ひしゃげた鍵で釣った魚は、間男の給餌を受け入れる。 作:鯛と琴
数日後。
デリバリーを行うというアイデアを試すため、言い出しっぺのベリサは宿舎に出向いていた。
お仕事衣装で宿舎を訪れるのは珍しくもない。それを見せる相手が司令官から娼館客に変わっただけ。
その相手だって、性懲りも無くわからせプレイを頼んでくるいつものおじさんだ。ベリサが負ける理由など微塵もない。
それよりも、ベリサの考えは司令官とアリシアの関係にあった。
当人たちの間ですら曖昧ではあるものの、同僚や友人という立場から、ひとつ進んだ関係性になったこと。
それは誰の目にも明らかで。
司令官が女を抱くことは珍しくない。
そこに特別な価値はない。
ベリサが見たいのは、あの日、情けなく精を漏らしてしまった時のような姿。
司令官が心の底で隠している、自分たちへの嫉妬心。
清純なアリシアには向けられることのない、我儘なもうひとつの本音。
ベリサの恋心は、それを欲していた。
そして、ベリサの悪戯心は、それを手玉に取る手段へと肉薄していた。
内なる魔性に火が付いて、煤のようにドス黒い発想が次々と浮かぶ。
己の才能に恐怖しながら、ゾクゾクと愉しくなっている気持ちが無視できない。
気づけば、ベリサは客の部屋の前まで着いていた。
「ルディアさんのお店からきました〜、ベリサちゃんで〜す♡」
ノックしながらそう告げると、すぐに男は戸を開いた。連戦連敗だというのに、今日もベリサをわからせようと意気込んでいる。
それがベリサにとっては、好都合だった。
───
──
─
「あっ♡ あん♡ あぁ〜ん♡」
「ベリサちゃんっ♡ やっとおじさんのチンポ好きになってくれたんだねっ♡」
ルディアに頼まれて、宿舎まで軽く確認に来た司令官は、ドアの前で立ち尽くしていた。
ベリサの喘ぎ声はわかりやすいほどに演技臭かったが、それでもニナがハメ潰されていた日のことを思い出さずにはいられない。
「うんっ♡ 好きぃ♡ おじさんちんぽ好き好きぃ〜っ♡ あ〜んっ♡ 司令官のちんぽよりぃ、こっちの方が好きぃっ♡」
「司令官までこんな悪いメスガキまんこに誑かされてたなんてっ! 他の男に被害が出ないようにみっちりわからせてあげるからねっ♡」
「あっ♡ 駄目っ♡ 窓から見られちゃう♡ ベリサちゃんが負けてるとこ見られちゃう〜っ♡」
そんな声を皮切りに、声と足音は遠ざかっていく。耳を近づけてもそれ以上は明確には聞き取れない。
恐らくは「そういうプレイ」なのだろう。心配の必要もないのだから邪魔をするわけにもいかない。
だが、本人にも不思議なことに、ベリサが他人と交わっている姿を見たいという感情に司令官は襲われていた。
アリシアに気持ちを伝えるためとはいえ、皆に協力を仰いだくらいだ。自暴自棄になっていたっておかしくはない。
そんな言い訳を作りながら、司令官は宿舎の外、部屋の窓が見える裏手の通路に吸い込まれていった。
あの部屋は1階。
もしカーテンを閉めていないなら、いろんな人から丸見えになってしまうだろう。
そう考える司令官を嘲笑うように、カーテンどころか窓も開けた状態で、ベリサはその上半身を外に放り出していた。
「あっ、あん♡ おにーさん♡ なんでこんなとこにいるのかなぁ〜?」
下半身は外から確認できないが、上下に跳ねるベリサと、そのリズムに合わせてパンパンと煩く響く音が何をしているかを物語っていた。
「……っ、お前、そういうことか。ベリサ……俺を嵌めたな?」
「え〜? なんのことかぁ♡ あん♡ わかんな〜い♡ おちんぽハメハメならしてるけどぉ♡ このちんぽ♡ 気持ちよすぎてぇ♡」
気持ち良すぎて、と言うにはあまりに流暢に喋るな、と司令官は呆れる。
しかしながら、一見ギャグとも思えるほどに下品な淫語をベリサが発していることに、悔しくも下半身が反応してしまっていた。
「こらっ! 嘘つきやがってこのメスガキッ! 司令官に見せつけたいとか抜かしたのはお前だろうが!」
「おっ♡ あっ♡ や〜ん♡ バラしちゃ駄目ぇ♡」
客の男が怒りに任せて腰を突き上げる。
司令官に真意を知られてしまったことも相待って、奥を突かれたベリサの喘ぎ声に本物が混じり始める。
司令官もそれに気付いたようで、動悸で血流が速くなるのを感じていた。
「んっ♡ あぁっ、あはっ♡ おにーさん凄い顔してる♡ もしかしてっ、怒っちゃった? それともぉ……んっ♡ 興奮しちゃった?」
