ドラクエ4の世界に異世界転生したら進化の秘法で巨大金玉男にされたので憧れのマーニャ に連続種付けする 作:古のもの
アッテムトに到着した一行を出迎えたのは、悲惨な街の光景だった。
灰色の煙が低空を覆い、掘削の騒音が絶え間なく響く。家々は煤で汚れ、通りを歩く人々の表情は疲れ切っていて、どこか生気がない。鉱山の町らしい活気はなく、ただひたすらに掘り続けることだけが残されたような空気が漂っていた。
マーニャが小さく息を吐く。
「久しぶりね……。相変わらず、暗い町」
ミネアも静かに頷いた。姉妹にとって、思い出のある場所ではあるが、明るく懐かしむ様子はない。
一行は鉱山の入口へ向かった。暗い坑道が口を開け、湿った土と金属の匂いが鼻をつく。地下を目指して降りていく。
途中、何度も戦闘が発生した。
メタルスコーピオンが硬い甲羅を光らせて襲いかかり、デビルプラントが触手を伸ばして締め付けてくる。ひとつめピエロが不気味な笑みを浮かべて踊り、とら男が鋭い爪を振りかざす。ソロのギガデインが坑道を照らして敵を打ち据え、マーニャのメラゾーマが炎の渦を巻き起こす。ミネアのバギクロスが真空の刃を放ち、健太はピオリムとバイキルトで味方を強化しながら、コンパウンドボウで急所を狙った。最新装備と習得した強力な呪文が、坑道の魔物たちを確実に圧倒していく。
突き当たりまで来ると、工夫たちが必死に穴を掘り進めていた。つるはしの音が規則正しく響き、土埃が舞っている。
ミネアが心配そうに呟く。
「どうやったら、掘るのをやめてもらえるかしら。『地獄の帝王が眠っている』って言っても、信じてもらえるかどうか……」
健太はマーニャに近づき、耳元で短く囁いた。
「僕に考えがあります。マーニャさん、協力してください」
マーニャの紫の瞳が悪戯っぽく細められる。
「ニヤリ……オッケーよ」
彼女は皆に手で合図をした。
「皆、離れてなさい」
一歩前に出ると、低く呪文を唱える。
「ドラゴラム……!」
紫の光が渦を巻き、マーニャの姿が大きく膨れ上がる。鱗に覆われた巨大なドラゴンが、坑道の天井近くまで体を伸ばした。工夫たちがつるはしを持ったまま硬直する。
「ドラゴン!? 何でこんなところに——!!」
悲鳴と共に、工夫たちは我先にと逃げ出した。つるはしや灯を投げ捨て、来た道を転げ回るようにして去っていく。
作戦は成功した。
ドラゴンになったマーニャは、ゆっくりと体をくねらせながら来た道を戻り始める。途中、天井を胴体や尾で何度も叩き、土砂を崩落させていく。最後に出口付近の岩盤を大きく崩し、坑道を完全に封鎖した。
紫の光が収まり、マーニャが元の姿に戻る。息を整えながら言った。
「コレで大丈夫でしょう」
坑道の入口は土砂に埋もれ、もう誰も中へ進めない状態になっていた。
健太は皆に提案した。
「せっかくなので、コーミズ村に寄っていきましょう。マーニャさんとミネアさんの故郷も見ておきたいですし」
マーニャが肩をすくめる。
「なーんもない、退屈な村よ〜♡」
ミネアが優しくたしなめた。
「いいじゃない、姉さん。たまには」
一行はアッテムトの灰色の煙を背に、コーミズ村へと向かった。
コーミズ村に到着した一行を出迎えたのは、穏やかで牧歌的な風景だった。
低い丘に囲まれた小さな村。畑が広がり、風に揺れる草の匂いが鼻をくすぐる。家畜の鳴き声と、遠くで子供が走る声が聞こえる。鉱山の町アッテムトとは対照的な、静かな空気が流れていた。
マーニャとミネアの姿を認めると、一匹の犬が勢いよく駆け寄ってきた。尻尾を激しく振り、姉妹の足元にすり寄る。
「ペスタ……! 元気にしてたのね」
