水の街に来て3日目、二人は商店街で買い物をしていた。
運河沿いの賑やかな通りには宝石屋や雑貨店が並んでおり、観光客の声が活気づいていた。
帰りに小さな村の母子に立ち寄る約束をしていたので、彼女達のお土産を選んでいた。
少女の元気な笑顔と母親の優しい表情を思い浮かべ、二人は店先で様々な品物を眺めた。
可愛らしい小物やアクセサリー、女の子が好きそうなものを二人で見ていた。
竜騎士は棚の前で腕を組み、困り顔で女武闘家を見た。
「僕は女の子の好みとか分からないから、君が選んでよ」
彼の声は少し照れくさく、こんな可愛らしい品物に慣れていない様子だった。
女武闘家は笑い、「ダメよ! 二人で選ぶ事に意味があるのよ」と彼の腕を軽く叩いた。
彼女は棚から可愛らしいイヤリングを選び、耳に当てて見せた。
「これはどうかな? 花の形のデザインで、あの子に似合いそう!」
小さな銀のイヤリングが、陽光にキラキラと輝く。
竜騎士は目を細め、「これはあの子に似合いそうだね! でも、こっちのもいいんじゃないかな?」と隣の棚から、貝殻のネックレスを指さした。
シンプルだが、水の街らしいお土産で、少女の首元に合いそうだった。
二人は買い物を楽しんでいた。
意見を交わし、笑い合いながら品物を比べる。
女武闘家は少女の好みを想像しながら「あの子、元気いっぱいだから、明るい色のものがいいわね」と提案する。
竜騎士は母親の分も考え、「お母さんには、落ち着いたアクセサリーかな」と選んだ。
結局、イヤリングとネックレス、それに小さな人形のおもちゃを買った。
袋を抱え、二人は満足げに商店街を後にした。
二人は水の街での滞在を終え、乗り合い馬車に乗り込むと、少女とその母親の住む村へ向かった。
お土産の袋を抱え、馬車の揺れに身を任せながら、二人はプレゼントを手に喜んでくれる母子を想像していた。
少女の元気な笑顔、母親の優しい感謝の言葉を思い出した。
女武闘家は袋を覗き込み、「あの子の顔、楽しみね」と微笑んだ。
竜騎士も頷き、「そうだな。お母さんの料理も、また食べたいね」二人は旅の思い出を語り合った。
しかし、馬車は途中で止まった。
御者が手綱を引いて声を上げ、二人は不思議に思って尋ねた。
「どうしたんですか?」
御者は顔を青ざめさせ、指を差して言った。
「あれを見てみろ。村が襲撃されているかも知れない。悪いが、引き返すぞ」
見ると、村の方から煙が上がっていた。
黒い煙柱が空を覆い、遠くからでも不気味に揺らめく。少女の村が、何者かに襲われている気配がした。
女武闘家は目を細めながら竜騎士に話しかけた。
「あれ……火事? それとも……」
竜騎士の表情が引き締まる。
「まさか……」
二人は馬車から飛び出し、御者の静止を振り切り、村まで走っていった。
「危ないぞ! 戻れ!」
御者の声が後ろから聞こえたが、二人は耳を貸さずに村まで駆け抜けた。
お土産の袋が揺れ、心臓の鼓動が速まる。
小さな村はゴブリンの襲撃にあっていた。
辺境の平和な村が、突然の惨劇に包まれた。
村人は逃げまどい、悲鳴と叫び声が空に響く。
家々が燃え、煙が黒く立ち上る中、少女の家はまだ持ちこたえていた。
母親と少女は家に隠れて粗末な扉に鍵をかけ、息を潜めていた。
少女は母親の胸にしがみつき、震える声で「お母さん……怖いよ……」と呟いた。
母親は娘を抱きしめ、「大丈夫……絶対に守るから……」と必死に励ますが、彼女の顔は青ざめていた。
部屋の扉がガタガタと音を立てる。