「……興奮しないと言えば嘘にはなるがな。とはいえこれはやりすぎだろう。誰に見られたらどうするんだ」
「もしかして、心配してくれてるの〜?」
周りの迷惑だと解釈させるつもりだったが、ベリサは易々と本心を見抜く。
「宿舎でこんなの見せつけてたら〜、誰にでも股を開く、うぅん♡ ビッチまんこ♡ だと思われちゃうかもっ、しれないもんね♡」
娼婦として店が管理することもできない、本当の堕落。
その姿を想像して、興奮を募らせる三者。
「無料でヤれる女だと思われたらぁ♡ ベリサちゃんトイレに無理やり連れ込まれてぇ、集団れーぷ♡ されちゃうかも♡ そうなったら、避妊なしで休みなく連続でパコられて、身体中ザーメンと下品な落書きで汚されちゃう♡」
その想像をさらに掻き立て、煽るように淫語を紡いでいくベリサ。
客の男も独占欲に駆られて腰振りを早め、それを受け止める膣も愛液が溢れていた。
「穴が緩くなったら、今度は妹を呼んでこいよって言われちゃうかも♡ おにーさんもこんな風に、窓から見せつけるみたいにエッチしたんでしょ? ヴィーラと♡」
「っ、それは……!」
ヴィーラから望んだことだ、と言おうとして、より重要なことに思考が遮られる。
何故ベリサがそのことを知っているのか。本人から聞いたのならともかく、あの時誰かに見られていて、噂になっていたら。
そんな悪い想像が司令官の頭を埋め尽くした。
「それに、興奮しちゃダーメ♡ おにーさんには副官さんがいるんだから♡ 彼女でもない女の子が精液便所になる妄想なんかで勃起したら、浮気になっちゃう♡」
既にあからさまにテントを張っているというのに、見えないフリをしてわざとらしく言う。
もはや司令官は何も言い返せず、彼女の手のひらの上だった。
「でも……それでもいいなら、ベリサちゃんの寝取られ交尾見ながらシコってもいいよ♡ 副官さんにはこんな性癖、言えるわけないもんね?」
とどめに、地の底に引き摺り込むような甘言に、司令官は苦しそうに冷や汗をかきながらも、震える手が欲望のまま愚息へと伸びつつあった。
普段なら絶対に見られない愛する男の姿に、ベリサは子宮の内側から充足感を得ていく。
だが、それに待ったをかけるように、客の男がベリサの腰を掴んだ。
「黙って聞いてりゃ調子づきやがって、人を誑かす悪いメスガキが……! 二度とそんな口聞けないように俺がハメ潰してやる……!」
「あん♡ そこっ、気持ちいい♡ ふふっ、でもぉ……その程度じゃ、私をハメ潰すなんてできないけどな〜? 付き合ってくれたお礼にここまで好きにさせてあげたけど……おじさん、そうでもしないと私に勝てないでしょ?」
「ぐっ……!?」
不用意に奥まで潜り込んできた肉棒を、返り討ちにするように締め上げる。
快楽に悶える男の表情を見て、さらにベリサは口角を釣り上げた。
「わからせるなんて言って、こうやって逆転されるの、本当は大好きだもんね? 強がってるのに簡単に負けちゃう、可愛いおじさんの情けない顔も、もっと見せて♡」
ベリサは男に向き直り、ぐりぐりと押し付けるような妖艶な腰使いで責め立てる。
背を向けられた司令官は、置いてけぼりにされたような気持ちになり、ついに自慰を始めてしまった。
「ベリサちゃんはとっても我儘だから♡ おじさんのことも可愛がってあげる♡ 大事なお客さんだもん、私は、みーんなまとめて満足させちゃうもんね♡」
私は、と強調して言いながら、先ほどの仕返しと言わんばかりに激しく腰を振る。
愛液でとろとろに熟れた膣壁で肉棒をぞりぞりと擦り上げ、射精を促すように煽る。
「悪ぅ〜いメスガキにちんぽ負けろ♡ マゾ汁ドピュれ♡ お漏らししろ♡ イけ、イけ、イけ♡」
ぴゅるるるぅ〜〜っ♡
どくっ、どくっ、とぷとぷ……♡
「はぁい、ぴゅっ、ぴゅう〜〜っ♡ ぶぴゅぴゅぷぅ〜っ♡ ぴるぴるぴるぅ〜っ♡」
屈服したことを示すように、勢いのない精液が滲出する。
それを子宮で受け止めながら、ベリサも満足感で甘い快楽に包まれた。
「……おにーさんも射精しちゃったんだ♡ これで浮気成立、だね♡」
振り向きながら、竿を引き抜いて立ち上がるベリサ。
司令官がようやく目にした蜜壺からは、粘度の高い精液が垂れていた。
「じゃ、ベリサちゃんまだ予定があるから行くね? 宣伝にはなったかもだけど、こんな倒錯プレイじゃデリバリーの良し悪しとかわかんないし」
最後に駄目押しのように冷たく言い放って、男2人の感情を荒らす。
「あ、でも……流石に無料でおまんこ使わせるとかはしないから、安心してね♡」