※この作品はR-18です。

罪と罰   作:三百柊

2 / 4
第2話

翌朝。

集合場所の芝生。

 

優:(結局あまり眠れなかった。そりゃそうだ...)

 

三葉:あ、優、おはよう...!/// (よっしゃぁ二人きり...!)

 

優:ん、おはよう三葉。

 

三葉:ずいぶん早いんだな…

 

優:そういうお前もじゃんか。

 

三葉:あたしは、まぁ...心は隊長だからな!

 

優:ははっ、なんだよそれ

 

三葉:!ほら、シノアへのライバル心というかさ...

 

三葉:(笑ってくれてる...!...脈ありなんじゃないのコレ?!//////)

 

優:副隊長でも十分だろ、かっこいいじゃん

 

三葉:そっそぉ?//////(ええやばい、朝からいい雰囲気じゃん...////)

 

 

 

三葉:...というか優、顔色、悪いぞ?大丈夫か...?

 

優:あー、ちょっと、よく眠れなくてさ... ノビ

 

三葉:ありゃ、寝不足か。しんどいなそれは...

 

優:不思議と冴えてるけどなー...

 

三葉:うーん、あんまり無理するんじゃないぞ?

 

優:まぁ、気は引き締めるよ (起きるイベントはわかってるしな...)

 

三葉:...今、ちょっと仮眠しとくか?みんな来るまで時間ありそうだし...

 

優:いや、場所も特にないしなぁ...

 

三葉:...良かったら、あたしの、ひ、膝とか、貸すよ...?/////

 

優:え? (何この展開...?)

 

 

 

三葉:ほっほら、疲れた仲間を労うのも、副隊長の義務だからさ...///

 

三葉:(こう言っておけば、軽い女とは思われないでしょ...?)

 

優:あぁいや、いいよ... (昨日から変だけど、なんだ、この距離感...?)

 

三葉:し、心配しなくても、あたしちゃんと、風呂入ってるよ...?///

 

優:それは心配してないけど... (俺がよっぽど変な選択肢を取ったのか...?)

 

三葉:昨日だって、入念に体、洗ったし...?///

 

優:そ、そうですか (俺に対して妙に生暖かいというか...)

 

三葉:なんで敬語なのさ///

 

優:まだ出会って2日目ですから... (これじゃぁまるで...)

 

三葉:とっ、とにかく、あたしの膝、使いなさいよ!///////

 

優:ダメですって (弟扱いじゃないか...?)

 

 

 

三葉:...っ、女の子に恥かかせちゃだめなんだからね?!///

 

優:まぁ、それは、そうだろうけど

 

優:(気持ちは嬉しいが、シノアに悪いしなぁ...まぁ、あっちは好きかわかんないんだけど)

 

三葉:わかったら、早く!/// ポンポン

 

三葉:(押せ押せ押せ押せ...!!)

 

芝生に腰を降ろし、艶めかしい足を差し出す三葉。

 

優:えぇ...(ってかそんなところじゃドキドキして寝られねぇよ...///)

 

三葉:ほら、男だろ?!さっさとする!///

 

優:...あ、ありがと...?///(無下にするのもなぁ、張り切ってるみたいだし...)

 

すぐ起きて、シノアが来る前にどけばいいか。

 

三葉:(きっキターーーーーー!!///////)

 

 

 

優:こっ、こうでいいか…?///

 

三葉:あ、あぁっ…//////

 

三葉:(なにこれヤバい…!////)

 

自身の太ももに、彼の頭を乗せる。

爆発しそうな心臓と裏腹に、愛おしい気持ちが溢れ出して止まらない。

 

三葉:ゆ、優…////// ナデナデ

 

堪らず彼の頭を撫でてしまう。

 

優:おっおい…///

 

三葉:よしよし…/////(どうしよ幸せだ…/////) ナデナデ

 

優:ん、ふぁ (やべ、ほんとに眠くなってきたぞ…)

 

三葉:ん、いいよ、寝ちゃいなよ…//// ナデナデ

 

優:ご、ごめん…シノ…みんなが来る前に、起こしてくれ…

 

三葉:!…そっそうだな、見られたら恥ずかしいからな…/////

 

 

 

優:すぅ…zzzz

 

三葉:…かわいい///…どうしよ//////

 

三葉:(でもさっき、シノアって言いかけてたような…?)

 

三葉:(やだなぁ、見られて一番気にするのが、シノアってこと?)