恐らくゴブリンが無理矢理こじ開けようとしてるらしい。
鈍い衝撃音が続き、木の軋む音が部屋に響く。
少女の心臓が激しく鼓動し、母親の腕が強く締まる。
ついに扉が壊され、ゴブリンが雪崩れ込んで来た。
小鬼たちの目は血走り、棍棒や短剣を振り回しながら汚らしい笑みを浮かべていた。
母親は子供を守るように抱きしめ、必死に後退した。
「来ないで……!」
彼女の声は震え、少女を背後に隠す。
ゴブリンは母親を掴むと、服を破り捨てた。
布が引き裂かれる音が響き、彼女の抵抗が激しくなる。
少女には別のゴブリンが近づき、服を無理矢理引きちぎる。
小さな体が露わになり、少女の恐怖が頂点に達した。
「いや……助けて……」
少女は冒険者の二人を思い浮かべながら「お兄さん……お姉さん……助けて……」と呟いた。
あの優しい竜騎士と女武闘家の顔が、心に浮かぶ。
ゴブリンは容赦なく少女の下着に手をかける。
隣では母親が必死の抵抗をしているが、ゴブリンはその姿に興奮している。
汚らしいモノが硬くなっていく。
小鬼たちの笑い声が部屋に満ち、絶望が迫る。
だが、その瞬間、部屋の入り口から激しい風が吹き込んだ。
竜騎士のゲイボルグ・アルテマが最初のゴブリンを突き刺した。
女武闘家がスファライ・アルテマを付けた拳を振り上げ、別のゴブリンの頭を砕く。
二人は馬車から村の煙を見て駆けつけ、少女の家に直行したのだ。
「来るのが遅くなった……!」
竜騎士の声が響き、女武闘家は少女を抱き上げ、「もう大丈夫よ!」と叫んだ。
ゴブリンは混乱し、二人の攻撃に次々と倒れていく。
母親は娘を抱きしめ、涙を流した。
「ありがとう……貴方達が助けに来てくれるなんて……」
村の襲撃はまだ続くが、とりあえず、この家は守られた。
二人の到着が、母子の運命を変えるのだった。
竜騎士達が外に出るとゴブリン達と戦っている別の冒険者がいた。
街の入り口近くの広場で、小鬼の群れが襲いかかり、村人たちが逃げ惑う中、二人の冒険者が奮闘していた。
一人は竜騎士と同じく槍を使い、青い鎧を纏った青年。
もう一人は妖艶な魔法使いの女性で、黒いローブを翻し、炎の魔法を放っていた。
青い鎧の槍使いの青年は、槍を振り回しながら文句を垂れた。
「ったく、俺はゴブリンスレイヤーじゃないんだぜ、全く……」
それでも彼の見事な槍捌きでゴブリンを蹴散らす。
槍先が弧を描き、小鬼の体を貫き、血を噴き上げさせる。
動きは流れるように素早く、辺境のギルドで見たことのある槍だった。
妖艶な魔法使いは「これも…お仕事、だから……ね」と独特な話し方で呟きながら、魔法を撃っていた。
火球がゴブリンを焼き、爆発音が響く。
彼女の目は冷たく、しかし優雅に敵を倒していく。
女武闘家は槍使いを見ると、「あっ! いつも受付嬢さん口説いている人だよ!」と驚きの声を上げた。
辺境のギルドで、軽いノリの青年を何度か見たことがあった。
竜騎士がよく見ると、確かにいつも受付嬢に軽くあしらわれている青年だった。
あの時は冗談めかした口説き文句を飛ばし、笑われていたが、今は本気の戦士の顔だ。
竜騎士は槍を構え、女武闘家と並んで戦いに加わった。
竜騎士が「援護します!」と言うと、青年は二人の姿を見て「助かるぜ!」と叫んだ。
魔法使いの女性は微笑み、「あら、いい、タイミング…ね。」
四人で連携し、ゴブリンの群れを一掃した。
村の広場で、煙の残る中、二人は槍使いと魔法使いの女性に近づいた。
