一行は廃墟と化した、北の砦を眺めていた。
雪の大地に崩れ落ちた石壁が、蒼天騎士団の野望の残骸のように沈黙を守り、風が灰と雪を巻き上げて吹き抜ける。
ニーズヘッグの巨体は既に冷たく固まり、街の残骸に埋もれていた。
戦いの余熱がまだ体に残る中、皆は互いに肩を寄せ合い、静かに立ち尽くしていた。
そして、竜騎士はトールダンⅦ世の亡骸の元に行くと、手に入れようとしていた、ニーズヘッグの目を見つけ、眺めていた。
そして目を槍で突き刺すと、その力を失い粒子となって消えていった。
女武闘家は竜騎士の隣で、崩れた砦を遠くに見据え、ため息をついた。
「これからここはどうなるのかしら……。こんなに人が集まった街だったのに、今はただの廃墟ね」
彼女の声は疲労と感慨が入り混じり、拳を軽く握りしめる。
すべてが終わった今、虚しさが胸に広がっていた。
竜騎士はゲイボルグ・アルテマを肩に担ぎ、静かに答えた。
「蒼天騎士団もトールダンもいない。ここにいる意味もないだろうな……。そして、彼等にすがって集まった連中だが、おそらく一年もすれば過去の事として忘れ去られるさ。英雄の幻想にすがった人々は、結局、現実に直面するだけだ」
彼の目は遠くを見据え、今までの戦いを思い浮かべていた。秩序の名の下に生まれた闇が、こうして消えゆくと。
鉱人道士は髭を撫でながら相槌を打った。
「そうじゃな……所詮は他力本願な連中が集まっただけじゃ、自ら何かをしようと言う事はないじゃろうな……。騎士団がいなくなれば、散り散りになるだけよ」
妖精弓手は弓を背負い、皆の顔を見回して明るく言った。
「でも、なかなか凄い冒険だったよ! あんな邪竜なんて、ひょっとしたら魔神王より強いんじゃないの? これが冒険よ!オルクボルグ!!」
ゴブリンスレイヤーは「そうだな…」と何かを考え込んでいるのか、一言だけ返事をした。
蜥蜴僧侶は穏やかに答えた。
「ただ、拙僧達は見守っていただけですぞ。真の戦いは、竜騎士殿のおかげですな」
妖精弓手は肩をすくめ、「まぁ、そりゃそうだけどさ。みんなで戦ったんだから、みんなの勝利よ!」と笑った。
ゴブリンスレイヤーは皆の少し後ろで、兜の下から空を見上げて、低く呟いた。
「最後は見届けた」
彼の言葉は短く、蒼天騎士団の最後の戦いを思い浮かべていた。副団長ヴェルギーンの言葉が、心に残っていた。
あの騎士たちの散り様は、ゴブリンスレイヤーの胸に何かしらの感慨を残したようだった。
女神官は杖を握りしめ、皆の顔を見て優しく言った。
「とりあえず、水の街に戻りましょう。報告しないといけませんし…」
皆は頷き、崩れた街を後にした。雪の大地を歩きながら、竜騎士は女武闘家の手を取り、静かに微笑んだ。
女武闘家は頰を赤らめ、手を握り返した。
一行は水の街で剣の乙女にすべてを報告し、辺境の街のギルドまで戻ってきた。
街の喧騒がいつも通りで、依頼の掲示板に冒険者たちが群がり、受付嬢の声が響く中、皆はカウンター近くのテーブルに座って休息を取っていた。
邪竜ニーズヘッグの討伐、蒼天騎士団の崩壊、すべてが終わったはずなのに、皆の表情には複雑な影が残っていた。
水の街での報告で、公式の記録が「蒼天騎士団が邪竜と相討ちした」として処理されたことが、皆の心に引っかかっていた。
ギルドで妖精弓手が、苛立った様子でテーブルを叩いた。
「邪竜倒したの何で蒼天騎士団って事になっているのよ! 納得出来ないわよ! 私たちだって戦ったのに、何よこの扱い!」
蜥蜴僧侶は穏やかな声で応じた。
「蒼天騎士団が新たな秩序とやらで、国に反旗を翻す準備をしておったなどとバレたら、彼等を英雄扱いしていた王は笑い者ですぞ。彼等を英雄とし、邪竜と相討ちにした方が都合が良いのでしょう。政治とは、そういうものです…」
彼の目は遠くを見据えていた。
妖精弓手は苛立ちを抑えきれず、テーブルに肘をついてため息をついた。
「只人のそう言うところ、本当嫌い! 都合のいいように歴史を塗り替えて……あの邪竜の言葉も分かる気がするわ。あいつ、ヒトの裏切りや利用を恨んでたんでしょ? 」
彼女は蜥蜴僧侶の方を向き、心配げな視線を送った。
蜥蜴僧侶は穏やかに笑いながら
「拙僧が竜になっても、ご安心を。拙僧は自分の道を歩むのみですぞ。ヒトも竜も、皆同じ命……互いに利用せず、支え合えばよいのです」
彼の言葉は優しく、皆の心を少し和らげた。
竜騎士はカウンターからビールを運び、皆に配りながら言った。
「そうだね……政治の都合は仕方ないけど、僕たちは本当のことを知ってる。それで十分さ」
鉱人道士は、「…とは言え、その分は報酬で頂いておるからのぉ……とニヤリと笑った。彼の小さな体は戦いの疲れを感じさせず、いつもの陽気さが戻っていた。ギルドのカウンターで受け取った報酬の袋を軽く叩き、皆に視線を向ける。
