※この作品はR-18です。

ドラクエ4の世界に異世界転生したら進化の秘法で巨大金玉男にされたので憧れのマーニャ に連続種付けする   作:古のもの

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進軍

研究室の窓から、城の中庭が見えた。

強化兵たちが整然と並んでいる。飛行タイプは薄い膜状の翼を背に持ち、魔法タイプは掌に小さな魔力の光を灯している。巨大なタイプは、普通の兵士の二倍近い体躯で石畳を軋ませていた。ラインナップは、確実に増えていた。

「……本当に、やるとはね」

聡美は独りごちた。

ラムダがクーデターを決行し、城は落ちた。お飾りの王は幽閉され、反抗した大臣たちは粛清されたという。彼女は研究を続けることを条件に、この混乱を傍観していた。予想以上に、あっさりと終わった。

机の上に、黄金の腕輪が置かれている。

触れるたびに、微かな振動が指先に伝わる。魔力をただ増幅するだけではない。流れる力の経路を、極めて精密に制御しているのだ。通す、通さない、強める、弱める——その微調整が、まるで意思を持っているかのように滑らかだった。

前世で扱っていた半導体を、聡美は思い出す。

電気の流れを、物質の性質で厳密に制御する技術。この腕輪は、魔力というエネルギーに対して、似た役割を果たしている。古代の誰かが、この世界の法則に合わせて設計したのだろう。仕組みの全容はまだ掴めない。だが、これを使えば、進化の秘法の精度は別次元に上がる。

「……すごい」

彼女は正直にそう思った。

究極の生命体を創るには、まだ足りない。触媒として用いる子宮が、もっと必要だ。これまで城の地下で確保してきた分では、近い将来に尽きる。自国の女性がこれ以上行方不明になっては、流石に騒ぎが大きくなるだろう。

そこへ、ラムダの計画が重なった。

他国への進軍。

都合がいい。戦乱に乗じて「資材」を調達できる。行方不明の責任を、戦場の混乱にすり替えることも可能だ。聡美は感情を排し、ただ計算した。研究を進めるための、最適な環境が整いつつある。

腕輪を手に取り、ランプの光にかざす。

金色の表面が、冷たく輝いた。

「これで、先へ進める」

聡美は静かに呟き、記録板に新しい術式の構想を書き始めた。

城の外では、強化兵たちの足音が、規則正しく響いていた。

 

ハバリアの港は、わずか数日で軍港へと変貌した。

強化兵たちが休みなく動き、商船や漁船を接収しては改修を加えていく。甲板を補強し、兵員を詰め込むための区画を増設する。飛行タイプの強化兵は帆柱の上で翼を休め、巨大タイプは岸壁に立ち、船の積み下ろしを腕力だけでこなしていた。魔法タイプは港の灯火を魔力で明るく照らし、夜を通して作業を続けさせる。

ラムダははぐれメタルのよろいをまとい、港の高台からその光景を眺めていた。黄金の腕輪はすでに聡美の手に渡り、進化の秘法は次の段階へ進み始めている。彼に残された役目は、ただ一つ。この力で、外へ出ることだ。

船団は、満月の夜に出港した。

黒く塗られた船体が、波を切って北へ向かう。先頭を飛ぶ飛行タイプが偵察を担い、本隊は静かに航路を進んだ。宣戦布告はなかった。降伏勧告の使者も送られなかった。ただ、圧倒的な戦力を乗せた船が、エンドールの海へ近づいていくだけだった。

エンドールの港に、最初の影が落ちたのは夜明け前だった。

飛行タイプが一斉に降下し、港の監視塔と灯台を襲撃する。炎が上がり、警報の鐘が乱れ打たれる。続いて本隊が接岸した。巨大タイプが舷側から飛び下り、石畳を踏み砕きながら進む。普通の兵士では、その突進を止められなかった。斧と剣が振るわれ、防御線はあっという間に崩壊した。

市街地へ火の手が広がる。

魔法タイプが放つ術式が家屋を焼き、逃げ惑う人々を薙ぎ倒していく。強化兵たちは言葉少なく、ただ命令通りに動いた。抵抗する衛兵は容赦なく叩き潰され、武器を捨てた者も、用途があれば生け捕りにされた。城門に巨体が体当たりし、鉄の扉が内側からへし折られる。

エンドール城は、半日も持たなかった。

玉座の間にラムダが足を踏み入れたとき、王はすでに降伏の姿勢を取っていた。はぐれメタルの剣が、王座の前で鈍く光る。ラムダは短く首を振っただけだった。王の処遇など、どうでもよかった。必要なのは、この国の物資と、人と、そして「資材」だった。

夜が更ける頃には、エンドールの上空に、見慣れない旗が翻っていた。

キングレオ城から始まった力が、海を越えて、一つの国を飲み込んだ。抵抗の声は、炎と怒号の中に掻き消えていく。

戦争は、正式な宣戦も、長引く攻防もなしに、終わった。

ただ、次の標的がどこになるのか。それだけが、まだ闇の中にあった。

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