ゴブリンの死体が散らばり、村人たちが少しずつ集まってくる。
竜騎士は槍を収め、青い鎧の青年に頭を下げた。
「村を救ってくれてありがとう。本当に助かったよ」
槍使いは槍を肩に担ぎ、照れくさそうに鼻を掻いた。
「俺達は冒険者なんだから当然だろ。べ、別に礼なんかいらないぜ」
辺境のギルドで見た彼は、いつも受付嬢を口説いては軽くあしらわれる、軽い感じの男に見えたが芯はしっかりしている様だ、そして今は村を救った英雄だ。
女武闘家は拳を緩め、槍使いを見て笑顔で話かけた。
「いつも受付嬢さん口説いてる時と違って、凄かったですよ。槍捌き、見事でした」
彼女の言葉は本気で、戦いの記憶が新鮮だった。
槍使いは少し得意げに胸を張り、「あのなぁ、お嬢ちゃん、俺はこれでも辺境最強だぜ。いつか受付嬢さんだって分かってくれるさ」
彼の目は輝き、自信に満ちていた。
だが、女武闘家は隣の妖艶な魔法使いの女性に視線を移し、「でも、彼女がいるからいいんじゃないですか?」とからかうように言った。
女性の黒いローブが風に揺れ、神秘的な雰囲気が漂う。
魔女はふふ、と優しく笑い、「いいの……よ、ありがとう……ね。」と女武闘家に返事をする。
彼女の声は穏やかで、少し眠たげな響きがした。
槍使いは慌てて「彼女?!待て待て、誤解だぜ!」と手を振ったが、やり取りを見ていた村の皆の笑いが広場に広がった。
竜騎士は笑いを抑え、槍使いに尋ねた。
「どうしてここに? 」
槍使いは槍を地面に突き刺し、説明した。
「アイツ、ゴブリンスレイヤーが手紙を寄越して、小麦粉持ってこいって言うから、水の街まで持って行ってやったんだよ。それで帰りにこの村に寄ったら、ゴブリンに襲われていたから助けてやったんだよ。ただそれだけさ」
そうか…ゴブリンスレイヤーは無事に回復したんだと、竜騎士と女武闘家の二人は安堵した。
そして、彼とゴブリンスレイヤーとの繋がりが意外だった。
辺境の冒険者たちの絆が、こんなところで繋がるのだと竜騎士は感心した。
女武闘家は頷き、「ありがとう。本当に助かりました」
母親と少女も着替えて、家の外に出て来た。
壊れた扉の残骸を避け、母親は少女の手を握りしめ、竜騎士と女武闘家に視線を向けた。
少女は目を輝かせ、走り寄って女武闘家の腰に抱きついた。
「お兄さんとお姉さん、絶対に助けに来てくれると信じていたよ! ありがとう!」
彼女の小さな声は喜びに満ち、涙が頰を伝う。
女武闘家は少女の頭を優しく撫で、「無事で良かったわ」と微笑んだ。
母親も四人共村を救って下さって何とお礼を言ってよろしいか……と頭を下げた。
彼女の目は感謝に潤み、少女を抱き寄せながら竜騎士と女武闘家、そして槍使いと魔女に視線を移した。
「本当に……命の恩人です。どうか、何かお礼をさせてください」村人たちが少しずつ集まり、煙の残る広場に人々が戻ってきた。
他の子供たちも集まって、槍使いに対して興奮した声を上げた。
男の子が彼の足元に駆け寄り、「兄ちゃん、凄かったよ! 大きくなったら兄ちゃんみたいな冒険者になりたい!」と目を輝かせた。
槍使いはしゃがみ込み、男の子の頭を撫で、「そうか! 頑張ればなれるぞ、きっと」と励ました。
彼の青い鎧が陽光に輝き、子供たちの憧れの的になっていた。
別の女の子はじゃあ、あたしはそこの魔法使いのおねーさんみたいになって、お兄さんのお嫁さんになる。と無邪気に言った。
