「なんでこんなことになったんだろうなー……」
理由が全くわからなくて気になりはするのだが、詳細はどうでもいいとも思っている。
とにかく気持ちがよかった。しかも次を期待していいらしい。
それさえわかっていればあとはどうでもよかった。
学校を後にした帰り道、碧斗は一人で歩きながら悶々としている。
「ヤバい……もっかい抜いてほしいなぁ……」
少し落ち着いた後でもすぐに恋しくなる。
碧斗は友人と一緒に遊びに行くこともせず、何をする気にもなれなくて家へ向かっていた。
彼は古びたアパートで一人暮らしをしている。
キッチンと六畳一間。風呂・トイレ別。そこそこきれいだが壁はそこまで厚くない。
家賃も安く、住人も優しいため碧斗はとても気に入っていた。
「あ、竜崎さん。お帰りなさい」
昔の日本を思わせるような光景だが、アパートの前を竹箒で掃いている小柄な女性がにこっと優しく微笑んで挨拶してきた。
同じアパートの住人、
以前から可愛いと思っていたが今日はことさらにドキッとしてしまい、碧斗は緊張した。
「た、ただいま」
「どうかしました? ちょっと様子がおかしいような」
「なんでもありません! 大丈夫です!」
「それならよかっ……あ……」
突然雛森が声を詰まらせて視線を逸らした。その直前には碧斗の股間をちらっと見ていた。
彼はすぐ察してしまう。
悶々としていてまたしてもちんぽが勃起してしまっており、元気に返事をした際に背筋をピンと伸ばしてしまったため、股間の膨らみがバレたようだ。
良からぬ考えが頭に浮かんでしまう。
碧斗はごくりと息を呑み、思わず緊張して、試してみたくなった。
「す、すいません……お見苦しくて」
「いえ、あの、しょうがないことですから……」
「雛森さん……彼氏いるんですか?」
「えっ⁉ いやっ、あの、いませんよ! どうして急にそんな……! す、好きな人は、あのっ」
「じゃあ、えっと、変なこと言いますけど……抜いてもらえませんか?」
「え? あ、はい。いいですよ。それは全然」
勇気を出して言ってみたがぶん殴られても仕方ないと思っていた。或いは単純に嫌われるか。
しかし雛森はなんでもないことのように受け入れる。
碧斗は喜びながらも、何か異常が起こっているのだと理解した。
自室に入って、もじもじする雛森の前で、恥ずかしがりながらも碧斗はズボンを脱ぐ。
やはり止める気配はない。
誰にも見られないということもあって学校でよりも大胆になれる。
彼は意を決して下着を完全に脱ぎ捨てた。
「お願いできますか?」
「はい……あの、その前にいいですか?」
雛森は碧斗の勃起ちんぽをちらっと確認して、それ自体には何も言わない。彼が下半身を露出していることも、自分がこれから性処理してやることにも文句がない。
ただ一つ条件を出した。
一度部屋に戻って取ってきた物を見せる。
黒縁の眼鏡だった。
「これ、かけてもらえますか?」
「眼鏡? いいですけど……好きなんですか?」
「ま、まあ、そんな感じで……」
「好きな人がかけてるとか」
「ややややっ⁉ それはっ、あの、別に、そういうわけではなくて……!」
顔を赤らめて恥ずかしがるが、そのあとで急に青ざめてショックを受けてしまい、俯いて何も言わずに固まってしまう。
どうやら触れてはいけない話題のようだ。
碧斗は雛森を気遣い、自分が我慢できなかったのもあるが、彼女を促した。
「すいません、余計なこと言ってみたいで。えっと、じゃあ、始めてもらえますか?」
「あ、はい! そうですよね! わかりました!」
気を取り直した雛森は床に膝をつき、勃起ちんぽに顔を寄せる。
期待が表れるようにぴくっと震えていた。
碧斗は彼女の息が触れるだけで耐えきれない様子で息を吐く。
「私、あんまり経験がなくて……」
「そんなの全然! 俺もなんで」
抵抗感はないものの、見ている限り恥じらいはあって、雛森はおずおずと唇を尖らせる。
まず亀頭にちゅっとキスをされた。
そうしろとは言っていないが、誰かにそうしろと言われたのではないかと疑ってしまうような、愛情を込めた行為だった。
眼鏡をかけさせられている碧斗は、なるほど、と思う。
彼氏か、セフレか、誰かは知らないが経験はあるのだろう。経験が少ないのも嘘ではない。