マーニャがしゃがみ込んで頭を撫でると、ペスタは嬉しそうに鳴いた。ミネアも優しく背をさすっている。
しばらく村を散策した。石畳というより土の道を歩き、昔ながらの家々を眺める。道具屋に立ち寄ると、主人の中年男性が二人を見て目を丸くした。
「おお、マーニャにミネアじゃないか! 久しぶりだな。元気そうで何よりだ」
懐かしげに話しながらも、二人の装いを上下に眺めて苦笑する。
「しっかし、二人ともエロい格好してんなー」
マーニャは悪戯っぽく腰に手を当てた。
「オジサンこそ相変わらずね」
ミネアは顔を赤くして、少し身を縮めた。
実家にも足を運んだ。地下へ降りると、薄暗い空間に一匹のスライムがいた。青い体をプルプルと震わせ、人懐っこい声で話しかけてくる。
「ぼくは悪いスライムじゃないよ。西の洞窟の隠し部屋について、教えてあげるね」
公式では貴重な手がかりになるはずの情報だったが、今の一行にはもう必要ない。健太は軽く頭を下げて無視し、そのまま地上へ戻った。
村の外れにあるエドガンの墓に参り、花を供える。マーニャとミネアは静かに手を合わせ、しばらくその場を動かなかった。風だけが、穏やかに墓標を撫でていく。
夜になり、一行は村の小さな宿に泊まった。
健太は窓の外の闇を見つめながら、次の一手を練っていた。
(キングレオもバルザックも倒した。エスタークへの道も封鎖した。……この世界を、どう着地させるか。本当の敵は、まだ先にいる)
ランプの灯りが、部屋の壁に小さな影を落としている。
翌日、健太とソロはマーニャとミネアを村に残し、二人だけで行動した。
「ルーラ」
緑の光と共に、エンドールとボンモールを結ぶトンネルの入口前に降り立つ。ソロが不思議そうな顔で周囲を見渡した。
「ここに、何かあるんですか?」
健太はトンネルの暗がりを見つめながら答えた。
「まぁ、最終決戦の下見ってやつだよ」
二人は坑道の中へ進む。壁から地下水が滲み出し、足元の地面は常に湿っていて、時折水たまりが光を反射していた。空気は冷たく、湿った土と石の匂いが強い。
健太は地面の状態を確認するように歩き、小さく呟いた。
「……コレなら、いけるな」
それ以上の説明はせず、振り返る。
「戻りましょう」
再びルーラでコーミズ村へ戻ると、村の草地でマーニャが一頭の牛を撫でていた。穏やかな表情で、角の近くを優しく撫でている。
「ちょっと、二人とも何処行ってたのよー♡ 探したわよ〜」
健太が頭を下げて答える。
「すいません、ちょっと下見です。……可愛い牛ですね」
マーニャがくすぐったい声で笑った。
「この子はカルビン号っていってね。いつか絶対食べてやるって決めてたのよ。今日がいいかしらね〜」
本気とも冗談ともつかない口調に、健太は苦笑いを浮かべるしかなかった。
(マーニャさんなら、本当に言いそうだな……)
その日の夜。
健太は宿のベッドに横になり、最終決戦へ向けた策を練っていた。
キーになるのは、ロザリーだ。
公式では、欲の深い人間にルビーの涙を狙われて殺されることになっていた。その死をきっかけに、ピサロは進化の秘法を使い、強力なデスピサロへと変貌する。だが、この世界ではロザリーは生きている。九条の性奴隷として、エンドールのゴールド銀行に囚われている。
(ピサロは今頃、血まなこになって彼女を捜索しているはずだ。ロザリーの死をきっかけに進化するはずが、生きている。それを逆手に取れば……ピサロに進化の秘法を使うきっかけを与えず、かつ、おびき寄せることができるかもしれない)
策略の断片が、闇の中で静かに繋がっていく。
健太は目を閉じ、徐々に眠りへと落ちていった。
コーミズ村の夜は、穏やかに更けていく。