ポケモン世界に転生したらハーレムができていた件 作:天野蒼夜
バトルエリアから退出したレムはそのままポケモンセンター通称ポケセンにやってきた。傷ついたポケモンの回復を無料でやってくれるトレーナー御用達の施設だ。
「お待たせしました。ポケモン達は皆元気になりましたよ。またのご利用をお待ちしております」
「ありがとうございます」
ゲームで何千回も聞いたお決まりのセリフを聞いて、レムはポケモンセンターから退出。本来ならこのまま帰るところだが、彼にはまだやることが残っている。ランクアップ戦だ。
今日Hロワイヤルに参加する前、ネムの対戦相手は決まったことがHアプリから知らせがあった。そんな中、ポケモンを疲弊させたまま戦わせるわけにはいかないので、ポケセンで元気にさせたというわけだ。
【〜♪】
スマホロトムが着信音を鳴らしながら飛び出してきた。連絡をしてきたのはコルニ。さっきランクアップ戦の相手が決まったと言ったが、その相手が彼女だ。
「連絡をくれたってことは、バトルの準備ができたってことでいいのかな?」
【こっちはいつでも準備はできてるよ。レムはポイント貯まった?】
「さっき貯め終わってポケセンでポケモンを元気にしてきたところだよ。いつでも戦える」
【じゃあ、すぐに始めようよ。こっちはバトルがしたくてウズウズしてるんだから!】
コルニがそう言いたくなるのもムリもない。先日やったルカリオ同士でのバトルでは引き分けで終わったのだから。
【ダッシュで来て! 広場で待ってるから!】
「ああ、すぐ行くよ」
そう言って、通話を切る。コルニと戦いたいのはレムも同じだったのだろう。ダッシュでコルニが待つ広場に向かった。
しかし、レムがそこで見た彼女はいつものヘルメットに白のスポーツウェア姿ではなく、サングラスに白のTシャツを着た姿をしていたのだ。
「今日はいつもと服装が違うんだね?」
「今日は気分を変えて服装を変えてみたよ。どう?似合う?」
コルニが着ている服はアニメでも見たものだが、レムからしたらそんなの聞かれるまでもないことだった。
「すごく似合ってる。可愛いよ」
ストレートに感想を伝えると、コルニは照れ顔をしながら“ありがとう”と礼を言う。今すぐ抱きしめたい。しかし、今はバトルの前なのでレムはぐっと堪えた。
「使用ポケモンは3体。先に3体戦闘不能にした方の勝ちね!」
「ああ。それで構わないよ」
【チャレンジチケットを確認! ランクアップ戦の開始を承認します】
互いのスマホロトムが激突し、火花が飛び散る。これにより、ランクアップ戦の火蓋が切って落とされた。
「これがあたしの1体目! 頼んだよ! コジョンド!」
モンスターボールを投げ、コルニがコジョンドを繰り出す。
「コジョンドか。ならオレは……行け! ウォーグル!」
コルニに続くようにレムはウォーグルを繰り出す。かくとう使いのコルニにエスパー/ひこうタイプのウォーグルはタイプ有利と言えるだろう。
「やっぱり出してくるよね」
「タイプ弱点を突くのはポケモンバトルの基本だからね」
「じゃあ、レムがこのバトルに勝ったら、レムの言うこと何でも1つ聞いてあげる」
「……何でも?」
何でも。コルニが何でも1つ言うことを聞いてくれる。これに反応しないなんてレムには不可能な話だった。
「本当に何でもいいの?」
「いいよ。勝てたら、の話だけど」
「よし!」
レムの両目に炎が灯される。コルニの言葉が、レムの闘争心に火をつけたのだ。
「気合い入れろウォーグル! このバトル、絶対負けらんねぇぞ!!」
闘争心に火がついたことで、穏やかだった雰囲気から熱血漢へと変貌したレム。これには手持ちのウォーグルも汗を浮かべながら“お前誰だよ……?”と言いたげな顔をするが、(動機が不純なことを除けば)やる気があるのはいいことだ。
「ウォーグル、オーラウイング!」
