ドラクエ4の世界に異世界転生したら進化の秘法で巨大金玉男にされたので憧れのマーニャ に連続種付けする 作:古のもの
宿の部屋で、健太はパーティに次の目標を伝えた。
「バルザックは、今、サントハイム城を占拠しています」
その瞬間、マーニャの表情が一変した。紫の瞳に闘志が宿り、拳を強く握る。
「……やっと、仇を討てる」
ミネアも静かに目を伏せ、しかしその奥で確かな炎が揺れているのがわかった。父を殺された恨みは、姉妹のどちらにとっても消えていない。
モンバーバラを出航した船は、サントハイム城の隣にある町・サランを目指して進んだ。
船内では、自然と会話が続いた。健太は改めて切り出した。
「バルザックについて、何でもいいから情報が欲しい。些細なことでも構いません」
マーニャとミネアは、記憶を辿るように話し始めた。年齢、出身、家族構成、趣味、好きな食べ物、嫌いな食べ物、性癖に至るまで、片っ端から聞き出す。ほとんどが直接役に立ちそうにない情報だったが、健太は一つも聞き逃さなかった。
その中で、マーニャがふと思い出したように言った。
「そういえば……バルザックのパンにハチミツをかけてあげようとしたら、凄い剣幕で『辞めて下さい!』って怒鳴られたわね。『嫌いなの?』って聞いたら、『嫌いとかではないです。ただ、少し舐めただけでも喉が痒くなって、腫れてしまうんです』って言ってたわー」
健太の手が、止まった。
(……それはアレルギーだ。この世界ではまだ、正しく認知されていないのだろう。だが、現代の知識があればわかる。ハチミツに対するアレルギー反応。これは、バルザックにとって決定的な弱点になる)
海風が帆を叩き、水平線の向こうに徐々に陸地が見え始めた。
やがて船はサランの港に到着した。小さな町だが、サントハイム城の影が遠くにちらつき、どこか緊張した空気が漂っている。
一行は船を降り、石畳の道を歩き始めた。
バルザックとの再戦が、静かに近づいていた。
サランの町は、サントハイム城の影に怯えるように静まり返っていた。
石畳の通りを歩く人々の表情は一様に暗く、魔物に占拠された隣の城の話で持ちきりだ。健太たちは情報を求めて、酒場や露店、通りすがりの町人に声をかけて回った。
「城からは夜な夜な魔物の声が聞こえる」 「逃げ出した召使いの話じゃ、城内はとんでもないことになってるらしい」
不安げな声が次々と返ってくる。仲間同士でも自然と会話が途切れ途切れになった。マーニャは拳を握りしめ、ミネアは静かに俯いている。ソロは町の空気を敏感に感じ取っている様子だった。
そんな中、道具屋の店主から興味深い話を聞いた。
「夜中に魔物が数体、倉庫からワインや食べ物を盗んでいくのを見たんですよ。普通、魔物は人間の食べ物を好まないはずなのに……珍しいことです」
健太はその言葉を胸に刻み、店を出た。
(よく推理する必要があるな。魔物が人間の食料を狙う理由……何かある)
次に防具屋へ入ると、店内には本来この町で売っているはずのない品が並んでいた。店主が愛想よく声をかける。
「最近、ゴッドサイドからの輸入品にとんでもない代物が混じっていてね。見てってよ」
健太は、元の世界で言う防弾アーマーのようなものを手に取った。硬質なプレートが内側に仕込まれ、表面は滑らかだ。
店主が説明を続ける。
「それは超高分子量ポリエチレンとセラミックプレートの鎧らしいよ。何の事かはわからないがな」
健太は内心で頷いた。
(どうやらゴッドサイドに、元軍事技術の開発者がいるのだろう。しかし、これはありがたい。おそらくはぐれメタル装備に匹敵する強度ではないのか?)
さらにヘルメットを手にすると、店主が付け加える。
「高密度シェル構造の兜だよ」
軽く叩いて感触を確かめる。確かに大した代物だ。健太はソロに向き直った。
「これは凄いものですよ。伝説の装備並みだと思います。買いましょう」
ソロが目を丸くする。
「そんなに凄いんですか? 健太さんがそういうなら……」
ボディーアーマーとヘルメットを2セット購入し、その場で装備してみた。合計10万ゴールド。悪い買い物ではなかった。ぴったりと体にフィットし、動きをほとんど妨げない。
マーニャが二人の姿を見て、健太の腕に絡みついた。
「二人ともカッコいい!♡」
ミネアは別の品を手に取り、顔を赤くしている。鮮やかなピンクのレオタードだった。
マーニャがすぐに気づいてからかう。
「あらー♡ ミネア〜、中々大胆なの選んだわねー♡ 買ってもらいましょうよ」
「べ、別にそんなんじゃないから……!」
ミネアが焦る中、店主がいやらしい顔で近づいてきた。
「ソレもただのピンクのレオタードではないんだ! 非ニュートン流体で出来ていて、普段はしなやかで体にフィットしているが、打撃などの強い衝撃を受けた瞬間に分子構造が結合してカチカチに硬化するものなんだ! どうだい! 嬢ちゃんに似合うと思うぜ」
ソロが即決した。
「購入しましょう! プレゼントです」
ミネアは俯きながらも、小さく「そ、そういう事でしたら……」と答えた。
試着室のカーテンがシャッと音を立てて開く。
「……ねえ、本当にこれで守備力が上がってるのかしら? どう見てもただの露出度の高い服にしか見えないんだけど……」
そこに立っていたのは、普段の慎ましい占い師の長羽織姿とは打って変わり、鮮やかなショッキングピンクのレオタードを身に纏ったミネアだった。
現代の特殊な「非ニュートン流体」の粘性ポリマーのみで織り上げられた生地は、まるで第二の皮膚のように吸い付くように彼女の体にフィットしている。身体のラインを隠すものが一切ないハイレグのカットラインが、普段は長スカートに隠れていたしなやかな脚の線を惜しげもなく露わにし、胸元から肩にかけての綺麗な鎖骨を強調していた。
「……なんか、すーすーして落ち着かないわよ。これじゃ姉さんの踊り子衣装と変わらないじゃない。本当にこんな柔らかい布きれで、剣の刃も通さないなんて信じられないんだけど……」
戸惑いながらも、ふとももにそっと手を触れるミネア。指先に触れるのは、信じられないほど滑らかで、トロリと柔らかい極上の伸縮性。
しかし、この液体と固体の狭間にある流体素材こそが最新の防具だった。普段はどこまでも柔軟で動きを一切妨げないが、敵の剣や爪、爆風といった「急激な外力(衝撃)」が加わったその数ミリ秒だけ、分子同士が強固に連結して鋼鉄以上の硬度へと変貌する。
露出度の高さに対する強烈な羞恥心と、触れた時の驚くほどの柔らかさ。しかしその裏に秘められた「絶対的な防御力」の不可思議さに頬を真っ赤に染めながら、ミネアは上目遣いでこちらの反応を伺っていた。
店主とソロが前のめりで見ている。
「素晴らしい!」
健太はマーニャの目が気になり、横目でチラチラと様子を窺った。マーニャは腕を組んで言った。
「いいじゃない、ミネア〜! いいなー、アタシも欲しい!」
健太は一瞬迷ったが、すぐに腰を抱き寄せて答えた。
「マーニャさんには、踊り子の服が一番似合います」
マーニャは納得したように笑った。
「仕方ないわね♡」
防具屋を出ると、サランの通りに夕陽が差し始めていた。新しい装備を身につけた一行の姿が、石畳に長く影を落としている。