※この作品はR-18です。

豪華客船で過ごす日々   作:アジの塩焼き

22 / 25
第10話(上) 水泳インストラクター編(Deck 6・プールサイドの夜間個人レッスン)

 

 深夜十一時、超豪華客船《ステラ・マリス》のDeck 6に設置されたガラス張りのプライベートプールには、他に誰の気配もなかった。

 

 船体の緩やかな揺れとともに、プールの水面が静かに揺れている。

 

 天井一面に張り巡らされた高精度な防水LEDが、水面を青白く美しく照らし出し、波紋が壁や天井に複雑な光の格子模様を描き続けていた。

 

 プールの周囲を囲む大きなガラス窓の向こうには、漆黒の外洋が広がり、満月の光が波頭をきらきらと銀色に輝かせている。

 

 外洋を貫く重低音の機関の振動が、デッキの床を通して足の裏にかすかに伝わっている。

 

 プールサイドのデッキチェアに腰掛け、硝子越しに広がる深夜の外洋を眺めていたあなたの背後で、柔らかな足音がした。

 

「お待たせしてしまいましたね、お客様」

 

 透き通るような、はにかんだ声音だった。

 

 振り返ると、プールサイドの専属水泳インストラクターが微笑みながら近づいてくるところだった。

 

 スポーティな体格にぴったりと吸い付く紺の競泳水着は、肩から脚の付け根にかけてのラインを一切の誤魔化しなく、完璧な女性の造形美として露わにしていた。

 

 日々の水泳指導と自らのトレーニングによって鍛え上げられた均整の取れた肢体は、しなやかさの中にほどよいメリハリを兼ね備えている。

 

 肩まで伸びたゆるやかなウェーブの明るい栗色の髪は、すでにプールの水の飛沫が微かに滲んでいた。

 

 健康的な陽射しを思わせる透明感のある肌と、体育会系の率直な笑顔の中に、滲み出るような艶めかしさが同居している。

 

「今夜は特別に、夜間の個人レッスンをご用意いたしました。……本船にお客様がご乗船になってから、ずっとこの機会をお待ちしていたんです」

 

 彼女はデッキチェアのあなたの隣に腰を下ろし、プールサイドに両手をついて夜光に輝く水面を眺めた。

 

 ガラス越しに広がる漆黒の外洋と、水面に映り込む月明かりがゆらゆらと揺れている。

 

「これだけ静かな深夜のプールは、なかなか贅沢ですよね。……波の音と、水の音だけで、もう他には何もいらない気がして」

 

 プールに顔を向けたまま、彼女が柔らかくつぶやいた。

 

 日頃の快活さが薄れ、夜のプールサイドの柔らかな光の中で、彼女の横顔は普段より静かな表情を持っていた。

 

 しばらく二人並んで水面の揺れを眺めていると、彼女がそっとあなたの手元へ視線を下ろした。

 

「せっかくですから、一緒に入りませんか。……深夜のプールを二人で独り占めなんて、普段はできないことですから」

 

 彼女が先にプールサイドへと立ち上がり、両手を広げてあなたに差し出した。

 

 あなたがその手を取り、プールの端に並んで立つと、静寂の中に水が微かに揺れる音だけが広がった。

 

 二人はそのまま、音を立てずにプールの中へと身を沈めた。

 

 水温は体温よりほんの少し低く、肌に触れた瞬間に涼やかな快感が全身を包んだ。

 

 水の中に沈んだ脚の間を、プールの底から投影された青白い光の格子模様が静かに流れていく。

 

 水の重さが全身を均等に押し包み、陸の上とは異なる浮遊感が、日頃の疲労や緊張をするりと溶かしていく。

 

 インストラクターは水の中を軽やかに泳ぐように移動し、あなたの前に浮かび上がった。

 

「泳いでみますか? ……それとも」

 

 水の中で向き直り、あなたの顔を真っすぐに見上げた。

 

 プールの水が彼女の唇の端を微かに濡らし、健康的な肌の上に輝いている。

 

「このまま、ここにいますか」

 

 彼女が言い終わらないうちに、あなたは水の中で彼女の腰を抱き寄せた。

 

 水圧に包まれながら密着した身体同士から、互いの体温がじわりと溶け合う。

 

