女神様に【真の】願いを叶えてもらいました。やったね!(ヤケクソ) 作:かりん2022
【真の】願い
魔王を倒したぞおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!
『よくぞ魔王を倒しました……。約束通り、貴方の願いを叶えましょう』
「お家帰りたいです! 攫われた時間に若返った状態で戻してください!! それか元の世界の日本に転生させてください!」
もうそれだけでいいわ! 勇者業すごく大変だったけど、ナーロッパはもう無理!
私は文明の豚になりたいんだ!
『無欲な子……。ですが私も女神。貴方の真の望みはわかっています』
「えっ」
『貴方の望みは現代で五条悟ばりのイケメン退魔師とのイチャラブ男性妊娠ですね?』
「えっ」
あまりの言葉に頭が真っ白になる。
『貴方には日本に酷似した世界でイケメン退魔師との出会いを用意しておきました。イチャラブは無理かもしれませんが、子供は作らせてあげましょう』
「どうしよう、不安と戸惑いと正直期待に揺れる私がいる」
えっ 女神様何言ってるの?
まるで泉の女神に金の斧と銀の斧を見せられたかのように、違うんだけどそれはそれとして欲しくないかって言われると欲しい。いやでもこれ悪魔の契約じゃない? 女神様がそんなことしていいの? 大丈夫? 何も大丈夫ではないですね。戸惑いと現実感のない突拍子のなさに混乱する。
『それでは良い来世を。女神の祝福を受け取りなさい』
「待って♡ 今ですかああああああ!?」
そして私は転生した。
魔王討伐祝賀会と最後の別れくらいさせろおおおおお!!!
お前そんな趣味持ってたんか……という仲間のドン引き顔が私が最後に見たものだった。
『はいコーティング。これでミッション達成ですねーいやー大変でした』
そんな声がして、目を覚ました。
目の焦点が合う。
超絶美貌の人外。裸。繋がってる。
そう、私は今まさに五条悟ばりのイケメンとエッチしていた。
「!!????」
「ん? どうしたんだ、瑠璃?」
「誰!??? ここどこ!???」
『相手は空織 蜜。貴方の趣味をリサーチして数多の並行世界から見つけ出した理想のイケメンです。たった今受精しました』
「女神様だからって許されることと許されないことがあるでしょ、違う???? ライン超えてんでしょ、これ」
「えーと、一応、これは君からお願いされたことだけど」
「えっと、落ち着いて聞いてください。たった今女神様のオート操作が切れたんです」
「オート操作? どういう事?」
「つまりこれは私の意思じゃなかったっていうか、抜いてくださいっていうか」
「ん、もっかい イってからね」
「や、あの、私、あっ それは困るっていうか、ああっ」
それから、エッチを終えた私はコーヒーをいただいた。
まっすぐ顔を見れないのでコーヒーカップを見る。
相手ウルトライケメンすぎる。
「じゃあ、君は、勇者で? どーじんしっていうエッチでニッチな趣味を持ってて? 魔王を倒したら願いを叶えてやるって言われて、いろんな世界で一番君好みのイケメンの僕が相手に選ばれて、今と」
「そうです。なので貴方様とは初対面と言いますか、今まで女神様のオート操作と思われるっていうか、なのでその、貴方とは結婚できません!」
私は土下座した。
「僕、お前を抱けば妖魔の九尾を倒してやるって言われたんだけど」
「あ、それはやります」
「は?」
「勇者なので、戦いだけなら自信あるので……貴方様も被害者ですし……ただ、流石に準備期間は欲しいです」
「1週間後なんだけど」
「じゃあ、調整しますね。情報と訓練対象を頂けたら嬉しいです。あ、妖魔って特殊な方法じゃないと殺せないとかあります?」
「霊力でないと倒せない」
「それは呪術廻戦と一緒か……。あ、好きな本の設定です。私、その作品の二次創作をよく読んでて、女神様、そこからよく似た並行世界を探したようですね。とにかくまず霊力の感覚掴まないと」
「そんな様子でできるわけ?」
「協力してください。後悔はさせません」
私は右手を差し出した。
イケメンはその手を握り返してくれたのだった。
私はシャワーを浴びながら思った。
あ“ーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!
女神様ーーーーーーーー!!!!!
何これ!? 何これ!? 何これ!??? あまりにも酷くない!??
『勇者よ、何を嘆くのです、貴方の望み通りですよ』
「妄想を叶えるのは夢を叶えるのとは違うんだわ」
うおおおお記憶よ、甦れえぇぇぇ!!!!
ダメだ全然思い出せない! るりってどう書くんだよぉぉぉぉ!!!
記憶喪失で自分の名前すら書けないアホが爆誕ですが!?
しかも!!! 霊力とか全く知らない状態で!!!!!
お腹に受精卵がいる状態で倒せと!!!!!!
嘘だろ!? 嘘だろ!?? 嘘だろ!????
『ああ、大丈夫です。受精卵は私が保護しましょう……。!? 何を泣いているのです!?』
うおおおおおおん! うおおおおおん!
私は至高なる存在の女神様を罵倒する事もできず悲嘆にくれた。
とにかく記憶を思い出しつつ戦いの勘を取り戻すしかない。
後、いろんな記憶を引き出さないと、とりあえずクレカの暗証番号は幾つだ。
残念だが、記憶が復活する前の人間関係は全て棄却である。
私は根っからの隠キャゲーオタだぞ、趣味一つない訓練漬けの氷のエリートとして作った人間関係など維持できるはずがない。
そもそも親すら思い出せん……まじでどうすんだ。
お風呂から上がって、スマホを見る。良かった字は読める。日本語だし言葉通じたしね。
そして、そんなどうしようもない状態でも。
男性妊娠なんてこの世界初(検索した。前例なし!)だと知ってても。
絶対苦労するってわかってても。
あのスペシャルイケメンの受精卵を破棄するなんて絶対無理。
だってあんなイケメンとラブれる可能性なんて皆無じゃん!? 勿体無いじゃん!?
ああっ 自分が卑しい!! 卑しか女ばい!
とにかく雲隠れ準備もしなくてはならない。
この世界の知識何もないのに!?
うおおおおおおおん! うおおおおおおん!!!
『な、泣かないでください勇者よ……。ちゃんとスキルもマイエリアもアイテムボックスも持ち越しですよ? この世界の神にお願いして霊力も搭載済みですよ? 子孫に引き継げますよ? まあ、その代わり1週間後の妖魔退治は必須ですが』
ありがとうございます女神様ああああああああああ!!!
うおおおおおおん!! うおおおおん!!!
『わ、わかりました。ほら、お友達と一緒に来世での約束もできる転生チケット12枚綴なんてどうです?』
もらいます……。
そ、そんなに転生できるなら一回ぐらい失敗しても大丈夫の精神で頑張ろうかな……?
うん、頑張ろう。落ち着いてきた。
ありがとう女神様。
とにかくチートを整理して戦闘訓練して雲隠れの準備しないと。
くっそ忙しいな!?
とりあえずダンジョンで戦闘訓練しよう……。