昼過ぎに目を覚ました二人は、再びギルドに向かっていた。
宿屋のベッドからゆっくり起き上がり、昨夜の甘い余韻を胸に、軽く着替えて街の通りを歩く。
女武闘家は竜騎士の腕に寄りかかり、昨日の戦いの疲れを忘れたように笑顔だった。
「昨夜の『運動』、効いたわね。体が軽いわ」
竜騎士は苦笑しながら手を握り返した。
「そうだな…でも、君のせいで寝坊しちゃったよ」
二人は軽くじゃれ合いながら、ギルドの石造りの建物へ入った。
ギルドのカウンターで、受付嬢が二人の姿を見つけると、笑顔で迎えた。
「おかえりなさい。ちょうど良かったわ。あなたたちの活躍が認められて、黒曜級に昇級よ!」
彼女は新しい認識票を渡し、二人は目を丸くした。
黒曜級は白磁から始まるランクの次の段階で、まだまだ上のランクはあるのだが、女武闘家は認識票を手に取り、「やったね!」と喜びの声を上げた。
竜騎士自身も何となく嬉しかった。
新しい認識票をお互いに見せ合い、二人は笑い合っていた。
黒曜の輝きが、二人を結ぶ絆のように感じられた。
「これからも人助け頑張ろうね!」
女武闘家は認識票を首にかけて、満足げに言うと、竜騎士も頷き返事をする。
「そうだね。一緒にがんばろう」
今日も何か依頼がないか、掲示板を探していると、重戦士が話しかけてきた。
筋肉質の体に重い鎧を纏った男で、大剣を肩に担ぎ、豪快な笑みを浮かべていた。
「新人の練習をやっているんだが、一緒にやらないか?」
新人の特訓と交流を図ると言う事だが、彼の目は竜騎士のゲイボルグ・アルテマを見ていた。
竜騎士と女武闘家は他の新人冒険者との交流がほとんどなかったので、二人は快く誘いに乗った。
「いいですね。是非お願いします」
竜騎士は槍を担ぎ、女武闘家もスファライ・アルテマを嵌めて頷いた。
ギルドの外にある、少し開けた空き地へ向かうと、そこには重戦士の相棒の女騎士や、新人冒険者たちがいた。
女騎士は軽鎧に剣を携え、凛とした表情で皆を指導していた。
新人たちは木剣を手に、汗を流しながら練習中だった。
竜騎士は彼らの稽古を見ていた。
重戦士が新人相手に実戦形式で稽古をしている。
基本の構え、攻撃のタイミング、防御の仕方などを真剣に見る竜騎士
皆の動きはまだぎこちなかったが悪くはない。
自分の番になり、重戦士は大剣を構えた。
竜騎士は槍を構えて向き合う。
空き地の空気が張りつめ、周囲の新人たちが息を呑んで見守る。
「稽古って言う感じではないですね」
竜騎士は静かに言った。
重戦士の構えは本気で、目が鋭く輝いていた。
重戦士はニヤリと笑い
「ああ、噂のお前と手合わせしてみたかったんだ。さあ、来い!」
彼の大剣が風を切り、稽古が始まった。
二人の動きは速く、槍と剣の衝突音が空き地に響く。
新人たちは目を見張り、女騎士も感心した様子で見守った。
重戦士の大剣が風を切り、地面を抉るような重い一撃を放つ。
だが竜騎士のゲイボルグ・アルテマはそれを軽やかに受け流す。
槍の柄で剣を弾き、瞬時の隙を突いて反撃。
槍先が弧を描き、重戦士の防御を崩す。暫く二人の攻防が続き、空き地の土埃が舞い上がった。
重戦士の息が荒くなり、汗が額を伝う中、竜騎士の動きは流れるように滑らかだった。
エオルゼアの戦いで鍛えられた技が、この世界で何処まで通じるか試してみたい竜騎士は次第に本気を出していく。
ついに、竜騎士の槍が重戦士の喉元に突きつけられた。
槍先がわずかに肌に触れ、冷たいエーテルの光が彼の首筋を照らす。重戦士は大剣を下ろし、息を吐いて自身の敗北を認めた。