魔女はふふ、と優しく微笑み、「あら……嬉しいわね。」と女の子を抱き寄せた。彼女の妖艶なローブが風に揺れ、子供たちの笑い声が広場に広がった。
竜騎士は母親に視線を戻し、「お礼なんて、そんな大したことじゃないですよ。村が無事で良かった」
女武闘家は思い出したかのように袋を女の子に渡す。
「これ、水の街のお土産よ。お母さんとあなたに」と伝えると、少女は「やったー!ありがとう!」とお礼を述べた。
袋の中には可愛らしいイヤリングとネックレス、小さな人形が入っており、少女の目が輝いた。
「わあ、綺麗! お母さん、見て見て!」
彼女は母親に駆け寄り、母親も微笑みながら
「本当にありがとうございます……こんな素敵なものを」と頭を下げた。
そこに、以前お世話になった薬師の女性がやって来た。
彼女は煙の残る村を見回し、眉を寄せた。
「しかし妙だね。この辺りはゴブリンなんて出た事ないのに……」
彼女の言葉は村人たちの疑問を代弁するようだった。
辺境の村とはいえ、野生動物の脅威はあれど、ゴブリンの襲撃は珍しい。
そして村の村長がやって来て、お礼を言った後に、「確かに森には熊など凶暴な動物がおるから、ゴブリンはあまり近づかないんじゃがな……」と不思議がる。
白髪混じりの老人は杖を突き、村の壊れた家々を眺めた。村人たちが頷き、ざわめきが広がる。
槍使いは槍を地面に立てかけ、「森以外の遺跡とかじゃないのか?」と答えた。
青い鎧の青年は腕を組み、煙の方向を睨む。魔女の女性も静かに頷き、皆の視線が集まった。
村長は首を振り、説明した。
「ここは小さな村じゃが、水の街と辺境の街の中間地点で人の行き来も多い。土地柄、村も豊かな方なので、定期的に冒険者に見回って貰っているんじゃがな……」
彼の言葉は村の平和を強調するが、今回の襲撃の謎を深めるだけだった。
そんな中、一人の青年が近づいてきた。
彼は村人の一人で、ふと思い出したように口を開いた。
「そういえば、半年前に近くの遺跡でゴブリンが討伐された事があったのですが、関係ありますかね?」
竜騎士は槍を地面に立てかけ、興味深く青年に視線を向けた。
「話を聞かせてもらってもいいかな?」
青年は頷き、説明を始めた。
「半年前に雇った冒険者がゴブリンの巣を見つけて討伐したのですが、ただ新人冒険者達だったので、討ち漏らしがあったのかなって。あの遺跡は古くて、ゴブリンが住み着きやすい場所なんですよ」
竜騎士は腕を組み、考え込んだ。
「生き残りが女性を拐って、数を増やした可能性もあるな……。ゴブリンの習性からすると、半年で十分に群れを再生できる」
女武闘家は拳を握りしめ、少女の家での惨状を思い出し、表情を硬くした。
そして、竜騎士に視線を向け、「一度確認してみる?」と提案した。
トラウマの影が心に差すが、村の安全のためなら戦う覚悟だった。
竜騎士は頷き、「そうだな……一度調べてみるかな」遺跡の存在が、今回の襲撃の原因かもしれない。
槍使いは青い鎧を直し、「俺達も行こうか?」と申し出た。魔女の女性も静かに頷き、準備ができている様子だった。
竜騎士は首を振り、「いや、今この手薄の状態の村を守れる者がいないと心配だから、二人は村の警戒をお願いしてもいいですか?」村は襲撃の傷跡が残り、村人たちがまだ動揺している。槍使いの力が必要だった。
槍使いは胸を叩き、「おう! ここの守りは任せな!」と快諾した。
魔女は妖艶な笑みを浮かべ、「気をつけて……ね。」と優しく言った。
二人は槍使いと魔女に感謝し、村の外れへ向かった。