 競泳水着の薄い生地越しに、彼女のしなやかな腰の感触が掌に直接伝わってくる。

 

「……お客様」

 

 彼女はわずかに瞳を細め、あなたの胸板にそっと両手をあてた。

 

 水中で揺れる二人の間に、水面の光模様が複雑に反射している。

 

 あなたは彼女の顎を持ち上げ、水の滴る柔らかな唇へと口を重ねた。

 

 チュッ、と小さく溶け合う口づけの音が、静まり返ったプールの空間にわずかに弾けた。

 

 彼女はほんの一瞬だけ瞳を閉じ、あなたの口づけをそのまま受け止めた。

 

 水の中で絡み合う指先。

 

 彼女の腰に回したあなたの手が、競泳水着の薄い生地越しにゆっくりと背中を撫で下ろすと、インストラクターの唇から微かな吐息が漏れた。

 

「……ここ、水の中で、いいんですか……?」

 

 少しかすれた声で彼女が尋ねた。

 

 あなたはプールサイドへと彼女を抱きかかえながら、水中から二人の身体をゆっくりと引き上げた。

 

 水を滴らせながらデッキへと上がった彼女を、あなたはデッキチェアへとゆっくりと押し倒した。

 

 硬いデッキの代わりに、プールサイドに広げた厚手のバスタオルが、二人の身体を受け止める。

 

 水しぶきが床に広がり、二人の濡れた素肌が、冷たい夜気の中でじわじわと熱を帯びていく。

 

 インストラクターは潤んだ瞳であなたを見上げ、濡れた両手を伸ばしてあなたの首筋に回した。

 

「……私も、ずっと気になってたんです。お客様のこと」

 

 正直な告白が、夜のプールの静寂の中に溶けていった。

 

 波音と水面の揺れだけが、二人の周囲を包んでいた。

 

 あなたは彼女の競泳水着の肩紐に指を掛け、ゆっくりと引き下ろした。

 

 露わになった肩から鎖骨、そして上半身の滑らかな曲線が、夜光に濡れてきらきらと輝いている。

 

 日々のトレーニングによって引き締まりながらも女性らしい丸みを持つ胸元が、水滴を纏いながら夜気の中に解放された。

 

「あ……っ」

 

 涼しい夜気に肌を晒され、彼女の薄紅色の先端がキュッと硬く立ち上がった。

 

 あなたは唇をそこへ近づけ、先端を優しく吸い上げた。

 

 ちゅっ、と柔らかい吸着音が鳴り、彼女の腰がびくりと跳ねた。

 

「ん……っ! ちょっと、そんなに……っ」

 

 言葉が途切れ、彼女が両手でそっとあなたの頭を引き寄せた。

 

 あなたは舌先で先端を転がしながら、もう片方の手で反対側の乳房を掌で包み込んだ。

 

 水着の生地が滑らかに滑り、引き締まった谷間の弾力があなたの指の隙間にじわりと入り込んでくる。

 

「あぁっ……あなた、そこも……っ!」

 

 二つの先端を同時に刺激されて、インストラクターの背筋が弓なりに浮き上がった。

 

 水で濡れた素肌の上を、あなたの唇と指先が丁寧に辿っていく。

 

 鎖骨の窪み、脇腹の緩やかな曲線、引き締まった腹部の薄い筋肉の輪郭。

 

 水着を腰まで引き下ろすと、白く整った下腹部と、その奥に静かに佇む秘所が夜の青白い光の中に現れた。

 

「……見ないで……」

 

 彼女が照れるように視線を逸らした。

 

 だが、あなたがそっと秘唇の割れ目に指先を添えると、すでに水着の奥で秘かに濡れ始めていたことがすぐに分かった。

 

「……もう、こんなに……」

 

 かすれた声で彼女がつぶやき、プールサイドのバスタオルをぎゅっと握り締めた。

 

 水の冷たさと、彼女の内側から溢れ出す蜜の温かさが、あなたの指先の上で入り混じっていた。

 

 波音の中で、二人の吐息が少しずつ熱を帯びていく。

 

 水の冷たさと肌の熱さが混ざり合い、夜のプールデッキに二人だけの濃密な時間が静かに広がっていった。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。