すみれ通り商店街の起死回生を懸けた「すみれ印の唐揚げロール」の試作が続く『食事処ゆきひら』。
放課後、厨房の熱気と香ばしい香りが漂う店内には、真由美とともに彼女の親友である小金井アキの姿があった。
元気でサバサバとした明るい性格のアキは、真由美がずっと創真に片思いしていたことを誰よりも近くで応援してきた一番の理解者だ。
「へえぇ〜! これが創真くんと真由美で作った唐揚げロールか! すっごく美味しそうな匂い!」
アキはカウンター越しに、揚げたての唐揚げと色鮮やかな具材を手際よく生地へ包んでいく創真の手元を興味津々で覗き込んでいた。
「おう、アキ! 真由美のアイデアのおかげで最高の形になったんだぜ。真由美の親友のお前にも、ぜひ一足先に試食してみてほしいんだ」
創真は白いバンダナをきゅっと解き、胸を張ってニッと不敵で眩しい笑みを浮かべた。その迷いのない真っ直ぐな瞳と男らしい佇まいに、アキの胸が不意にトクンと小さく跳ねた。
(……あやしいとは思ってたけどさ。創真くんって……近くで見ると、すっごくかっこいいじゃん……)
昔から真由美の恋路を応援していたからこそ、あえて創真を一人の男性として意識しないように境界線を引いていたアキ。しかし、商店街のために真剣に汗を流し、仲間を大切にする創真の真っ直ぐな横顔に、胸の奥がじんわりと熱くなるのを感じていた。
創真は包みたての熱々でジュワッと湯気が立ち上る一品を、アキの目の前へ堂々と突き出した。
「おあがりよッッッ!」
威勢の良い決め台詞とともに提出された唐揚げロール。アキは少し照れくささを隠しながらも、それを両手で受け取り、勢いよく頬張った。
「っ……!? ふあぁぁぁっ……! なにこれ、めっちゃ美味しい……っ!!」
一口食べた瞬間、アキの瞳が大きく見開かれた。
パリッと香ばしい衣の中からあふれ出す圧倒的な肉汁と旨味。それを包み込む生地のもちもちとした食感と、漬物のさわやかな酸味が絶妙に絡み合い、噛むたびに幸福感が全身を駆け抜けていく。
そして何より、この一皿から伝わってくる創真の「食べた人を笑顔にしたい」という温かくも力強い情熱。
「凄すぎるよ創真くん……! こんなに美味しいもの作れるなんて……! 私、商店街の人間としても……一人の女の子としても……こんなの感動しちゃうよ……っ!」
溢れ出す旨味と熱気に包まれ、アキの頬がカッと朱に染まっていく。
創真の圧倒的な料理の才能と、誰にでも気さくで温かい人柄。これまで「真由美の好きな人」として見ていた創真のことが、自分にとっても抑えきれないほど魅力的な「一人の大好きな男性」として、はっきりと胸の中で花開いたのだ。
「私……ずっと真由美の応援をしてるつもりだったのに……。創真くんのこんな真っ直ぐな姿見せられたら……私だって……好きになっちゃうじゃん……っ!」
アキは潤んだ瞳で創真を見つめると、溢れ出る想いを抑えきれず、赤くなった顔を彼の胸元へ勢いよく押し当ててしがみついた。
「創真くん……私、もう自分に嘘つけないよ……っ! 私のことも……ちゃんと女の子として見て……っ!」
元気でサバサバしていたアキの思わぬ甘えと告白に、創真は一瞬驚きつつも、その体を優しく包み込むように力強く抱き寄せたのだった。
静まり返った『ゆきひら』の厨房。湯気の立ち込める熱気の中、アキは創真の胸元に顔をうずめたまま離れようとしなかった。赤くなった耳がピクピクと動き、長い睫毛が揺れている。
「……アキ? 急にどうしたんだよ」
創真が戸惑いながらも優しく問いかけると、アキはぐずるように首を横に振った。