先手を取ったのはレム。ウォーグルの翼が紫紺の輝きを帯び、特殊な波動を纏ってコジョンドへと迫る。
「コジョンド、こうそくいどう!」
しかし、コルニも流石の反応速度で指示を出す。コジョンドの身のこなしが一瞬で加速し、オーラウイングを紙一重で回避。広場の石畳を削るようにしてウォーグルの翼が空を切った。
「速い……!」
「そのままつばめがえし!」
コジョンドの脚がしなやかに跳ね空中で急旋回。ウォーグルの背後に回り込み、鋭い蹴りが炸裂する。
「かくとう一辺倒じゃないわけか……」
被弾したウォーグルが大きく体勢を崩す。かくとうタイプのポケモンでありながらひこう技を使えるコジョンド。その器用さが厄介だった。
「ならこれで! エアスラッシュ!」
ウォーグルが翼を大きく羽ばたかせ、真空の刃を生み出す。至近距離から放たれたそれはコジョンドの胴体を容赦なく切り裂いた。
「畳み掛けろウォーグル! もう一度オーラウイング!」
叫びながらレムが指示を出す。ウォーグルの翼が再び紫紺の波動を放ち、体勢を崩したコジョンドに迫る。
「とびひざげり!」
しかし、コルニの指示はそれを見越していたかのようだった。コジョンドが渾身の力を込めて跳躍し、膝を突き出す。オーラウイングととびひざげりが激突し爆音とともに衝撃波が広がる。しかしながら、先のエアスラッシュで傷を負っていたコジョンドに分があるとは言えなかった。相打ちになった後先に立ち上がれなかったのはコジョンドの方だ。
【コジョンドの戦闘不能を確認。コルニの手持ち、残り2体です】
コジョンドが倒れると、スマホロトムから判定が下される。ポケモンバトルには審判がつくことがあるが、スマホロトムには審判の役割を果たす機能もあるのだ。
「さすがレム、強いね」
「まだまだ、コルニの本気はこんなものじゃないだろう?」
「もちろんだよ。次はこの子! 行け、ウーラオス!」
コルニが繰り出したのは連撃の型のウーラオス。水と格闘の複合タイプ。流れるようなフォルムの中に爆発力を秘めたポケモンだ。
「ウォーグル、はねやすめで回復をーーー!」
「させないよ! すいりゅうれんだ!」
ウーラオスの拳が水流を纏い、三連撃となってウォーグルに襲いかかる。回復行動を取ろうとした隙を逃さない見事な攻勢だった。
連続で叩き込まれる水流の拳にウォーグルの体力が削られていく。タイプこそ不利ではないものの、連撃の重さは相当だ。
「エアスラッシュで応戦しろ!」
「インファイトで迎え撃って!」
ウォーグルの真空刃とウーラオスの肉薄戦。互いに一歩も譲らぬ激しい攻防が繰り広げられる。だが、既にコジョンド戦で傷を負っていたウォーグルに対し、ウーラオスはまだ消耗していない。徐々に押され始めたのはレムの方だった。
「このままじゃジリ貧だ……戻れウォーグル! 今度はお前だ! ソウブレイズ!」
レムがここで交代を選択。ひこう/エスパーのウォーグルからほのお/ゴーストのソウブレイズへ。ウーラオスの格闘技をゴーストタイプで透かしつつ、ほのお技で攻める算段だ。
「なるほどね、でもそう簡単にはいかないよ! どくづき!」
ウーラオスが拳を毒液で包み、ソウブレイズに突きを放つ。ゴーストタイプにも有効などくタイプの技これもコルニの用意した対策の一つだった。
「シャドーダイブでかわせ!」
ソウブレイズの身体が亜空間に沈み込み、どくづきが虚空を貫く。そして次の瞬間、ウーラオスの背後から影が噴き出し、燃え盛る刃が振り下ろされた。亜空間に潜み、隙が出来た相手を切り裂く。それがシャドーダイブだ。
「ウーラオス!」
不意を突かれたウーラオスが大きくよろめく。今の一撃は深く入った。
「つるぎのまい!」
間髪入れずレムが指示。ソウブレイズの周囲に無数の剣が現れ、その切っ先を自身に向ける。攻撃力を段違いに高める積み技だ。
「させない! あなをほる!」