「これだけ貰えれば、しばらくは旨い酒が毎日飲めるしな、邪竜退治の功績、でかいもんじゃのう」
女神官は杖を握りしめ、皆の顔を見て優しく頷いた。
「そうですね、せっかく報酬もいっぱい貰えましたし、明日はのんびりします」
彼女の声は穏やかで、ギルドの灯りが皆の疲れた顔を優しく照らす中、戦いの余韻を癒すように響いた。
ギルドの店内は、冒険者たちのざわめきで満ちていたが、一行のテーブルは静かな安堵に包まれていた。
竜騎士は皆の顔を見回した。「本当に……みんなのおかげだよ、ありがとう」
女武闘家は彼の隣で頷き、手をそっと握った。
「ええ、明日からは私達ものんびりしましょう」
その日は解散となり、二人は宿に戻った。
宿に入ると、旅の疲れを癒す様に一緒にお風呂に入った。
簡素な木の浴槽に温かな湯が満ち、湯気が部屋を柔らかく包む。
雪の冷えが体に染みついていた二人は、互いの体を寄せ合い、湯に浸かった。
女武闘家は目を細め、ため息をついた。
「最近、寒いから暖かさが身体に染みるわね……。この湯、気持ちいいわ」
彼女の肌は湯でほんのり赤く染まり、長い髪が湿って肩に張りつく。
竜騎士は隣で頷き、優しく彼女の肩に手を置いた。
「うん、そうだね」
そう言うと、彼女の頭を優しく撫でながら、そっと唇を重ねた。
キスは優しく始まり、徐々に深みを増す。女武闘家の唇が開き、舌が絡み合い、甘い熱が二人の間に広がる。
唇が離れると、細い糸が引いて、湯気の間で儚く光った。
女武闘家は頰を赤らめ、目を細めて彼を睨んだ。
「もう! いきなりそんな……」
彼女の声は抗議のようだが、目は期待に輝き、体が少し彼の方に寄りかかる。
湯の温かさが、二人の距離をさらに近づけていた。
竜騎士は悪戯っぽく笑い、彼女の腰に手を回した。
「ごめん……でも、君が可愛いから、つい」
二人は再び唇を重ね、湯の中で体を絡め合う。旅の疲れが溶け、甘い時間がゆっくりと流れた。
お風呂を出て、ベッドに向かうと、再び抱きしめ合いキスをした。
湯上がりの肌が触れ合い、互いの体温が混じり合う。
竜騎士の唇が女武闘家の首筋を優しく這い、彼女の息が少し乱れる。
キスを終えると、彼は彼女をベッドに寝かせ、ゆっくりと体を重ねた。
部屋の灯りが柔らかく二人の影を照らし、静かな夜の空気が甘く張りつめる。
竜騎士は彼女の腰に手を置き、秘部を優しく舌を使いながら愛撫する。
温かな息が肌に触れ、柔らかい舌先が彼女の敏感な部分を優しく撫でる。
女武闘家は気持ち良さそうに声をあげ、体をくねらせた。
「あ……んっ……そんな…だめっ……」
彼女の声は甘く溶け、指がシーツを握りしめる。
クリトリスが勃起し、竜騎士は口を付け、舌で舐めたり、吸い付いてあげると、彼女は竜騎士の頭に手を当てて腰を突き出す。
快楽の波が体を駆け巡り、息が荒くなる。
「そ、そんなにしつこく責められたらダメだよ……もう……イっちゃう……」
彼女の体が震え、腰が浮き上がり、のけぞりながら果てた。
しかし、竜騎士は愛撫を辞めない。
絶頂の余韻で体を震わせ、息を荒げてベッドに沈む女武闘家の秘部に、彼の舌は優しく、しかし執拗に絡みつく。
敏感になった花びらが、わずかな刺激でビクビクと反応し、甘い蜜が再び溢れ出す。
竜騎士の温かな息が肌を撫で、舌先がゆっくりと内側をなぞるように動き、彼女の体をさらに追い詰める。
女武闘家はびっくりして、目を瞠りながら体をよじった。
「もう……イってるから……あ……ダメだよ……!」
彼女の声は弱々しく、抗議のつもりで彼の頭を押し返そうとするが、手に力が入らない。
むしろ、その抵抗が余計に彼の興奮を煽る。
竜騎士は彼女の太ももに手を置き、優しく固定しながら、舌の動きを緩めずに続ける。
クリトリスを軽く吸い、舌で転がすたび、彼女の腰が無意識に浮き上がり、甘い吐息が漏れる。
「んっ……あぁ……もう、止めて……本当に……イく……!」
敏感な部分は更に刺激されて、彼女の甘い息遣いが更に竜騎士の興奮を高める。
彼女の声は徐々に高くなり、体が熱く火照る。
蜜が溢れ、シーツを濡らすほどだが、竜騎士の舌はそれを追いかけるように舐め取り、内壁を優しく探る。
彼女の指が彼の髪を掴み、引き寄せたり押し返したりする矛盾した動きが、互いの欲をさらに煽る。
竜騎士の胸は高鳴り、彼女の反応が彼の体を熱くさせる、彼女の甘い香り、湿った感触、震える体が、すべてが興奮させる。
再び女武闘家は絶頂した。体がのけぞり、腰が激しく震え、甘い叫びが部屋に響く。
「あっ……イく……もう、イっちゃう……!」
秘部からは愛液がとめどなく溢れたが、竜騎士が優しく舌で綺麗に舐めとる。
彼女の内腿を優しく撫で、残る蜜を丁寧に味わうように、ゆっくりと舌を這わせる。
彼女の体は痙攣を繰り返し、快楽の波が引かないまま、息も絶え絶えでぐったりしてしまった。