「…噂以上の実力だな。完敗だ」
彼の声は悔しげだが、清々しさも混じっていた。新人たちは息を呑んだ。
二人は武器を収め、そのあと話をした。
重戦士は大剣を地面に立てかけ、汗を拭きながら会話をする。
竜騎士は驚いたのは、彼がほぼ独学でやっていた事だった。
「では、誰かに師事した訳ではないんですね」
竜騎士は槍を肩に担ぎ、興味深げに尋ねた。
エオルゼアには冒険者ギルドとは別に、剣術や槍術などの戦闘系や生産系のギルドがあり、そこで己の技を磨くのだが、そのような組織はここには無いらしい。
重戦士は苦笑し、「ああ、この辺りじゃ師匠なんて贅沢なもんはねぇよ、自分で試行錯誤して、戦うしかないさ」
彼の言葉には、この世界の厳しさがにじんでいた。
女武闘家は隣で聞きながら、自身の過去を思い浮かべた。
彼女も父の教えを基に武闘を極めてきたが、独学でやれと言われたら出来る自信は無かった。
二人は重戦士たちと握手し、互いの健闘を称え合った。
空き地の風が土埃を巻き上げ、二人はギルドに戻る道を歩き始めた。
この出会いが、二人に新たな刺激を与えるのだった。
二人は再びギルドに戻った。
昼過ぎに起きたためか、外はすでに夕暮れ前に差し掛かり、街の通りは橙色の陽光に染まっていた。
そのままギルドで食事する事にした、そこで温かなスープとパン、チーズのサラダを注文し、テーブルに座って食事をした。
女武闘家はスープを一口啜り、「ふう…体に染みるわね、最近肉料理多かったから野菜摂らないとね」と竜騎士を見る。
竜騎士もサラダを食べながら「ち、ちゃんと野菜も食べているよ! 君はなんだが母親みたいだぞ」と困り顔で返す。
二人は笑いながら穏やかな会話を交わした。
日常の平和が心を癒すようだった。
食事が終わると、二人は少し町の中を歩いた。
辺境の街は活気に満ち、商人たちの呼び声や馬車の音が響く。
夜になり涼しい風が頰を撫でる中、二人は自然と手を繋いだ。
女武闘家は竜騎士の腕に寄りかかりながら「街を歩くのもいいわね。村とはまた違う賑わいで」と微笑んだ。
竜騎士も「そうだな。君と一緒なら、どこでも楽しいよ」と返し、二人は屋台の前で立ち止まった。
甘い匂いが漂うアップルパイの屋台で、二つ買い、アップルジュースの瓶を手に公園へ向かった。
公園のベンチに座り、二人はアップルパイを頰張った。
サクサクのパイ生地に、甘酸っぱいリンゴのフィリングが溢れ、温かな美味しさが口いっぱいに広がる。
女武闘家は一口食べて目を細め、「美味しい! 甘さがちょうどいいわ」と喜んだ。
彼女の美味しそうに食べる姿が、竜騎士の心を癒す。
戦いの記憶が遠ざかり、ただの恋人としての時間が穏やかに流れた。
アップルジュースの爽やかな酸味が、パイの甘さを引き立て、二人はベンチで肩を寄せ合い、街の景色を眺めた。
竜騎士は彼女の頭を優しく撫で、「今日も『運動』はいいけど、程々にしないと朝起きれないよ」と忠告した。
昨夜の激しさを思い出し、少し意地悪く笑った。女武闘家は頰を膨らませ、不満そうに彼を見上げた。
「むぅ…わかってるわよ。でも、あなたと一緒だと、つい…」
彼女は少し反省した様子で、「はい、あーんして」とアップルパイの欠片を彼の口に運んだ。そして…
「じゃあ、今日は早く帰って、早目に『運動』だね」
彼女の言葉はからかうように軽く、しかし甘い響きを帯びていた。二人は顔を見合わせて笑い、ベンチで寄り添った。