 

三葉:(昨日もあいつの髪、自分から褒めてたし…)

 

三葉:(まあ、あたしより長くいるのはシノアだし、仕方ないのかな…) モヤモヤ

 

でも、人の膝で寝ながら、他の女の名前を呼ぶなんて。

あんた、あたしのことハグしようとしたの、忘れてないでしょうね…?

 

三葉:(女ったらしには、罰が必要よね…?//////)

 

ちょっとやそっとじゃ起きなさそうだ。

恐る恐る、彼の頬に手を伸ばす。

 

三葉:やっ、柔らか…///// ドキドキ

 

シノア:何してるんですか?

 

 

 

三葉:?!えっ、あっ…?!//////

 

音もなくそこにいたシノアにびっくりする三葉。

 

シノア:朝から抜け駆けですか、さっすが帝鬼軍一貞操が乱れた女ですねぇ ピキピキ

 

三葉:なっなにをっ失礼な!////

 

シノア:事実じゃないですかぁ、出会った初日にハグをおねだり、翌日の朝には生脚で膝枕するなんてとんでもないビッ

 

三葉:おぉいぶっ飛ばすぞ!!///

 

シノア:三宮家のご令嬢ともあろうお方が随分な面食いでいらっしゃるんですねぇ??

 

三葉:ちっ違う、今までこんなことなかったんだ!///面のいい奴なんて腐るほどいたろ!

 

シノア:…じゃあなんで優さんだけ?

 

三葉:わっわかんないけど!!…う、運命ってやつ…?//////

 

シノア:あームカつきますね、とりあえず今すぐそれやめて下さい…

 

三葉:お、起こしたら可哀想だろ?//////

 

 

 

シノア:この間も軍の会議で問題になってましたよ、みっちゃんの貞操がヤバい!って

 

三葉:そっそんな訳ないだろうが!いい加減にしろよ!

 

シノア:…これぐらい言いたくもなりますよ、せっかく昨日自分の気持ちに気づいたのに、もう寝取られそうになってるんですから

 

三葉:寝取られとか言うな!///そもそもお前のじゃないだろ?!

 

シノア:でも私の方が先に出会ってますしぃ?

 

三葉:だけどアクション起こしてなかったんだろ?!好きって気付いてなかったんだから!

 

 

 

シノア:…いえ、無意識ではありますけど、好意を伝えたことはありますよ

 

三葉:え…?

 

シノア:”童貞は悪だ”と言ったことがあります…///

 

三葉:ただのセクハラじゃんか!

 

シノア:…わ、私で捨てろという意味です…///

 

三葉:伝わるかそんなの!

 

シノア:私が連れてきたイケメンですよ、感謝して身を引いて下さい

 

三葉:いや、身を引いたら感謝もクソもないじゃんか!あやかれないんだからさ!

 

 

シノア:もういいじゃないですか、ポッと出キャラより、過ごした時間が長い方が選ばれる、恋愛市場における鉄則です

 

三葉:誰がポッと出キャラだよ誰が?!

 

シノア:みっちゃんは君月さんとかでいいじゃないですか

 

三葉:嫌だよ!!…いや、嫌だよって言うのも失礼だけど!あたしは優じゃなきゃダメなの!!

 

シノア:私だってそうです、優さんじゃなきゃダメです…

 

三葉:なら人にそういうこと言うなよ…

 

シノア:…すみませんでした、今のは私が悪かったです…

 

三葉:…そんな素直だと、そこまで本気なんだなってのは、伝わるけどさぁ

 

 

 

シノア:でも、やっぱりみっちゃんみたいなデカパイはずるいです、勝てる気がしません…

 

三葉:だっ誰がデカ…!///おいっ!/////

 

シノア:何食べたらそんなんなるんですか…

 

三葉:知らんし、特に何かしたとかもないし…///

 

シノア:ずるいですよ、ノー努力でそんなの…

 

三葉:ずっずるいって言われてもさぁ…

 

 

 

シノア:そんなんあったら、男なんてイチコロじゃないですか…

 

三葉:…っ…そうでもないから困ってるんじゃんか。

 

シノア:はい?

 

三葉:優は、何というか、そういう男じゃないというか

 

シノア:そういう男とは?

 

三葉:だから、別に、身体がとか、見た目から入る男じゃなさそうってことだよ…

 

シノア:…見た目から入ったみっちゃんが言うと皮肉ですねぇ

 

三葉:ぐ、ぐぬぬ…/////

 

 

 

シノア:みっちゃんだって結構告白されるじゃないですか、いい人はいたんじゃないですか??