目が潤み、頰が赤く染まり、体が脱力してベッドに溶け込むように沈む。
「はあ……はあ……もう……限界……」
しかし、竜騎士のは女武闘家をしつこく愛撫した事により、硬くそそり立っていた。
彼の欲は頂点に達し、彼女の体を見下ろす目が熱く燃えていた。
彼女のぐったりした姿が、逆に彼の興奮を掻き立て、ゆっくりと体を重ねる。
女武闘家は息も絶え絶えでぐったりしてしまった。
絶頂の余韻が体を何度も震わせ、秘部からはまだ温かな蜜が滴り落ち、シーツをさらに湿らせる。
彼女の目は潤み、頰は火照って赤く、胸がゆっくり上下する姿が、竜騎士の欲をさらに掻き立てた。彼の視線が彼女の体を優しく、しかし貪るように這い、硬くそそり立った彼自身が、彼女の内腿に触れる。
熱く脈打つ感触が、彼女の肌に伝わり、彼女の体がビクッと反応した。
「……もう、限界なのに……」
彼女の声は弱々しく、息が混じり、抗議のようでいて、期待のニュアンスが隠せない。
竜騎士は彼女の腰を抱き上げ、優しく体を重ねた。
「君が……可愛すぎるから。もう我慢出来ないよ…」
彼の囁きが耳元で響き、彼女の体をさらに熱くする。
硬くなった先端が、彼女の秘部に優しく触れ、蜜でぬめった入り口をなぞるように滑る。
彼女の体が無意識に開き、受け入れを促すように腰がわずかに動いた。
ゆっくりと、彼は彼女の中へ挿入した。熱く湿った内壁が彼を優しく包み込み、彼女の体がビクビクと震える。
「あっ……んんっ……入って……きちゃう……!」
彼女の声が甘く漏れ、指先が彼の背中を掻きむしる。
絶頂の直後で敏感になった内側は、彼の動きに過敏に反応し、狭く締め付けるように収縮する。
竜騎士は彼女の反応を味わうように、ゆっくりと腰を進め、奥まで深く沈めた。
彼女の体がのけぞり、喉から甘い喘ぎが溢れ出す。
「はあっ……深くて……熱い……ダメ……また、イっちゃいそう……」
彼は彼女の体を抱きしめ、優しく腰を動かし始めた。
ゆっくりとしたピストンで、彼女の内壁を擦り、敏感なスポットを刺激する。
彼女の蜜がさらに溢れ、結合部からくちゅくちゅという湿った音が響く。
彼女の息が乱れ、指が彼の肩に食い込み、体が熱く火照る。
「あんっ……もっと……優しく……あっ、そこ……!」
彼女の声が甘く高くなり、腰が無意識に彼の動きに合わせて揺れる。
竜騎士の興奮も高まり、動きが少し速くなる。
彼女の内側が彼を強く締め付け、快楽の波が二人を同期させる。
彼女の体が再び震え始め、絶頂の予感が近づく。
「もう……イく……また、イっちゃうよ……!」
彼女の声が切なく響き、体がのけぞる。
竜騎士は彼女の唇を塞ぎ、深くキスをしながら、最後の突き上げを加えた。
彼女の体が激しく痙攣し、三度目の絶頂を迎える。
蜜が溢れ、彼女の内壁が彼を強く収縮させる中、竜騎士も限界を迎え、熱いものを彼女の中に放った。
彼女の絶頂の余韻がまだ体を震わせ、内壁が敏感に収縮を繰り返す中、竜騎士はまだ抜かない。
熱く脈打つ彼自身が、彼女の蜜でぬめった内側に深く埋まったまま、ゆっくりと動きを止めた。
女武闘家は、ぐったりとした体で息を荒げ、目を細めて彼を見上げた。
「え……?」とびっくりした声が漏れる。絶頂の波が引いたばかりで、彼女の体は過敏になり、わずかな動きでもビクッと反応する。
彼女の内壁が彼を優しく締め付け、甘い蜜が結合部から滴り落ち、シーツをさらに湿らせる。
騎士は彼女の体を抱きしめ、腰を密着させたまま、意地悪そうに微笑んだ。
「まだ僕は一回しか出してないから、まだいけるよ」
彼の声は低く、甘く響き、彼女の耳元で囁くように言った。
硬くそそり立った彼自身が、彼女の内側で微かに脈動し、存在を主張する。
彼女の体温と蜜の感触が、彼の興奮をさらに煽り、腰を軽く押しつけて彼女の反応を楽しむ。
彼女の敏感な部分が擦れ、甘い電流が彼女の体を走る。
女武闘家は頰を赤く染め、息を切らしながら抗議した。
「お、お願い……少しだけ休ませて……もう、限界……あっ……」
彼女の声は弱々しく、指先が彼の背中を優しく掻き、抵抗のつもりで体をよじったが、それが逆に彼を誘うような動きになる。
内壁が敏感に反応し、彼女の腰が無意識に浮き上がり、彼を深く受け入れてしまう。
蜜がさらに溢れ、ぬちゃぬちゃという湿った音が部屋に響く。
彼女の胸が上下し、乳首が硬く尖り、汗で光る肌が彼の視線を釘付けにする。
竜騎士は彼女の唇に軽くキスを落とし、優しく、しかし意地悪く囁いた。
「……君の体、まだ欲しがってるみたいだよ」
そう言うと、再び腰を動かす。ゆっくりと引き抜き、奥深くまで押し込むピストンが始まる。
彼女の内壁が彼を強く締め付け、敏感になった部分が擦れるたび、彼女の体がビクビクと震える。
「あんっ……待って……あっ……そんな……深く……!」