「私……ずっと真由美のこと応援してたのに……。創真くんの作るものが美味しすぎて……創真くんがすごすぎて……もう自分に嘘つけなくなっちゃったの……っ」
声が細く震える。普段のサバサバした明るさが影を潜め、少女のように儚い感情が溢れ出す。
「真由美の気持ちも分かるよ……でも私だって……創真くんのことがこんなに好きになっちゃったんだから……っ!」
告白とも懺悔ともつかない言葉。創真は一瞬驚いたが、すぐに納得したように頷いた。
「そっか……アキも真由美と同じで俺のこと見てくれてたんだな」
創真の手がアキの短い髪を優しく撫でる。
「だったら……ちゃんと向き合わないとな」
「え……?」
顔を上げたアキの視界に映ったのは、いつもより深く優しい創真の眼差しだった。
湯気の立つ厨房で急に熱い視線を向けられたアキは、赤面しながら慌てて周りを見渡した。
「ちょっ……ここは流石にまずいんじゃないかな……っ! だってお客さんが来るかもだし……っ!」
「大丈夫だ。閉店時間は過ぎてるし……それに」
創真がそっとアキのしなやかな手首を取る。指先から伝わる彼の体温に、アキの心臓が激しく鐘を打った。
「俺はちゃんとアキのこと見たかったんだよ。友達じゃなくて……一人の女の子としてな」
「っ……!?」
男らしい手の感触にアキの身体がビクンと反応する。親友・真由美の好きな人だったはずの男が、今気に自分を"女"として求めている現実に脳裏が熱くなる。
「私なんかより真由美の方が……っ! 真由美のこと裏切るわけには……っ!」
「アキだって大切な人だ。真由美と違ってずっと後ろに隠れてたからな……本当の気持ちを聞けて嬉しいぞ」
創真の率直で温かい言葉が、アキの胸を強く突き動かしていく。葛藤に揺れていた心の壁がすっかり崩れ去り、アキは観念したように顔を赤く染めながら小さく頷いた。
「……創真くんがそんなに言うなら……っ。私……初めてだから……優しくしてね……?」
「任せろ」
油と出汁の香りが残る店内を抜け、二人は奥の静かな小部屋へ移動した。暗めの照明が薄く照らす空間で、創真はアキを畳の壁際へとそっと寄り掛からせる。
「アキの制服……脱がしてもいいか?」
「ん……っ! なんでいちいち聞くのさ……っ! いじわるだなぁ……っ」
口では文句を言いながらも、胸の鼓動は早まるばかりだ。創真の大きな手がアキのブレザーのボタンへ伸び、一つずつゆっくりと解いていく。衣類が肌を滑り落ちると、仕立ての良いスポーツブラを覗かせた、健康的でしなやかな素肌が露わになった。
「アキらしい爽やかな色だな」
「ひゃっ……! そんなこと言わないでよぉ……っ! 照れるじゃんか……っ!」
普段は見せないアキの可憐な反応に、創真は口元を緩めた。そっと差し伸ばされた指先が、アキの鎖骨から肩口のラインを優しくなぞる。
「アキの肌、すっごくスベスベしてて気持ちいいな」
「も、もう……っ、そんな風にじっくり見ないでよぉ……。私、運動ばっかりしてるから、真由美みたいに色白でも可愛くもないのに……っ」
「そんなことねえよ。アキの健康的なところも、すごく魅力的だぞ」
創真はそう言って優しく微笑むと、アキの滑らかな首筋へと顔を近づけ、柔らかい唇をそっと押し当てた。
ちゅ……
「んあッ……っ!」
首筋に触れた感触と温かい吐息に、アキの肩が跳ね上がる。創真はアキの顎に手を添えると、そのままゆっくりと耳たぶへと唇を滑らせ、甘噛みするように愛撫を深めていった。
れろ…… じゅぷ……っ
「あぁっ……創真くんの舌、熱いよぉ……っ! 耳の後ろとか……舐められたら……私……っ!」
「アキ、耳が弱いの知らなかったな。ほら、こんなに真っ赤だ」
「言うなよぉ……っ! 創真くんがいじめるからでしょ……っ!」
