ドラクエ4の世界に異世界転生したら進化の秘法で巨大金玉男にされたので憧れのマーニャ に連続種付けする 作:古のもの
翌日、健太は皆を集めて切り出した。
「ロザリーヒルに行く必要があります」
理由を深くは語らず、ただ必要だと伝える。皆は疑問を顔に出しつつも、これまでの実績から異論は唱えなかった。すぐに出航の準備を整え、船はロザリーヒルを目指して海を進んだ。
船内では、いつものように会話が弾む。
マーニャが手すりに寄りかかりながら、色っぽい声で言った。
「今度は何を企んでるの、ケンちゃん? また変な作戦でしょ♡」
「まぁ、最終決戦に向けた……下準備です」
ソロが真剣な顔で舵を握り、ミネアは静かに海を見つめている。時折、遠方に魔物の影が見えるが、今回は戦闘を避けて進んだ。水平線の向こうに、徐々に緑の丘と塔の影が浮かび上がってくる。
ロザリーヒルに到着した。
穏やかな海に面した小さな集落だ。不思議なことに、魔物たちが人間と共存している。スライムが道を転がり、キメラが空を飛んでいても、誰も慌てる様子がない。村人たちは普通に生活し、魔物たちも敵意を見せずに過ごしている。不思議な平和がそこにはあった。
村を散策していると、一匹のホイミスライムが近くをぷかぷかと浮いていた。健太が声をかける。
「ピサロナイトって、まだここにいる?」
ホイミスライムは体を揺らしながら答えた。
「うん、いるよ。ロザリーが行方不明になって、ピサロ様にすんごい怒られて塔に引き篭もってるよ。夜になると、塔から出てきて海を眺めているんだ」
「情報ありがとう」
夜になるのを宿で待ち、健太は一人、ピサロナイトが海を眺めるという場所へ向かった。
岸壁に近い岩場。緑色の甲冑を身に纏った魔物——ピサロナイトが、静かに海を見つめていた。健太はおそるおそる声をかける。
「あのー……ピサロナイトさんですよね」
ピサロナイトがゆっくりとこちらを向く。
「何だ、人間」
「実は、行方不明になっているロザリーさんの事なんですが——」
言葉が終わる前に、ピサロナイトが猛然と掴みかかってきた。甲冑の手が健太の襟を掴む。
「貴様! 何か知っているのか!?」
健太は両手を上げて、敵意がないことを示した。
「まぁ、少し落ち着いて……」
ピサロナイトはしばらく睨みつけた後、徐々に力を緩めた。
「……わかった。聞かせろ」
健太は静かに語り始めた。
「ロザリーさんは今、ある男に性奴隷にされています。私も可哀想だと思い助けたかったのですが、なかなか腕の立つ護衛もいまして……諦めました。ピサロナイトさんでも、かなり厳しいと思いますよ」
ピサロナイトの体が怒りで震える。健太は続けた。
「魔族の王ピサロさんの恋人ですよ、と伝えたところ、こうも言っていました。『ピサロだか何だか知らんが、ロザリーを助けたければ100万ゴールドを用意して、エンドールとブランカを結ぶトンネルに来い。ピサロ本人が直接来い』との事でした。取引は明日の午後、という事でした」
「ピサロさんに、早く伝えた方がいいですよ」
ピサロナイトは怒りに身を震わせながらも、低く答えた。
「わかった! ……オマエ、何故、魔族側の肩を持つんだ?」
健太は穏やかに答える。
「ロザリーさんには以前、とても親切にしてもらいました。ピサロさんの事も、話しておられました」
ピサロナイトはしばらく黙った後、力強く言った。
「感謝する、人間よ!」
緑色の光が彼を包み、ルーラで飛び去っていった。
健太は一人、岸壁に残され、小さく拳を握った。
(よし……上手くいったぞ)
海風が顔を撫でる。明後日の午後、エンドールとブランカを結ぶトンネル。そこで、すべてが動く。
健太は宿に戻り、静かに休むことにした。
翌日、健太は仲間を集めて説明を始めた。
「今からは時間が勝負です。まず、エンドールに行って九条という男とロザリーという女性を連れて、ブランカとエンドールを結ぶトンネルの中央に連れていきます。そこに魔族の王と配下たちが現れるはずなので、待ちます。そこで最終決戦です」
マーニャが腕を組んでくすぐったい声を出した。
「随分、周りくどいけど……きっとサプライズがあるのよね?」
健太はニヤリと笑い、短く答えた。
「秘策があります」
ソロが力強く頷く。
「信じます!」
すぐにルーラでエンドールへ飛んだ。城下町の片隅に降り立った健太は、皆に指示を出す。
「ロザリーのところへは私、一人でいきます。皆さんは木箱を、どこからでもいいので集めておいて下さい。人数分欲しいです。人が乗れるサイズのものです」
ミネアが首を傾げる。
「木箱? 何に使うのかしら?」
マーニャが肩をすくめて言った。
「大丈夫よ。ケンちゃんを信じましょう」
健太は一人、ゴールド銀行へ向かった。二階のドアをノックする。
「以前伺った、ケンタです」
ドアが開くと、裸の九条が出てきた。後ろの部屋からは、複数の女性の気配がする。
「お! ケンさん久しぶり〜。また遊びにきたのかい? 女の子、たくさん揃えといたぜー」
健太は単刀直入に切り出した。
「ロザリーさんはいますか?」
九条がニヤついた。
「何だ、ロザリーちゃんがお気に入りかい? もちろんいるよ! イカせまくって、そこで泡吹いて倒れてるけどな」
健太は内心で強く吐き捨てた。
(どこまでゲスなんだ、この男は……!)
表面上は平静を保ち、静かに伝えた。
「ロザリーさんの恋人、魔族の王ピサロが、ロザリーさんを取り返すためにこちらへ向かっています。僕に考えがあるので、ロザリーさんを連れてついてきて下さい」
九条の顔が一瞬で青ざめた。
「ま、マジかよ! これ、かなりヤバい状況!?」
「急いで!」
一喝すると、九条は慌てて支度を始め、虚ろな目をしたロザリーを連れてきた。薄い布一枚を纏っただけの姿で、意識は遠いままだ。
銀行を出ると、マーニャ、ミネア、ソロが木箱を抱えて待っていた。人数分の、人が乗れる大きさの箱だ。
健太は低く命じた。
「行きましょう」
一行はエンドールとブランカを結ぶトンネルへと向かった。
石畳の道を急ぎ足で進む背中に、夕陽が長く影を落としている。