世界一狭いダンジョン 〜で、最悪高慢エルフたちへの復讐が始まった件〜 作:菜種K
三人のエルフ……今や三匹の淫魔……が、僕に飛びかかってきた。
「待て! 待って! 落ち着いて!」
制止する声も虚しく、僕はその場に押さえつけられた。
服を失くして、キンジェラのマントを身にまとうだけだった僕は、あっという間に全裸にされた。
チチェーラが足を押さえ、アハーレが一物にむしゃぶりつく。
キンジェラは腹にまたがると、アーマーも
「はあ! はあ! お前が! お前が! お前が悪い!」
普通なら喜んでいいような状況だが、今の彼女たちはどこか殺気だっていた。
危険を感じた僕は必死に逃れようと身をよじらせ、少し動いたところで見えない壁に突き当たった。
見るとチチェーラが呪文を詠唱している。
結界のようなところに僕と自分たちを閉じ込めたらしい。
見えない密室だ。
「ほら! ほら! もっと吸え! さっきみたいに私を辱めろ!」
キンジェラが僕の口に乳首をねじ込んできた。
下では、アハーレの舌が亀頭の入り口を広げてあふれ出した先走りをなめ尽くそうとしている。
そして、チチェーラの指が僕の全身を愛撫し始めた。
その刺激に、僕はさっき覚えた内側からの衝動を感じ始めていた。
「だ! ダメだ! 危ない! また! 変身しそうだ! ぜ! ゼルグルに! なる!」
キンジェラは一度僕の頭をはなすと、妖しい微笑みを見せた。
「なれ! ゼルグルになれ! あの触手で私たちを悦ばせろ!」
「ダメだよ! 危ない! 君たちを! 殺しちゃうかも! 危なすぎる!」
「危ないことが嫌いで、冒険者になどなるものか!」
そう言ってキンジェラは僕に激しく口付けし、舌をねじ込んできた。
それが限界だった。
「ぐっ! ぐあぁああぁあ!」
僕の背中と腰に熱と激痛が走り、太い触手の群れが飛び出した。
エルフたちは喜びの笑い声をあげ、奪い合うようにそれを掴み抱きしめた。
僕はなんとか自分を見失わないようにするのに必死だった。
ここで意識を失ったら、本当に彼女たちを殺してしまうかもしれないのだ。
その一方で、僕の感覚は凶暴な欲望に支配されていた。
触手の一本一本が、僕のそれ自身であることがわかる。
僕は無数の男根を持つ化け物になっていた。
エルフたちは、のたうつそれらに絡まれながら笑っていた。
口を持った亀頭形の先端から、先走りがあふれる。
そして、エルフたちが望む通りにその秘所を目指して猛り狂った。
「あぁん! あん! ぁあっ! むぐっ! うぐぅ! うぅうぅんっ!」
触手のベッドに埋もれたアハーレは、大きく広げた足の奥で亀頭に貫かれながら、別のものをしゃぶっていた。
もう、人間よりも大きなサイズも難なく咥え込み、自分で激しく腰を振っている。
チチェーラは四つん這いになり、二本の触手に二つの秘所を後ろから陵辱されていた。
もはや、
「いやっ! いやぁああぁ! やめてぇえぇえぇぇ!」
拒絶の叫びからは、裏腹な悦びがほと走っている。
本当に犯されるのが好きな女なのだ。
そしてキンジェラは、僕の本当の僕自身の上にまたがり、体中に触手を絡ませてその先走りを浴びながら、ベリーダンサーのように腰を振り続けた。
「はっ! はっ! はあっ! 逃がさない! 逃がさないから! 逃げたいなら殺せ! 私たちを! 殺せーっ!」
狭い結界の中で、背徳の宴が続く。
僕は全ての触手に高まりを覚えて、最後の瞬間を迎えようとしていた。
その時──
あたりの情景が変わった。
さっき、キンジェラの中で見たのと同じ現象。
だが、今度は宇宙ではなかった。
黒々とした暗雲が空を覆い尽くし、地上には溶岩の河が幾本ものたうっている。
その中に聳え立つ巨大な岩山の上に、僕たちはいた。
一つに繋がったまま、情欲に溺れる淫らな生き物として。
乳房が揺れ、腰が振られ、触手の律動がますます激しくなる。
抑えようのない高まりと共に、岩山がズズズズと唸り出した。
三人の淫魔と僕は絶頂に上り詰め、獣のような叫び声と共に果てた。
全ての触手の亀頭から、白く熱い奔流が吹き出した。
それと同時に岩山のあちこちから溶岩が噴き出し、火山弾が天高く飛び散る。
それは恐らく、どんな人間もエルフ=プレも経験したことのない至高のエクスタシーだったに違いない。
僕たちのいた岩山がガラガラと崩れだす。
それはよく見ると岩ではなく、
呪いの言葉を叫んでいるように口を開けた頭蓋骨の山。
それは、これから僕が……魔将鬼ゼルグルが屠る魔物や人間たちのものかもしれない。
そして僕は見た。
遥か遠くの岩山の向こう。
雷が閃く暗雲の下に、整然と建ち並ぶ巨大な建造物を。
それは高層ビルだった。
六本木、渋谷、新宿。
ちょうど、東京湾の方から眺めた景色そのままに。
この空間は、僕の世界と繋がっているのか?
あそこへ飛んで行けば、僕は帰れるのだろうか。
僕は帰りたいのか?
だが、なぜか僕の心からその思いは消えていた。
黒い噴煙と絶頂感の残滓の中で、僕はいつしか眠りに落ちていった。
未来は一寸先も見えない闇の中。
そして──
目覚めるとダンジョンの出口には朝が来ていた。
木々の間から陽光が差し込み、小鳥の鳴き声が降ってくる。
三人のエルフと僕は、身を寄せ合い全裸で草むらに寝転んだままだった。
これからどうなるのだろうか?
必死に自分を抑えながら彼女たちに犯された(犯した?)お陰で、僕はゼルグルに
彼女たちとの関係は、いいのか悪いのかダンジョンに入る前とは決定的に変わった。
十年か……。
「ん……」
僕の胸に顔を埋めていたキンジェラが目を覚ました。
一瞬、笑顔で「おはよう」と言ってくれないかと期待したが、彼女は何の感情もこもっていない目でじっと僕を見つめ、やがて呟いた。
「ニン……お前、本当の名前は何だ?」
「え……? 何を今さら……ゲンだよ」
「ゲン……?」
嘘ではなかった。
源と書いて「ゲン」。
それが前世での僕の名前だ。
いや、訓練所でもそれで通していた。
キンジェラたちが全く気にしていなかっただけだ。
だが、もはやどうでもいい。
何と呼ばれようが、僕たちは当分、一蓮托生の運命共同体にならざるを得ないのだ。
死が互いを分つまで──
「ニン……ゲン……か……」
エルフの女戦士はそう言って、小さく笑った。
最悪のダジャレだ。
完
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