そして、青年から聞いた遺跡の場所まで来た。
村の外れから少し離れた森の奥、崩れかけた石の入り口が苔に覆われ、薄暗い洞窟が口を開けていた。
確かにゴブリンの気配が漂い、低い唸り声が遠くから聞こえてくる。
竜騎士は槍を構え、目を細めた。
「やはり数を増やしていたか……」
彼の声は低く、半年前の討ち漏らしが現実となったことを感じ取っていた。
女武闘家は拳を握りしめ、遺跡の入り口を睨んだ。
「では、囚われている女性達も中にいるのね……」
竜騎士は頷き、「ああ、そうだ……行こう。」と中に入った。
遺跡の中は薄暗く視界が狭い。
湿った空気が肌を刺し、足元は滑りやすい岩と土が混じり、壁に蔦が絡まる。
奥へ進むにつれ、ゴブリンの臭いが強くなる。
岩陰からゴブリンが矢でこちらを狙っている。
弓を構えた小鬼が、影に隠れ、息を潜めて二人を狙っていた。
女武闘家は気配を感じ、竜騎士に尋ねた。
「あの岩陰からゴブリンがいるのが分かるわ……」
竜騎士は槍を構え、笑みを浮かべた。
「ああ、弓で狙っている。しかし気配さえ分かれば対処は難しくない。いくよ」
彼の目は鋭く、洞窟の暗闇を貫くように岩陰を捉えていた。
数々の戦場で鍛えられた感覚が、敵の位置と武器を正確に察知していた。
ゴブリンは矢を放った。
鋭い音が響き、矢が二人に向かって飛ぶ。
しかし、二人は散開して矢を避け、ゴブリンを倒した。
竜騎士の槍が岩陰を突き、女武闘家の拳が小鬼の頭を砕く。
倒れたゴブリンの体から血が流れ、洞窟に臭いが広がった。
女武闘家は息を整え、「気配はわかる様になったけど、まだ武器とかまでは分からないわ……」彼女の声は少し悔しげで、成長の途中を自覚していた。
竜騎士は彼女の肩を軽く叩き、「そこまで分かれば上等だよ。あとは経験を積む事だね」と笑顔で返した。
彼の言葉は優しく、彼女の努力を認め、励ますものだった。
二人は遺跡の奥へ進み続けた。
その後も散発的な攻撃はあったが、村の襲撃に大多数のゴブリンが駆り出されたのか、数は少なかった。
岩陰から飛び出してきた小鬼たちが棍棒を振り回すが、竜騎士の槍が一閃し、女武闘家の拳が空を切る。
敵の数はまばらで、村での討ち漏らしの残党のようだった。二人は息を合わせ、倒しながらさらに奥へ。
そして奥には女性のうめき声とゴブリンの笑い声が聞こえてきた。
低く抑えきれない苦痛の声と、汚らしい嘲笑が混じり、洞窟の壁に反響する。
女武闘家の胸が締め付けられる感覚が走った。
「……あれは……」彼女の声は震え、拳を強く握りしめた。
竜騎士は彼女の肩に手を置き、「大丈夫か? 無理しなくていいよ」と優しく言ったが、彼女は首を振り、「行かないと……救わなきゃ。」と決意を固めた。
中に入ると、ゴブリンは女性達を犯していたが、女性の数が多い。
最低でも10名以上はいる。
薄暗い部屋に散らばった粗末な寝床の上、鎖で繋がれた女性たちが、ゴブリンの群れに囲まれていた。
緑色の小鬼たちが汚らしい体を押しつけ、容赦なく貫く。
部屋は血と体液の臭いが充満し、女性たちの泣き声が絶え間なく響く。
遺跡の奥部屋は、地獄の宴のような惨状だった。
薄暗い光の下、女性たちのうめき声とゴブリンの下卑た笑いが交錯し、血と体液の臭いが充満する。
ゴブリンは腰を振りながら、下卑た笑いを上げ、女性の体を貪るように貫く。
彼女は涙を流しながら、「もう……ゴブリンの子を産むのは嫌……許して……」と懇願するが、ゴブリンは耳を貸さず、容赦なく動きを続ける。
