ドラクエ4の世界に異世界転生したら進化の秘法で巨大金玉男にされたので憧れのマーニャ に連続種付けする 作:古のもの
キングレオ城を出たラムダは、はぐれメタルの装備を身にまとい、強化兵を数体引き連れて西へ向かった。
目的地はコーミズ村の西にある洞窟だ。
夜の帳が落ちる頃には、入口に到着していた。岩壁に開いた暗い穴。内部は古代人が残したらしき遺構で、壁面には今も稼働する仕掛けが埋め込まれている。スイッチを押すと、石の床がゆっくりと昇降する——エレベーターだ。この世界の技術水準を明らかに超えた、オーバーテクノロジーの産物だった。
「お前らはここで待て」
ラムダは従えてきた強化兵に命じ、自分だけが先に入る。はぐれメタルのよろいが、湿った空気の中で鈍く光った。
地下一階。すぐに魔物の気配がした。
みならいあくまがメラを放ってくる。ラムダは盾でそれを受け止め、はぐれメタルの剣で一振りした。剣が胴を両断し、魔物は黒い煙を上げて消える。続けておばけキノコとつちわらしが群がってきたが、これも相手にならない。強化された筋力と、はぐれメタル装備の防御があれば、この程度は雑魚だ。
「邪魔だ」
短く吐き捨て、先へ進む。
エレベーターのスイッチを見つける。壁に埋め込まれた円形の石板を、記憶通りの順序で押す。重い作動音と共に、床がゆっくりと沈み始めた。古代の機構が、今も正確に動いている。地下二階、さらに三階へと降りる。
途中、いしにんぎょうがスカラを唱えながら立ち塞がった。つかいまが不思議な踊りを披露しようとするが、ラムダは構わず斬り捨てる。メイジももんじゃのヒャドも、はぐれメタルの防具の前では効果が薄い。剣を振るうたびに、魔物が散っていく。
地下の最奥。
空気がさらに澱み、静まり返っていた。奥まった壁面に、小さな石の箱が埋め込まれている。蓋には簡単な封印が施されていたが、ラムダはそれを苦もなく外した。
中に、黄金の腕輪があった。
薄暗い洞窟の中で、それでも確かに金色に輝いている。触れた瞬間、肌に微かな振動のようなものが伝わってきた。魔力を増幅し、制御するための品。進化の秘法を完成させる鍵。
ラムダは腕輪を手に取り、しばらく見つめた。
「……これで、取引が成立する」
低く呟くと、腕輪を懐に収めた。はぐれメタルの装備の下で、冷たい感触が肌に触れる。
エレベーターで地上へ戻る。入口で待っていた強化兵たちが、無言でリーダーを迎えた。
「取れた。帰るぞ」
ラムダは短く告げ、夜の闇の中を城へ引き返し始めた。
黄金の腕輪は、確かに彼の手の中にあった。
モンバーバラの酒場は、いつものように騒がしかった。
だが、今夜はどこか空気が違った。カウンターの向こうで、旅人が低い声で噂を話している。隣の席でも、同じ話が繰り返されていた。
「キングレオ城が、落ちたらしい」
「クーデターだってよ。城の兵士が蜂起したとか」
「首謀者の名はラムダとかいう男だそうだ。元は城の人間らしいが……」
健太は杯を置いた。隣でルカが斧の柄を撫でながら眉をひそめ、マーニャは橙色の腰布を揺らしつつ、興味なさそうに酒を口に含んでいる。
「……聞いた?」
健太が低く呟くと、ルカがすぐに反応した。
「うん。朝から街中で同じ話してる。バケモノみたいな兵士が城を占拠した、とも言ってた」
マーニャが杯を置き、顎を手で支えた。
「嫌な感じねー。ケンちゃんが前に言ってた、あの人型の魔物とかと関係あるんじゃないの?」
健太は黙って酒を飲んだ。コーミズの廃村で見た、あの灰色がかった肌の連中。はるなたちが敗れた相手。リーダーがいた。そして今、キングレオ城が落ちたという。
「……おそらく、同じだ」
短く答える。ルカが真剣な顔でこちらを見た。
「どうする? 放っておく?」
「今はまだ、情報だけだ。動くなら、もう少し様子を見てからにする」
マーニャがくすっと笑った。
「ケンちゃんらしい。でも、本当に嫌な予感がするわよ。城が落ちるなんて、ただ事じゃないもの」
三人のテーブルに、しばらく沈黙が落ちた。
酒場の喧騒の向こうで、また誰かが「ラムダ」という名を口にするのが聞こえた。
健太は杯の底に残った酒を見つめながら、静かに息を吐いた。
何かが、確実に動き始めている。