彼女の声が甘く高くなり、指が彼の肩に食い込み、体がのけぞる。
快楽の波が再び押し寄せ、彼女の蜜が彼をさらに滑らかに導く。
竜騎士の動きが徐々に速くなり、彼女の体を優しく、しかし容赦なく追い詰める。
彼女の息が乱れ、腰が無意識に彼の動きに合わせて揺れ、内側が熱く火照る。
「んっ……あぁ……もう……イく……また、イっちゃう……!」
彼女の声が切なく響き、体が震え始める。
竜騎士は彼女の腰を抱き上げ、深く突き上げながら、彼女の胸に唇を這わせ、乳首を優しく吸う。
彼女の体は限界を超え、再び絶頂の波に飲み込まれる。
「あっ……イく…お願い……一緒に……!」
彼女の内壁が激しく収縮し、蜜が溢れ出す中、竜騎士も熱いものを再び彼女の中に放つ。
二人は体を密着させたまま、余韻に浸り、甘い吐息が重なり合う。
彼女は息も絶え絶えで、ぐったりとベッドに沈んだが、竜騎士は優しく彼女を抱きしめ、髪を撫でた。
「愛してる……」
彼女は弱々しく微笑み、彼を抱き返した。
「私も……ずっと……」
夜の静けさが、二人の愛を優しく包んだ。
そして夜も更けて、深夜も二人はまだ愛し合っていた。
部屋の灯りは弱く、ベッドのシーツは二人の汗と蜜でぐっしょりと濡れ、甘い香りが濃く立ち込めていた。
女武闘家は竜騎士の体を優しく抱きしめ、息を弾ませながら囁いた。
「凄いね、まだ頑張れそう? 」
彼女の声は甘く絡みつき、指先が彼の背中を優しくなぞる。
体は火照り、肌が互いに滑るように密着し、彼女の若さと武闘家として鍛えられたスタミナが、徐々に優位に立っていた。
竜騎士は最初こそ優位にしていた、何度も彼女の中に精を吐き出して、熱い奔流が彼女の内壁を満たし、溢れ出すのを繰り返した。
彼女の蜜と混じり合い、湿った音が部屋に響くたび、彼の興奮は高まった。
だが、体力の消耗が激しく、息が荒くなり、体が重く感じ始める。
それでも、彼女の締め付けと甘い囁きが性欲を刺激し、疲れた体を無理に動かさせる。
「君の……中が、熱くて……締め付けてくる……もう、限界なのに……止まらないよ……」
彼の声は低く、喘ぎ混じりで、彼女の耳元で響く。
女武闘家はあっ、また大きくなったね、と喜んでいた。彼女の体は若く、武闘家としての鍛錬で耐久力が優れ、絶頂を繰り返してもすぐに回復し、彼をさらに誘うように腰をくねらせる。
彼女の内側は蜜で満ち、敏感になった壁が彼の動きに合わせて痙攣し、甘い摩擦を生む。
「あんっ……あなたのが……また、硬くなって……奥まで……届いてる……ふふ、嬉しいわ……もっと、来て……」
彼女の声は甘く、指が彼の尻を掴み、引き寄せるように動く。
彼女の胸が上下し、硬くなった乳首が彼の肌に擦れ、互いの汗が滑りを良くして、体がさらに密着する。
彼女の腰が彼の動きに合わせてグラインドし、奥深くまで彼を受け入れ、蜜が溢れ出してシーツをさらに濡らす。
竜騎士の体は既に限界に近く、息が乱れ、汗が滴り落ちるが、彼女の甘い反応が彼を駆り立てる。
「君の……声が……可愛くて……締め付けが……強くて……あぁ……また、出そう……!」
彼の腰が速く動き、彼女の内側を激しく抉る。
彼女の体が震え、再び絶頂を迎え、彼を強く締め付ける。
「あっ……イく……あなたも……一緒に……!」
彼女の叫びが響き、竜騎士は彼女の中に再び熱いものを放つ。
体が密着したまま、二人は余韻に浸り、息を合わせるように喘ぐ。
彼女は体を震わせ、甘い吐息を漏らしながら、彼を抱きしめた。
「凄い……でも…お互いに…限界みたいね…」
竜騎士は彼女の胸に顔を埋めながら、「いくら何でも…激し過ぎるよ…」
二人はそのまま眠りに付いた…。
翌日の朝、二人はギルドに向かった。
辺境の街の空は晴れ渡り、雪解けの水滴が屋根から滴り落ちる中、竜騎士は少しフラフラしながら歩いていた。
「ちょっと……スタミナポーションを買いに……体力が……」
彼の声は弱々しく、昨晩の激しい夜の余韻が体に残っていた。
逆に女武闘家は元気そうに手を繋ぎながら、ご機嫌そうに隣を歩く。
「ふふ、昨晩は楽しかったわね。私は毎日でも歓迎よ!」
彼女の頰は少し赤く、昨夜の記憶がよみがえるように笑みを浮かべていた。
ギルドは朝から賑わっており、冒険者たちが依頼の掲示板を眺めたり、受付で話をしたりと活気にあふれていた。
竜騎士は受付嬢からスタミナポーションを買い、その場で飲み干した。液体が喉を通り、体に力が少しずつ戻ってくる。
「ふーっ、少しは回復したかな?」
彼は息を吐き、肩を回して体をほぐした。
女武闘家は笑いながら、彼の背中を軽く叩いた。
「無理しないでね。昨晩の分、今日はゆっくりしようね」
ふと、女武闘家はコルクボードに貼ってある依頼書を見て見た。
彼女の目が一枚の紙に止まり、興味深げに首を傾げた。
竜騎士はどうしたの? 何か気になる依頼でもあるの? と尋ねると、彼女は依頼書を指さした。
