(ヤバい……
昼休みのふとした瞬間、急に思った。
何があったわけではない。箸が転がるだけで勃起してしまうような多感な年頃。さらに彼は女性にモテた経験がなく、恋人がいた経験なし。日々悶々としている童貞である。
ちょっとしたことで興奮してしまうのは無理からぬことであった。
その時、クラスメイトの女子が声をかけてきた。
めちゃくちゃ可愛いけどちょっと変、と知られている
「竜崎くん、もしかしておちんちん硬くなってる?」
「え? あぁ、まあ……えっ⁉」
突然の発言に大声を出して驚いてしまう。
周りに人がいる学校の廊下だということすら一瞬忘れてしまっている。
その声を聞いた生徒たちが不思議そうにするが全く気にならず、碧斗は体を震わせていた。
「い……井上さん? 今なんて?」
「だから、おちんちんが硬くなってるのかなって」
「いや……え? え? そ、そんなキャラだった?」
「ん? キャラっていうか気になったからだよー」
やはり聞き間違いではなかった。
碧斗と織姫はただのクラスメイトであり、特別親しい仲ではない。たまに会話することもあるとはいえ友達と呼べるほどの間柄ですらないのだ。
さらに彼女は下ネタ好きでもなく、ノリはいいがそういった発言を聞いたことはない。
今はどうしたことか。自らおちんちんが硬くなったかなど言っている。
もちろん碧斗は彼女と付き合っていないし、そういう関係でもない。
なぜこんな状況になっているのかわからな過ぎて彼は激しく混乱していた。
「抜いてあげようか?」
「ハッ⁉ なんで⁉」
「だってこのままじゃ辛そうだから」
「……あの、つかぬことをうかがいますけど。意味わかって言ってる?」
「あ~っ! それくらい私にもわかるよ! バカにしちゃいけないなぁ! おちんちんをしこしこして気持ちよくしてあげればいいんでしょ!」
「声がでかいなぁ⁉ そんなこと言ったら――!」
碧斗は慌てふためいて回りを見回すのだが、彼女の発言を気にする生徒は一人もいなかった。
聞こえていないはずがないのだが、無視をしているというより聞こえた上で気にしていないという態度に見える。言ってみればいつもの風景といった感じだ。
ますます意味がわからなくて碧斗は混乱する。
「どうする? 抜く?」
「え……お、お願いします……」
わけがわからないがとりあえず頷いてみる。
織姫はにこっと笑って承諾した。
誰もいない教室に入って、碧斗は織姫と対峙していた。
ドッキリでしたー、と言われることもなく二人っきりになっていて、織姫は恥じらう様子もなく碧斗のズボンを凝視している。
「えーっと、どうやったらいいのかな? 私こういうのやったことなくてさ」
「ないの⁉ じゃあなんでこんなことやろうって……!」
「だからそれは、竜崎くんが辛いだろうからだよ」
「井上さん、もしかして俺のこと好きとか――」
「あ、それはない。私好きな人いるから」
「ですよね……いやそれは俺も知ってるんだけど。っていうかそうじゃない方が問題で、井上さんがとんでもないビッチなんじゃないかとか思っちゃうんですが」
「ビッチ? ってなんだっけ? ってそんなことよりあれっ⁉ 私の好きな人知ってるの⁉」
「みんな知ってるよ。見てればわかるし」
織姫はやはり彼のイメージと違わず、普段通りと言えば普段通り。抜いてあげるなどというセリフさえなければ違和感など覚えなかっただろう。
ますます現状が理解できなくなるが織姫自身は自らの発言や行為に疑問を抱いていなかった。
「てへへ」と恥ずかしそうにはにかみながらも織姫は碧斗に一歩近付く。
これ以上好きな人の話をされるのはまずい、と言わんばかりに碧斗のズボンに手を伸ばした。
「もぉ~、早くやっちゃお。おちんちんを触ったらいいんだよね?」
「や、そうなんだけど、それがおかしい気が……」
織姫が慣れていない手つきでもたもたしながら、ベルトを外してズボンを下ろそうとする。
この間、碧斗は異常なほどに緊張して、同時に興奮してもいた。
なぜこうなったかわからないとはいえクラスメイトの可愛い女の子が、これから自分の大事なところを見て、それだけでなく抜いてくれるというのだ。今更断るつもりなど毛頭なかった。
かくして、ボクサーパンツを下げて碧斗のちんぽが露わになる。
勃起して硬く反り返ったそれはぶるんと揺れた。
織姫はまじまじと不思議そうに見つめて、感心した様子で「はぇぇ……」と吐息をこぼす。