きっとその人を想ってやっているのだろうなとしか思えなかった。
それでも構わない。抜いてもらえるだけでもとんでもないご褒美なのだ。
碧斗は何も言わずに受け入れる。
「失礼します……はむっ。んちゅ……んえぁ……」
両手で、指先だけで竿をそっと押さえて、先っぽを舌先でぺろぺろ舐める。
乱菊のような大胆さはなく、経験の差はこれかと察するほど違う。
碧斗は激しく興奮しながら喜んだ。
「んっ……ちゅうぅ……どうですか? 上手にできてますか?」
「は、はい。気持ちいいです」
「えへ。よかったです。あむっ」
小さい口で先っぽにぱくっと食いつき、ちゅううと優しく吸う。
刺激はそれほど強くないとはいえ、健気さを感じて快感以上の気持ちよさがあった。
亀頭を丸ごと口に含むことはできないようだが、先端だけ口に入れて、れろれろと舌を動かして割れ目を撫でており、丁寧で優しいが執拗でもあってちんぽの先っぽだけが熱くなる。
我慢汁が出てきてもすぐ舐められてしまう。
しつこく割れ目ばかり責められ、今までにない感覚で背中がぞくぞくしていた。
「くぅ⁉ これ、すご……! う、上手いじゃないですか…!」
「ほうれふか? んれぇ、これらけ教えてもらっへ……ぢゅるるるっ」
「ふっ、うぅっ……好きな人に、仕込まれたんですね……」
「あわわっ⁉ そそそれは……! 気にしないでください!」
やはり触れられたくない話題のようで、慌てふためいた雛森がフェラチオに力を入れ始める。
亀頭に何度もキスをしてリップ音を鳴らし、裏筋をべろりと舐め上げたあと、強く吸い付いて下品な音を立て、両手では金玉を弄ぶようにもみもみしていた。
明らかにさっきより強い刺激。碧斗は反射的に歯を食いしばる。
「うっ、ふぅぅ……うぅっ……!」
「んふっ、ふっ、じゅるるっ……んあっ。ほっ、ふぅ、んむぅ……」
熱心にちんぽへ舌を這わせられる。唾液で竿全体を濡らして、亀頭から根本まで移動していき、躊躇わずに金玉にもしゃぶりつく。唇でじゅるじゅる吸い、舌先で玉を転がした。
気持ちよさそうに顔を歪める碧斗を見上げ、雛森はふと口を離す。
「あの、一つお願いしてもいいですか?」
「え? あ、はい……どうぞ」
「頭を撫でてほしいんですけど……」
予想外のお願いだった。かといって断るほどのものではない。
期待して見上げてくる雛森を見て断れるはずもなかった。
この間も指で金玉を揉まれていて気持ちいい。
碧斗は返事をする前に右手を動かし、彼女の頭に手を置いて優しく撫でた。
「えへへへ♡ ありがとうございます。これで頑張れます」
お礼を言ってから雛森は再びちんぽの先っぽをくわえてちゅうちゅう吸い始めた。
右手で竿をしごいてもいて、そろそろ射精させようとしているのかもしれない。
碧斗はあっという間に射精感が高まっていくのを感じていた。
長く楽しみたいがそれができない。
あまりに気持ちよくて、そして可愛い女性に触れてもらっているという興奮で何もかもがどうでもよくなってくる。
「雛森さん……俺、もう……」
「いいれふよ。じゅるっ、らひてくだひゃい」
思わずぐっと腰を前へ突き出して、碧斗は射精した。
びゅるるる、と今日だけで三回目だが量も勢いも衰えておらず、くわえたままの雛森の口の中に注ぎ込まれていく。
「んんっ⁉ んっ、んぐっ、ぷぅぅ……!」
「ごめんなさっ……ちょっと、止められなくて……!」
「らいりょうぶ……れふ……!」
ごくん、と喉を鳴らして雛森が精液を飲み込んでいく。
そうするしかなかったのだろう。碧斗にとっては感動の瞬間だ。
自分の精液が雛森の体内に入ったという状況に興奮してしまっている。
「けほっ、えほっ……! はぁ……気持ちよかったですか?」
「はい……最高です」
「よかったです。上手にできるかわからなかったから」
雛森はお掃除フェラを始めて、再びちんぽ全体に舌を這わせる。垂れてきた精液は躊躇わずに舐めて飲んでいるらしい。
その様子を見ながら頭を撫でつつ、碧斗は力の抜けた顔で呟いた。
「またやってもらっていいですか?」
「いいですよ。おちんちんが辛くなったときは言ってくださいね」
頭を撫でられたことで雛森が嬉しそうに微笑み、あっさり承諾された。
碧斗は射精後の脱力感でぐったりしながら静かに喜んでいた。