「これ……ケーキ屋での店番よ。このギルドには似つかわしくないわよね」
二人が眺めていると、受付嬢がやって来て、説明を始めた。
「ケーキ屋の主人が急用で出かけなきゃいけないらしくて依頼して来たのよ。急ぎらしくて、あっちこっちに依頼してるみたい。依頼自体は出来るけど、引き受ける人いないって言ったんだけど、ダメ元でいいから頼むと言われて……」
彼女の声は少し困ったように、肩をすくめた。
女武闘家が目を輝かせて言った。「ケーキ屋さんか、なんか私も可愛い制服着てケーキ屋さんやってみたいな。美味しいケーキに囲まれて、お客さんにケーキ渡すの、楽しそう」
竜騎士は笑い、依頼書を手に取った。
「店番だけだし、やってみたら? ついでに美味しいケーキあったら帰りに買おうよ」
女武闘家はうんって答え、目を細めて頷いた。
竜騎士は依頼書を手にすると、受付まで向かう。しかし、昨晩の疲労でフラつき、他の冒険者とぶつかった。
ドン! と音が響き、依頼書が地面に落ちる。
よく見ると、ゴブリンスレイヤーだった。彼は兜を少し直し、無言で立ち上がった。
女武闘家が大丈夫? と心配そうに来ると、「あら? ゴブリンスレイヤーさん? 一人なの? 」と聞いた。
ゴブリンスレイヤーは「ああ、他の奴等は休みだ…」と答えた。
竜騎士はそう言えば女神官達は休むと言っていたのを思い出した。
あの激戦の後、皆が疲労を癒すために休養を取っているのだろう。
竜騎士はぶつかった時に落とした依頼書を拾い上げ、埃を払って受付に行き、依頼を受けた。
まさか、この時、依頼書が入れ替わっていた事を知る由もなかった。
ゴブリンスレイヤーは、ぶつかった時に落ちた依頼書を拾い上げ、無言で埃を払った。
兜の下で一瞬、紙面を覗き見たが、すぐに受付嬢の方へ向かった。
彼はカウンターに依頼書を差し出した。
受付嬢はビックリした表情で依頼書を受け取り、内容を二度見した。
「本当にこの依頼でいいんですよね?」
彼女の声は少し上ずり、目を丸くしてゴブリンスレイヤーを見つめる。
ゴブリンスレイヤーは兜の下で無表情のまま、短く答えた。
「ああ、頼む」
一言だけ、淡々と。剣を腰に下げた姿は、いつものように無駄がなく、受付嬢はため息をつきながら依頼を登録した。
「わかりました……」
ゴブリンスレイヤーはギルドのドアへ向かった。
竜騎士と女武闘家が後ろから見送った。
ゴブリンスレイヤーは外に出ると、ケーキ屋の店主が依頼人だな……とだけ呟き、街へ消えていった。
そして、辺境の街のケーキ屋に着いて扉を開けると、甘い香りが外まで漂っていた。
店内は色とりどりのケーキが並び、クリームの白とフルーツの赤が目を引く。
ケーキ屋の店主が出てきて、目を輝かせてゴブリンスレイヤーを迎えた。
「まさか、冒険者ギルドから来てくれるとは! 念の為、頼んだ甲斐があったよ。いやあ、助かるわ!」
店主は中年男性で、額に汗を浮かべ、興奮気味に手を差し出す。
ゴブリンスレイヤーは無表情のまま、店内を見回した。
「で、ゴブリンは何処にいる?」
彼の声は低く、剣の柄に手をかける癖が出て、店主を一瞬固まらせる。
甘い香りの中で、兜の男がゴブリンを探す姿は、異様だった。
店主は慌てて手を振った。
「ゴブリン? 何を言っているのか分からないけど、店番頼んだよ! 制服はそこにあるから、俺は急いでいるから、あとは頼んだ!」
彼は棚からエプロンと帽子を押しつけ、説明もそこそこにコートを羽織って店を出て行ってしまった。
ドアのベルがチリンと鳴り、静けさが残る。
ゴブリンスレイヤーは兜の下で沈黙し、エプロンを鎧の上に付け、帽子を兜の上に無理やり乗せた。
異様な姿でカウンターに立ち、甘い香りに囲まれながら、店番を始めた。
「アイツの依頼と取り違えたか…いや、一緒にいる、女の方か…」
ゴブリンスレイヤーは、カウンターの後ろで甘い香りに囲まれながら、ふと昔の記憶を思い出した。兜の下で、視線が遠くをさまよう。
あれは幼い頃、村の外れの草原で、牛飼娘とおままごとでお店屋さんごっこをした時のことだった。
あの時は、男の自分がおままごとなど恥ずかしかった。
友達にからかわれるのでは無いかと、心の中でそわそわしていた。
葉っぱをケーキに見立て、木の枝で作った棚に並べて
「お店屋さんだよ!」と声を上げたが、内心では顔を赤らめていた。
牛飼娘は無邪気に笑いながら、地面に座って「これ、買う!」と適当な葉っぱを掴むだけ。少年は嫌々やっていた記憶が鮮やかによみがえる、途中で姉がやって来て、「何のお店なの?」 って優しく聞いて来た。
姉の穏やかな笑顔が、少年の緊張を少し解した。
幼き少年は「ケーキ屋さんだよ……」と顔を背けながら言った。恥ずかしくて姉の顔を見られなかった。