ウーラオスが地面に潛り込み、ソウブレイズの攻撃範囲から逃れる。
「来る場所は分かってる。ソウブレイズ! むねんのつるぎで地面ごと貫け!」
レムの指示に、ソウブレイズが蒼白い炎を纏った剣を自らの足元へと深々と突き刺す。地面を貫いた炎の刃は、地中にいたウーラオスをも焼き尽くした。
「ウーラオス!」
地面が爆ぜ、炎とともにウーラオスが吹き飛ばされる。つるぎのまいで威力を上げたむねんのつるぎは決定的な一撃となった。
【ウーラオスの戦闘不能を確認。コルニの手持ち、残り1体です】
「残り1体。最後の3体目はあいつだろ?」
「もちろん。ここからがあたしの本番!」
コルニの手に握られた最後のモンスターボール。そこから飛び出したのは、彼女の相棒中の相棒ルカリオだ。気合いに満ちた眼差し、鍛え抜かれた四肢。ただ立っているだけで発せられる闘気が先ほどまでのポケモンとは一線を画す。
「ソウブレイズ、もう一度つるぎのまいを!」
「ボーンラッシュ!」
ソウブレイズが剣を呼び出そうとした瞬間、ルカリオの手に形成された骨の棍棒が唸りを上げて襲いかかる。連続で叩き込まれる殴打に、ソウブレイズは為す術なく押し込まれていく。
「ソウブレイズ! シャドーダイブでかわせ!」
「サイコキネシス!」
影に潛もうとしたソウブレイズを、ルカリオの超能力が引きずり出す。だが、サイコキネシスを出したのは攻撃するためではない。シャドーダイブで逃げるソウブレイズの逃げ道を塞ぐためだ。
「むねんのつるぎ!」
「みずのはどう!」
蒼炎の剣と複数の水の波紋が激突する。しかしながらコルニのルカリオの波動は鍛え抜かれており、つるぎのまいなしのむねんのつるぎでは拮抗すらできなかった。押し返されたみずのはどうがソウブレイズを直撃し、その場に崩れ落ちる。
【ソウブレイズの戦闘不能を確認。レムの手持ち、残り2体です】
「残り2体か。でも、あたしのルカリオはまだまだ元気だよ!」
コルニが不敵に笑う。確かに彼女のルカリオはソウブレイズを倒したとはいえ、ほとんど消耗していない。対してレムの残りは、コジョンドとウーラオスによって少なからず傷を負ったウォーグル。そしてまだ体力が万全なルカリオだった。
(ウォーグルを出してはねやすめさせたいが……)
ウォーグルが翼を休めようとすれば、ルカリオの素早い動きがそれを許さない。かといって攻めようにも相手の体力はまだ十分。八方塞がりの状況だった。
(それなら攻めるしかない!)
その判断に行きつき、レムは再びウォーグルを繰り出す。コルニのルカリオははがねタイプが入っているため、本来弱点であるエスパーとひこうタイプの相性は普通。コルニのルカリオもこちらに弱点をつく技がないとはいえ、体力的にはウォーグルが不利なのは変わらない。
「オーラウイング!」
「ボーンラッシュで迎え撃って!」
翼の波動と骨の棍棒が交錯する。幾度か打ち合った後、先に力尽きたのはやはり傷を負っていたウォーグルだった。
【ウォーグルの戦闘不能を確認。レムの手持ち、残り1体です】
「これでお互いの手持ちは1体。レムの最後の1体もルカリオなんでしょ?」
「今日は決着を着けるためでもあるからな」
レムが最後のモンスターボールを握る。このバトルに引き分けはない。この先にあるのは勝つか負けるかだけだ。
「行くぞ、相棒!」
ボールを投げ、ルカリオを繰り出す。レムのルカリオは既に何度も戦ってきた頼もしい相棒。コルニのルカリオは幼い頃から切磋琢磨してきた唯一無二の存在。そんな2匹が再び対峙したことで互いの闘気がぶつかり合い、広場の空気が震えた。
【よぉ、また会ったな。あれから少しは強くなったのか?】
【それは戦ってみれば分かることだ。引き分けにはさせないぞ】
【その言葉、ボーンラッシュで打ち返してやるよ!】
ルカリオ達のやる気は十分。初めて戦ったあの時からお互いライバルとして意識していたようだ。