 

三葉:…こういうこと言うのもなんだけど、興味を持てたことがないんだ。仲間としては問題ないが…

 

シノア:…どんだけ優さんがタイプなんですか

 

三葉:…それな?//////

 

シノア:…っもう、開き直られると、煽りがいがないんですが…

 

三葉:…ちなみに、こっちだって焦ってるぞ…

 

シノア:?何にです、そんなおっぱいを持ってして…

 

三葉:う、うるさい…///

 

三葉:…悔しいけど、優のやつ、シノアのこと、その、結構気に入ってるじゃんか…

 

シノア:え…?//////

 

 

 

三葉:昨日だって、もちろん全員のこと気にしてるんだろうけど、お前にだけは口に出して怪我してないかなんて聞いてたじゃんか。風呂の後にはお前の髪が綺麗だって褒めてたよな。さっきも、シノアに見つかる前に起こしてくれなんて、言ってたぞ…

 

シノア:ゆ、優さんが、私に…??///

 

三葉:そうだ、シノアって言いかけて、皆にって言い直したけどな…

 

シノア:…なんですか、それじゃ、まるで、優さんは私にバレたくないみたいじゃないですか…///

 

三葉:…さあな。あたしからはここまでしか言わないけど

 

シノア:なんでですか…

 

三葉:ライバルだからだよ…

 

 

 

シノア:…なら、何で言ってくれたんですか?

 

三葉:...(優と出会えたのは運命だと思うけど、ずるいことしたら結ばれないかもだし、それに...)

 

三葉:卑怯なことはしたくないし、お前は、その…

 

シノア:はい

 

三葉:…いや、何でもない

 

シノア:え、そこまで言っといていわないとかなしですよ

 

三葉:いや、何だ、お前は初めての女友達だから…

 

シノア:へ?

 

三葉:な、なんでもない…///

 

シノア:ちょっと、みっちゃん…

 

与一:あ、あのー…

 

三葉•シノア:!!

 

 

 

与一:おはようございます…

 

三葉:お、おはよう…///

 

三葉:(ヤバい優膝枕したまんまじゃん…!!//////)

 

君月:おはようじゃねえ、お前らいつまでくっちゃべってんだよ…

 

シノア:い、いつから…?////

 

君月:…俺が必要もなく傷つけられたあたりだ…

 

三葉:!ごっ、ごめんな、それは…

 

シノア:私も、すみませんでした…

 

君月:やめてくれ、そんなちゃんと謝られると余計くる…

 

与一:あ、あはは…

 

 

 

三葉:と、というか待ってくれ、それ結構前じゃんか…!!

 

絶望する三葉。

 

シノア:…そう言えばそうですね、何でもっと早く…! /// プルプル

 

流石にシノアも恥ずかしいらしい。

 

与一:いや、だって喧嘩?してたからさ、口突っ込むのもと思って

 

君月:そうだぞ、もうすぐ俺たち来るってわかってんだから、キリいいとこで収めろよ…

 

与一:おかげで感動の友情シーンまで見れちゃったね…

 

三葉:ぐ…///

 

シノア:くっ…///

 

作戦前だと言うのに恋バナに夢中になっていたのは本当だから、言い返す言葉もない。

 

 

 

君月:お前らの気持ちはもう知っちまったから、まぁ、サポートできることあればするけどよ…

 

三葉:え?

 

与一:そうだね、優くんと二人きりになれるように図ったりとか、できるからさ

 

シノア:二人とも…

 

三葉:ありがとう、気を遣わせて悪いな…

 

シノア:ありがとうございます…

 

与一:気にしないでよ、家族じゃんか

 

君月:それより、そろそろそいつ起こそうぜ

 

三葉:あ、あっ、そうだな…///// ナデナデ

 

シノア:…  

 

与一:(最後まで愛たっぷりだね…)

 

 

 

三葉:(名残惜しいけど...)

 

三葉:ほっ、ほら優、そろそろ起きるんだ.../// ナデナデ

 

シノア:…起こす気あります...? 

 

貧乏ゆすりするお嬢様。

 

三葉:もっもちろんだぞ...?/// ナデナデ

 

シノア:...このスケベ男!いつまでみっちゃんの膝で寝てるんですか! ユサユサ

 

三葉:あぁっ、かわいそうじゃんか...///(起きちゃう...) 

 

優:...?うーん、茜ぇ...

 

シノア・三葉:誰?!

 

君月:えぇ...?

 

与一:あ、あはは、面倒なことに...

 

 

 

三葉:ちょっと、誰よその女?! ユサユサ

 

シノア:起きなさいこのスケコマシ!!ユサユサ

 

優:…ん?…あれ…?うわっ…!! ゴロン

 

目を覚ました瞬間、三葉とシノアの気迫に驚き、三葉の膝から転がり落ちる優。

 

与一:おはよ、優くん。

 

優:ちょ、三葉、起こしてくれって…!

