※この作品はR-18です。

キヴォトスで性欲に振り回される男子   作:蟹の爪

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R指定の部分なし!


転移、そしてプロローグ

 転生って、一度は夢見たことがある。

 死んだら生まれ変わって、新しい人生を謳歌する……そんな生活を想像したことがある。

 そんな俺の願いは、少し違った形で叶うことになった。

 

「……ここ、どこだ?」

 

 学校の帰りに家への近道として通っていた細い裏路地……そこを抜けると、コンビニが見えるはずだった。

 しかし、抜けた先にあったのはコンビニではなかった。

 

「なんの冗談だよ、これ……」

 

 見渡す限りに広がる明るい都市……そこを歩く人々の上にある天使の輪っかのようなもの。色とりどりの髪色。ロボットが街を歩いている。角や獣耳がついている人がいる。

 まさしく、そこは俺にとって異世界であった。

 

「ねぇ、あの人って……」

「ん? ……え!? お、男の人!?」

「銃も持ってないよ?」

 

 何人かが俺に気づき、指をさしてこちらを見てくる。男……で、なぜ驚かれる? それに銃だって……?

 

 周りの人をよく見てみると、女の子しかいない……しかも美少女だらけ。腰の辺りもよく見てみると、銃のようなものを携帯している人がほとんどだ。

 

「キヴォトスに男子生徒なんかいたっけ?」

「いや、いないと思うけど……どうする?」

「拉致ればなんかに役立つか……?」

 

 ……今、拉致とか物騒な言葉が聞こえた気がする。

 気づけば立ち止まってこちらを見る人が増えてきた。……こうなったらっ……!

 

「あっ、逃げたよ!」

「追いかけるぞ!」

 

 先ほど通ってきた裏路地に向かって走る。全速力で。自身の感覚からは、あいつらに追いつかれたら碌な目に合う気がしないという確信があった。

 脳からアドレナリンが出ているおかげか、俺の身体はいつにもないような速度で走っている感覚を覚えた。足が軽い、踏み込みも強い、風を切って走る感覚。

 

 まるで、身体が作り替えられたような気分だった。

 

 

 

 そしていつしか、俺を追う人は姿も影も見えなくなる。

 人目に見つからないよう、薄暗い路地裏の通路で座り込む。

 

「はぁ……っ! はぁ……! は、ははっ……! 一体どうなってんだよ……!」

 

 意味が分からない。あの見たこともない都市の光景、俺を追いかける女の子たち、そして銃。もしかして、俺は本当に異世界に来てしまったのか……?

 

「おい、勘弁してくれよ……」

 

 事前に言ってくれたら心の準備ができた。死んでから産まれ直したなら理解する余裕があった。でも、いきなりはきついって……!

 

「とりあえず、ここで休憩を……」

 

 そのとき、足音が聞こえた。俺が座り込んでいる路地裏の奥からだ。驚いてその方向を見ると、いかにも不良な格好をした女の子たちが暗闇から顔を出す。

 

「おいおい、ここが誰のシマなのかわかってんのかぁ?」

「そうそう、居座られると困るんだよねぇ~」

 

 ゾロゾロ、と集団でやってくる。全員が女子だが、銃を手に握っていた。

 血の気が引いた。銃というのは人をいとも簡単に殺せる道具だ。そんなのを持っている相手に逆らえるわけがない。なんとか言い訳を探すべく、脳をフルで回す。

 

「あ、い、いやっ! ここが誰の場所だとかは知らなくて……!」

「知らないは言い訳にはならないんだよ!」

 

 言い訳をする一言目も、相手は聞く耳を持ってくれない。じゃあどうすればいいんだよ……!

 

「ん~? ボスぅ、この人男だよぉ~?」

「はっ! 男も女も関係ないよ。適当に痛めつけときな!」

「りょうか~い」

 

 銃を突きつけられる。カラフルに彩られた銃と裏腹に、冷たい金属の感触を額に感じた。

 

 そして、引き金が引かれる─────

 

 

 

 

 ***

 

 

 

 

 俺が転移してから数年が経った。

 今、この『キヴォトス』という学園都市で、俺は生きている。

 

 あの後、何があったのか……。

 実は普通に撃たれた。でも、俺はまだ生きている。

 

 これは後から知ったことなのだが、実はここに住んでいる人たち……銃があんまり効かないらしい。銃を撃たれても痛いぐらいで済むのだとか。

 俺もその影響が出たのか、銃弾を撃ち込まれても全然痛くなかった。むしろ、いつ撃たれるのかビビッてそのまま目を瞑り続けてたぐらいだ。

 

 それからは余裕だった。

 急所とかに撃ち込まれるのを防ぎつつ、他の弾は全部受けながら銃を奪い、そのまま乱射し続けた。弾が無くなったら他の奴から奪って、また撃って……の繰り返し。

 気づいたら死体……もとい、気絶体の山が出来上がった。

 みんなが起きるまで待ってたら、起き始めた途端……「ボス!」って呼ばれるようになったのでそのままボスになった。

 

 そして、部下の子たちにこの世界の常識や知識を教えてもらい、この世界で生きてきたわけだ。

 

 この世界───学園都市『キヴォトス』

 多数の学園があるらしいが、生徒は女子しかおらず、男子生徒はいないらしい。また、ロボットや獣姿の住民も住んでいる。

 今のところ、俺の見た中では大人も含めて人間の男は確認していない。

 つまり貞操逆転世界のようなものか? と思って部下に聞いてみると、そこら辺の常識は普通らしい。どういうことだ……

 

