ピアノの椅子から立ち上がった彼女の手を、あなたは握ったまま、ピアノの胴体の横へと移動した。巨大なグランドピアノの傍ら、サロンの端の薄明かりの中。黒い鏡面の胴体が壁のように二人を囲み、外からは見えない小さな場所を作っている。
あなたは彼女と向き合った。正面から見ると、彼女の目がはっきりと見えた。月明かりが横から差し込んで、瞳の縁が淡く光っている。日頃は落ち着いた表情を保っているが、今は少しだけ呼吸が乱れていた。
「……いいんですか」
彼女が聞いた。
あなたは答えず、彼女の顎に手を添え、唇を重ねた。薄くて少し乾いた、柔らかい感触。彼女は最初ほんの少しだけ固まり、すぐに力を抜いた。
あなたは唇を離さないまま、彼女の背に手を回す。ブラウスの薄い生地越しに、脊柱の細い線と肩甲骨の縁が掌に伝わってくる。毎日長時間ピアノの前に座り続けてきた背中は、演奏者のそれで、厚みより緻密さがあった。
唇を離すと、彼女の呼吸が微かに乱れている。あなたは彼女のブラウスのボタンに指をかけた。ボタンが上から順に外れ、白いブラウスが左右に開く。
細い肩、鎖骨の窪み、スポーツブラの薄い生地。毎日演奏台で背筋を伸ばし続けてきた体は、余分なものが何もない。腹部は薄く、腰の骨の形が浮き出ている。それでも胸元は丸みを持ち、女性らしいラインが確かにある。
あなたはブラウスを肩から滑らせた。彼女は自分でスポーツブラの裾をつかみ、頭から引き抜く。夜のサロンの薄い光の中、彼女の素肌が静かに白く浮かんだ。
あなたは両手で彼女の胸を包んだ。演奏で使い込んだ指先とは違う、掌全体の温かさで受け止める。
「んっ……」
小さく声が出て、彼女は奥歯を噛んだ。あなたは先端を親指でゆっくりと撫で回しながら、彼女の首筋に唇を寄せた。鎖骨の真下、胸の上側の丸みを帯びた面を唇で丁寧に辿っていく。石鹸の残り香と、かすかな体温の匂いが混ざって鼻を撫でた。
彼女は片手でピアノの胴体の縁をつかみ、もう片方の手をあなたの背中に回した。
「……弾かせてみますか」
突然、彼女が言った。
「あなたが覚えてる曲。鍵盤を見せてあげますよ」
あなたは彼女の胸に顔を近づけたまま、首を横に振った。
「……そうでした」
彼女の腰に手を回し、スラックスのウエストに指を差し入れる。生地をゆっくりと押し下げると、引き締まった腰と脚の付け根が露わになった。スラックスとショーツが一緒に床へと落ちる。彼女の腰を両手で引き寄せ、ピアノの胴体に背中を押しつけた体勢で向き合う。
あなたはショーツの布地を指先でずらし、秘唇の割れ目に触れた。
「っ……」
彼女の肩が上がり、ピアノの縁を握った指先が白くなった。まだほとんど触れていないのに、割れ目の中がすでに湿り始めている。あなたが指先を割れ目の縁に沿ってゆっくりと動かすと、彼女は奥歯を噛んだまま細く息を吐いた。
「……聞こえますよ、音が」
わずかな湿った音を、彼女が小声で指摘した。あなたは指の動きを止めず、割れ目の奥の突起に親指を当てた。小さく、しかし確かな感触。ゆっくりと押すと、彼女の腰がびくりと動いた。
「ん……っ、そこ……っ」
あなたはショーツを完全に下ろし、彼女を抱えてピアノの椅子へと移動し、鍵盤を背にした形で椅子の端に座らせる。両脚の間に膝をついたあなたは、彼女の太ももを左右へと開かせた。蜜に濡れた薄紅色の秘肉が、月明かりと間接照明の中に静かに晒される。
あなたは顔を沈め、舌先を割れ目に這わせた。
「ひゃっ……!」
甲高い声が出て、彼女は咄嗟に口を押さえた。広いサロンの天井に音が広がり、遠くへと消えていく。あなたは構わず、ゆっくりと舌を動かし続けた。敏感な突起を舌先でちろちろと弾き、溢れた蜜を丁寧に受けながら、内側の粘膜を舐め上げる。
「んんっ……あ……っ、だめ……っ、腰が……」