 

優:(シノアどころか皆いるじゃねぇか…!)

 

三葉:今そこじゃないの!! 

 

優:ええ?!

 

シノア:あかねって、誰ですか?

 

優:え?

 

三葉:元カノ…? イライラ

 

優:は、はい?

 

シノア:さっき、寝言で、呼んでましたよ…

 

 

 

優:あ、茜は…

 

優:…時間もねぇし、移動しながらにしないか?

 

シノア•三葉:あ…

 

君月:ねぼすけのせいだろうが…

 

優:ごめんごめん…

 

与一:そうだね、ここから表参道まで歩かなきゃだし

 

シノア:そ、そうですね、行きましょうか

 

三葉:そうだな…

 

 

 

表参道まで歩くシノア隊。

 

優:単純に、茜は昔の家族なんだ

 

シノア:孤児院の時のですか?

 

優:そうそう

 

三葉:(孤児院…!…シノアの奴、知ってんのか…そりゃそうか) モヤモヤ

 

優:…まぁ、色々あって、死んじゃったけどな

 

シノア隊:!!

 

優:ああいや、ごめん。もう昔のことだから。ただ昨日、夢に出てきてさ、カレー作ってくれたんだよ。あいつのカレー美味えからさ、つい口に出してたのかも…

 

与一:優くん…

 

君月:…妹みてぇな感じか?

 

優:ん、いや、俺はバカばっかやって怒られてたし、どっちかっていうと姉ちゃんだろうなー

 

シノア:…余計なこと言って、すみませんでした

 

三葉:ごめんな?

 

優:いや、もういいんだって、こっちこそ朝からすまん

 

優:(ほんとは、良くねぇけど…生き返らせてぇよな、ミカ…)

 

 

 

優:それに、俺の今の家族は、お前らだ!

 

シノア隊:!

 

優:死んだ人間は生き返らねえ、今生きてるやつらを大事にしたいからな…

 

優:俺はお前ら全員救うから!ドドーン

 

シノア:…救う?

 

優:あ

 

三葉:救うって何からだ?

 

与一:敵から守るってこと…?

 

君月:ばーか、足手まといみたいに言ってんじゃねぇよ

 

優:そ、そうそう!敵から救う!めっちゃ救う!!

 

優:(素はバカだからボロが出ちまう!助けてくれミカ!早く会いてえぞ…!)

 

 

 

三葉:ね、優。家族って言ってくれてありがとう...

 

三葉:(だってまだ出会って2日なのに...)

 

”家族と言ってくれて嬉しかった、ありがとう”

 

優:...! フルフル

 

シノア:そうですね、ありがとうございます

 

与一:優君、なんだか今日素直だね...?

 

君月:あぁ、気持ち悪ぃぞ?

 

優:あ、あ ポロポロ

 

三葉:?!ど、どうしたんだ、優?!

 

シノア:また泣いてます?!

 

与一:だっ大丈夫?!

 

君月:...気持ち悪いは言い過ぎた、すまん...!

 

優:ほっ埃がっ...埃がすごいよぉ...っ...ポロポロ

 

 

 

時間が押していたため、歴史と違い、

移動しながらシノアに作戦を話してもらい、

とりあえず表参道駅に着いた。

 

優:(今の時点で約10分押し、だが会議は先にすませたから実質3分押しぐらいか...このくらいなら誤差だな...

 

優:(すぐ下に降りよう、最初の吸血鬼が見回りをしているはず...)

 

三葉:ゆ、優...

 

優:ん?

 

三葉:独断専行、だめだからね...?/// ウルウル

 

優:...っ/// ドキッ

 

シノア:そうですよ...家族が死んだら、泣いちゃいますからね...? /// ウルッ

 

優:お、おう////// (涙目のシノアも可愛い...//////)

 

君月:...こんなピンクなムードで大丈夫か...? ボソッ

 

与一:あはは...あそこだけお花畑だね... ボソッ

 

 

 

優:シノア、そろそろ行こうぜ?

 

シノア:そうですね。皆さん、陣形を崩さず、互いを守り、絶対にはぐれないように。

 

地下鉄の階段を下りる。

 

優:...なぁ三葉。

 

三葉:ん?

 

優:あの子は吸血鬼の人数を7人って言ってたけど、合ってるかね。

 

三葉:...あの少女が我々を騙していると...?

 

優:...いや、あの子は信用してるけど...一体誰がその情報を吹き込んだのかなってさ。

 

シノア隊:...!

