ドラクエ4の世界に異世界転生したら進化の秘法で巨大金玉男にされたので憧れのマーニャ に連続種付けする 作:古のもの
トンネルの中央に到着した一行は、健太の指示で壁沿いに木箱を並べた。
健太はいくつか準備を整え、各所に手榴弾とワイヤーを繋いだブービートラップを施していく。ソロが不安そうに尋ねた。
「コレが、サプライズですか?」
健太は首を横に振った。
「いや、コレは下準備さ。コレで倒せるほど、甘い相手ではないからね」
皆に木箱の上へ乗るよう指示し、しばらく待機する。
やがて、遠くから軍勢の足音が近づいてきた。先頭を歩くのは、威圧感のある魔族の王——ピサロ。傍らにはピサロナイトの姿もある。
マーニャが呟く。
「あら、結構イケメンじゃない」
ピサロが虚ろな目のロザリーを見つけた瞬間、物凄い形相でこちらへ駆け寄ってきた。
そのとき、軍勢の一体が仕掛けに触れた。
爆発音がトンネル内に轟き、血や体液が飛び散ってピサロとその軍勢を濡らす。続いてあちこちで同様の音が連鎖し、さらに血と体液が広範囲に飛び散った。床も壁も、敵の体も、びしょ濡れになっていく。
「こしゃくな真似を……!」
ピサロが怒りに声を震わせる。
健太は低く叫んだ。
「いいぞ! 狙い通り、奴らはびしょ濡れだ! ソロ君! ギガデインを!」
ソロは驚いたように目を見開いたが、すぐに構える。
「え? あ、はい……!」
半信半疑でギガデインを放つと、たちまち地面に稲妻が走った。びしょ濡れの軍勢に電流が流れ、次々と感電して崩れ落ちていく。
「もういっちょー!」
健太の声に、ソロはさらにギガデインを重ねた。効果が絶大であることを実感した彼は、迷いなく連発する。焦げた匂いがトンネル内に充満し、魔物たちが次々と床に倒れていく。
魔力が尽きかけたソロに、健太は祈りの指輪を3個渡した。
「コレを!」
エンドール滞在時にカジノの景品で得たものだ。ソロはすぐに魔力を回復させ、再びギガデインを放ち続ける。
感電のショックで、ピサロ自身もまともに動くことができなくなっていた。やがて、彼も力なく床に膝をついた。浮遊している魔物や非物質系の魔物に効果はなかったが恐怖で逃げていった。
トンネル内に、焦げ臭さと静寂が広がっていく。
虫の息になったピサロが、震える手を伸ばした。
「……ロザリー……」
虚ろな表情のロザリーは、彼の方を見ようともせず、ただ九条の腕に縋りついている。意識はまだ遠く、ただ近くにいる温もりに反応しているだけだった。
健太は複雑な感情が胸をよぎるのを感じた。
(……可哀想だ、と思う部分がないわけじゃない。だが、そもそもコイツは勇者の村を襲撃して、皆殺しにしたクズだ。)
公式やリメイク版では、ピサロを悲劇の王子のように扱い、イケメン枠に押し込み、第6章まで作られて仲間にまでなる。後ろでエビルプリーストが操っていたから、ピサロは悪くない——そんな風潮を、健太は昔から好きではなかった。
彼は低く、しかしはっきりとソロに言った。
「ソロ君。シンシア、村の人達の仇だ。とどめを」
ソロはゆっくりと木箱を降り、ピサロの前に立った。剣を握る手が、わずかに震えている。それでも彼は剣を振り下ろし、ピサロの胴体に深く突き刺した。
断末魔の短い叫びと共に、ピサロの体から力が抜けた。周囲には、焦げた魔物の残骸が転がっているだけだった。
遂に目的を達成した。だが、誰も手を叩いて喜ぶ者はいなかった。各々が静かに胸の内の感情を飲み込み、トンネルを後にした。
九条だけが、ニヤニヤとマーニャの尻を舐めるような視線を向けていたので、健太は冷たく睨んでおいた。九条は小さく舌を出して視線を逸らした。
エンドールの宿に戻ると、これまでの旅を労い合う時間になった。
酒が入り、緊張の糸が切れたのか、ソロは酔いながら泣いていた。マーニャが隣に座り、優しく頭を撫でる。
「ヨシヨシ。……よく頑張ったわね、坊や」
ミネアも静かに杯を傾け、何も言わずに見守っていた。
翌朝。
皆がロビーに集まった。健太が切り出す。
「マーニャさん、ミネアさんは……モンバーバラに戻るんですよね?」
マーニャがくすぐったい声で答えた。
「ええ、そうねー。また踊り子としてステージに上がるわー♡ ケンちゃんも一緒だからね♡」
「い、いいんですか?」
「もうアタシの体を満足させられるの、ケンちゃんくらいしかいないんだから〜。責任取りなさい♡」
ミネアは黙って俯いている。
ソロが改まった表情で言った。
「僕は……もう少し世界を旅して、勉強したいと思います。皆さんの事は、一生忘れません」
公式では勇者は誰もいない故郷に帰ると、死んだはずのシンシア(幻?)が出迎え、そこに導かれし者たちが集まってきてエンディングだ。ソロの決断は想定外だった。
涙ぐむ彼の姿に、ミネアが突然声を上げた。
「わ、私もお供します!」
突然の申し出に、皆が驚いて顔を見合わせる。マーニャが何かを察したように、悪戯っぽく目を細めた。
「ふーん♡ ミネアも中々、大胆ねー!」
ミネアは顔を真っ赤にして、俯いたまま動けなくなっていた。
別れを惜しみながら、それぞれの方向を向く。
ソロとミネアは新たな旅へ。健太とマーニャはモンバーバラへ。
健太はマーニャの隣を歩きながら、静かに思った。
(これから、どうなるのだろう。とりあえず、マーニャさんがいてくれるなら、それでいいか。……そういえば、ライアンさんやブライさん、はるなさんはどうなったんだろう。黒幕のエビルプリーストは?)
少しの不安を胸に、二人はモンバーバラへと向かった。
マーニャ の紫の髪が風に揺れ、橙色の腰布が朝の光を受けて揺れている。
物語は、ひとまずの終わりを迎えた。