 他にも謎が色々と多い。このキヴォトスの外があるらしいことや、なんか妙に進んだ技術など……細かいことも気になるが、そこはいいやと思ってあまり聞かなかった。

 

 そんなことより重要なのは、ここが超銃器社会だという事だ。

 ここでは『銃を持っていない生徒は裸で歩いている生徒よりも少ない』というほど銃を携帯するのが当たり前らしく、そこらのコンビニにも売っているらしい。

 最初に見かけた女の子たちが全員銃を持っていたことも、これが関係あるのだと知った。

 

 冗談だろ……と思ってそこら辺のコンビニに入ってみると、本当に売っていた。しかもなんか可愛らしい飾りがついてる手榴弾とかも売っててドン引きした。

 もうこの時点でこの世界の常識について深く考えることはなくなった。うん、何も考えないことは健康にもいい。

 

 しかし、銃と聞いて心躍らない男子はいないだろう。早速、銃を購入。試し打ちをしてみたところ…

 うん、全然当たらん!そりゃそうだ。だって使ったことないし、あとセンスも多分ない。でも銃を諦めきれなかった俺は、銃を使い続けた。しかし上手くならない。

 

 銃の整備とかが駄目なのか? と思って、部下の子に銃のメンテとかをどうしているのか見せてもらい、更に自分でも本とかを漁っていろいろ勉強した結果……

 

「ボス! これめっちゃ使い心地いいっす! ありがとうございまっす!」

 

 太鼓判を頂いた。部下の子たちの銃のメンテをしてみると、驚くほど好評だったのだ。まあ結局自分の技術の問題だったらしく、銃は全く当たらなかった。クソが!

 そこから俺は銃の扱いではなく、調子に乗って銃の製作まで手を出すようになった。部下の子たちの銃を制作して、使い心地なども試してもらった。なんか銃だけじゃなくて自分自身の調子もいいとか言ってる子もいたけど、さすがに大袈裟だろう。

 

 そのまま調子に乗り続けて銃の専門店をオープンすることにした。そしたらなんか繁盛した。

 レビューだと、「このお店の銃がないと生きていけません!」、「ここの銃を使ってない奴は危機感持った方が良い」、「飯うまい」とかなんかよくわからんことが書いてあるが、まあ好評ならいいだろう。

 

 そんなこんなで、今俺は店のオーナーとしてこの世界で生きている。

 まあ、あと特記する点があるとすれば……

 

「んぅ……ボス、あんまりお尻触らないでくださいよぉ……」

 

 まあ、部下の子たちに少しセクハラするぐらいだから。

 そりゃ、俺も健全な男子高校生ですから。こんな美少女だらけの世界で性欲が我慢できるわけないじゃないですか。

 

 

 

 ***

 

 

 

 ある日、キヴォトスでは運命の分岐点が訪れる。

 連邦生徒会長が推薦したという人物────『先生』の赴任である。

 そして、そこでは『先生』の初仕事が行われていた。

 

 シャーレの部室近く──D.U.外郭地区

 

 ヒュオオオオ────ー!!

 ドカアアァァァァン!

 

 銃を乱射する音や戦車の砲弾が着弾し、爆発音が響き渡る。そこはまさに乱戦状態だった。

 

「もーっ! 数が多すぎるんだけどっ!」

 

 叫び声をあげるのは早瀬ユウカ。多数の銃弾を浴びながらも、私の指揮下で他の生徒たち──火宮チナツ、守月スズミ、羽川ハスミと共に戦っていた。

 

「落ち着いて! 少しずつ戦えば活路が見いだせるよ!」

 

 少し声を張り上げて戦場に声を通す。ユウカたちの活躍のおかげで少しずつ敵の数は減ってきているが、相手のかなりの手勢で攻めてくる。

 こうなったら少し無理にでもシャーレの部室に急ぐしかない。そう思っていた時だった。

 

 自然に、誰かが戦場を横切った。顔はパーカーのフードを被っており、よく見えない。

 銃弾や砲弾があの子のもとへ降り注ぐ。

 

「危ない!」

 

 そう叫んだ時にはもう遅く、人の姿は砲弾の爆風による砂煙に掻き消されてしまった。

 しかし、砂煙が晴れたときに私は目を見張った。

 

「男の子……?」

 

 爆風によってだろうか、フードが脱げている。黒く短い髪、少し見える横顔はまさしく男の子だった。

 彼は自分に砲弾が命中したことなんて感じさせないほどに横切ろうとするが、巡航戦車が急発進して彼の前に躍り出た。

 

「おいおい、ここに出てきてタダで帰ろうとすんじゃないよ! ……っておい!」

 

 巡航戦車が彼の前に立ちはだかる。しかし彼は止まらない。そのまま戦車の前まで行き、足を振りかぶると……

 

「邪魔」

 

 そのまま戦車へ横から蹴りを入れる。あまりにも軽い──サッカーボールを蹴るかのような勢いで。10トンを超える戦車から、ガシャァァァン! という凄い音が出ると同時に、横転した。

 

「け、蹴り一発で戦車を……」

「彼は……」

 

 ユウカが顔を引き攣らせながら、チナツが考えるような動作を見せながら呟く。

 私もその光景に驚いていると、彼はさっさと立ち去ってしまった。それと同時に、敵も攻撃を開始する。

 

 とりあえずここを何とかしなくちゃ……!

 

 彼──『天川シン』と再び会うのは、私がシャーレの部室を取り戻し、正式にシャーレの顧問となってからとなる。

 




とりあえず次にR指定のシーン書いてから書くか決めようかな…あ、一応原作キャラでね
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