 

三葉:...その考えはなかった。これも奴らの、誘導的な作戦なのか?

 

優:わからない、けど、人数はもっといると思った方がいいだろうな

 

与一:優くん、なんだか今日冴えてるね~

 

優:ほ、ほら、ゴキブリも1匹見たら10匹いると思えっていうだろ?

 

君月:その例えはよくわからんぞ...

 

シノア:ふふっ、ですが、敵の数を多く見積もるに越したことはないですねぇ

 

優:(よし、これで俺の動きが不自然に見えるのを防いだぞ...後は各タイミングを見定めて行動するだけだ...)

 

 

 

吸血鬼がいるB3に着いた。

 

優:...!(いた...!)

 

優:三葉、あそこだ...!

 

三葉:!総員攻撃準備!!!

 

吸血鬼:...ん?

 

三葉:抜刀!!!

 

三葉:仲間を呼ばれる前に...

 

優:(...すまん、二人とも...) ザッ

 

三葉:!!

 

シノア:優さん...!

 

1匹目の吸血鬼を切り倒す。歴史通り。

 

吸血鬼:ガァ...この家畜が...!!

 

優:(2匹目はこの後、三葉との言い争いで襲ってくるはずだ...)

 

 

 

三葉:ゆ、優...!!

 

優:...なんだ?

 

三葉:なんだじゃないぞ、独断専行はしないって...!

 

シノア:...。

 

優:三葉、独断専行じゃない。

 

三葉:え...?

 

優:敵は非武装だった、抜刀の命令も待った。

 

視界の端に影がちらつく。

 

シノア:!

 

三葉:でっでも...!///(心配してるのにっ...///)

 

優:(ここだ...) グイッ

 

三葉:え//////

優に引き寄せられ、三葉と彼の顔が一気に近づく。

 

 

 

キンッ...!

 

優:ぐっ...

 

力をセーブしているからか、敵の斬撃が重く感じる。

 

三葉:(あ...)

 

三葉を後ろに流す余裕がなく、正面から抱き留めてしまう。

 

三葉:ふぁ?!/// バクバクバクバク

 

シノア:...!

 

優:...っ///ごめん.../// バッ

 

三葉:え... シュン

 

優:おっおのれ吸血鬼!(シノアに見られたじゃねぇか!!)

 

吸血鬼:馬鹿め、そんな大振りで我を殺せると...

 

優:...っ! ズドッ

 

歴史以上の魂を込めて薙ぎ払う。

 

優:(後は、隠された2匹がもうちょっとで来る...)

 

 

 

三葉:あ、ありがとう///...というか、なんだその力は...

三葉:(めっちゃいい匂いした...ついにハグされちゃったよ...///) ドキドキ

 

シノア:優さんってば王子様気取りですかぁ...

 

優:ちっちげぇよ、仲間のピンチだったからだ...

 

三葉:(っていうか、そんなすぐ離さなくたっていいじゃんか...///)

 

戦場においては不届き者である。

 

優:(タイミング的にまもなく来る...)

 

三葉から離れないと、警戒して突入してこないかもな。

 

優:...三葉。

 

三葉:な、なに?/// (

 

優:後ろを振り返らず聞いてくれ...さっき話した通り、どうやら予備の吸血鬼がそこに構えてるみたいだ...

 

三葉:!

 

優:俺が今からお前と距離を取る、やつらが飛び込んできたら、俺は一人をやる。

もしお前が反応出来たら、もう一人を頼む。いいな?

 

三葉:わ、わかった...!

 

 

 

優:じゃぁ、いくぞ?

 

三葉:あ、あぁ...!(神経を研ぎ澄ませ、あたし...!)

 

優:... スタスタ

 

あたりを警戒するふりをして三葉から離れる。

 

優:(歴史通りにやるなら、三葉は首を絞められるだけで済むが...苦しい思いはさせたくねぇよな...)

 

優:!

 

ガラスに影が映る一瞬、優は三葉の方へ向けて全力で向かっていく。

 

優:三葉っ...!

 

ガシャーン!

 

三葉:!今か...!! ヒュン

 

吸血鬼1:ぐぉっ...!! ブシャッ

 

三葉:(やった...!!)

 

吸血鬼2:なっ...!

 

優:おらっ...!ブォン

 

吸血鬼2:がっ...! バサァッ

 

優:(これで予備の2匹はおしまい、後は5匹だ...)

 

 

 

三葉:ゆ、優...!!