やがて恍惚の表情を浮かべ、中に射精をした。熱い白濁が彼女の内側を汚し、女性は体を震わせ、絶望の嗚咽を漏らす。
別のゴブリンが次は俺の番だ!と言わんばかりに仲間をどかし、すぐに挿入して犯し始める。
女性の抵抗は弱く、ただ耐えるだけ。
ゴブリンの群れは順番に彼女を弄び、部屋に響く笑い声がさらに残酷さを増す。
また別の女性は全く反応せずにゴブリンに犯されていた。
虚ろな目で天井を見つめ、心が壊れた人形のように体を預けるだけ。
反応がないのがつまらないのか、ゴブリンは爪を突き立てた。
鋭い痛みが彼女の体を走り、少し苦悶の表情を浮かべる。
それがゴブリンを興奮させるのか、腰を振る速さがます。
女性の肌に新たな傷が刻まれ、血が滴るが、彼女の目はさらに空虚になる。
そして現実逃避をするかのようにゴブリンに跨り腰を振る女性もいた。
目は虚になり、現実から逃げるように快楽に溺れ、自らゴブリンのペニスをしゃぶり、精液まみれになっていた。
彼女の体は汚れに塗れ、腰の動きは機械的で、壊れた心が唯一の安らぎを求めるように…
他にも犯されている女性、腹が膨らみながらも犯される女性、様々だった。
ゴブリンの笑い声が彼女達の周りを囲み、部屋全体が絶望の渦に吞み込まれていた。
竜騎士と女武闘家は部屋の入り口でこの光景を目撃し、胸が締め付けられた。
女武闘家の拳が震え、過去の記憶が蘇る。
「こんな……許せない……」
竜騎士の槍が輝き、二人は戦いに身を投じた。この地獄を終わらせるために。
二人の存在に気が付かないゴブリンは女性の体を震わせ、満足げに下卑た笑いを漏らしながら、白濁液を出し終えた。
女性は虚ろな目で天井を見つめ、吐息を漏らす。
ゴブリンはゆっくりと離れようとしたが、その瞬間、青白いエーテルの刃がゴブリンの顔面を貫いた。
竜騎士のゲイボルグ・アルテマだ。槍先が洞窟の空気を切り裂き、ゴブリンの頭を一瞬で貫通する。
ゴブリンは痙攣しながらピクピクと暫く動いて、そのうちに動かなくなった。血が噴き出し、女性の体をさらに汚す。
別のゴブリンも女性に跨り腰を振っていたが、突然頭を掴まれて女性から引き離された。
女武闘家が鬼の形相で腕に嵌めたスファライ・アルテマが青白くエーテルの輝きを強めていた。
彼女の目は燃えるように鋭く、ゴブリンの腹に強烈な一撃を放つ。
拳が空気を圧縮し、衝撃波がゴブリンの内臓を砕く。
ゴブリンは口から胃の中の物を吐き出し、地面でのたうち回る。
そこに女武闘家の踵がゴブリンの顔面をぐしゃりと潰した。
骨の砕ける音が響き、ゴブリンの体がぴくりと止まる。
周りのゴブリンは混乱状態で武器を取ろうとしたが、竜騎士の素早い槍捌きで、武器を取ろうとしたゴブリンの手を切った。
ゴブリンは自身の腕が無くなった事に気づき、驚きの表情を浮かべるが、次の瞬間首が胴から離れて転がっていた。
槍の軌跡が青い光を残し、血の噴水が上がる。
慌てて別のゴブリンは女性を盾にし、竜騎士に向けた。
女性の体を掴み、盾のように構え、短剣を振り上げる。
だが、後ろに女武闘家が素早く回り込んでおり、急所蹴りをゴブリンに見舞う。
股間を直撃し、ゴブリンは自身の股に手を当てて悶絶する。
そこを竜騎士の槍が頭を貫いた。槍先がゴブリンの脳を抉り、即死させる。
他のゴブリン達も二人の前ではなす術も無く次々倒されていく、そして部屋の空気が一瞬静まり、女性たちの嗚咽だけが残る。
二人は息を荒げ、互いに視線を交わした。