姉はくすくす笑い、「じゃあ、お姉ちゃんがケーキ作ってあげるから、二人とも後で家に来てね」と優しく声をかけて去っていった。
あの時の姉の言葉が、少年の心に温かな甘さを残した。
牛飼娘には「村にはケーキ屋なんて無いから分からないよっ!」 と文句を言っている自分が、なんだか滑稽に思えた。
ゴブリンスレイヤーはあの時の記憶を思い出して、似たような物だろうと呟いた。
兜の下で、わずかに肩を緩め、カウンターに並ぶ本物のケーキを眺めた。
甘い香りが鼻をくすぐり、幼い日の遊びが今、ここで現実になったような気がした。
ケーキ屋の外では、魔女が槍使いに対して、「甘いの…食べたい…な… 」とケーキをねだる。
彼女の声は甘えた響きを帯びていた。
魔女の黒のローブが風に揺れ、長い帽子が傾く中、彼女の目はケーキ屋の看板をじっと見つめている。
街の喧騒が遠くに聞こえ、甘い香りがかすかに漂う通りで、彼女の小さな願いが槍使いの心をくすぐった。
槍使いは苦笑し、肩をすくめた。
「そうだな、ケーキでも一緒に食べるか」
彼は槍を背負い直し、ケーキ屋の扉に手をかけた。
チリンと小さなベルが鳴り、店内の甘い香りが外に漏れ出す。
魔女の目が輝き、彼女は槍使いの腕に軽く寄りかかった。
「甘い……ケーキ……楽しみ……ね。」
入ると、鎧にエプロン姿、角の折れた兜に無理矢理帽子を乗せた異様な男が、無愛想に「いらっしゃいませ」と言う。
カウンターの後ろに立つその男は、兜の隙間から冷たい視線を投げかけ、ケーキの棚を背に立っていた。
エプロンの紐が鎧に不自然に絡まり、帽子が兜の上にずり落ちそうで、店内の可愛らしいケーキたちと全く調和しない。
甘いクリームの香りが漂う中、その姿はまるで異界から迷い込んだ戦士のようだった。
槍使いは一瞬固まり、そっと扉を閉じた。
ベルの音が再びチリンと鳴り、店内の異様な空気を外に閉じ込める。
魔女が首を傾げ、不思議そうに彼を見上げた。
「あれ? ケーキ……は?」
槍使いは額に汗を浮かべ、慌てて笑みを浮かべて答えた。
「あ、あぁ…休みらしい。別のケーキ屋探そう……」
彼の声は少し上ずり、魔女の手を引いて早足でその場を離れた。
魔女は少し残念そうに後ろを振り返ったが、槍使いの腕に寄りかかりながら歩き出す。
「ここの…ケーキ…美味しい…のに、残念…ね」
街の通りを歩く二人の背中が、徐々に遠ざかっていった。
女神官は笑顔でケーキ屋に向かって行った。
辺境の街の朝は清々しく、雪解けの道が少しぬかるんでいたが、彼女の足取りは軽やかだった。
ギルドで多めの報酬を得て、休みの日に大量の甘いものを買って優雅に過ごそうと考えていた。
杖を優しく握りしめ、街の賑わいを眺めながら歩いていると、途中で牛飼い娘に出会った。
彼女は荷車を引いて配達途中だったようで、ミルク缶がカタカタと音を立てて揺れていた。
女神官は「おはようございます!」と笑顔で挨拶した。
朝陽が彼女の金髪を優しく照らし、穏やかな雰囲気をさらに明るくする。
牛飼娘も、「おはよう〜」と挨拶をする。
彼女の頰は少し赤く、荷車の重さに息を弾ませていたが、女神官の笑顔を見て元気を取り戻したように微笑んだ。
女神官は「配達ですか?」と聞くと、牛飼娘は「あとは、近くのケーキ屋さんに納品して終わりなんだ」と言った。
彼女の荷車には新鮮な牛乳が載せられて、ミルク缶が朝の陽光に輝いていた。
女神官も「私もちょうどケーキ買いに行くところなんです! お手伝いしますよ」と言うと、後ろから荷車を押してあげた。
彼女の小さな手が荷車の柄を握り、牛飼娘の負担を軽くする。
「一緒にいきましょう。重そうですね」
女神官の声は優しく、牛飼娘は少し照れくさそうに頷いた。
「そんな大丈夫だよ…でも、ありがとうね!」
二人は雑談しながらケーキ屋に向かう。
ケーキ屋の看板が見えてくると、二人は荷車を停め、牛飼娘がミルク缶を下ろすのを女神官が手伝った。
甘い香りが外まで漂い、女神官は「今日は自分にご褒美なので、いっぱい買って食へます!」と嬉しそうに話す。
牛飼娘は「ここのケーキ美味しいよ!私も何か買って帰ろうかな?」
二人がケーキ屋に入ると、甘い香りが店内に満ち、色とりどりのケーキがショーケースに並んでいた。
カウンターの後ろに立つのは、鎧の上にエプロンを無理やり羽織り、角の折れた兜の上に白い帽子を乗せた異様な姿の男だった。
彼は無表情のまま、無愛想に「いらっしゃいませ……」と低く言った。
兜の隙間から漏れる視線が、二人を捉える。
女神官はびっくりして、目を丸くした。
「ゴ、ゴブリンスレイヤーさん?! どうしてここに……それに、その格好……!」
彼女の声は驚きに満ち、杖を握る手が少し震えた。
甘いクリームの香りと、彼の異様な姿が全く合わず、店内の雰囲気が一瞬、凍りついたようだった。
牛飼娘もびっくりした顔で近づいた。
