ドラクエ4の世界に異世界転生したら進化の秘法で巨大金玉男にされたので憧れのマーニャ に連続種付けする 作:古のもの
エンドールの道具屋で、健太は静かに宝石を差し出した。
店主が目を見開き、何度も鑑定台の上で転がす。透き通った深紅の輝きは、店内の照明を受けて妖しく揺れていた。しばらくして店主が提示した金額は、1000万ゴールド。
「……こんな石、見たことがない。本当に売ってくれるのか?」
健太は頷いた。ソロと二人だけの秘密にする。マーニャさんにバレたら、カジノで溶かすか、余計な騒ぎになりそうだった。大きな布袋に詰まれた金貨を受け取り、二人は人目を避けて宿の一室で分けた。船を購入しても、しばらくは旅の資金に困ることはなさそうだ。
(これで……少なくとも、お金の心配はしなくて済む。だが、この石の出所を考えると、胸が痛む)
ルーラで再びコナンベリーへ戻ったのは、午後の陽が傾き始めた頃だった。
潮風が強く、船着場には相変わらず出航できない船が並んでいる。トルネコの制作途中の船体が、無造作に置かれたままになっているのが見えた。その隣に、一回り小さな商船が停泊している。木の質はしっかりしていて、帆も新しい。
健太はソロに声をかけた。
「ソロ君、これくらいの船でどうかな? 持ち主に譲ってもらえるか、交渉してみよう」
二人で持ち主を探し当てた。日焼けした船乗り風の男は、提示された金額を聞いて目を丸くした。
「500万ゴールド……? 本気か?」
二つ返事で話はまとまった。金貨が渡り、鍵と書類が健太の手に渡る。大きな買い物だったが、残った資金を考えればまだ余裕がある。
船は手に入った。
甲板に立って海を見渡すと、遠くに灯台の影が霞んで見える。あそこから放たれる邪悪な光が、船を沈めてきたのだ。船を手に入れても、灯台を何とかしない限り、海を渡ることはできない。
健太は手すりに手を置き、小さく息を吐いた。
(公式の流れでは、トルネコさんが灯台を片付けて船を動かすはずだった。なのに今は、俺たちが別の船を買い、これから灯台へ向かうことになる……。この世界は、確実にずれている)
ソロが隣に立ち、静かに言った。
「……行きましょう、ケンタさん。灯台を調べないと」
潮風が二人の髪を揺らす。コナンベリーの喧騒が遠くに聞こえ、夕陽が海を赤く染めていた。
船は手に入った。あとは、灯台を何とかするだけだ。
夕食を終えた宿の一室に、一行が集まっていた。
テーブルの上には空き皿と酒の杯が残り、窓の外からはコナンベリーの夜の喧騒が微かに聞こえる。潮風がカーテンを揺らし、ランプの灯りが全員の顔を柔らかく照らしていた。
健太は地図を広げ、静かに口を開いた。
「明日は大灯台を攻略します。公式の流れでは、途中にある『聖なる種火』を回収して、頂上の聖火台に灯すと、邪悪な炎が消えて灯台が元通りになります」
ソロが真剣な表情で頷く。ミネアは静かに水晶玉を撫で、マーニャは酒を傾けながら聞いていた。ホフマンは腕を組んで身を乗り出している。
「待ち構えるボスは、灯台タイガーと炎の戦士が二体。灯台タイガーはミネアさんのラリホーで眠らせて、マーニャさんのルカニで守備力を下げるのが得策です。炎の戦士は属性に注意して、集中して倒しましょう」
健太はさらに続けた。
「道中はコドラや人喰いサーベル、テベロに気をつけてください。あと……メタルスライムも出ます。経験値稼ぎに、できれば狩りたいところです」
説明を終えると、部屋に短い沈黙が落ちた。健太は地図から顔を上げ、全員の様子を見渡す。
(俺が公式の知識を教えることで、この旅は確実に楽になっている。だが、九条の存在や、ネネさん、アリーナ、ロザリーの件を考えると……この世界はもう、俺が知っているものとは違う。明日の灯台も、本当に公式通りに進むのか)
マーニャがくすぐったい声で破った。
「ケンちゃんの説明、わかりやすいわね♡ 任せておきなさいよ」
ミネアが静かに付け加える。
「ラリホー、確実に決めます」
ソロが深く息を吸い、決意を込めて言った。
「……行きましょう。灯台を片付ければ、船が使えるようになります」
ホフマンも元気よく拳を握った。
「おう! パトリシアも待ってるしな!」
夜が更け、それぞれが床に就いた。健太は窓の外の暗闇を見つめながら、静かに目を閉じる。
(……大灯台。公式ではここで船が動くようになるはずだ。だが、本当にそれだけで済むのか)
翌朝。
コナンベリーの港は、まだ薄い霧に包まれていた。一行は装備を整え、大灯台を目指して歩き出す。潮風が強く、砂混じりの道が靴に絡む。遠くに見える灯台は、昼間でも不穏な黒い影を落としていた。
健太は鎖鎌を握り直し、小さく息を吐いた。
(行くしかない。この世界がずれていようと、今は前に進むだけだ)
ソロが先頭に立ち、ミネアが続き、マーニャとホフマン、健太が並んで歩く。大灯台の攻略が、静かに始まろうとしていた。