竜騎士は女武闘家の手を繋いで、街の通りを歩きながら優しく言った。
「宿に戻ろうか…」
夕陽の残光が二人の影を長く引き、街灯の灯りが優しく足元を照らす中、彼の指が彼女の指に絡み合う。
彼女の温もりが伝わり、彼の胸は甘く疼いた。
少し照れくさそうに、彼は続けた。
「僕だって、毎日でも君を求めてしまうんだ…」
顔は赤くなり、声は少し掠れていた。
ただの恋する男として彼女を見つめる姿が、彼女の心をくすぐった。
女武闘家は嬉しいよと言って、竜騎士の方を向いた。
彼女の目は優しく輝き、頰が少し赤らむ。
「私も…同じよ。あなたと一緒にいると、毎日が特別になるの」
彼女の言葉は甘く、二人は自然と歩みを止め、互いの視線を絡めた。
二人の世界だけが広がる。
彼女は彼の胸に寄りかかり、軽くキスを交わした。
宿への道は短く感じられ、二人は手を繋いだまま部屋へ戻った。
この日も、二人の熱い夜が訪れた。
部屋の扉を閉めると、彼女は彼を抱きしめ、唇を重ねた。服が次々と落ち、体が絡み合い、互いの息遣いが部屋に満ちる。
彼女の肌は柔らかく、彼の触れ合いが彼女を優しく溶かしていく。
ただ愛し合う時間だけが流れた。
朝の光が差し込むまで、二人は互いを求め合い、甘い吐息と愛の言葉を交わした。
そして二人は朝の光が差し込む部屋で目を覚ました。
昨夜の激しい余韻が体に残り、竜騎士はベッドから体を起こすのに少し時間がかかった。
隣の女武闘家は満足げに微笑みながら、彼に寄りかかっていた。
「また、やってしまったわね…」
彼女の声は甘く、しかし少し反省の色を帯びていた。
竜騎士は彼女の髪を優しく撫で、「君の魅力と誘惑には勝てなかったよ…」と苦笑した。
だが、今日は何とかして起きてギルドに向かう事にした。二人は着替えを済ませ、手を繋いで宿屋を出た。
村の朝の空気が清々しく、朝日が二人の疲れを優しく吹き飛ばすようだった。
ギルドに着くと、受付嬢がいつもの笑顔で迎えた。
「おはようございます。今日は早いですね」
二人はカウンターで依頼を探す前に、受付嬢から竜騎士はスタミナポーションを2本買い、女武闘家と二人でその場で飲んだ。
透明な液体が喉を通り、体に活力が湧き上がる感覚がした。
女武闘家は瓶を空にし、「これで今日も頑張れそうね」と笑った。
竜騎士も頷きながらも「お仕事の話?それとも?」
女武闘家は「どっちかしらね〜」と意地悪そうに笑う
竜騎士はギルドで『夜の戦い』のためにさらに10本ばかり購入した。
ポーション類や解毒剤などは自分で作れるが、これだけはエオルゼアには無い物なので、購入するしかないのだ。
二人は掲示板へ移り、今回は盗賊団の討伐の依頼を受けた。内容は、ある村で盗賊団が来て村の金品を強奪していったと言うものだった。
二人は馬を借りて村へ向かった。
村は比較的、女武闘家の生まれ故郷の村から近い場所にあった。
馬車が揺れる道中、森の景色が広がり、遠くに小さな村のシルエットが見えてきた。竜騎士は彼女の横顔を見ながら尋ねた。
「この村、行った事あるの?」
女武闘家は馬の手綱を握り直し、遠くを眺めながら答えた。
「行った事はないけど、かなり貧しい村とは聞いているわ。父さんが昔、話してくれたけど…」
彼女の声には、不安が混じっていた。
竜騎士は彼女の手を優しく握り「大丈夫、一緒だから」と微笑んだ。
二人は馬を進め、村の入り口へ到着した。
村は確かに貧しく、木造の家々がまばらに並び、畑は荒れ気味だったが、住民たちの目には助けを求める切実さが宿っていた。