「キミ、流石にその格好は無いよ……。その姿でケーキ売るなんて、お客さん逃げちゃうわよ!」
ゴブリンスレイヤーは兜を少し傾げ、無表情のまま答えた。
「そうか?」
彼の声は淡々と、剣を腰に下げたままカウンターに立っていた。
エプロンの紐が鎧に絡まり、帽子がずり落ちそうで、酷い姿であった。
女神官も頷き、慌てて前に出た。
「そうですよ! ケーキ屋さんにゴブリンは出ませんから……! 兜と鎧、脱ぎましょうよ。みんなびっくりしちゃうんですから」
彼女の声は優しく、牛飼娘と目を合わせ、二人でゴブリンスレイヤーを説得するように手を引いた。
「ほら、奥の部屋で着替えましょう!」
そう言うと、二人はゴブリンスレイヤーを奥の部屋に連れて行き、兜と鎧を脱がせて、エプロンと帽子を普通に被せた。
兜の下から現れたのは、整った顔立ちの青年で、無表情ながらもどこか穏やかだった。
エプロンが服にフィットし、帽子が頭にぴったり収まると、カウンターの店員らしい姿になった。
牛飼娘は手を叩き、目を輝かせて言った。
「キミは、この方が似合うよ! ほら、普通の店員さんみたいよ」
彼女はくすくす笑いながら、エプロンの紐を直してあげた。
女神官も頷き、笑顔で同意した。
「そうですよ! これならお客さんも安心して来てくれます。ゴブリンスレイヤーさん、きっと上手くやれますよ」
彼女達は仕方ないなと言う表情をして、「私達も手伝いますから!」と言うと、二人はゴブリンスレイヤーを囲み、店番のコツを教え始めた。
ゴブリンスレイヤーは無言で頷き、素顔でケーキを眺めた。
一方で竜騎士と女武闘家の二人は廃墟の前で呆然としていた。
辺境の街の郊外、雪の残る荒野に佇む古い石の遺跡のような建物から、甘い香りどころか、ゴブリンの悪臭が漂ってくる。
緑色の小鬼たちの汚れと血の臭いが混じり、遠くから低い唸り声が聞こえてきた。
女武闘家は拳を軽く握りしめた。
「これは……間違いなくゴブリンの巣窟ね。ケーキ屋さんじゃなくて、退治の依頼だわ」
竜騎士はため息をつき、ゲイボルグ・アルテマを構えた。
「あの時……ギルドで彼とぶつかった時に、依頼書を取り違えたんだ……。彼の方がケーキ屋だな…」
女武闘家は竜騎士の肩を軽く叩き、笑みを浮かべた。
「まあ、仕方ないわよ。でも、ゴブリンは放っておけないし、行こう!」
竜騎士は彼女の決意に頷き、槍の柄を握りしめた。
「そうだね。間違えたけど、ゴブリン退治行くか!」
女武闘家も「うん! 頑張ろう」と言った。
二人は互いの視線を交わし、廃墟の入り口へ向かった。
暗い洞窟のような内部から、ゴブリンの影が蠢き、低い笑い声が漏れる。
女武闘家はスファライ・アルテマを構え、青白い光を放ち、竜騎士はジャンプで先陣を切って突入した。
槍の刃が最初のゴブリンを貫き、戦いの幕が開く。
廃墟の奥へ進むと、ゴブリンの群れが待ち構えていた。
緑色の小鬼たちが粗末な武器を振りかざし、女性たちの泣き声が遠くから聞こえる。
女武闘家は拳を閃かせ、ゴブリンを吹き飛ばす。
「まずは女性達を助け出しましょう!」
竜騎士は槍を回転させ、群れを薙ぎ払う。
「ああ…一気にいくよ!!」
二人の連携が廃墟の闇を切り裂いて行く。
ゴブリンスレイヤーの方は、若い女性二人が店へ入って来た。
二人がケーキ屋に入ると、甘い香りが店内に満ち、色とりどりのケーキがショーケースに並んでいた。カウンターの後ろに立つその男は髪が少し乱れ、無表情ながらもカウンターに立つ姿は、街の青年店員のように自然に溶け込んでいた。
エプロンの紐を直し、帽子を少し調整すると、棚のケーキを無言で整え始めた。
牛飼娘と女神官が、品出しなどを手伝う。
牛飼娘はケーキを棚に並べながら、女神官はケーキのラベルを直したり、ショーケースを拭いたりした。
二人は楽しげに動き回り、店内が少し賑やかになった。
街の娘らしき二人は、店内を見回した。
ゴブリンスレイヤーの姿を見ると、一人が目を輝かせて囁いた。
「今日の店番の人、かっこいい! 初めて見る顔だけど、素敵なお兄さんね……」もう一人がくすくす笑い、「本当、いつものおじさんとは違って、かっこいいね!」
牛飼娘はゴブリンスレイヤーに気づき、そっと耳元で囁いた。
「キミ、笑顔で挨拶だよ! お客さん来てるんだから、にこっとして!」
ゴブリンスレイヤーは一瞬固まったが、素顔で優しい笑みを浮かべて、いらっしゃいませと言った。
いつもより柔らかい声で、兜のない顔が自然に微笑む。女性客たちは目を丸くし、一人が頰を赤らめて言った。
「素敵なお兄さん! ケーキいっぱい買っちゃおうかな。このクリームのやつと、フルーツのやつ、どれおすすめ?」
もう一人が笑いながら頷いた。「本当、今日はラッキーね! 素敵なお兄さん、新人さん?」二人は興奮気味に注文を始め、店内が一気に賑やかになった。
