から愛し合える人、生涯の伴侶なんかじゃなかった。
ただ、身体の相性ひとつで固く結ばれ、離れることのできない、最高のセックスパートナー。
それが私たち。
でも、ちっとも残念だなんて思わない。
今はただ、タカヒロさんとふたりで、ふたりだけの快楽に溺れていたい。
もっともっと、私の中を貴方のもので満たしてほしい。
ぱちゅっ、ぱちゅっ、ぱちゅっ
私はそのままの姿勢で、今度は腰だけを上下に動かし、淫らに濡れた肉襞で彼のものをしごき上げる。
「んっ、あっ、んッ、あッ、あッ」
一定のリズムで腰を打ちつけながら、ときおりあそこに力を入れて、彼のおちんちんをきゅっと締め上げる。
これは自分のためじゃなく、タカヒロさんの性欲を満足させるための動き。
私の大事なところを使った、最高にいやらしい、最低な奉仕。
ぱちゅっ、ぱちゅっ、ぱちゅっ、ぱちゅっ
「う…うぐ…ッ」
「あッ…、タカ、ヒロ、さんッ、あんッ、きもち、いい、ですね…」
ぱちゅっぱちゅっぱちゅっぱちゅっ
少しだけ動きのスピードを上げると、タカヒロさんの顔が快感に歪むのがわかる。
「ち…なみ…」
「だい、じょうぶ、んッ、です…、ああんッッ、わた、しもッ、きもち、いいで、す、からッ」
私の腰使いでタカヒロさんが感じている。その様子を見て、私の心に歪な悦びが湧き上がってくる。
「もっとッ、きもち、ッッ、いい、こと、してあげ、ます、ね」
私はマットについていた手を彼の胸板に置き直し、腰の動きは止めないまま、両方の乳首を指先で刺激する。
「ぐぅ…ッ!」
珍しく彼が悲鳴のような喘ぎ声を上げる。
乳首に触れた瞬間、私の中のものもびくびくと反応し、ひときわ大きく脈を打つ。
すごく感じてくれているのは、いちいち聞かなくてもわかる。
「きもち、いい、んッ、です、ねッ」
それでも私はその言葉を口にする。
敢えていやらしい言葉を声に出すことで、私自身の情欲もどんどん高まっていく。
「はぁ、はぁ、はぁっ」
タカヒロさんはそれに答えず、おなかで息をして、こみ上げてくる絶頂感に耐えている。
もう限界が近いのだろう。
ぱんっぱんっぱんっぱんっぱんっぱんっ
私はさらに下腹部に力を込め、彼をフィニッシュへ導こうと、ストロークのスピードを上げる。乳首を弄ぶ指の動きも止めず、上から下から、彼のことを責め立てる。
「んッ、あ゛ぁッ、わたし、もッ、きも、ちッ、いいッッ」
いちだんと大きく怒張した彼のものが、私の膣壁を内側からめりめりと押し拡げる。
もうすぐだ。
私のもとへも少しずつ絶頂が近づいてくる。
中で出されるあの感覚を期待して、思わず淫らに身震いしてしまう。
だめ、まだ来ちゃだめ、もう少し…
先に達してしまわないように気を逸らそうとした、その瞬間。
タカヒロさんの手がおもむろに私の腰を掴み、ぐいっと身体を持ち上げる。
「え、やッ、ちょっ、まって…ッッッ!!」
そのまま、ものすごい勢いで、下から私に腰を打ちつけ始める。
ぱんっ! ぱんっ! ぱんっ! ぱんっ!
「はうぅッ! それだめッ、あ゛あッッ! つよいッ、いやぁッッッ」
あまりの激しさに、私のお尻が波打つ。射精寸前のぱんぱんに張り詰めたおちんちんに、思い切り膣の奥を突かれ、子宮をぐりぐりと押し潰される。
獰猛な肉食獣のような容赦のない突き上げ。
今日いちばんの激しい抽送に、絶頂から逃れようとしていた私は、あっけなくそちら側へと引きずり戻されてしまう。
「いッ、あッ、いく、すぐいくッ、いきますッ、いくうぅッッッ!!」
その瞬間、タカヒロさんもほとんど同時に高みに達する。
どぴゅっっ! どくっ! どくんっ! びゅくっ!!
私の中の深いところで、爆ぜるように、彼のものが何度も何度も精を放つ。
「———ぁぁッッッッ!!!」
それに呼応するように、私の意識も快楽の向こう側へと飛んでいく。
私のあそこがひとりでに、最後の一滴まで精液を絞り取ろうと、ぱくぱくと卑猥な動きを繰り返す。
貫かれたまま、ふたたび、私は彼の上に倒れ込む。目の焦点が合わない。周りの世界がぐるぐると回っている。呻き声を上げる余裕さえない。ひゅーっ、ひゅーっと、力ない音を立てて胸を上下させながら、寄せては返す快楽の波にただ身を委ねている。
しばらくそのまま動けずにいると、役目を終えて小さくなった彼のおちんちんが、ぬるっと私の中から抜け落ちる。タカヒロさんはそっと私の下から這い出すと、まだぴくぴくと引き攣って動けない私を床に寝かせたまま、ゴムを外して口を結び、息をつきながらシャワーで身体を流す。横たわった私を左の腕で抱き起こし、ぬるめのシャワーで私のことも洗い流してくれる。
私は少し戸惑ってしまう。
こんな風に優しく扱われるのは初めてだから。
ひとしきり流し終わると、彼は私の背中をバスタブにいったん預け、外に出ていく。自分の身体を拭いてから、もう一枚バスタオルを持って戻ってきて、今度は濡れた私の髪を、身体を、丁寧に拭いてくれる。
その真意を測りかねて、彼のことを見ていると、はたと気づく。
タカヒロさんは、私のことなんて見ていなかった。
その赤く血走った目は、私の肉体だけを見つめていた。
これは優しさなんかじゃない。
彼が、自分のためにやっていること。
彼が、自分の欲望のためにやっていること。
彼とは長い付き合いなのに、そういう人だとわかっているはずなのに、一瞬でも勘違いしそうになった自分のことが、少し嫌になる。
でも、タカヒロさんが、一刻も早く、また私を抱きたがっている。
今夜はここでは終わらない。
もう一度抱いてもらえる。
思春期の少女みたいに嬉しくなって、やにわに胸が高鳴ってしまう。
そんな自分のことが、それ以上に嫌になる。
だけど…。
心と身体は、別のものだから。
ろくに髪も乾いていないままで、私はタカヒロさんの腕に抱かれ、彼の居室へと連れて行かれる。
命のない人形のように運ばれながら、浅ましい私の胸は、今にも踊り出しそうなくらいに、どきどきと拍を刻んでいた。