 

優:さっすがだ三葉、おまえ最高だぜ! イエーイ

 

三葉:え、あ、うん...!///...優こそ...!!/////// イエーイ

 

三葉:(好きぃ...!///...ほんと好きぃっ...!!//////)

 

シノア:(なんですか今のコンビネーション...) モヤモヤ

 

君月:やるなあいつら...!

 

与一:すごかったね...!!

 

通路を走ってくる吸血鬼たち。

急襲プランが通用せず、かなり動揺しているようだ。

そこからは5対5、歴史で言うと、三葉奪還以降より吸血鬼は1匹少なかった。

全員ケガもなく、余裕で倒すことができた。

 

 

 

シノア:急襲に2人いましたが、あとの人数はあってますね

 

三葉:ならもう残りはいないと思うが…

 

優:万が一のこともあるし、警戒して進もう…

 

優:(他にはいないけど建前上はな…)

 

君月:そうだな…

 

与一:うん…

 

 

 

シノア:ところで優さん…

 

優:ん?

 

シノア:どさくさに紛れてみっちゃんとスキンシップしようとするなんて下心丸出しですよねぇ…  

 

三葉:え//////

 

君月:(始まったよ…)

 

与一:(あはは…)

 

 

 

優:なっ何のことだよ…

 

シノア:さっきみっちゃんを思いっきり抱きしめて堪能してましたし、その後もハイタッチでパイタッチ狙ってたじゃないですか…

 

三葉:っ…?!////// モジモジ

 

優:狙ってねぇよ!///ジジイかお前?!

 

三葉:ゆ、優がっ、触りたいなら.../// ドキドキ

 

シノア:!

 

優:...え...?///

 

三葉:ふ、副隊長の義務としてっ、そのっ…//// バクバクバク

 

優:お、お前も変なこと言うな…!/// フイッ

 

優:(弟をからかう姉のつもりなんだろうけど…そうだよな…?)

 

三葉:あ、ご、ごめん…///

 

三葉:(勇気出したけど…通じてないか…)

 

 

 

シノア:...例えばね?優さんが普段から仲間とスキンシップするタイプならわかりますよ?でもそんなことないじゃないですか

 

優:お、おう?

 

シノア:なのにみっちゃんにはするんですねぇ、へぇそうですか イライラ

 

三葉:…///// (ヤバいにやけが止まんない…)

 

優:ち、違うって、お前が三葉の立場だったら、同じことしたよ…!!

 

シノア:へ…?//////

 

三葉:え…

 

君月•与一:(お…?)

 

 

 

シノア:え、それは、どういう...//////

 

優:どういうって、そのままだよ、お前と言い合いになってて、その後ろから攻撃が来たらとっさに引き寄せただろうし、コンビネーション決まったらいえーいぐらいするって...!

 

三葉:...ふ~ん?

 

三葉:(思いっきり上げて落とされたんだけど...?)

 

シノア:...。そ、それにしたって、引き寄せるというか、抱きしめちゃってましたけど...?

 

優:思ったより、敵の攻撃が重かったんだ...。三葉を後ろに下がらせるつもりだったんだけど、そこにキャパを割く余裕がなくて抱きしめちまった...。

 

シノア:な、なるほど?

 

三葉:...ほーん?

 

三葉:(なにその夢の無い解説...期待したあたしが馬鹿なのね...?)

 

 

 

シノア:...というかなんですか、私をハグしてたかもってことですか...?//////

 

優:…。(そう聞かれるとなんか悪いことしたみたいだな...)

 

優:ま、まぁうん、ごめん、そうなっちゃってたかもな...

 

シノア:なっちゃってたって...はあそうですよね、私みたいなまな板じゃハグしてもつまんないですよねぇ ゴゴゴ

 

優:そっそんなことは言ってねぇだろ...

 

シノア:みっちゃんはやわこくて気持ちいいですもんねー プイッ

 

三葉:ばっ...///...シノアっ...///!!

 

優:...っ...///...そ、そんなんじゃねぇって...

 

シノア:隊長命令です、メンバーに痴漢したんですから、報告書として感想を提出しなさい... イライラ

 

三葉:ち、痴漢?!...//////(優ならむしろ歓迎なのに...!!//////)

 

優:職権乱用もいいところだろ?!痴漢じゃねぇっての!!///

 

優:(なっなんでこんなにやり辛いんだ?!仲間を守りつつ、シノアに好かれたいだけなのに...!!)

 

 

 

優:(...ってか、痴漢なのか...?)

 

優:...ごっ、ごめんな、三葉、嫌だったろ...?

 

三葉:あ、いや!むしろ、ありがとう...///// (人生で一番幸せでした...//////)

 

シノア:ハグしてくれてありがとうですって...?