甘い喘ぎ声を漏らすアキの頭を優しく抱え込み、創真は首筋から鎖骨へと何度も唇と舌を滑らせていく。アキの身体は次第に熱を帯び、壁にしがみつく指先にぎゅっと力がこもる。
創真の手はアキのスポーツブラの縁へと滑り込み、包み込むようにして優しく胸を揉みほぐした。
さわさわ…… くちゅっ……
「あっ……んんっ……! 創真くんの手、おっきくて……温かい……っ」
「痛くないか?」
「痛くない……けど……胸がキュンキュンして……変な感じになっちゃうよぉ……っ」
アキの先端に創真の指先が触れ、優しく転がすように摘み上げると、プツリと小さな硬さを主張し始めた。
くりくりっ…… ぐりぐりぃっ……
「ひゃんっ! そこ……強めに引っ張られたらダメだってばぁ……っ! 頭が痺れちゃうよぉ……っ!」
「アキのここ、すごく敏感だな。真由美の知らないアキをいっぱい見れて嬉しいぜ」
「ずるいよぉ……っ! そんなこと言われたら、親友のこと思い出せなくなっちゃうじゃんかぁ……っ!」
罪悪感を塗りつぶすほどの甘い快感に、アキの瞳はとろりと潤んでいく。創真はアキのスカートのホックを外し、下着ごとゆっくりと足元へ滑り落とした。
露わになった恥丘から、甘く芳しい蜜の匂いが立ち上る。創真は躊躇なくその指先をアキの秘唇にあてがった。
すり…… こすこすぅっ……
「ああんっ! そこ……っ! 直接触られたら……身体が跳ねちゃうよぉ……っ!」
「アキ……こんなに溢れてるぞ。俺のこと、そんなに気持ちよく思ってくれてるんだな」
「当たり前でしょぉ……っ! 好きでもない男の人に、こんなところ見せたりしないんだからね……っ!」
創真の指先がぬめりのある蜜をすくい取りながら、秘部の裂け目を丁寧に撫でまわし、入口の奥へと少しずつ沈み込んでいく。
ぬるり…… くちゅくちゅっ!
「んあぁぁ……っ! 指が入ってくるぉ……っ! 創真くんの指が……私の中で蠢いてるよぉ……っ!」
「すごい締め付けだぞ、アキ……」
「だって……初めてなんだもんっ! 創真くんに教え込まれて……私、どうにかなっちゃいそうだよぉ……っ!」
手マンの刺激によって蜜の音が高らかに響き渡り、アキは快感の波に耐えるように創真の首元へと力いっぱい抱きついた。
「創真くん……私……もう我慢できないよぉ……っ。指だけじゃなくて……本当の創真くんで私を満たしてほしいの……っ!」
一途に願う瞳。創真も深く息を呑み、意を決して自身の剛直をあてがった。
「じゃあ……行くぞ」
創真の肉棒が、アキの未経験で狭い膣口へとあてがわれ、ゆっくりと体重をかけながら奥へと滑り込んでいく。
ぐぷぷ……っ
「あぁぁんっ! 来るぅ……っ! すごいよぉ……っ! 初めてなのに創真くんのが入ってきてるぅ……っ!」
予想以上の質量感と内側から押し広げられる圧迫感に息を詰まらせる。しかし創真は腰の動きを止め、彼女の引き締まった細い腰をしっかり抱きかかえた。
「痛くないか? 慣れるまでゆっくりするからな」
「だいじょうぶ……っ! 不思議と怖くないよぉ……っ。だって……創真くんだから全部信じられるんだもん……っ!」
自分を全面的に信頼してくれるアキの健気な言葉に、創真の熱も一層高まる。ゆっくりと腰を揺らし始めると、熱い肉体が互いに擦れ合った。
ぱん…… ぱん……
「ひゃぁんっ! 動いたら感じちゃうよぉ……っ! 真由美……ごめんね……っ。でも私はもう創真くんに夢中になっちゃってるんだよぉ……っ!」
「アキ……っ! 良いんだ。お前の正直な気持ちだけで十分だ……っ!」
創真は勢いを増し、力強いピストンでアキの奥深くを突き上げていく。
ぱんっぱんっ! どちゅどちゅっ!