「レムはメガシンカ使えるようになったんだよね?」
「ああ。ブラッドとの戦いで戦いで使えるようになったよ」
「なら、見せてよ。あなたとルカリオの絆の力を!」
言われなくてもそのつもりだ。メガグローブとメガストーンをレムにくれたのはコルニなのだから。
「一緒に行こう、進化のその先へ! 超・変・身!」
メガグローブについたキーストーンを起動させ、ルカリオにメガエネルギーを送り込む。メガエネルギーを送り込まれたルカリオは自身を包み込んだ光の球体に内側から打ち破ると、メガシンカした姿ーーーメガルカリオにメガシンカした。
「ならこっちも! 命・爆・発!」
コルニも同様にルカリオメガエネルギーを送り込む。だが……。
「姿が違う……?」
「ルカリオのもう1つの姿ーーーメガルカリオZだよ!」
メガルカリオZと呼ばれたコルニのルカリオは灰色と青緑を基調にツインテール状の房や縮れた毛等、アヌビスを思わせる妖しくエスニックな雰囲気を放っていた。
【あいつ、波動を全身に纏っている。波動にあんな使い方があったとは】
【これが俺の全力の姿だ。さあ、俺の波動とお前の波動、どっちが強いか。白黒つけようじゃねぇか】
ルカリオの未知の姿。まさかルカリオにもうひとつメガシンカがあったとは、驚きだ。
「こっちから行くよ! はどうだん!」
「こっちもはどうだん!」
メガルカリオZからはどうだんが放たれたのに対し、レムもはどうだんで対抗する。2つのはどうだんがぶつかり合い、せめぎ合う。それがしばらく続いた後、メガルカリオZが放ったはどうだんがメガルカリオが放ったはどうだんを貫いた。
【ぐっ……!】
はどうだんを腹部に喰らい、メガルカリオが地面を滑る。
「はどうだんが破られた!? 特攻はあっちの方が上なのか……」
だとしたら、遠距離戦は不利だ。それならば、接近戦に持ち込むしかないだろう。
「ルカリオ、インファイト!」
メガルカリオZに接近し、怒涛のラッシュ攻撃を叩き込む。だが、メガルカリオZは攻撃を受けているにも関わらず、涼しい顔をしていた。メガルカリオZの特性である「はどうのぼうご」の効果により、接触技のダメージが半減されているためだ。
「ボーンラッシュ!」
お返しと言わんばかりに骨の棒によるラッシュ攻撃を叩き込む。かくとう技に続き、相性不利であるじめん技をまともに食らったメガルカリオは吹き飛び、地面を転がった。
「ルカリオ!!」
【く……ぐ……】
タイプ相性の悪い攻撃を立て続けに喰らい、ルカリオはもうひんし寸前だ。あと一撃でも喰らえば戦闘不能は確実だろう。
【お前の力はそんなもんか? だとしたら、ガッカリだ】
【……なんだと?】
【基本スペックは互角でも、メガシンカすれば俺の方が上みてぇだな。ならこの勝負、俺の勝ちでいいな?】
コルニのルカリオの勝ち。それはつまり、レムのルカリオの負けを意味する。自分はまだ倒れていない。なのに負けを負けを認めるなんてできない。第一、自分をライバルと認めてくれた相手にこの程度と思われるなんて、もってのほかだ。
【……待てよ】
メガルカリオはゆらりと立ち上がる。
【何勝った気でいる? 俺はまだ、負けていない】
ドスの効いた低い声音で話すルカリオ。だが、俯いている状態のため、表情は窺えない。
【まだ立てたのか。てっきりそのままおねんねすると思ったが】
【1つ教えてやるよ。俺は全力を出せないまま負けるのが……】
メガルカリオの周囲に波動のオーラが漏れ出す。
【一番嫌いなんだよぉおおおおぉおおおおおぉおおおぉ!!!!!】
漏れ出た波動のオーラがメガルカリオを中心に激しく放出される。それはまるで火力を全開にしたガスバーナーのようだった。
「何だ!? 何が起きてるんだ!?」
【特性:はどうのゆうしゃの発動を確認しました】