女武闘家の拳が血に染まり、竜騎士の槍が滴る。
女性たちを解放し、彼女たちの体を用意していた布で覆う。
竜騎士と女武闘家は、女性たちを救出して村に戻った。
遺跡の奥から引き揚げ、女性たちの衰弱した体を支えながら、森を抜けて村の入り口に到着した。
女性たちは鎖の跡が残る体を布で覆い、虚ろな目で歩みを進める。
村の広場に着くと、村人たちが集まり、煙の残る空気の中で彼女たちの姿を見て絶句した。
拐われた女性たちの惨状は酷くて、傷だらけの体、破れた服、虚脱した表情が、皆の心を凍りつかせた。
槍使いは槍を地面に突き刺して呟いた。「これは酷いな……」彼の声は低く、普段の軽いノリが消えていた。
魔女も妖艶なローブを纏い、黙ってしまっている。
彼女の目は女性たちを優しく見つめ、言葉が出ないほどに衝撃を受けていた。
村長は白髪の頭を振り、皆をまとめようと声を上げた。
「とにかく、身体を綺麗にして休ませてあげよう。みんな、手伝ってくれ!」
村人たちが動き出し、水汲みや布の準備を始める中、少女の母親が前に出た。「私もやります……」彼女の声は震えていたが、決意に満ちていた。
少女を抱きしめ、救出された女性たちを自分の家へ導こうとした。
その時、一人の助けられた女性が口を開いた。
彼女は痩せ細った体を支え、虚ろな目で皆を見回した。
「私達……奴隷商人に……無理矢理穴に入れられたんです……盗賊団も一緒でした」
彼女の言葉は途切れ途切れで、涙が頰を伝う。
村人たちのざわめきが大きくなり、竜騎士と女武闘家は互いに視線を交わした。
奴隷商人と盗賊団、この二つが、さらに深く繋がっているようだった。
槍使いは煙の残る村の入り口で、槍を肩に担ぎ、皆に視線を向けた。
「盗賊団か……この村を狙ってゴブリンを仕掛けたのかもな」
彼の言葉は鋭く、青い鎧が陽光に反射する。
魔女の女性も隣で静かに頷き、ローブの袖を直した。
竜騎士は槍を地面に突き刺し、同意した。
「僕もそれは思いました。確かにゴブリンには金品はいらないですからね。村が全滅した後にゆっくり回収出来ますしね」
彼の目は村の壊れた家々を眺め、奴隷商人の影を思い浮かべた。
女性たちの証言が、すべてを繋げていた。
槍使いは頷き、「そう言う事だ。とりあえず俺達はギルドに戻って報告する」彼の声は決意に満ち、魔女に視線を向けた。
彼女は優しく微笑み、皆に別れを告げた。
村長は白髪の頭を下げ、「では、この村が復興するまで冒険者を頼みたいのですが、お願い出来ますでしょうか?」
村人たちの視線が集まり、皆の不安がにじむ。槍使いは肩をすくめ、「ああ、分かっている。それまでは旅の帰りで悪いんだが、お前らに任せていいか?」と竜騎士と女武闘家に視線を移した。
二人は互いに頷き合い、「大丈夫、任せて」と答えた。
女武闘家は拳を軽く握り、村の安全を約束するように微笑んだ。
魔女は皆に優しく言った。
「盗賊団……何か、分かったら……伝えるわ」
彼女の声は穏やかで、妖艶なローブが風に揺れた。
村の子供たちは槍使いに駆け寄り、「兄ちゃん! また来てよなー!」と手を振った。男の子たちは彼の槍に憧れの目を向け、女の子たちは魔女のローブを羨ましげに見つめる。
槍使いは手を上げて「ああ、また来るぜ!」と笑い、魔女と共に村を後にした。二人は馬に跨り、煙の残る道を去っていった。
村は少しずつ落ち着きを取り戻し、竜騎士と女武闘家は村人たちと協力して後片付けを始めた。少女と母親の笑顔が、二人の心を癒す。