「あっあっあっ……っ! こんなのずるいよぉ……っ! 元気な私じゃいられなくなっちゃうのにぃ……っ! もっと創真くんに愛してほしいって思っちゃうのぉ……っ!」
背徳感と至上の快感が混ざり合い、アキの体は素直に創真の熱に応えていく。創真は一番奥の敏感な部分を逃さず捉えた。
ぐりぐりぃっ! こりこりっ!
「ひぃぃんっ! 弱いところまた攻めてくるのずるいよぉ……っ! こんなんじゃ私……ずっと創真くんの奴隷になっちゃうじゃんかぁ……っ!」
「それでいい。お前は俺の大事な一部だからな」
「ずるいよぉ……っ! そんなこと言われたら……私もっと創真くん無しじゃ生きられなくなっちゃうもん……っ!」
最高潮に達した二人の熱量が爆発する。創真はアキの最奥へ限界まで肉棒を突き刺し、熱い精液を解き放った。
ぷしゅっ! びゅるるぅっ!!
「ああぁぁ……っ!!」
どぴゅるるぅっ!!
「ひゃうぅぅっ! 溢れちゃうよぉ……っ! 創真くんので満たされすぎておかしくなっちゃうのぉ……っ!」
アキの膣内へ溢れるほどの精液が注ぎ込まれ、二人は抱き合ったまま深い絶頂へと浸っていった。
「アキ……愛してるぜ」
「創真くん……っ! ありがとう……真由美には秘密だけど……私今本当に幸せだよぉ……っ」
しゅるるっ…… ぎゅむむっ
親友への想いと自らの恋心を抱えたまま、アキは汗ばんだ額を創真の胸元に預け、彼の手を強く握りしめていた。
静まり返った『ゆきひら』の奥の和室。
甘く濃厚な情熱の余韻が漂う中、アキは創真の膝の上にすっぽりと収まり、彼の首元へしがみついていた。
乱れたショートヘアとカッと赤くなった耳を覗かせながら、先ほどまでの活発な雰囲気とは打って変わって、恥ずかしそうに創真の胸元へ頬をすり寄せている。
「……うぅ、私ったら……真由美に申し訳ないって思ってたのに……こんなに創真くんに夢中になっちゃうなんて……っ」
アキは甘く潤んだ瞳で上目遣いに創真を見つめると、赤面しながらも彼にしがみつく腕をギュッと強めた。
「でもね……後悔なんて絶対にしない。創真くんの抱擁……すごく温かくて、私……本当に幸せだったんだから……っ」
「へへ、アキ。お前が俺の料理をそんなに喜んでくれて嬉しかったぜ。自分に素直になってくれてサンキュな」
創真がぽんぽんと優しくアキのしなやかな背中を撫で上げると、アキは「ん……っ」と甘い吐息を漏らし、創真の頬へそっと手を添えた。
「もう……創真くんがかっこよすぎるのが悪いんだからね……。これからは真由美と一緒に……私も創真くんのこと、めいっぱい愛させてね……っ」
親友想いな優しさと素直な愛らしさを交えながら甘えてくるアキの姿に、創真は胸を張り、力強い笑顔で手をとった。
「お粗末!」
その決め台詞とともに、アキはとびきり眩しい笑顔を浮かべ、創真の唇へとそっと甘く濃密なキスを落としたのだった。
(第21話 おわり)