ゴブリンスレイヤーはぎこちなくケーキを箱に詰め、二人は満足げに店を出て行った。
女神官もホッと胸を撫で下ろした。
「よかった……お客さん、喜んでたわね。ゴブリンスレイヤーさん、笑顔似合いますよ!」
牛飼娘は手を叩き、「本当! 兜ない方が、絶対人気出るよ!」ゴブリンスレイヤーは無言でケーキを棚に戻したが、兜のない顔に、わずかな満足の色が浮かんでいた。
店内の甘い香りが、三人を優しく包む。
竜騎士と女武闘家は、廃墟の奥深くでゴブリンの群れを殲滅した。
青白い光の槍が最後のゴブリンチャンピオンを貫き、女武闘家の拳がホブゴブリンの巨体を砕く。
血が飛び散り、廃墟の壁を汚す中、二人だけが静かに立っていた。
女性たちの泣き声が遠くから聞こえ、助け出した彼女たちを村へ送る手配を済ませた後、女武闘家は不思議そうに眉を寄せた。
「しかし…ゴブリンってこんなに弱かったかしら……。ホブゴブリンやチャンピオンもいたけど、なんだかあっさり倒せちゃったわね」
彼女の拳から青白い光がゆっくりと消え、息を整えながら廃墟の闇を見回した。
竜騎士はゲイボルグ・アルテマを肩に担ぎ、優しく笑った。
「それは君が単純に強くなったからだよ。色々な戦いを経て成長している証拠さ」
彼の声は穏やかで、彼女の肩を軽く叩いた。
廃墟の外から陽光が差し込み、二人の影を長く伸ばす。
女武闘家は頷き、拳を軽く握りしめた。
「うん!……なんだか嬉しいわ。強くなったって、実感できるの」
二人は互いに視線を交わし、廃墟を後にした。
ケーキ屋の店主が、夕暮れ時に息を切らして戻ってきた。
ドアのベルがチリンと鳴り、店内を見回すなり、目を輝かせてカウンターのゴブリンスレイヤーに駆け寄った。
「本当に助かったよ! しかも、こんなにケーキが売れるなんて! 棚がほとんど空っぽじゃないか!」
ゴブリンスレイヤーは素顔でカウンターに立ち、無言で会計の帳簿を閉じた。
店主は興奮気味に帳簿を覗き込み、笑顔を広げた。
「売上、普段の倍以上だよ! 」
実はカッコいい店員がいるとの噂が広がり、若い女性の客が多く来店したのだった。
その時、奥から牛飼娘と女神官が出てきた。
彼女たちは品出しや客の対応を手伝い、店内を活気づけていた。
店主は二人を見て、目を丸くした。
「そこの二人も手伝ってくれたのかい? ありがとう、君たちのおかげで大繁盛だよ。お礼に、好きなケーキ持っていっていいから。いや、本当にありがとうな!」
牛飼娘は頰を赤らめ、笑顔で頭を下げた。
「いえいえ! 楽しかったですよ。牛乳の納品ついでに、つい手伝っちゃいました」
女神官も杖を優しく握りしめ、穏やかに言った。
「お役に立ててよかったです」
店主はさらに大きな声で笑い、三人に箱いっぱいのケーキを押しつけた。
「また来てくれよな!」
ゴブリンスレイヤーはエプロンを外し、素顔で静かに店主に頷いた。
「……依頼は、果たした」
店主は彼の肩を叩き、「報酬はギルドで受け取ってくれ、また何かあったら頼むよ!」と見送った。
三人はケーキの箱を抱え、甘い香りに包まれながら店を出た。
ゴブリンスレイヤーは荷車を引きながら、牛飼娘と会話しながら、牧場に向かっていった。
辺境の街の外れ、雪解けの道は少しぬかるんでいて、荷車の車輪が時折泥に沈む音が響く。
牛飼娘は荷車の横を歩き、時折ゴブリンスレイヤーをチラチラと見ながら、笑顔を浮かべていた。
街の喧騒が遠ざかり、牧場の緑が広がる中、二人の会話は穏やかに続いた。
ゴブリンスレイヤーは、荷車の柄を握りしめ、低く尋ねた。
「いいのか? ケーキ」
彼の声はいつも通り淡々と話す。
少し前に、お礼のケーキは女神官に全部渡した。
彼女は受け取れないと言ったが、休みなのに仕事させちゃったからと牛飼娘は言った。
ゴブリンスレイヤーも自分の分のケーキを女神官に渡した。
あの時の女神官の嬉しそうな顔を思い出し、彼は少し兜の中の顔がフッと笑う。
牛飼娘はゴブリンスレイヤーの横から「うん、彼女、喜んでたよ」彼女の声は明るく、ゴブリンスレイヤーは無言で頷き、荷車を引く手に少し力を入れた。
「キミこそケーキ良かったの?」 と牛飼娘は聞く。
彼女の目は好奇心に満ち、幼い頃の遊びを思い出すように優しかった。
「ケーキ、せっかくだし食べたかったんじゃない? 甘いもの、嫌いだったりするの?」
ゴブリンスレイヤーは、「甘いものは……別に」
彼の言葉は短く、しかしあの幼い日の記憶が、ふと胸に浮かんだ。
牛飼娘はくすくす笑い、荷車の横を歩きながら言った。
「じゃあ、私が帰ったらケーキ焼いてあげるね」
彼女の声は懐かしげで、牧場の柵が見えてくる中、二人の間に優しい空気が流れた。
ゴブリンスレイヤーは無言で頷き、荷車を引く手が少し緩んだ。
牛飼娘は、キミのお姉さんに教わった、あのケーキだよ…と心の中で呟いた。