彼女の太ももがあなたの頭を挟み込み、腰が細かく揺れ始めた。椅子の端をつかんでいた手が鍵盤の縁へと移り、指先が白鍵の上に置かれる。あなたが指を一本、秘孔へと押し入れると、ぬちゅり、と湿った音が響いた。彼女の身体がびくりと跳ねる。
「あっ……っ、中……中に、入って……」
あなたは舌の動きを続けながら、指でゆっくりと内部を探った。胎内の天井の柔らかい部分を指の腹で押すと、彼女は短く悲鳴を上げた。
「ひぁっ……! そこは……っ、だめ……声が……」
あなたはそのまま指の動きを速めた。彼女はしばらく奥歯を噛んでいたが、やがてこらえるのをやめた。
「あ……っ、あっ、あ……っ! そこ……っ、そこを……来る……!」
あなたは親指で突起を押さえ込み、指を内部で折り曲げるように動かした。彼女の太ももがあなたの頭を強く挟み込み、全身がびくびくと細かく震えた。
「んあっ……ああっ……!」
蜜がどっと溢れ、あなたの指と顎を濡らした。彼女の腰がしばらく細かく揺れ続け、やがて力が抜ける。椅子の上で、乱れた呼吸のまま頭を垂れる。
あなたは立ち上がり、ズボンを下ろした。
彼女は顔を上げ、あなたを見た。
「……続き、しますか」
彼女が聞いた。
あなたは彼女の腰を引いて椅子の端へと深く引き寄せながら、硬く反り立った剛直の先端を、蜜に塗れた秘唇の割れ目へとあてがった。ゆっくりと体重をかけ、先端が入り口をじわじわと押し広げていく。
「あ……っ、んっ……おっきい……」
彼女の指がシャツの胸元を強くつかんだ。根元まで沈み込むと、子宮口へと亀頭がずしりと突き当たった。彼女は首を仰け反らせ、鍵盤の縁に頭をわずかに預ける。
「……ここまで、来た」
あなたは腰を少し引き、また押す。ズチュ、と重く濡れた音が椅子の下で鳴り、彼女の腰がびくりと動いた。ゆっくりと、リズムを刻むように動き始める。ドチュッ、ズチュ、ドチュッ……と濡れた音が一定のテンポで繰り返され、やがて少しずつ速くなっていった。
「あっ……あっ……っ、奥……っ、そこが……っ!」
彼女の片脚があなたの腰に絡みつき、引き込もうとする力がかかってくる。あなたは彼女の腰を両手でしっかりと抱え、最奥へと深く突き込んだ。
「ひぁあっ……! いい……そこが一番……っ、もっと……もっと来てください……っ!」
控えめなピアニストの声が、夜のグランドサロンに素直に広がっていく。天井の高い空間が音を受けとめ、波の音と一緒に溶けていく。彼女の両手があなたの背に回り、爪が立てられた。
あなたはさらに体位を深くするため、彼女の片脚を肩に担ぎ上げた。秘所の角度が変わり、剛直が奥の方向へとさらに深く食い込む。
「ああっ……っ! 深い……っ、さっきより……全部、奥まで届いてる……!」
膣壁が熱く波打ち、剛直を締め付けてくる感触が強まった。二人の息が乱れ、あなたの下腹部の熱が臨界点へと迫っていく。
「中に……来てください」
彼女が掠れた声で言った。
あなたは腰の動きをさらに深くし、最後に思い切り押し込んだ。
「あぁぁ……っ!」
彼女の絶叫とともに、あなたの剛直から熱い白濁が放たれた。ドクドクと脈打ちながら、子宮の奥へと流れ込んでいく。彼女は全身をびくびくと震わせながら、あなたのシャツを強く握り締めた。
長い余韻が過ぎ、二人の息が少しずつ落ち着いた。あなたがゆっくりと引き抜くと、とろりとした白濁が椅子の端へと垂れ落ちていく。
彼女は椅子の上でそのまま、鍵盤の縁に頭を傾けて天井を見上げた。ピアノの鍵盤が、彼女の頭の真後ろで静かに並んでいる。
「……鍵盤が後ろに来てる演奏は、初めてでした」
あなたは床に落ちたブラウスを拾い上げ、彼女の肩にかけた。彼女はブラウスの前を合わせながら、ピアノの黒い鏡面に映る自分たちを見た。月明かりの中、二人の姿がぼんやりと映り込んでいた。
彼女はしばらく鏡面を見つめてから、鍵盤に向き直った。今度は最初から、両手で弾き始めた。
夜のサロンに、音楽が再び広がっていく。あなたはピアノの横に椅子を引き寄せ、その音を聞きながら座っていた。