竜騎士と女武闘家は暫く少女の家に滞在する事になった。
村の復興を手伝いながら村の護衛もしていた。
二人は村人たちと協力して後片付けを始めた。
少女は二人の姿を見て目を輝かせ、「お兄さんとお姉さん、いてくれるの?」と喜んだ。
母親も「本当にありがとうございます……お手数をおかけします」と感謝した。
竜騎士は壊れた扉を見て、「とりあえず、扉直さないとね」と袖をまくり上げた。エオルゼアのグリダニアにある木工師ギルドで鍛えた腕前を発揮する。
村の材木を集め、槍を脇に置き、道具を借りて木を削り始めた。
釘を打ち、蝶番を付け、頑丈な扉を組み上げる。
女武闘家は横で見守り、「凄い! そんな事も出来るのね」と感心した。
竜騎士の多才な一面が意外で新鮮だった。
竜騎士は扉を完成させると、家に取り付けた。ぴったりと嵌まり、鍵がかかるようになった。
少女がお兄さんありがとうー!と駆け寄り、竜騎士の腰に抱きついた。
「これで怖くないよ!」
母親も立ち上がり、「本当に助かりました……」と頭を下げた。
他の住人にも、「うちの扉も直してくれないか?」「うちの壁が壊されて……」と頼まれて、修繕作業が始まった。
竜騎士は槍を置いて木工道具を手にし、女武闘家は材木運びを手伝った。
壊れた家々を一つずつ直し、壁を補強し、屋根を修復する。
村人たちが集まり、手伝いながら感謝の言葉を述べる。
作業が終える頃には深夜になってしまった。星空の下、村の灯りが優しく揺れる。
村人たちは「すまないね〜、これ食べな」と、パンやスープ、果物を持ってきてくれた。
少女の母親も薬で体調が良くなったおかげで、簡単な煮込みを作ってくれた。
二人は村人たちと星空の下、疲れた体を休めながら食事をした。
少女は女武闘家の膝に座り、「お姉さん、ずっとここにいて!」と甘えた。
この修繕の夜が、村人との絆を強め、二人の旅に優しい記憶を残すのだった。
それから数日が経ち、ギルドから応援が駆けつけて来た。
辺境の街から馬車でやって来た冒険者たちは、数名の中堅クラスで、槍や剣を携え、村の入り口で降り立った。
リーダーの男が村長に頭を下げ、「私たちが警備にあたるので、大丈夫ですよ。村の復興を手伝います」と力強く言った。
村人たちは安堵の息を吐き、煙の跡が残る家々を眺めながら、ようやく平穏が戻る気配を感じた。
竜騎士と女武闘家は荷物を纏めて、辺境の街に帰る準備を始める。
少女の家の前で、袋を肩に掛け、馬車を待った。
少女は二人の姿を見て目を潤ませ、「えー、帰っちゃうの? 寂しい……」と泣きそうな声で言った。
小さな手が女武闘家の袖を掴み、別れを惜しむ。
女武闘家はしゃがんで少女の頭を優しく撫で、「絶対にまた来るから、お母さんの言う事、ちゃんと聞くんだよ」彼女の声は優しく、少女の涙を拭った。
少女は頷き、「うん……お姉さん、約束だよ!」と小さな指を差し出した。
二人は指切りをし、少女の笑顔を引き出した。
竜騎士も優しく声をかけた。「僕たちもまた来るよ」彼は少女の頭を軽く撫で、母親に視線を向けた。
「どうぞお大事に」
母親は頭を下げ、「本当にありがとうございました……お二人のおかげで、村が救われました」
村のみんなも見送りに現れて、二人は辺境の街へと帰っていった。
村人たちが手を振り、少女の声が遠くに聞こえる中、馬車が動き出した。
煙の残る村の景色が後ろに遠ざかり、二人は互いに手を握った。
この小さな村での思い出が、心に優しく残るのだった。