【完結】女湯の薄暗いスチームサウナで汗だく巨乳お姉さんに脅されて、お互いの汗が混ざるようなドロドロえっちをするはめに 作:コベヤ
「この先が女湯か……うぅ」
バイト代につられてるんるん気分で女湯に向かった僕は、正面に大きく女湯と書かれた真っ赤なのれんの威圧感に戦慄し、その場に立ち尽くしていた。
といっても、勇者が魔王城に向かうときに装備を整えるように、僕だって何も準備していないわけじゃない。
従業員用の橙色の作務衣の中に丸めたタオルを二枚押し込んで疑似的な胸を再現。
不織布のマスクと勉強用の眼鏡を掛けて、ダメ押しに退職したおばちゃんが置き忘れていったウィッグを被り、完全に女性となったわけである。
これで十分戦えるはず……なのかなぁ。
すごい不安だ。
ちょうどいいサイズにタオルを丸めるのが難しくて、僕の身長に対して胸が大きすぎるのがまずおかしい。
なによりただ布を丸めてガムテープで固定しただけだから、横から見ると形が変。
マスクと眼鏡は自前のものだから良いとしても、借り物のウィッグは微妙に髪色が違うので近くで見ると違和感が残る。
なにが変装の用意があるだよ。
タオルとガムテープとウィッグ用意しただけじゃないか。
せめて化粧道具とかシリコンスーツくらいはあってほしかったよ。
なんて文句を言うと、僕の女装を見てテンションの上がった社員さんが「しょうがないから俺が女装して行く」とか言い出すので、しぶしぶ僕は女湯まで来てしまったというわけだ。
「はぁ」
というわけで、女湯の前で立ち尽くす僕は本日何度目か数えきれないほどのため息。
そんな僕の横をお客さんが不審そうに通り抜けていくこと何人目。
「いい加減覚悟決めろ」
「……はい、じゃあ行ってきます」
「おう、ちゃんと綺麗にするんだぞ」
後ろから社員さんに背中を押されて、僕は俯きながら赤いのれんをくぐっていった。
聞こえてくるのは脱衣所特有のミシミシと籐のタイルを踏みしめる音と、シュルシュルバサリと服を脱ぐ音、そして洗面所の方から聞こえるドライヤーと、友達と来たのだろうか若い客の控えめな笑い声。
うっすらと目を開けると女性客の生足が見えて、目をそらすと開けたままのロッカーに濡れたタオルが引っ掛かっているのが見えたりで、思わず震えた。
なんかヤバい。
すごい怖い。
正直に白状すると、女湯に入れることを喜んでもいた気持ちも少しだけあった。
だって女湯だよ。
しかも営業中。
男の夢だよね。
少し昔の漫画やゲームでは女湯を覗くシーンがそこそこあって、現在においてもある種憧れのシチュエーションであるといってもいいだろう。
だが、実際に入ってみて強く感じるのは恐怖だけだった。
狼の群れに放り込まれた羊のような心細さ。
何か一つでもミスを犯して、僕の正体がバレてしまったらあとはただ喰われるだけ。
こんな仕事引き受けなきゃよかった。
しかし、途中で放り出して迷惑をかけるわけには行けない。
それにお客さんに快適なお風呂体験を届けたいというのも、この仕事についてから芽生えた大切な志である。
やるしかない。
まずは脱衣所から。
手にしたモップで脱衣所の床に点在する浴場から出てきたお客さんの濡れた足跡をふき取る。
びしょびしょになった足ふきマットを交換して、ドライヤーをもとの位置に戻す。
お客さんがいない隙にトイレの簡易掃除を済ませて、床に転がって放置されたタオルを回収用のかごに入れて持ち出す。
そしていよいよ、浴場である。
浴場の入り口に立った瞬間、バクバクと心臓の鼓動が高まるのを感じる。
湯気、水音、シャワーの音、浴槽から聞こえる話し声、濡れたタイル特有のヌルっとした光沢。
さっきまでとは空気がまるで違う。
「……仕事、仕事」
念仏のようにそう呟いて、僕は浴場へと入っていく。
もわっとした湿気に包まれて、そして何よりタオル一枚巻いて体を隠してる女性客がその辺をうろうろしている光景に目を奪われそうになる。
人によっては丸出しのままでいるのが余計に僕を悩ませる。
「……ただの脂肪、ただの脂肪」
ぶつぶつと小声で独り言を言いながら、洗い場の桶や椅子を元の位置に戻して、ドライサウナのタオルマットを交換して、水質検査を終わらせる。
何のことはない。
僕は人格の無い労働マシーンなのだ。
だから、心は静かな湖のように凪いでいて、決してジェットバスのようにボコボコはしていないのである。
本当に。