AI特有の無機質な口調でアナウンスするスマホロトム。レムはポケモンの知識はそれなりにあると自負しているが、そんな特性は聞いたことなかった。
「はどうのゆうしゃ? メガルカリオの特性はてきおうりょくのはずだろ!?」
【私にも分かりかねますが、あなたのルカリオは特性が変化しました。今の彼はその特性により攻撃力、特攻力、素早さが上昇しています】
メガルカリオの波動の力によって変化したのだろうか。何にしても、これなら勝ち筋はあるかもしれない。
「すごいね……この土壇場で新しい特性を身につけるなんて」
【お決まりの覚醒ってヤツか? いいねぇ、そうでなきゃ面白くねぇ】
「でも、勝つのはあたし達だよ! はどうだん!」
メガルカリオZから波動の弾丸が放たれる。さっきは撃ち負けたが、特攻力が上昇した今のメガルカリオなら撃ち勝てるかもしれない。
「こっちもはどうだん!」
メガルカリオからも波動の弾丸が放たれる。しかし、それはメガルカリオZが放ったはどうだんよりも大きく、彼のはどうだんを一瞬で貫いた。
「ボーンラッシュでガード!」
迫ってきたはどうだんを骨の棒を円形に回すことで防ぐ。防がれたものの、メガルカリオZのはどうだんに撃ち勝ったところを見るに、はどうのゆうしゃによるバフはレムが思ったよりも大きいようだ。
【メガルカリオがはどうげきを閃きました】
スマホロトムからまた聞いたことないアナウンスがされる。
「はどうげき?」
【ルカリオの専用技です。1つの技を忘れさせれば習得が可能です】
今の技じゃメガルカリオZには対抗できない。それに忘れてももう一度覚えさせることは可能なので、ここはその専用技に賭けるのがいいだろう。
「ルカリオ! はどうげき!」
レムから指示が入ると、メガルカリオはこうそくいどうに匹敵する速さでメガルカリオZの懐へ。続けて波動のオーラをまとわせた拳でメガルカリオZを殴り飛ばした。
「接触技が効いてる!?」
【はどうげきは相手の特性を無視して攻撃が可能です】
つまり、はどうのぼうごもはどうげきの前には無意味ということになる。特性を無視する技はいくつか存在するが、まさか自分のルカリオが覚えるとは思いもしなかった。
【すげぇな……俺のはどうのぼうごを破るとは。それでこそ、俺のライバルだ!】
「ルカリオ、まだやれるよね?」
【愚問だ。次で決めてやる!】
「ルカリオ、こっちも決めるぞ!」
【ああ。これで、終わらせる!】
次の一撃を当てられた者がこのバトルの勝者となる。ルカリオ達は互いの拳を握り、臨戦体制に入った。
「ルカリオ!」
「ルカリオ!」
それぞれ名を呼び、レムとコルニは最後の指示を飛ばした。
『顔面パンチ!!』
2匹のルカリオが拳を握りながら、走り出す。そして至近距離まで近づくと、その拳を相手のルカリオの顔面めがけて放った。
【ドゴォッ!!】
互いの頬に拳が炸裂した見事なクロスカウンター。そのまま静寂の時が流れるが、メガルカリオZがその沈黙を破った。
【……やるな……流石俺の……ライ、バ……】
メガルカリオZがふら……と糸が切れた人形のように体勢を崩す。彼はそのまま倒れるとルカリオに戻り、動かなくなった。
【メガルカリオZの戦闘不能を確認。コルニの手持ちはこれによって0となり、レムの勝利となります】
Bランクへのステップアップを賭けたランクアップ戦。お互い一歩も譲らない激闘の末、レムのルカリオは更なる高みに上り、コルニから勝利をもぎ取った。
特性:
はどうのゆうしゃ
効果:
メガルカリオ専用特性。体力が半分以下になった時、攻撃、特攻、素早さが上昇する。発動中は波動のオーラをまとった状態になる。
技名:
はどうげき
タイプ:
かくとう
威力:
90
PP:
10
分類:
物理
効果:
波動のオーラをまとった拳を叩き込むルカリオ専用技。相手の特性を無視して攻撃できる。まもる、みがわりを貫通する。