この村での盗賊討伐が、二人の新たな試練となるのかも知れない。
二人は村長の案内で村の中心へ向かった。
村長らしき老人が出て来た。
彼は白髪混じりの髪を後ろで束ね、粗末な服を着た瘦せた体躯の男で、額に深いしわが刻まれていた。
先日、盗賊団が村に来て金品や奴隷を連れ去ったと言う。
村長の声は震え、拳を握りしめながら語った。
「あいつら、突然やってきて、村を荒らし回ったんですよ。金や食料を根こそぎ持ち去り、奴隷を連れて行ったんです」
女武闘家はハッとして嫌な顔を少しした。奴隷という言葉に彼女はわずかに震えた。
竜騎士も気になったが、とりあえず村長に静かに尋ねる。
「奴隷ですか…。どんな人が連れ去られたんですか?」
村長はこの村には若い娘がおらんのでなと言う。
彼の目は少し伏せられ、言葉を濁すように話した。
女武闘家は何か察した様で、息を呑んだ、そして竜騎士に目を向けた。
「と、とにかく盗賊団の情報を集めましょう」
竜騎士は頷き「詳しい話を聞かせてください」と村長に尋ねた。
二人は村長の家へ案内され、盗賊団の目撃情報や、連れ去られた者たちの詳細を聞き出した。
村長と話終わった二人は、村の中心から少し離れた人気のない場所へ足を運んだ。
荒れた畑の端、木々がまばらに生える影の下で、女武闘家は竜騎士の袖を軽く引き、立ち止まった。
彼女の表情は曇り、村長の言葉が心に重くのしかかっていた。
「ねえ……あの奴隷のことだけど」
女武闘家は俯き加減に声を低くした。
風が枯れた葉を揺らし、周囲に静けさが広がる中、彼女は言葉を続ける。
「村長が言ってたわよね。この村に若い女性が少ないって。きっと、あの連れ去られた人は……この村の男たちの…」
その言葉に、竜騎士は息を呑んだ。
ハッキリとは言わないが女武闘家の表情で全てを察した。
竜騎士はエオルゼアの冒険者として、数々の貧しい村を見てきた。
飢えや病、獣の脅威に苦しむ人々は少なくなかった。
この世界に来てからも、似たような光景を目にしていた。
しかし、そんな闇の側面、人間の欲望がもたらす残酷な現実に直面したのは初めてだった。
「そんな……まさか」
彼の声は驚きに震え、槍を握る手が無意識に強ばった。
心の中で、竜騎士は自問した。
いや、エオルゼアでも、そういう話は聞くが実際に目の当たりにする事はない。
今まで大きな脅威、ドラゴンや帝国の影にばかり目を向け、村々の小さな闇を見逃していただけなのかもしれない。
戦士としての自分は皆に英雄と言われ、そういった戦いに慣れすぎて、日常の暗部に鈍感になっていたのだろうか。
この世界に来てそれが嫌と言う程思い知らされた。
女武闘家は竜騎士の沈黙を察し、顔を上げて彼を見つめた。
「奴隷のことはともかく……盗賊団は放っておけないわ。情報集めましょう。村の人たちからもっと詳しく聞かないと」
彼女の声は決意に満ち、瞳に強い光が宿っていた。
村の闇を垣間見た今、二人はただの依頼以上のものを感じていた。
単なる討伐ではなく、人々の苦しみを解くための戦いになるのかもしれない。
村の中心部に戻ると、二人は村人たちからさらに情報を集め始めた。
貧しい村の道を歩き、荒れた家々の前で住民に声をかけていく。
最初は警戒されたが、ギルドの認識票を見せると、少しずつ口を開いてくれた。
盗賊団の話は、意外と一致していた。
「あいつらは、近くの古い使われなくなった砦を寝ぐらにしているそうだよ」
一人の農夫が、鍬を肩に担ぎながら教えてくれた。