 

三葉:たっ助けてくれて、ありがとうって言ってんの!//////

 

優:俺、その、女友達とかいないからか、距離感わからなくて、すまん... シュン

 

シノア:....え?

 

シノア:(あれ?...私は...?) ガーン

 

三葉:え、そ、そうなの...?!(シノアは...?!)

 

与一:(あれ、シノアさん友達じゃない認定なんだ...?)

 

君月:(いちいち爆弾ぶっこみやがって...)

 

 

 

三葉:な、なら、あたしが、初めての女友達になってあげるよ...!////

 

優:え、三葉が...?

 

三葉:うん、だってほら、昨日は初対面だったけど、仲良くなったじゃん?今日なんて優に助けられちゃったし、さっきも良いコンビネーションだったし!息ぴったしじゃんあたしたち!////

 

優:まっ、マジで...?!

 

三葉:そっそんなに嬉しいの...?///

 

優:そりゃ嬉しいに決まってるよ...!!

 

優:(よっしゃぁ、シノアのこと相談できるじゃん...!!)

 

三葉:もう、優ってば...////// ニヤニヤ

 

優:ありがとな、三葉...!!

 

三葉:ふふっ、こっちこそありがとー?///// (脈だらけじゃん!!////)

 

シノア:... ユラァッ

 

君月・与一:やばそう... ボソッ

 

 

 

シノア:……ちょっと待ってください優さん。私というものがありながら『女友達がいない』とはどういうことですか? 私たちは共に修羅場を潜り抜けてきた大切な仲間であり、お友達ですよねぇ……?

 

優:え? シノアは...(好きなやつ、とは言えねぇしなぁ...///)

 

優:...意地悪だけど仲良い妹って感じだから、友達って言われるとピンとこねぇな...

 

優:(めっちゃ大事なんだよお前のこと...///...妹いないからわかんないけど...)

 

シノア:〜〜〜っ!!? い、い、妹ぉ!?

 

三葉:ぷっ……! クククッ……妹……! 妹だってよシノア!!

 

三葉:(ヤバい……! 妹属性のシノアを出し抜いて、あたしが『一番身近な女』のポジションに昇格したんじゃないのこれ!?////// )

 

シノア:笑いごとじゃありませんよみっちゃん! なんですか妹って! 私は分隊長ですよ!? ちょっと意地悪で可愛いお友達ポジションじゃなかったんですか!?

 

与一:(シノアさん、本気でショック受けてる……!)

 

君月:(優のやつ、ほんとのとこはどう思ってんだ...?)

 

 

 

優:与一はかわいい弟って感じだな、んで君月は悪友だ。

 

与一:え?///

 

君月:...なんだよ急に... ポリポリ

 

シノア:えっ、ちょ、それなら私も可愛い妹でいいじゃないですか?!なんですか意地悪な妹って!!

 

優:...まぁ確かに、顔は可愛いけど、性格がひでぇからなぁ…

 

シノア:顔は可愛い……!? っ……〜〜〜〜っっっ!!!///

 

優:あ.../// (しまった...)

 

三葉:...っ…!?ちょ、ちょっと優! なにサラッとシノアのこと褒めてんのさ!!

 

優:う、嘘言ってもしょうがねぇだろ?...ってか、あんな意地悪な揶揄い方、可愛い奴がやらねぇと成立しねぇだろ…ブスがやってたらイラッとして張り倒すわ…///

 

優:(どうだ、完璧な言い訳だろ...?!)

 

三葉・シノア・与一・君月:…………。

 

本日一番の静寂。

 

 

 

シノア:(か……『可愛い奴がやらねぇと成立しない』……!? な、何ですかその無自覚な殺し文句はーーーーっ!!//////)

 

三葉:〜〜〜っ! お前はっ……お前というやつは! なんでそう息を吐くように恥ずかしいことを言えるんだ!!

 

優:えっ、なんで怒られてんの?!...お前らもそう思うだろ?!

 

君月:頼むから俺らに聞くな...!

 

与一:火に油を注ぐだけだよ、優くん...

 

シノア:優さんのバカ!無神経! 天然たらし! もう知りません!!///////

 

優:そ、そんなぁ...!! ガビーン

 

 

 

シノア: ...////// ツーン

 

優:(ツンとしているシノアも可愛い...//////...いやそんなこと言ってる場合じゃない...!)

 

優:(何とかして巻き返したいけど...もう地上が近い...)

 

三葉:(あたしも...可愛いって、言われたいのに...!!)