外風呂も同様に最短経路で終わらせていく。
何も見ない。
ととのい椅子で足をプラプラしてる人とか、仰向けで寝てる人とか知らない。
たぶん。
そして、最後。
外風呂の隅っこに建てられたスチームサウナの清掃を終えれば女湯での仕事は終わる。
スチームサウナは浴場内のドライサウナと比較して小規模で、人気もあまりない。
だからもう神経を使うこともないだろう。
ここまで長かった。
さて、扉の前に「清掃中」の看板を立てて、スチームサウナ特有の小さな扉に身をかがめて入っていく。
そして、二枚目の扉をくぐって中に入ると、とんでもない量の蒸気と熱気が全身を包み込んだ。
洞窟のように狭く暗い密室。
換気窓から差し込むかすかな太陽光だけが唯一の明かりなのに、白く揺らめく湿気が視界を奪い、先を見通すことすらできない。
なんだこの、誰がこんなことしたんだ。
眼鏡が曇って、つい外してしまう。
「あら、もうそんな時間?」
声のした方を向くと、彼女がいた。
常連の、あのお姉さん。
一枚のタオルを体に巻きつけ、サウナストーンに柄杓でザアとお湯をかけている。
サウナの熱気に上気した顔は色っぽく赤みを帯び、額から頬、首筋へと汗と伝っていた。
その一滴が鎖骨の窪みに溜まり、タオルの端に染み込んでいく。
薄暗闇の中で湿ったタオルが肌にぴったりと密着し、それが豊かな胸の膨らみを、腰のくびれを、腿の付け根のラインを扇情的に浮かび上がらせ、しかもその下の肌の色がうっすらと透けている。
タオルからはみ出した両腕は汗でぬらぬらと光り、肩の丸みから肘にかけて熱に溶けたように艶めいている。
僕は思わず息を飲む。
ゆらゆらと夢の世界のように揺れ動く蒸気の中で彼女の肉体だけがたしかに立っていて、そこから甘く湿った香りが肺の奥まで入り込んでくる。
胸の鼓動が密室の熱に浮かされて速くなっていくのがわかった。
こんなにも危険な状況なのに、囚われてしまったように目が離せない。
「どうしたの?」
「ヒャイ! スミマセン、マットノコウカンニキマシタ」
緊張で声が裏返る。
お姉さんは首を傾げ、不思議そうに僕を見つめると、「そう」とだけ言って元の位置に戻っていく。
そして、眠るように目を閉じてしまった。
換気をするから一旦外に出てほしかったのだが。
それが叶わない以上、僕は急いでタオルマットを交換してこの場を離れないといけなかった。
それなのにタオル一枚に身を包んだお姉さんの姿が気になって仕方ない。
マットを一枚剥がす度にお姉さんをちらりと見ては、マットを一枚敷くたびにお姉さんをちらりと見る。
「はぁ、熱いわぁ」
突然、お姉さんが悩ましげな吐息が漏れた。
彼女は胸元のタオルを緩くはだけさせ、その端を掴んでぱたぱたと仰ぐ。
赤らんだ胸の谷間に汗が流れ落ちていく。
「えっ」
僕は、知らず知らずのうちに全身の動きを止め、お姉さんの胸の谷間を見ることに全神経を注いでいる自分に気づいた。
な、何をしているんだ僕は。
こんなんじゃいつまでたっても終わらない。
なんとかお姉さんの胸から目をそらそうと視線を上げると、お姉さんの真っ黒な瞳と目が合った。
にんまりと妖艶な笑みを浮かべて、艶やかな唇をゆっくりと舌で舐めた
ゾワゾワッ。
心臓が破裂しそうなほど高鳴ってどうにかなりそうだ。
見られた。
僕がお姉さんの胸を見ているところを見られちゃった。
「本当に、暑いわねぇ」
ぱたぱたとタオルを仰ぐ音だけが密室に響く。
でも、僕はもう見ない。
はやくここを出ないといけない。
「ねぇ、温度どうなってるかわかる? ちょっと熱すぎるんじゃない?」
「え、温度ですか?」
しかし、そう言われると仕事として確認しなくてはならない。
入口から最も遠い壁際まで歩いて、掛けられた温度計を確認してみたが、数値に異常はない。
それを伝えようと振り返ろうとしたその瞬間。
音もなく後ろから二つの手が伸びてきて抱きしめられた。
むっちりとした二つの柔らかな圧迫感が背中に密着する。
「な、いきなりなに」
逃れようにも拘束は力強い。
首筋に顔を寄せられ、深く、ゆっくりと息を吸い込まれる。
熱い吐息が皮膚を這い、そして僕を抱きしめる腕はやがて下方へと滑り、僕の股間に優しく触れた。
「ふふ、こんなに大きくしちゃって。バレないと思った?」
「あ、あああ」
「ねぇ、どうして男の子が女湯にいるのかしら」
サウナの熱が僕の理性をじっとりと溶かしていく。