森の奥、崩れかけた石の要塞、そこが彼らのアジトらしい。
金品や食料を運び込み、周囲の村を脅かす拠点となっている。
しかし、情報収集が進むにつれ、二人は村のもう一つの顔に直面した。
それは、連れ去られた奴隷の若い女性に対する村人たちの反応だった。
女性たちの言葉は、苛烈な嫌悪に満ちていた。
「あの女、ゴブリンの孕み袋にされた汚れた女の癖に、うちの旦那を誑かして……!」
一人の主婦が、井戸端で吐き捨てるように言った。
彼女の目は怒りに燃え、握りしめた手が震えていた。
別の女性は、もっと露骨だった。
「私の恋人がいつもあの女のところに行っているのよ!あんな肉便器に!! あんな女は助けなくていいから、それ以外を取り戻してよ!」
彼女の声には、嫉妬と怨嗟が混じり、奴隷を被害者ではなく、村の秩序を乱す存在として見なしていた。
対照的に、男たちの反応はまったく違った。
「あんな若くていい女は、この村にはいないんだよ。頼むよ、助け出してくれ」
鍛冶屋の男が、汗まみれの顔で懇願するように言った。
他の男たちも似たような言葉を繰り返し、奴隷たちの「価値」を強調する。
貧しさの中で抑えられた欲望の捌け口となっていたのだろう。
村の空気は、重く淀んでいた。
女武闘家は、そんな言葉の嵐に耐えきれず、竜騎士の裾にそっと手をやり、身を寄せた。
彼女の顔は青ざめ、武闘家の強靭な体が、わずかに震えていた。
「私も……生まれる村が違っていたら、ああなっていたのかも」
彼女の声は小さく、過去のゴブリンの忌まわしい記憶と重ね合わせて呟いた。
この村の闇…欲望と悪意の渦が、彼女の心に影を落とす。
竜騎士は彼女の肩を抱き、優しく頭を撫でた。「もし、そうなっていても……僕が助け出していたさ。君を、絶対に」
女武闘家は少し顔を上げ、竜騎士の目に安堵を見出した。
村の闇は深い、だが二人の光は、それに負けない強さを持ってると
情報は集まった。次は、砦への討伐だ。
二人は再び馬に跨がり、村を後にした。
森の道は細く、木々が密集して陽光を遮る。
馬の蹄が落ち葉を踏む音が、静かな緊張を高めていく。
女武闘家は手綱を握りしめ、竜騎士の横で息を潜めた。
村の闇が心に残る中、この討伐が単なる戦い以上の意味を持つことを、二人は感じていた。
森の奥深く、木々が途切れると、古い砦が佇んでいた。
石壁は苔に覆われ、崩れかけた塔が空を刺すように立っている。
かつての要塞は、今や盗賊たちの巣窟と化していた。
扉の前では、二人の見張りが立っていた。
粗末な革鎧を着た男たちで、剣を腰に下げ、談笑している。
笑い声が森に響き、無警戒な様子が逆に不気味だった。
「あの馬鹿ども、村の連中からまた何か巻き上げてくるかな。」
一人が言って、もう一人が肩を叩いて笑う。
竜騎士と女武闘家は馬を下り、木陰に隠して様子を窺った。
風が葉を揺らし、二人は互いに目配せした。
女武闘家がスファライ・アルテマを嵌め、竜騎士はゲイボルグ・アルテマを手に取る。
「真っ直ぐい正面から行くか!」
竜騎士が囁き、女武闘家は頷いた。
「ええ、でも奴らを甘く見ないで油断はダメだよ」
二人は武器を構え、真っ直ぐと砦に向かって進んだ。
見張りたちの笑い声が止まり、驚きの表情が浮かぶ。
「おい、何だお前ら!」一人が剣を抜き、もう一人が警戒の声を上げた。
森の空気が一瞬で張りつめ、戦いの幕が開く。竜騎士の槍が風を切り、女武闘家の拳が空を裂く。
この砦で激しい攻防が始まろうとしていた。