 

久しぶりに地上に出た。太陽の光が眩しい。

 

少女:あ、お兄ちゃん...!////// タタッ

 

優:!よ、久しぶり。

 

少女:ごめんなさい、わ、私...

 

優:気にするな、おまえは自分の家族を守ろうとした、それだけだ。

 

少女:でっでも...

 

優:正しいことをしたんだ、だから謝るな ナデナデ

 

少女:あ...////// トロン

 

シノア・三葉:(ライバルを増やすなぁ..!!)

 

大人げない問題児たち。

 

 

 

優:(...そして...)

 

”てめぇらなんてことしてくれたんだ!!”

 

男:なんで吸血鬼を殺した!?あいつらがいなくなったら俺らは...子供たちはどうなる!?

 

少女:お、お父さん...

 

吸血鬼の庇護下にあった人質達。

血を吸わせることで、バケモノから守られていた。

優:...お父さん、落ち着いてください ポン

 

シノア・君月・与一:え...?!

 

三葉:?

 

 

 

男:なんだよっ...?

 

優:...シノア、今の渋谷なら、このくらいの人数、受け入れられるんじゃねぇか?

 

シノア:え?あ、はい。そうですね、渋谷は日々発展していますので、問題ないと思います。

 

男:なっ、ほ、本当か?!

 

シノア:はい。今からでも、向かいましょう?

 

日常を取り戻せることに喜ぶ人質たち。

 

男:...文句言って悪かった...ありがとう、娘を助けてくれて。

 

優:いえいえ、今度こそ、幸せに暮らしてください。

 

シノア:...優さんってこんな感じでしたっけ...? ボソッ

 

与一:少なくとももっと野生児感あったような... ボソッ

 

君月:あいつって敬語使えたんだな... ボソッ

 

三葉:(優...やっぱりやさしいっ.../////) キラキラ

 

 

 

少女:お、お兄ちゃん...!!////

 

優:ん?

 

少女:あ、あの、あのね...////

 

優:うん...?

 

少女:お兄ちゃんも、渋谷?で暮らしてるの?/////

 

シノア・三葉:...

 

優:いや、俺は新宿だな。どうした?

 

少女:あ...どのくらい遠いの...?

 

優:新宿と渋谷?...大して離れてないさ、車だったら20分もかかんねぇかな

 

少女:じゃあ、もしね、よかったらね、今度、一緒に遊びたい、です...//////

 

シノア・三葉:...。

 

 

 

優:...ははっ、そうだな、今度兄ちゃんと一緒に遊ぶか。

 

少女:う、うんっ!!///...でも、どうやって会いに行けばいいのかな...?

 

優:...”日本帝鬼軍”の人に会いたいって言えば、父ちゃんが連れてってくれると思うぜ。

 

少女:ほんと...?じゃぁ、そうするね?////

 

優:おう。ほら、父ちゃんが心配そうにしてるぞ...?

 

少女:うん、待たね!お兄ちゃん...!////// フリフリ

 

優:...元気でな。

 

やらなきゃいけないことが多い。

このまま行けば、明日は新宿戦、俺は7日間昏睡、柊家の尋問、鬼との対峙、

数日後には名古屋戦、その日の午後にはシノア隊と鳴海で軍を離反して漁村で3カ月隠居。

フェリドの家、柊家、民家、グレンの実家、シノア隊から離脱しミカとさすらう日々。

そして、すぐに最終決戦へ向かうことに。

もう二度と会えないかもな。

...別れというのはやっぱり寂しいもんだな。

 

 

 

シノア:..."元気でな"って、変じゃないですか?

 

優:ん

 

三葉:そうだな、まるでもう、会わないことが確定しているかのような...

 

優:そんなことないだろ

 

シノア:...ふらっといなくなったりしちゃ、ダメですよ?

 

優:...え。

 

三葉:そうだぞ、なんかお前、どっか行きそうな感じ、出してる...

 

優:...なんだよそれ、どんな感じだよ...

 

 

 

シノア:...私たち、家族なんですよね? ギュッ

 

袖を捕まれる。

 

優:ど、どうしたんだよ...///// (上目遣いのシノアも可愛い...//////)

 

三葉:お前が、そうやって、口説いたんだろ...?////// ギュッ

 

反対の袖も捕まる。

 

優:口説いてはいねぇよ...!三葉まで、どうした...?/// (不覚...!///)

 

シノア:家族を失わないように、捕まえてます...///

 

三葉:そうだ、ちょっとした風で飛んでっちゃいそうだ...///

 

優:俺は紙か何かで出来てんのか...?///

 

君月:...空が青いな

 

与一:ふふっ、夕方だよ?

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。