万が一ドッキリだとして、ここで誰かが入ってこようと、正直に言えば悔いはない。
井上織姫に勃起ちんぽを凝視されている。これだけで碧斗の胸の内は幸福感に満たされていた。
「わあ……すごい。これが硬くなってるおちんちんなんだ……」
「うっ、ふぅぅ……!」
「すごいね。男の人ってエッチな気分になるとこうなるの? んー、黒崎くんもそうなのかな」
まるで勉強するように独り言を呟きながら、織姫がそっとちんぽに指を触れる。
その途端にびくんっとちんぽも彼の体も跳ねて織姫は驚いた。
明らかに慣れていなさそうだが、意外にも躊躇いはなく、物珍しそうに優しく竿を握られる。
「これを……こうすればいいの?」
指先でつまんで、見よう見まねといった様子でゆるゆる竿をしごかれる。
自分の指で触るのとはまるで違う。優しく触られているのだが衝撃さえ覚えて碧斗は震えた。
すりすりと、指の腹を押し当ててしごくというよりは擦る感じ。力はあまり入れられておらず、恐る恐るという様子は否めないが、それでも十分過ぎるほど気持ちいい。
ただ碧斗は「もったいない」と思っていた。
今すぐにも暴発してしまいそうだがすぐ終わってしまうのが嫌で必死に我慢している。
「これでいいの? 気持ちいい? 大丈夫?」
「ぐっ……! 大丈夫……!」
答える余裕はないが碧斗は声を絞り出した。
どうやら織姫は頬を赤らめながらも興味津々という様子であり、彼の勃起ちんぽを優しくしこしこしながらじっと見つめている。
「気持ちよくなったら、えっと、精液が出るんだよね? 赤ちゃんのもと……」
「私もそれくらい知ってるよ? 性教育はあったし、えっちな動画とか見て精液出てるとこ見たこととかもあるしさ」
「いやー私も自分ですることあるんだけど。びゅびゅって出るの、なんか、すごいよね」
射精を楽しみにしているらしい織姫の声に、碧斗の背筋がぞくぞくする。
普段は明るくて天真爛漫、弾むような彼女の声は今、誰かに聞かれないように小さくなり、少し艶っぽい色を含んで、時折かすれながら静かに楽しそうに弾んでいた。
勢い余って言わなくていいことまで言ってしまっていて、碧斗の興奮は高まる一方。
気付けば織姫は両手で彼のちんぽに触れていた。
右手で竿への刺激を続けながら、左手は気になる部分を触っており、真っ赤になっている亀頭をふにふにと揉んでみたり、きゅっと上がっている金玉を掌で掬うように支えてみたりもする。
それらの刺激がすごいというよりは、エロいことに興味津々な織姫に興奮が止まらない。
他人にちんぽを触られるのがこんなに気持ちいいとは思わなかった。
「ふっ……ぐっ……! もう……ヤバい……!」
「あ、もう出るの? いいよ。好きな時に出して」
織姫が笑顔で優しく囁く。
早く見たいと言いたげにさっきよりも強い力でちんぽをしごき始める。
割れ目からあふれ出た我慢汁が手に触れても気にせず、ぐちゅぐちゅ音を鳴らしながら、今度ははっきりとエロい手つきになっていた。
「イク……イクっ…‼」
「あっ、あっ! 出たぁ!」
びゅっ、びゅっ、と震えながら勢いよく精液を吐き出すちんぽを見て、織姫はパッと嬉しそうな笑顔になった。
ぎゅうっとちんぽを強く握り、そうした知識もないだろうに絞り出そうともしている。
碧斗は無意識に腰をへこつかせて、深く息を吐いていた。
どっと疲労感に襲われるが気分は最高潮である。
「わあ~……すごいね。気持ちよかった?」
「はぁっ、はぁっ、はっ……う、うん。すごかった……」
「えへへ。よかった」
ちんぽを握りながらにこっと笑う織姫があまりにも可愛くて、碧斗はすでに好きになっている。
放った精液は床に落ちており、一部は彼女の制服にかかっていた。
徐々に冷静になっていくと汚してしまった事実に焦ってしまい、同時に言いはしないが少し興奮を覚えてもいたのだが、碧斗は思わず謝る。
「ごめん……かかっちゃった?」
「あ、いいよいいよ。いいもの見せてもらったから」
織姫はおそらく何も考えていないだろう素振りで、手についた精液をぺろっと舐める。
もしかすると彼女は気付いていないのかもしれないが、碧斗はドキッとした。
「よかったね竜崎くん。また困ったことがあったら言ってね」
「好き……」
「あ、ごめんなさい。私好きな人がいるから」
さっきとは比べ物にならないほど残念で、碧斗は悲しそうな顔をした。